保険業法 第44条(総代会の決議の方法等)
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- 総代会の議事は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総代の半数以上が出席し、出席した者の議決権の過半数で決する。ただし、総代会に出席を必要とする総代の数は、定款の定めによっても総代の総数の三分の一未満とすることはできない。
- 2.総代会は、第四十九条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第四十九条第一項において準用する同法第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第五十三条の二十三において準用する同法第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
この条文の基本情報
総代会の決議の方法等とは何ですか?
定義総代会の決議の方法等とは、保険業法第44条に定められた規定で、「総代会の議事は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総代の半数以上が出席し、出席した者の議決権の過半数で決する。ただし、総代会に出席を必要とする総代の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第44条(総代会の決議の方法等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第44条の条文原文は「総代会の議事は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総代の半数以上が出席し、出席した者の議決権の過半数で決する。ただし、総代会に出席を必要とする総代の…」で始まります。
- 保険業法第44条は第二目 総代会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第44条の前の条は保険業法第43条の2です。
- 保険業法第44条の次の条は保険業法第44条の2です。
- 保険業法第44条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第44条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第44条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法44条は、相互会社の総代会の決議方法を定める。総代の半数以上の出席と出席者の議決権の過半数で決し、定款で緩和しても総代総数の三分の一未満にはできない。
Q · 総代会って、何人集まれば決議できるんですか?
原則は総代の半数以上の出席、定款で下げても三分の一が下限
保険業法44条1項により、総代会の議事は総代の半数以上が出席し、出席者の議決権の過半数で決します。定款で定足数を緩和することは可能ですが、総代総数の三分の一未満にはできません。さらに同条2項により、総代会は招集通知に記載された議題(会社法298条1項2号の事項)以外を決議できません。ただし検査役等の選任と会計監査人の出席要請は例外として認められています。
解説
相互会社の保険に入っているあなたは、法律上は「社員」である。株式会社の顧客ではなく、会社の構成員だ。だが実際に総会へ行った記憶はないはずだ。理由は、数百万人の社員全員が集まる総会は物理的に不可能なので、代わりに数百人の「総代」が総代会で議決するからである。保険業法44条はその総代会の決議ルールを定める。押さえるべき数字は二つ。定足数は総代の半数以上、そして定款でこれを緩めても「総数の三分の一未満」にはできない。この三分の一という床が、少数の総代だけで会社の重要事項が決まる事態を止める最後の板である。もう一つ、総代会は招集通知に載っていない議題を決議できない。当日いきなり動議で役員解任、といった奇襲は2項が封じている。あなたの保険料の運用先も剰余金の配当方針も、この定足数と議題拘束の内側で決まっている。
法的な位置づけ
保険業法44条は、相互会社の総代会における決議の成立要件を定める規定である。1項は定足数を総代の半数以上、決議要件を出席者の議決権の過半数とし、定款による緩和の下限を総代総数の三分の一と画する。2項は決議事項を招集通知記載の議題に限定し、議事の射程を事前に固定している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.契約先が相互会社か株式会社かを確認 保険証券と会社ホームページの会社概要で組織形態を確認する。相互会社であれば、あなたは契約者であると同時に社員であり、議決権を持つ構成員である
- 2.定款で総代会の定足数を確認 会社ホームページで公開されている定款 PDF を開き、総代会の章を読む。定足数が「総代の半数以上」のままか、44条1項ただし書の下限である「三分の一」まで緩和されているかを確認する
- 3.総代の選出方法と議事概要を読む 各社が開示している総代選出方法(候補者選考委員会の構成、公募枠の有無)と、直近の総代会議事概要を確認する。議案ごとの賛成率と出席総代数から、実質的な意思決定規模が読める
- 4.意見があるなら社員提案権の期限を逆算 議案に意見がある場合、保険業法49条1項が準用する会社法303条の社員提案権を行使する。行使要件と期限は招集通知発送の数か月前に到来するため、会社の窓口に早期に問い合わせる
- 5.決議に瑕疵があれば三か月以内に提訴 議題外の事項が決議された、定足数を欠いていたなどの瑕疵がある場合、保険業法57条が準用する会社法831条の決議取消しの訴えを、決議の日から三か月以内に提起する
よくある質問 AI による整理
Q1総代会とは何ですか?
相互会社で社員総会に代わる意思決定機関です。数百万人の社員全員が集まることは不可能なため、選ばれた総代が決算や定款変更を議決します(保険業法42条、44条)。
Q2総代会の定足数は何人ですか?
原則は総代の半数以上の出席です(44条1項本文)。定款で緩和できますが、総代総数の三分の一未満にはできないという下限があります(同項ただし書)。
Q3総代会で議題外のことを決議できますか?
できません。44条2項本文により、招集通知に記載された議題以外は決議できません。当日の動議による役員解任などは法律上封じられています。
Q4総代会の議題拘束に例外はありますか?
あります。検査役等の選任(会社法316条準用)と会計監査人の出席を求めること(同法398条2項準用)は、44条2項ただし書により議題外でも可能です。
Q5総代会の決議に不満がある場合はどうすればよいですか?
決議取消しの訴えを検討します。保険業法57条が会社法831条を準用し、決議の日から三か月以内の提訴が必要です。期間経過後は手続違反があっても確定します。
Q6相互会社の社員とは従業員のことですか?
違います。相互会社では保険契約者がそのまま社員となり、議決権を持つ構成員となります(保険業法2条5項)。株式会社でいう株主に近い地位です。
Q7総代会に社員が議題を提案できますか?
保険業法49条1項が準用する会社法303条以下の社員提案権により可能ですが、招集通知発送前に要件を満たして行使する必要があります。
Q8総代会の定足数を欠いたらどうなりますか?
決議は成立しません。会社は改めて総代会を招集し直すことになります。そのため会社側は事前の出欠確認と委任状管理を徹底します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険に入っているだけなのに社員って、給料もらってる社員のことじゃないんですか?
会社法・保険業法でいう社員とは従業員ではなく、社団の構成員のことである。相互会社では保険契約者がそのまま社員となり、議決権を持つ。株式会社でいう株主に近い地位である(保険業法2条5項、44条)。実務のポイント:この地位を持つと、社員配当(契約者配当)の原資や処分方針が総代会の議案になっていると理解できる。配当が減った年の議事概要を読むと、理由が説明されていることが多い
Q2総代って誰がどうやって選んでるんですか?
多くの相互会社では社員の中から候補者選考委員会が候補を選び、社員の信任投票または総代会の選任手続を経る(各社の定款による)。公募枠を設ける会社もある。実務のポイント:総代の任期・定数・選出方法は法律ではなく各社の定款に書かれている。会社ごとに開放度がかなり違うので、定款と総代会運営に関する開示資料を比べると、その会社がガバナンスをどこまで本気で開いているかが読める
Q3総代会で議題にないことを決議したら、その決議はどうなりますか?
2項本文に反するため、決議方法の法令違反として決議取消しの訴えの対象になりうる(保険業法57条が準用する会社法831条)。ただし提訴には期間制限があり、決議の日から三か月である。実務のポイント:実務では、議題を広めに設定して当日の裁量余地を残すのが会社側の定石である。招集通知の議題の書きぶりが抽象的なほど、当日に動かせる幅が広いという読み方ができる
間違えやすい点 AI による整理
- 「相互会社の保険契約者は単なる顧客」という理解が広く共有されているが、法的には社員であり、議決権を持つ構成員である。株主総会にあたる意思決定に参加する地位を、契約と同時に取得している
- 総代会に定足数の規定があることは知られていても、その意味の重さは意識されていない。定款で三分の一まで下げられるということは、全社員の代表である総代のうち三分の一強が集まり、その過半数、つまり全総代の六分の一強で議案が可決されうるということである。数百万契約者の会社の意思が、実質的に百人前後で決まる構造になる
- 「総代会は株主総会の縮小版だから、当日の議論次第で結論が変わる」と想定してしまうが、この問いの立て方が誤っている。2項により決議事項は招集通知の枠に固定されているので、勝負は当日ではなく議題設定の段階で終わっている。会場での熱弁は、法的には枠外に出られない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 保険業法44条:総代会の定足数と決議事項の範囲 | 保険業法42条:総代会の設置と社員総会の代行 保険業法43条:総代の選出と総代会の招集手続 |
| 作用するタイミング | 総代会の当日(出席数の判定と決議の成否) | 定款で総代会を置くと決めた設立・組織設計の段階 招集通知の発送から開催までの準備段階 |
| 違反した場合 | 決議方法の法令違反として決議取消しの訴えの対象(57条が準用する会社法831条) | 総代会の設置自体が定款に基づかない場合は機関構成の瑕疵 招集手続の瑕疵として決議取消事由になりうる |
| 社員が作用できる点 | 出席の確保と、議題拘束の例外(会計監査人の出席要請) | 総代会制度そのものの是非は定款変更の議案として争う 総代候補の選考過程と社員提案権の行使期限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互保険組織の設立が限定的で、社団法人の総会決議一般規定が参照される。定足数の法定下限という発想は共通するが、保険業固有の代表制機関は制度化されていない
韓国も相互会社形態を認めるが、実務上は株式会社形態の保険会社が中心。総会決議の定足数は商法の一般規定に依拠する構造で、日本ほど詳細な代表制規定は置かれていない
ドイツの相互保険社団では、社員総会に代えて「最高代表機関(Oberste Vertretung)」を定款で置くことができ、日本の総代会に相当する。定足数と決議事項の範囲は定款自治に委ねられる幅が日本より広い
米国の相互保険会社では契約者が議決権を持つが、定足数要件は州法と定款で大きく異なる。実務上は委任状による議決が支配的で、出席数の実質的確保は日本以上に形骸化しているとの指摘がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している相互会社から「総代候補者のご案内」というハガキが届いた。多くの人は捨てる。だが総代とは、あなたの代わりに決算・剰余金処分・定款変更を議決する人物である。候補者選考委員会が誰を推しているかを見るだけで、その会社が社員の声をどう扱っているかが分かる
- 総代会の当日、経営陣に批判的な総代が「議長不信任と役員解任を動議として出す」と準備してきた。しかし招集通知の議題に入っていなければ、2項本文により決議できない。奇襲は法律で塞がれている。逆に言えば、議題に載せる段階の戦いが本番である
- もし総代の半数が欠席したら、その総代会はどうなる? 定足数を欠き、決議は成立しない。会社側は日程を組み直すことになる。だから会社は事前に出欠を丹念に確認する
- 定款変更で「定足数は総代の三分の一」と下げてきた相互会社。これは1項ただし書の下限ギリギリで適法だが、数百人の総代のうち百数十人の出席とその過半数、つまり全総代の六分の一強の賛成で議案が通る計算になる。あなたの保険会社の定款が何と書いているかは、ホームページの定款 PDF で今夜確認できる
- 会計監査人に総代会へ出てきて説明させたい、と総代が求める場面。2項ただし書はこれを議題拘束の例外に置いている。招集通知になくても求められる。決算に疑問を持った総代が使える数少ない即応カードである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約先が相互会社か株式会社かを保険証券と会社ホームページで確認する2. 相互会社なら定款 PDF を開き、総代会の定足数が「半数以上」か「三分の一」まで下げられているかを見る3. 総代の選出方法と総代会の議事概要は各社が開示しているので、議案と賛成率を確認する4. 議案に意見があるなら、社員提案権(49条1項が準用する会社法303条)の行使要件と期限を、招集時期の数か月前に会社へ問い合わせる
訴えられた側:運営側の立場に立つ場合、1. 招集通知の議題記載を精査する。記載外の事項を決議すると2項違反で決議取消しの争点になる2. 定足数は当日の出席実数で判定されるので、事前の出欠確認と委任状の管理を徹底する3. 定款で定足数を下げる場合も、総代総数の三分の一という床を割らない設計にする4. 検査役や会計監査人の出席要請は2項ただし書の例外なので、議題外を理由に拒めない
時効(請求できる期限):総代会決議の瑕疵を争う訴えは、会社法の決議取消しの訴えが準用され、決議の日から三か月以内に提起する必要がある(保険業法57条、会社法831条。最新の改正状況をご確認ください)。この期間を過ぎると、手続違反があっても決議は確定する
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