保険業法 第45条(総代会招集請求権)
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- 社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代は、取締役に対し、総代会の目的である事項(総代会において決議をすることができる事項に限る。以下この目において同じ。)及び招集の理由を示して、総代会の招集を請求することができる。
- 2.次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員又は総代は、裁判所の許可を得て、総代会を招集することができる。
- 一前項の規定による請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合
- 二前項の規定による請求があった日から八週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を総代会の日とする総代会の招集の通知が発せられない場合
- 3.会社法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十四条(第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
総代会招集請求権とは何ですか?
定義総代会招集請求権とは、保険業法第45条に定められた規定で、「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、そ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第45条(総代会招集請求権)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第45条の条文原文は「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員若しくは三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、そ…」で始まります。
- 保険業法第45条は第二目 総代会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第45条の前の条は保険業法第44条の2です。
- 保険業法第45条の次の条は保険業法第46条です。
- 保険業法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法45条は、社員総数の千分の三または三千名以上の社員、もしくは総代九名以上に総代会の招集請求権を認め、会社が応じなければ裁判所の許可で自ら招集できると定める。
Q · 相互会社の保険に入っている人が、会社に総代会を開けと言うことはできますか?
三千名または総代九名以上で請求でき、会社が無視すれば裁判所の許可で開けます
保険業法45条1項により、社員総数の千分の三以上または三千名以上で六月前から引き続き社員である者、もしくは総代九名以上の総代は、総代会の目的である事項と招集の理由を示して、取締役に総代会の招集を請求できます。同条2項は、請求後に遅滞なく招集手続が行われない場合、または請求日から八週間以内の日を総代会の日とする招集通知が発せられない場合に、請求者が裁判所の許可を得て自ら総代会を招集できると定めます。千分の三・三千名・六月・九名・八週間のいずれも、定款でこれを下回る定めが可能です。
解説
相互会社の保険に入っているあなたは、法律上「社員」である。契約者イコール会社の構成員という、株式会社にはない構造だ。だが実際に意思決定をするのは全社員ではなく、選ばれた「総代」による総代会である。ここで保険業法45条が効いてくる。社員総数の千分の三以上、または三千名以上(この二つはどちらか一方でよい)、あるいは総代九名以上が集まれば、取締役に対して総代会の招集を請求できる。しかも会社が無視した場合、裁判所の許可を得て自分たちで総代会を開ける。八週間以内の日を総代会の日とする招集通知が発せられなければ、裁判所への扉が開く。日本生命や明治安田生命のような巨大相互会社でも、この条文は生きている。契約者が経営に切り込む唯一の法的レバーが、ここに書かれている。
法的な位置づけ
保険業法45条は、相互会社の総代会について招集請求権を定める規定である。社員総数の千分の三以上もしくは三千名以上で六月前から引き続き社員である者、または総代九名以上は、目的事項と招集の理由を示して取締役に総代会の招集を請求できる。会社が応じない場合、請求者は裁判所の許可を得て総代会を招集する。数値要件は定款で引き下げられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.加入先が相互会社かを確認する 保険証券・約款・会社概要で会社名に「相互会社」と入っているかを確認する。株式会社の保険会社であれば本条の適用はなく、株主としての会社法上の権利の問題になる
- 2.定款を取り寄せて要件の実数を確定する 千分の三・三千名・六月・総代九名・八週間は、いずれも定款でこれを下回る定めが可能。まず定款を入手し、実際のハードルが条文より低くないかを確認する。特定相互会社なら38条1項の政令で定める数が基準になる
- 3.目的事項を総代会の決議事項の範囲に絞る 請求書に記載する目的事項は「総代会において決議をすることができる事項」に限られる。決議事項に該当するかを条文・定款で裏取りし、あわせて招集の理由も文書化する。ここが外れていると八週間のカウントすら始まらない
- 4.取締役宛てに請求書を発送し八週間を起算する 内容証明郵便など到達の証拠が残る方法で取締役宛てに請求書を送付する。発送日と到達日を記録し、請求日から八週間(定款でこれを下回る期間の定めがあればその期間)をカレンダーに記入する
- 5.期限徒過なら裁判所へ許可を申し立てる 遅滞なく招集手続が行われない場合、または八週間以内の日を総代会の日とする招集通知が発せられない場合、裁判所の許可を申し立てる。手続は非訟事件で、会社法868条1項・869条・871条等が準用される
よくある質問 AI による整理
Q1総代会とは何ですか?
相互会社において社員総会に代わる機関で、社員から選ばれた総代が議決権を行使します。社員数が数百万人規模になる保険相互会社で、全員参加の総会が現実的に運営できないために置かれた代表制の機関です。
Q2相互会社の社員とは誰のことですか?
保険契約者そのものです。株式会社と違い株主が存在せず、保険に加入した時点で会社の構成員(社員)になります。従業員という意味の社員ではなく、会社法でいう出資者に近い立場を指します。
Q3総代会の招集請求に必要な人数は何人ですか?
社員総数の千分の三以上、または三千名以上のいずれかで足ります。選択的要件なので、社員が数百万人いる大手でも三千名で要件を満たします。総代であれば九名以上で請求できます。
Q4総代会の招集請求は誰に対して行いますか?
取締役に対して行います。請求の際は、総代会の目的である事項(総代会で決議できる事項に限る)と招集の理由を示す必要があり、この二点を欠くと請求として成立しません。
Q5会社が招集請求を無視したらどうなりますか?
請求後に遅滞なく招集手続が行われない場合、または請求日から八週間以内の日を総代会の日とする通知が発せられない場合、請求した社員または総代が裁判所の許可を得て自ら総代会を招集できます。
Q6総代会の招集請求ができる社員の資格期間は?
六月前から引き続き社員である者に限られます。定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間です。請求のために直前に加入しても要件を満たさない仕組みになっています。
Q7特定相互会社とは何ですか?
保険業法38条1項の政令で定める数以上の社員を有する相互会社です。特定相互会社では、45条の人数要件が千分の三・三千名ではなく、同項の政令で定める数を基準に判断されます。
Q8総代会の議題にはどんな事項を載せられますか?
総代会において決議をすることができる事項に限られます。決議事項でない経営方針の一般的な批判などは目的事項にできず、請求が門前払いになる原因になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分が入ってる保険が相互会社かどうか、どこで分かりますか?
保険証券や約款の会社名に「相互会社」と入っていれば相互会社です。日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命などが該当します。相互会社なら保険契約者は社員となり、本条の招集請求権の主体になりえます。実務のポイント:同じ会社でも損害保険子会社は株式会社であることが多く、生保部分だけが相互会社というケースがある。証券ごとに会社名を確認しないと、権利があるのに気付かないまま終わる
Q2総代会に一般の契約者は出席できないんですか?
総代会の議決権は総代が行使するため、一般社員は議決権を持ちません。ただし本条により一定数の社員が招集を請求でき、総代の選出過程にも関与の余地があります。特定相互会社の場合は第38条1項の政令で定める数が基準になります。実務のポイント:大手相互会社の多くは総代会の傍聴制度や意見交換会を任意で設けている。法定の権利を行使する前に、まず傍聴で議事の実態と総代の顔ぶれを掴んでおくと、九名の総代に働きかける現実的な道筋が見える
間違えやすい点 AI による整理
- 相互会社の契約者は「顧客」だと思われているが、法律上は「社員」つまり会社の構成員である。株主のいない会社で、契約者が実質的な持ち主にあたる。この立場の違いを知らないまま、契約者は苦情窓口に電話をかけ続けている
- 「総代会の招集請求権があること自体は聞いたことがある」という人でも、会社が無視した場合に裁判所の許可で自ら招集できるという第二段が抜けている。請求権だけなら会社が握りつぶせば終わりだが、第二項があることで請求が実効性を持つ。この二段構造を知っているかどうかで、請求書を出す側の本気度が変わる
- 要件のハードルを「社員総数の千分の三」と読んで、巨大な相互会社では不可能だと諦める人がいる。だが条文は「千分の三以上または三千名以上」という選択的要件であり、社員数が数百万の会社でも三千名で足りる。分母が大きいほど、実は絶対数要件の方が有利になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が何をできるか | 保険業法45条:一定数の社員・総代が総代会の招集を請求し、応じなければ裁判所の許可で自ら招集 | 保険業法42条:定款で総代会を設置し、社員総会に代わる機関とする 保険業法41条:社員総会の招集手続の原則(取締役が招集) |
| 主体の要件 | 千分の三以上または三千名以上で六月前から引き続き社員/総代九名以上(定款で引下げ可) | 定款の定めによる機関設計の問題で、個々の社員の人数要件はない 原則として取締役。社員側に固有の人数要件は置かれていない |
| 会社が動かないときの受け皿 | 裁判所の許可(2項)+会社法868条1項等の準用(3項) | なし(総代会そのものの設置根拠規定) なし(招集手続の一般規定) |
| 特定相互会社での扱い | 38条1項の政令で定める数以上の社員が基準になる | 総代会設置の実益がとくに大きい類型 44条により総代会に社員総会の規定が準用される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の保険業は株式有限公司または保険合作社に限られ、日本型の相互会社は一般的でない。機能的には少数株主による株主総会招集請求権(公司法173条)が最も近い
韓国も보험업법に상호회사(相互会社)の規定を置くが、少数構成員による総会招集請求と裁判所の許可という骨格は商法の少数株主権と共通する
ドイツの相互保険社は Mitgliederversammlung または Oberste Vertretung を機関とし、日本の相互会社・総代会の直接の母型にあたる法人形態
米国は州法ごとに mutual company の policyholder による special meeting 招集要件が異なり、連邦統一のルールは存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している相互会社が、剰余金の配当を三年連続で大幅に減らした。理由の説明もない。あなたを含む契約者有志が三千名集まれば、配当方針の説明と決議を目的に総代会の招集を請求できる。会社が動かなければ、八週間の期限が過ぎた時点で裁判所へ
- 総代に選ばれたあなたは、経営陣の投資判断に疑問を持っている。だが定時総代会は年一回。総代九名の賛同を得られれば、臨時の総代会を招集請求できる。九名という数字は、数百名規模の総代会では現実的に集められる水準だ
- 会社側の視点。契約者団体から総代会招集請求書が届いた。無視すれば裁判所が許可を出し、経営陣の関与しない総代会が開かれる。しかも請求書に書かれた目的事項は総代会の決議事項に限られるので、そこが崩せるかどうかが最初の防衛線になる
- もし請求から八週間が経過したら? その瞬間、請求者は裁判所へ非訟事件として許可申立てができる。逆に会社が七週目に通知を出せば、この道は閉じる。会社側にとっては通知を出すかどうかの判断期限であり、請求者にとってはカレンダーを睨む八週間である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加入先が相互会社か株式会社かを約款・会社概要で確認、株式会社なら本条は適用外2. 定款を取り寄せ、招集請求の要件(千分の三/三千名/六月/総代九名)が引き下げられていないか確認3. 議題を「総代会で決議できる事項」の範囲に絞って文書化、招集の理由も明記4. 取締役宛てに内容証明郵便で請求、発送日を起点に八週間をカレンダーに記入5. 遅滞なく手続が行われない、または八週間以内の日を総代会の日とする通知が来なければ、裁判所へ許可申立て(非訟事件、会社法868条1項準用)
訴えられた側:1. 請求書を受領したら、まず目的事項が総代会の決議事項に該当するか、請求者が人数・保有期間要件を満たすかを検証2. 要件を欠く請求なら理由を付して拒否、ただし判断を誤ると裁判所許可による招集を招く3. 要件を満たす請求なら、八週間以内の日を総代会の日とする招集通知を発することで裁判所ルートを封じられる4. 議題の適法性に争いがあるなら、招集自体は行いつつ議題の取扱いを法務と詰める方が、無視するより損失が小さい
時効(請求できる期限):請求できるのは六月(定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間)前から引き続き社員である者に限られる。請求後、遅滞なく招集手続が行われない場合、または請求日から八週間(定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間)以内の日を総代会の日とする招集通知が発せられない場合に、裁判所への許可申立てが可能となる
学説
通説:総代会は定款の定めにより社員総会に代わって置かれる機関であり、社員数が巨大な相互会社で全員参加型の総会が機能しないことへの制度的対応と解される。本条の招集請求権は、代表制によって生じる一般社員と経営の距離を埋める少数社員権として位置づけられ、株式会社の少数株主権と同型の構造を持つ。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により現行法が成立し、相互会社の機関に関する規定群の一部として総代会の招集請求権が置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、非訟事件の管轄・疎明・理由の付記等の準用先が旧商法の規定から会社法868条以下の規定へ整理された
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