保険業法 第53条の10(役員の選任等のための決議の方法)
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- 第三十七条の三第一項及び第四十四条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する社員総会の決議は、社員(総代会を設けているときは、総代)の半数以上(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
- 2.前項の規定にかかわらず、監査等委員である取締役又は監査役の解任の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。
この条文の基本情報
役員の選任等のための決議の方法とは何ですか?
定義役員の選任等のための決議の方法とは、保険業法第53条の10に定められた規定で、「第三十七条の三第一項及び第四十四条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する社員総会の決議は、社員(総代会を設けているときは、総代)の半数以上(三分の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第53条の10(役員の選任等のための決議の方法)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第53条の10の条文原文は「第三十七条の三第一項及び第四十四条第一項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する社員総会の決議は、社員(総代会を設けているときは、総代)の半数以上(三分の…」で始まります。
- 保険業法第53条の10は第三目 社員総会及び総代会以外の機関の設置等に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第53条の10の前の条は保険業法第53条の9です。
- 保険業法第53条の10の次の条は保険業法第53条の11です。
- 保険業法第53条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法第53条の10は、相互会社の役員の選任・解任決議について、社員または総代の半数以上、定款で3分の1以上に引き下げ可の出席と、その議決権の過半数を要すると定める。
Q · 生命保険の相互会社って、役員は誰がどうやって決めているの?
原則は半数以上の出席と過半数、監査役の解任だけ特別決議です
保険業法53条の10により、相互会社の役員の選任・解任は社員総会(総代会を設けているときは総代会)の決議で行います。定足数は社員または総代の半数以上ですが、定款で3分の1以上の割合を定めればその割合まで引き下げられ、可決は出席者の議決権の過半数です。つまり定款次第では、全体の6分の1強の賛成で役員が決まる計算になります。ただし2項は例外を置き、監査等委員である取締役と監査役の解任だけは第62条2項に定める決議によらなければならず、通常決議では動かせません。監視する側の首は簡単には切れない設計です。
解説
生命保険の証券を引き出しから出して、会社名の表記を確認してほしい。日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命。いずれも株式会社ではなく相互会社であり、契約者であるあなたは同時に「社員」、つまり議決権を持つ構成員である。第53条の10は、その議決権が役員の選任と解任にどう使われるかを定める。原則は社員(総代会を設けているときは総代)の半数以上が出席し、その議決権の過半数。ただし定款で定足数を3分の1まで下げられる。数十兆円の資産を運用する役員が、総代の3分の1が出席した会議の過半数、実質では総代の6分の1強の賛成で決まる余地があるということだ。そして2項が例外を切る。監査等委員である取締役と監査役の解任だけは通常決議では足りず、第62条2項の特別決議が要る。監視する側は簡単に切れない。この非対称が本条の設計である。
法的な位置づけ
保険業法第53条の10は、相互会社における役員の選任および解任の決議要件を定める規定である。一般の決議要件を排除し、社員(総代会設置時は総代)の半数以上、定款で定めれば3分の1以上の出席と、その議決権の過半数を要求する。第2項は監査等委員である取締役および監査役の解任について第62条第2項の決議を要するとし、監視機関の独立性を確保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款で定足数が引き下げられているか確認する 相互会社は社員に定款の閲覧を認めている。役員の選任・解任決議の定足数が原則の半数以上のままか、3分の1以上に引き下げられているかをまず確認する。ここで戦術が反転する
- 2.議案を選任か解任か、対象は誰かで切り分ける 招集通知と議案書を読み、役員の選任議案か解任議案か、解任なら対象が監査等委員である取締役または監査役かを判別する。この切り分けで適用条項が1項か2項かに分かれる
- 3.当日の定足数到達を事前に逆算する 議決権行使書と委任状の返送状況から、社員または総代の出席見込み数を集計し、定款所定の定足数に届くかを開催前に読む。届かない見込みなら議案の撤回や再招集を検討する
- 4.監査役等の解任議案なら62条2項の要件を議事で確認させる 監査等委員である取締役または監査役の解任議案が上程された時点で、53条の10第2項により第62条2項の決議によるべき旨を発言し、議長に可決要件を確認させる。この発言を議事録に残させる
- 5.出席数と賛成議決権数を実数で議事録に記録する 議事録に出席した社員または総代の実数、行使された議決権数、賛成数を実数で記載する。後日に要件充足を立証できる材料は記録だけであり、概括表記では瑕疵の反証ができない
- 6.要件を欠く決議は提訴期間内に争う 定足数不足や可決要件の誤りがあった決議は、会社法の決議取消しの訴えの規定が準用され、提訴期間は決議の日から3か月とされる。期間が短いため直ちに弁護士に相談し、証拠を保全する
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の社員総会とは何ですか?
相互会社の最高意思決定機関で、構成員である社員(保険契約者)が議決権を行使する会議です。総代会を設けている場合は、社員に代わって総代が出席し決議します。
Q2相互会社の保険契約者は議決権を持てますか?
持てます。相互会社に株主はおらず、保険契約者が社員として議決権者になります。ただし総代会が設けられていれば、議決権の行使は総代を通じて行われます。
Q3役員選任の定足数は何割ですか?
原則は社員または総代の半数以上の出席です。定款で3分の1以上の割合を定めた場合は、その割合以上の出席で足ります。可決は出席者の議決権の過半数です。
Q4定款で定足数を3分の1に下げられますか?
下げられます。保険業法53条の10第1項が明文で認めています。結果として、出席3分の1・その過半数、すなわち全体の6分の1強の賛成で役員が決まる場合があります。
Q5監査役の解任にはどんな決議が必要ですか?
通常決議では足りません。53条の10第2項により、監査等委員である取締役と監査役の解任は第62条2項に定める決議、いわゆる特別決議によらなければなりません。
Q6第62条2項の決議とは何ですか?
社員総会の特別決議を定める規定で、通常決議より加重された多数を要します。具体的な出席要件と賛成割合は第62条2項の条文を必ず原典で確認してください。
Q7定足数を満たさない決議はどうなりますか?
決議に瑕疵があるとして、後から取消しの対象になり得ます。相互会社の社員総会・総代会の決議についても会社法の決議取消しの訴えの規定が準用されます。
Q8総代はどうやって選ばれますか?
定款および総代選出に関する規程に従って選出されます。実務上は会社側が関与する選考委員会を経る運用が一般的で、社員側から候補を立てる経路は制度上あっても稀です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分が入ってる保険が相互会社かどうか、どこを見れば分かりますか?
保険証券や約款、会社概要の表記に「相互会社」と入っている。相互会社なら契約者は社員であり、第53条の10の議決権の主体になる。総代会が設けられている場合、その議決権は総代を通じて行使される。実務のポイント:総代の候補者は実務上、会社側が関与する選考委員会を経て提示される運用が一般的で、社員側から候補を立てる経路は制度上あっても事実上ほとんど使われない。定款と総代選出に関する規程を取り寄せると、その経路が書いてある。
Q2役員をやめさせるのって、選ぶときより難しいって本当ですか?
役員一般は選任も解任も本条1項の通常決議で足りる。しかし監査等委員である取締役と監査役の解任だけは同条2項が第62条2項の特別決議を要求し、ハードルが一段上がる。監視する側を多数派の一存で切れないようにする設計だ。実務のポイント:この非対称を知っていると、監査役の任期途中の退任が「解任」ではなく「辞任」の形をとる理由が読める。特別決議を回避する出口として辞任が使われる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社の株主総会で意見を言いたい」と検索している人は、そもそも問いの立て方が誤っている。相互会社に株主はいない。あるのは社員(=保険契約者)と、その代表である総代の会議だ。株式を買って発言権を得るという発想自体が、この会社形態には通じない。入口を間違えると、権利があるのに一生使わないまま終わる
- 定足数を定款で3分の1まで下げられること自体は知られている。だが、その帰結の深刻度が見落とされやすい。出席が3分の1、その議決権の過半数で可決となれば、全社員(総代)の6分の1強の賛成で役員が選ばれる計算になる。社員が日常的に読まない定款という書面の一行が、この数字を決めている
- 役員は全員が同じルールで選ばれ、同じルールで外されると思われているが、2項がそこに線を引く。選任は1項の通常決議、しかし監査等委員である取締役と監査役の解任だけは第62条2項の特別決議。入れるのは易しく、外すのは難しい。この非対称は事故ではなく、意図して置かれた設計だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される決議要件 | 53条の10第1項:出席は社員・総代の半数以上(定款で3分の1以上に引下げ可)、可決は出席議決権の過半数 | 37条の3第1項・44条第1項:社員総会の一般的な決議要件(本条により排除) 62条2項:特別決議(加重された多数を要求) |
| 対象となる議案 | 役員の選任、および監査等委員である取締役・監査役以外の役員の解任 | 本条の特則が及ばない一般の議案 監査等委員である取締役・監査役の解任(53条の10第2項の指定先) |
| 定款による緩和の可否 | 定足数は3分の1以上まで引下げ可、可決割合は加重のみ可 | 各条の定めに従う 監視機関の独立性確保のため通常決議への緩和は不可 |
| 設計思想 | 数百万人規模の社員でも機関が麻痺しないよう可動性を確保 | 社員総会決議の原則形 多数派が監視機関を一存で排除できないよう歯止め |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾には日本型の相互会社はなく、非株式型の保険事業体は保險合作社として合作社法の社員大會規律に服する。理事・監事の選任解任は合作社法の決議要件によるため、定款による定足数引下げの枠組みは日本と直接対応しない
韓国は日本法を経由して相互会社制度を継受しており、社員総会の構成と決議の骨格は日本に近い。実務上、韓国でも相互会社形態の保険会社はほとんど存在しない点が日本との最大の差
中国の保険会社は原則として株式会社または国有独資会社であり、相互型は2015年の試行辦法により相互保険組織として例外的に認められる。意思決定は会員代表大会が担い、日本の総代会に機能的に近い
ドイツの VVaG は日本の相互会社の源流の一つ。会員の代表機関である Oberste Vertretung が機関構成員の選任解任を担う点で構造が対応する。監査機関の独立性確保という発想も共通する
フランスは相互保険を保険法典と共済法典の二系統で規律する。assemblée générale における administrateurs の選任解任が対応するが、代表制の設計は定款自治の幅が広い
米国は州法主義であり、mutual insurance company の policyholder による取締役選任の要件は州ごとに異なる。定足数の緩和も州法と定款の組合せで決まり、連邦レベルの統一規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もしあなたが加入している生命保険会社が相互会社だったら、あなたは顧客ではなく社員である。では、役員を選ぶ議決権を自分の手で行使した記憶はあるか。定款で総代会が置かれていれば、あなたの議決権は数百人の総代に集約され、本条の定足数を満たしたその会議で経営陣が決まっている。招集通知が自宅に来ないのは、あなたに権利がないからではなく、権利の行使経路が総代に付け替えられているからだ
- 総代会を3週間後に控えた事務局側の視点に立ってみる。招集通知を発送した後で、取締役候補の一人に不祥事が発覚した。候補を差し替えるのか、議案を撤回するのか。同時に、議決権行使書の返送状況から定足数(社員または総代の半数以上、定款で3分の1以上に引き下げていればその割合)に到達するかを逆算する作業が、当日までの残り数日に押し込まれる。定足数を割った決議は、後から瑕疵として蒸し返される
- 監査役を辞めさせたい経営陣。だが2項が立ちはだかる。通常決議では動かせず、第62条2項の特別決議が必要になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 定款を入手する。相互会社は社員に定款の閲覧を認めており、定足数が3分の1に下げられているかがここで判明する2. 招集通知と議案書を、選任か解任か、対象が監査等委員である取締役や監査役かで切り分ける3. 監査役等の解任議案なら第62条2項の特別決議が必要である旨を書面で指摘し、議事録に残させる4. 要件を欠く決議が通ったなら、決議取消しの訴え(相互会社の社員総会にも会社法の規定が準用される)を直ちに弁護士と検討する。提訴期間が短い
訴えられた側:1. 議案ごとの可決要件を一覧表にし、招集通知に明示する。選任は本条1項、監査等委員である取締役・監査役の解任は第62条2項2. 定款で引き下げた定足数の割合を条文と突き合わせ、3分の1を下回っていないか検証する3. 議決権行使書と委任状の返送状況から、当日の定足数到達を事前に読む4. 議事録に出席数と賛成議決権数を実数で記録する。後日に要件充足を立証できる材料は記録だけである
時効(請求できる期限):決議自体に固有の期限はないが、決議を争う側には期限がある。相互会社の社員総会・総代会の決議についても会社法の決議取消しの訴えの規定が準用され、提訴期間は決議の日から3か月(会社法831条1項、準用条文と最新の改正状況をご確認ください)。この3か月を過ぎると、定足数不足という明白な瑕疵でも取消しは求められなくなる。招集通知の発送期限は保険業法の招集規定と定款に従う
学説
通説:第2項が監査等委員である取締役および監査役の解任に加重された決議要件を課す趣旨は、監査機関の独立性の確保にあると理解されている。多数派が監視機関を通常決議で排除できるとすれば、監査の実効性が制度的に担保されないためである
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正関連整備 監査等委員会設置会社の導入(施行 平成27年5月1日)に伴い、2項の対象に監査等委員である取締役が加えられた。条文の新設時期および現代語化以降の改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)。相互会社の機関に関する規定が整理され、役員の選任・解任の決議要件が現行の体系に置かれた。制定時の条番号および文言の沿革は人的検証が必要
- 2.平成26年(2014年) 改正:会社法改正による監査等委員会設置会社の導入(施行 平成27年5月1日)に伴う整備。第2項の対象に監査等委員である取締役が加えられた
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