保険業法 第40条(社員総会検査役選任請求権)
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- 相互会社又は社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、前条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者は、社員総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
- 2.会社法第三百六条第三項から第七項まで(株主総会の招集手続等に関する検査役の選任)及び第三百七条(裁判所による株主総会招集等の決定)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同法第三百六条第三項中「前二項」とあるのは「保険業法第四十条第一項」と、同条第四項及び第七項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同法第三百七条中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同条第一項第二号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 3.会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前二項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
社員総会検査役選任請求権とは何ですか?
定義社員総会検査役選任請求権とは、保険業法第40条に定められた規定で、「相互会社又は社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第40条(社員総会検査役選任請求権)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第40条の条文原文は「相互会社又は社員総数の千分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあ…」で始まります。
- 保険業法第40条は第一目 社員総会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第40条の前の条は保険業法第39条です。
- 保険業法第40条の次の条は保険業法第41条です。
- 保険業法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法40条は、相互会社の社員総数の千分の一以上または千名以上で六月前から社員である者が、総会に先立ち裁判所へ検査役の選任を申し立てられると定める。
Q · 生命保険の契約者でも、保険会社の総会にクレームをつける手段はあるの?
相互会社なら契約者は社員。総会前に検査役選任を申し立てられる
保険業法40条により、相互会社の社員は社員総会の招集手続や決議方法を調査させるため、総会に先立って裁判所へ検査役の選任を申し立てられます。要件は社員総数の千分の一以上または千名以上(定款でこれを下回る定めがあればその数)で、かつ六月前から引き続き社員であること。会社法306条3項以下および307条が準用され、裁判所は検査役の報告を受けて総会の招集や社員への通知を会社に命じることができます。総会終了後は使えず、事後は決議取消しの訴えに切り替わります。
解説
生命保険会社の契約者であるあなたは、実は「社員」かもしれない。相互会社形態の保険会社では、保険契約者がそのまま会社の構成員(社員)になる。株式会社の株主に相当する立場だ。そして本条は、その社員たちに一つの強力な道具を渡している。社員総会の招集手続や決議の方法が怪しいと感じたとき、裁判所に対して検査役の選任を申し立てられる、という道具だ。ポイントは二つ。第一に、これは総会の「前に」使う武器である。終わったあとで決議取消しを争うより、開かれる前に中立の第三者を送り込むほうが、圧倒的に効く。第二に、行使のハードルが具体的な数字で書かれている。社員総数の千分の一以上、または千名以上、かつ六月前から引き続き社員であること。この三つの条件を満たす者だけが引き金を引ける。契約者が数百万人いる大手相互会社で「千分の一」を集めるのは現実的でないが、「千名以上」という別ルートが並列で用意されている点が、この条文の設計上の急所である。
法的な位置づけ
保険業法40条は、相互会社の社員総会について検査役選任の申立権を定める規定である。社員総数の千分の一以上または千名以上で六月前から引き続き社員である者は、招集手続および決議方法の調査のため、当該総会に先立ち裁判所に検査役の選任を申し立てることができる。会社法306条・307条が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.加入先が相互会社かを確認する 保険証券および約款の冒頭にある正式名称を確認する。「○○生命保険相互会社」であれば相互会社形態であり、契約者は保険業法上の社員に当たる。株式会社形態であれば本条の適用対象外となる
- 2.招集通知から残日数を逆算する 社員総会の招集通知に記載された開催日を確認し、申立て可能な残日数を把握する。本条の申立ては当該総会に先立って行う必要があるため、開催日を過ぎた時点でこのルートは閉じる
- 3.申立要件の充足を名簿で裏付ける 社員総数と賛同者数を照合し、千分の一以上または千名以上のいずれかを満たすか検証する。あわせて各人が六月前から引き続き社員であることを加入日つきの名簿で裏付ける。特定相互会社の場合は政令の社員数を確認する
- 4.非訟事件として裁判所へ申し立てる 会社法に精通した弁護士に依頼し、本店所在地を管轄する地方裁判所へ検査役選任の申立てを行う。管轄は会社法868条1項の準用による。申立書には調査を求める招集手続・決議方法の具体的な疑義を記載する
- 5.検査役の報告と裁判所命令の帰結を確認する 検査役は調査結果を裁判所に報告する。裁判所は会社法307条の準用により、一定期間内の社員総会招集や調査結果の社員への通知を会社に命じることができる。命令の内容と履行状況を追跡する
よくある質問 AI による整理
Q1社員総会の検査役とは何ですか?
裁判所が選任する中立の調査人です。社員総会の招集手続や決議方法が適法かを調査し、裁判所へ報告します。保険業法40条1項が根拠で、会社法306条の株主総会検査役を相互会社に置き換えた制度です。
Q2検査役選任の申立ては誰ができますか?
相互会社自身、または社員総数の千分の一以上に相当する社員か千名以上の社員です。いずれも六月前から引き続き社員であることが必要で、特定相互会社は政令で別の社員数が定められています。
Q3検査役選任の申立てはいつまでにすればよいですか?
当該社員総会に先立って行う必要があります。総会が終わった後は本条を使えず、決議の瑕疵を争うには決議取消しの訴えへ切り替えることになります。招集通知が届いた時点から開催日までが射程です。
Q4相互会社の社員とはどういう立場ですか?
相互会社では保険契約者がそのまま社員となり、株式会社の株主に相当する地位を持ちます。社員総会で議決権を行使でき、保険業法上の少数社員権も行使できます。株式会社形態の保険会社には社員の概念がありません。
Q5検査役の報告後はどうなりますか?
会社法307条の準用により、裁判所は検査役の報告を踏まえ、一定期間内の社員総会招集や調査結果の社員への通知を会社に命じることができます。単なる調査報告で終わらず、裁判所命令という出口があります。
Q6検査役選任の申立てはどこの裁判所にしますか?
会社法868条1項の準用により非訟事件として扱われ、本店所在地を管轄する地方裁判所が管轄します。陳述の聴取(870条1項1号)や理由の付記(871条)の規定も準用されます。
Q7検査役選任の決定に不服申立てはできますか?
会社法872条4号の準用により即時抗告の余地がありますが、874条1号の準用による不服申立ての制限もかかります。どちらが適用されるかは決定の内容によるため、具体的な場面での確認が必要です。
Q8千分の一の要件は大きな会社では厳しくないですか?
本条は千分の一以上「または」千名以上の選択制です。社員数が膨大な大手相互会社ほど、絶対数である千名要件のほうが達成しやすくなります。定款でこれを下回る割合や数を定めることも可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分が入ってる生命保険が相互会社かどうか、どこを見れば分かりますか?
保険証券や約款の冒頭にある会社の正式名称を見れば分かる。「○○生命保険相互会社」であれば相互会社形態であり、あなたは保険業法上の社員に当たる(保険業法2条5項、21条)。実務のポイント:大手生保でも株式会社形態へ組織変更した会社が複数あり、加入した時期によって同じ会社名でも法的地位が違う場合がある。古い証券を持っている人ほど、現在の会社形態と加入当時の形態を両方確認する価値がある
Q2検査役を選んでもらったところで、結局は報告書が出るだけでは?
報告書で終わらない。裁判所は検査役の報告を踏まえ、一定期間内の社員総会招集や、調査結果の社員への通知を会社に命じることができる(会社法307条準用)。命令が出れば会社は従わざるを得ない。実務のポイント:実務では、検査役が選任された事実そのものが会社の行動を変える。監視下で手続を進めることになるため、議案の修正や説明資料の追加が自発的に行われることが少なくない
Q3千名も集めるのは無理そうです。他に手はないんですか?
要件は千分の一以上「または」千名以上の選択制であり、社員数が多い会社ほど絶対数の千名要件が現実的な選択肢になる(本条1項)。また特定相互会社では政令で別の社員数が定められている。実務のポイント:数を集める難所は署名ではなく継続性の立証にある。六月前から引き続き社員であることが要件なので、直前に加入した賛同者は頭数に入らない。名簿は加入日つきで管理しておく必要がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険に入っているだけで会社の構成員になるわけがない」と考えるのが自然だが、相互会社では保険契約者が社員そのものである。株式会社形態の保険会社に加入している人と、相互会社に加入している人とでは、持っている法的地位が根本的に違う。自分の保険証券の発行元がどちらの形態かを確認したことがない人が圧倒的多数であり、その確認をしていない限り、本条の権利があるかどうかすら判断できない
- 検査役の権限について、多くの人は「調査して報告するだけで終わり」と理解している。その理解は前半だけ正しい。深刻なのはその先で、裁判所は検査役の報告を受けて、一定期間内に社員総会を招集すること、または調査結果を社員に通知することを、会社に対して命じることができる(会社法307条準用)。単なる調査ではなく、裁判所命令という実効性のある出口につながっている
- 「少数社員権だから、大きな会社では事実上使えない」という前提そのものが、条文の読み違いを含んでいる。本条は千分の一「または」千名以上という選択的要件を置いており、社員数が膨大な大手ほど、絶対数である千名要件のほうが相対的に達成しやすくなる。分母が大きいことは、この条文では必ずしも不利に働かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行使のタイミング | 保険業法40条:社員総会に先立って申し立てる | 保険業法39条:総会開催そのものを請求する段階 保険業法38条:会社側が招集手続を行う段階 |
| 求める内容 | 招集手続および決議方法の調査(裁判所選任の検査役) | 議題を示した社員総会の招集 法定の招集手続の履践 |
| 要件 | 千分の一以上または千名以上 + 六月前から継続して社員 | 少数社員権としての保有要件(同条による) 要件なし(会社側の義務) |
| 実効性の出口 | 裁判所が総会招集・社員への通知を命令(会社法307条準用) | 請求に応じない場合の裁判所の許可による招集 手続違反は決議取消事由となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相互保険会社の類型を認めるが実例は限定的。少数株主による検査人選派(公司法245条)が機能的に近く、継続保有期間と持分割合の二重要件を課す点は日本と同型
韓国は株主総会の招集手続・決議方法の調査のため検査人を選任できると定め、日本の会社法306条とほぼ同型。相互会社は保険業法上の規律による
ドイツの相互保険社団は VAG が規律し、社員総会(Mitgliedervertretung)の運営は定款自治の幅が広い。少数株主権の原型は AktG にある
米国の相互保険会社は州法ごとに規律され、ポリシーホルダーの権利内容は州によって差が大きい。裁判所選任の検査役に直接相当する統一制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが加入している相互会社形態の生命保険会社で、経営陣が剰余金配当の大幅減額を総会に諮ろうとしている。招集通知が届いたのは開催の直前、議案の説明資料は薄く、委任状の書式は経営陣賛成に誘導する作りになっている。この時点でまだ総会は開かれていない。検査役選任の申立ては、まさにこの瞬間のためにある
- 契約者団体を組織している立場から見た場合はどうか。千名の署名を集めるより、六月前から継続して社員である者を千名確認するほうが難しい。保険を解約した人、契約を切り替えた人は要件から外れる。名簿の管理が実質的な勝負どころになる
- もし、総会が終わってから招集手続の違法に気付いたとしたら? その場合は本条ではなく、決議取消しの訴えに切り替わる。そして決議の日から三箇月という短い出訴期間が走り出す。事後の道は狭く、時間も短い
- 経営陣の側に立つとき。検査役選任の申立てがなされたと聞いた時点で、招集通知の発送記録、議決権行使書面の集計方法、委任状の勧誘文言を全部保全しておく必要がある。検査役は裁判所に報告書を出し、裁判所はそれを踏まえて総会の再招集や決議方法を命じることができる(会社法307条準用)
- 特定相互会社(一定規模以上の相互会社)に加入している場合、申立て要件の社員数は政令で別に定められている。自分の保険会社がどちらに当たるかを知らないまま「うちは無理だろう」と諦めるのが、最も多い脱落パターンだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と約款で、加入先が相互会社形態かを確認する。株式会社形態なら本条の適用外2. 招集通知の開催日を確認し、そこまでの残日数を把握する。総会前でなければこの制度は使えない3. 社員総数と自分たち側の人数を照合し、千分の一以上または千名以上のいずれかを満たすか検証する。同時に六月前から継続して社員である点も名簿で裏付ける4. 会社法に精通した弁護士に、非訟事件として裁判所へ検査役選任を申し立てる。管轄は会社法868条1項の準用による
訴えられた側:1. 会社側として申立てを受けたら、招集通知の発送記録、議決権行使書面、委任状勧誘資料を直ちに保全する2. 申立人が要件(保有割合または人数、六月の継続保有)を満たすか精査する。要件不備は最も基本的な争点である3. 検査役の調査には協力する姿勢を取る。妨害的対応は裁判所の後続命令(会社法307条準用)を招き、総会の再招集を命じられる事態につながる4. 選任決定に対する即時抗告の可否は会社法872条4号の準用による。不服申立ての制限(874条1号準用)もあわせて確認する
時効(請求できる期限):本条の申立ては当該社員総会に先立って行う必要があり、総会が終了した後は使えない。要件側の期間として、申立人は六月(定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間)前から引き続き社員である必要がある。総会後に手続の瑕疵を争う場合は、決議取消しの訴え(会社法831条、保険業法による準用)に切り替わり、決議の日から三箇月の出訴期間が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
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