保険業法 第36条(時効)
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前条の払戻しを請求する権利は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
この条文の基本情報
時効とは何ですか?
定義時効とは、保険業法第36条に定められた規定で、「前条の払戻しを請求する権利は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第36条(時効)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第36条の条文原文は「前条の払戻しを請求する権利は、これを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。」で始まります。
- 保険業法第36条は第三款 社員の権利義務に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第36条の前の条は保険業法第35条です。
- 保険業法第36条の次の条は保険業法第37条です。
- 保険業法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法36条は、同法35条の払戻請求権が行使できる時から三年で時効消滅すると定める。民法の原則五年より短く、起算点は払込日ではない。
Q · 保険会社に払い込んだお金の返金請求、いつまでにやればいいの?
行使できる時から三年。民法の五年より短い
保険業法36条により、同法35条の払戻請求権は「行使することができる時」から三年間行使しないと時効で消滅します。民法166条1項1号の原則(知った時から五年)より二年短い特別法の定めです。起算点は払込みをした日ではなく、設立不成立の確定や割当てをしない旨の通知など、法律上請求できるようになった時点です。期間が迫っていれば内容証明郵便による催告で六か月、書面による協議の合意で最長一年の完成猶予が得られます(民法150条・151条)。
解説
保険会社の設立が途中で頓挫した、あるいは株式の申込みをしたのに割当てを受けられなかった。そういうとき、あなたが払い込んだ金は当然戻ってくる。保険業法35条がその払戻請求権を用意している。だが36条が静かに付け加える条件を、多くの人は見落とす。「行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する」。返してもらえる権利があるのに、三年黙っていただけで、その権利は法律上存在しなくなる。相手が悪いことをしたわけでもない。あなたが忘れていた、あるいは「そのうち連絡が来るだろう」と待っていた、それだけで消える。しかもこの三年は、民法の原則である「権利を行使できることを知った時から五年」(民法166条1項1号)より短い。保険業法が特別法として、あえて短く設定している。設立関係の法律関係を早期に清算するためだ。カレンダーに印を付けるのはあなた自身の仕事である。
法的な位置づけ
保険業法36条は、同法35条が定める払戻請求権の消滅時効を規定する条文である。当該権利は行使することができる時から三年間行使されないときに時効によって消滅する。民法166条の一般原則に対する特別法上の短期消滅時効であり、保険会社設立に伴う法律関係を早期に確定させる趣旨に基づく。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起算点を書類から特定する 払込証書・受領書・会社からの通知書を集め、「払込みの日」ではなく「払戻しを請求できるようになった日」を確定する。設立不成立の確定日、割当てをしない旨の通知日などが候補になる
- 2.三年から逆算して残余期間を計算する 特定した起算点に三年を加算し、残り何か月あるかを算出する。残りが一年を切っている場合は、以降のステップを同時並行で進める
- 3.内容証明郵便で催告する 払戻しを請求する旨を内容証明郵便(配達証明付き)で送付する。到達により民法150条の催告となり、時効の完成が六か月猶予される。再度の催告では猶予は繰り返されない点に注意
- 4.書面で協議を行う旨の合意を交わす 相手方が協議に応じるなら、民法151条の「協議を行う旨の合意」を書面で取り交わす。最長一年(合意の更新により通算五年まで)の完成猶予が得られる。口頭の話し合いでは猶予されない
- 5.猶予期間内に訴訟提起または支払督促へ進む 相手が拒否または無視した場合、催告から六か月以内に訴訟を提起するか支払督促を申し立てる。裁判上の請求により時効の完成は猶予され、確定判決で更新される(民法147条)
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法36条の時効は何年ですか?
三年です。行使することができる時から三年間行使しないと、35条の払戻請求権は時効によって消滅します。民法166条の五年より二年短い特別法の規定です。
Q2払戻請求権の時効はいつから数えますか?
払込みをした日ではなく「行使することができる時」からです。設立不成立の確定日や割当てをしない旨の通知日など、法律上請求可能になった時点が起算点になります。
Q3消滅時効 三年 と 五年 の違いは何ですか?
民法166条1項は知った時から五年・権利行使可能時から十年ですが、保険業法36条は特別法として三年を定めます。特別法が一般法に優先します。
Q4時効が完成したら自動的に権利が消えますか?
自動では消えません。民法145条により相手方が時効を援用して初めて効力が生じます。ただし実務上、会社は援用するのが通常です。
Q5時効を止める方法はありますか?
内容証明郵便による催告で六か月(民法150条)、書面による協議の合意で最長一年(同151条)の完成猶予が得られます。訴訟提起なら時効は更新されます。
Q6相続した払戻請求権の時効はいつからですか?
被相続人が行使できた時からです。相続人が書類を発見した時ではありません。遺産整理中に残存期間を使い切ってしまう例があるため早期確認が必要です。
Q7保険業法35条とはどんな条文ですか?
保険会社の設立手続において、株式の割当てを受けられなかった場合などに払込金の払戻しを請求できる権利を定めた規定です。36条はその権利に時効を課します。
Q8時効期間が過ぎても請求して大丈夫ですか?
請求自体は可能です。相手が援用しなければ支払われますし、一部弁済や債務承認があれば時効の利益放棄と評価される余地もあります。まず接触する価値はあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1三年過ぎたら、もう一円も戻ってこないんですか?
自動的にゼロになるわけではない。時効は相手が援用して初めて効力を生じる(民法145条)ので、相手が援用しなければ請求は通る。だが実務上、会社は援用するのが通常である。実務のポイント:期間経過後でも、相手が「一部だけ払います」と支払ったり債務を承認したりすると、時効の利益を放棄したと評価され、残額も請求できる余地が出る。まず相手に接触して反応を見る価値はある
Q2なんで民法の五年じゃなくて三年なんですか、短くないですか?
保険業法が特別法として短期時効を置いているためで、会社設立に伴う法律関係を早期に確定させる趣旨である。設立の清算関係が何年も宙に浮くと、他の関係者の地位が不安定になる。実務のポイント:金融・会社法領域には民法より短い時効が点在しており、「民法だから五年」という前提で動くと足元をすくわれる。金融関係の請求権を扱うときは、根拠法に固有の時効規定がないか先に確認するのが実務の癖である
間違えやすい点 AI による整理
- 「時効が来ても、請求すれば相手は道義的に払ってくれるだろう」と考える人がいる。だが問題は道義ではなく手続だ。時効は自動的に権利を消すのではなく、相手が「時効を援用する」と言った瞬間に効力が生じる(民法145条)。会社側は株主や他の債権者に対する善管注意義務があるため、時効が完成した債務に任意で支払うと、かえって責任を問われかねない。払いたくても払えない構造がある
- 民法の債権時効は五年だと知っている人ほど危ない。その知識が正しいからこそ油断する。保険業法36条は特別法として三年を定めており、特別法は一般法に優先する。「五年あるはず」という正確な一般知識が、この条文の前では二年分の誤差を生む
- 「時効の起算点は払込みをした日だ」と考えるのが自然に思える。だが条文は「これを行使することができる時から」と書いている。払込みの時点ではまだ払戻請求権は発生していない。設立不成立が確定した時、割当てをしない旨が確定した時、そういう法律上請求可能になった時点が起算点である。この差が数か月から一年以上になることもあり、争点になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法36条:35条の払戻請求権の消滅時効 | 保険業法35条:払戻請求権そのものの発生根拠 民法166条:債権一般の消滅時効の原則 |
| 期間 | 行使することができる時から三年 | 期間の定めなし(権利の内容を定める規定) 知った時から五年/行使できる時から十年 |
| 起算点 | 客観的起算点のみ(行使することができる時) | 該当なし 主観的起算点と客観的起算点の二本立て |
| 適用の優劣 | 特別法として民法に優先する | 本条が時効をかける対象 本条に規定のない援用・猶予・更新は民法が補充適用 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も保険関係の請求権に二年の短期時効を置き、一般の十五年(民法125条)より大幅に短い。特別法で短縮するという立法技術は日本と同型
韓国は商法で保険金請求権等に三年の消滅時効を定める。期間の長さが日本の保険業法36条と一致する点が興味深い
ドイツの通常時効は三年だが、起算点は請求権発生かつ債権者が知り又は重過失で知らなかった年の末日からとされ、年末起算という点で日本と大きく異なる
フランスは保険契約に関する訴権を二年の短期時効(prescription biennale)とし、民法一般の五年よりさらに短い。保険分野を短期化する発想は共通
米国は連邦統一法がなく州法ごとに期間が異なる。discovery rule により起算点が遅れる場合があり、日本の客観的起算点とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保険会社の設立に発起人として関与し、募集した株式の払込金を預かっていた。設立が不成立に終わり、払込金を返還する立場になった。返還請求が三年来なければ、あなたの返還義務は時効消滅する。ただし時効を援用するかどうかは別問題で、援用しなければ効果は生じない(民法145条)
- もし、あなたが五年前に相互会社の基金拠出や株式申込みで払い込んだ金を、通帳の古い記録で偶然見つけたとしたら? 払戻しを受けた記憶がない。だが「行使できる時」から三年を過ぎていれば、請求しても相手に時効を援用されて終わる可能性が高い。まず起算点がいつだったかを特定する作業から始まる
- 設立手続の途中で会社側から「割当てをしないことになりました、払込金は追ってご返還します」という通知が届いた。この通知の日が起算点になりうる。あと三年、と思っていると危ない。実務では「返還します」という言葉を信じて待った結果、消滅時効の期間が過ぎた例がある
- 相続で親の書類を整理していたら、保険会社の株式申込証拠金の受領書が出てきた。親は既に亡くなっている。相続人であるあなたが請求できるが、起算点は親が請求できた時であって、あなたが発見した時ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起算点を特定する。払込日ではなく、設立不成立の確定日・割当てをしない旨の通知日など、法律上請求可能になった日を書類から探す2. 三年から逆算して残余期間を出す3. 残りが一年を切っていれば、まず内容証明郵便で払戻しを請求(催告、民法150条で六か月猶予) 4. 相手が協議に応じるなら「協議を行う旨の合意」を書面で交わす(民法151条、最長一年猶予) 5. 相手が拒否または無視なら、猶予期間内に訴訟提起または支払督促へ
訴えられた側:1. 請求を受けたら、まず起算点と経過期間を確認する。三年経過していれば時効の援用が可能(民法145条、援用しなければ効果は生じない) 2. ただし過去に一部弁済や債務承認をしていないか確認。承認があれば時効は更新され(民法152条)、そこから三年が再スタートしている3. 援用する場合は書面で明確に意思表示し、記録を残す4. 会社として援用するか任意に支払うかは、他の債権者・株主への説明責任も踏まえて判断する
時効(請求できる期限):行使することができる時から三年(保険業法36条)。起算点は払込みの日ではなく、払戻請求権を法律上行使できるようになった時。催告で六か月、書面による協議合意で最長一年の完成猶予(民法150条、151条)。相手方の債務承認があれば時効は更新され、そこから三年が再進行する(民法152条)
学説
通説:保険業法36条は民法166条の特則であり、特別法優先の原則により三年の短期消滅時効が適用される。援用(民法145条)、完成猶予(同150条・151条)、更新(同152条)といった時効の一般制度は、本条に特段の定めがない限り補充的に適用される
起算点に関する実務的理解:「これを行使することができる時」とは客観的に権利行使の法律上の障害がなくなった時を指し、払込みの時点ではなく、設立不成立の確定や割当てをしない旨の確定など、払戻請求権が現実に発生し行使可能となった時点と解される
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