保険業法 第37条の3(社員総会の決議)
クイックジャンプ
- 社員総会の決議は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の半数以上が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。
- 2.社員総会は、第四十一条第一項において準用する会社法第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第四十一条第一項において準用する同法第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任又は第五十三条の二十三において準用する同法第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
この条文の基本情報
社員総会の決議とは何ですか?
定義社員総会の決議とは、保険業法第37条の3に定められた規定で、「社員総会の決議は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の半数以上が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第37条の3(社員総会の決議)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第37条の3の条文原文は「社員総会の決議は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の半数以上が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。」で始まります。
- 保険業法第37条の3は第一目 社員総会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第37条の3の前の条は保険業法第37条の2です。
- 保険業法第37条の3の次の条は保険業法第38条です。
- 保険業法第37条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第37条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第37条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/37_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法37条の3は、相互会社の社員総会の決議は総社員の半数以上が出席し、出席社員の議決権の過半数で行うと定め、招集通知記載の目的事項以外は決議できないとする。
Q · 生命保険の相互会社の総会で、当日その場で新しい議案を出して決議できますか?
原則できません。招集通知の目的事項に限られます
保険業法37条の3第2項により、社員総会は招集通知に記載された目的事項以外について決議することができません。当日の動議は原則として決議に至らず、押し切った決議は取消事由となります。例外は但書が定める検査役等の選任と会計監査人の出席要求のみです。また第1項は総社員の半数以上の出席という定足数を原則とし、これを欠いた決議も手続に瑕疵を抱えます。議案を通したいなら招集前の提案手続が勝負です。
解説
相互会社の社員総会に出席してみると、株式会社の株主総会とは決定的に違う点が二つある。第一に、定足数がある。総社員の半数以上が出席しなければ、そもそも決議が成立しない。株式会社の普通決議は定款で定足数を完全に排除できるが、保険業法37条の3第1項はそれを許さず、この法律または定款に別段の定めがある場合を除くという留保付きで、半数以上という高い出席要件を原則に据えている。第二に、議題を追加できない。招集通知に書かれた目的事項以外は、当日その場で持ち出しても決議できない。あなたが保険相互会社の契約者、つまり社員として総会に出向き、経営陣に別の議案を突きつけようとしても、その場での動議は原則として空振りに終わる。勝負は招集通知が発せられる前、議題提案権を行使する段階で決まっている。ただし但書には抜け道がある。会計監査人や検査役等の出席を求めることだけは、議題外でも決議できる。
法的な位置づけ
保険業法37条の3は、相互会社の社員総会における決議の成立要件を定める規定である。第1項は総社員の半数以上の出席と出席社員の議決権の過半数という原則を置き、第2項は決議の対象を招集通知記載の目的事項に限定する。検査役等の選任および会計監査人の出席要求は目的事項外でも決議できる例外とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.招集通知の目的事項欄を最初に確認する 総会招集通知が届いたら、開催日より先に「会議の目的である事項」の欄を読む。自分の関心事項が目的事項に含まれているかを照合し、含まれていなければ当日の動議では37条の3第2項により決議できないと判断する
- 2.目的事項に載せる手続と期限を確認する 議案を決議の対象にしたい場合、会社の総務・コンプライアンス窓口または定款で、社員提案の要件(必要社員数・行使期限)を確認する。招集通知が発せられた後では原則として間に合わない
- 3.総会当日に定足数の充足を確認させる 議長に対し、出席社員数および議決権数が総社員の半数以上を満たしているかを明示するよう求め、その回答を議事録に記載させる。頭数ではなく議決権数で確認する
- 4.但書の例外事項を使う 会計監査人から直接説明を受けたい場合は、37条の3第2項但書により、目的事項に載っていなくても会計監査人の出席を求める決議ができる。検査役等の選任も同様に例外である
- 5.瑕疵があるなら異議を留めて期間内に動く 定足数不足や目的事項外の決議など手続違反があると考える場合、その場で異議を述べて議事録に残させたうえ、決議の日から3か月以内という決議取消しの訴えの期間を意識して弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社の社員総会の定足数は何人ですか?
保険業法37条の3第1項により、総社員の半数以上の出席が原則です。ただし、この法律または定款に別段の定めがある場合は、その定めによります。
Q2社員総会の目的事項とは何ですか?
会社法298条1項2号(保険業法41条1項で準用)が定める、招集にあたり決定される会議の目的である事項です。招集通知に記載され、決議できる範囲を画します。
Q3社員総会で議題以外の決議ができる例外は?
37条の3第2項但書により、会社法316条1項・2項の調査者(検査役等)の選任と、同法398条2項の会計監査人の出席要求は目的事項外でも決議できます。
Q4定足数を欠いた決議は無効ですか?
当然無効とは限らず、手続の瑕疵として決議取消しの訴えの対象になるのが基本です。瑕疵が著しい場合は決議不存在の主張もありえます。
Q5社員総会の決議取消しはいつまでに訴えるべき?
会社法831条の準用により、決議の日から3か月以内が出訴期間です。不存在・無効の確認は期間制限なく主張できます。
Q6総代会がある会社でも37条の3は使われますか?
総代会を置く相互会社では実際の決議は総代会で行われますが、その運営ルールは社員総会の規定を土台に組み立てられます。定款で確認が必要です。
Q7議決権の過半数は出席者の頭数ですか?
頭数ではなく議決権数です。条文は「出席した当該社員の議決権の過半数」と定めており、議決権配分は定款によるため頭数と一致しない場合があります。
Q8相互会社の社員は誰がなりますか?
相互会社では保険契約者が社員となり、社団の構成員としての地位を持ちます。そのため定足数の計算の分母に契約者全員が含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生命保険に入ってるだけなのに、社員って言われても実感がないんですが
相互会社では保険契約者がそのまま社員となり、社団の構成員としての地位を持つ。だから37条の3第1項の総社員の半数以上という定足数の分母に、あなたも入っている。実務のポイント:社員数が膨大な大手生保は、実際には社員総会ではなく総代会を置いている。自分の会社が総代会制かどうかは定款と事業報告で確認でき、そこが分かると議決権行使の実質的な入口が見える
Q2総会の当日に「その議案には反対だ、別の案を出したい」と言ったらどうなりますか
37条の3第2項により、招集通知に記載された目的事項以外は決議できないため、その場の提案は決議に至らない。ただし但書で、検査役等の選任や会計監査人の出席を求めることは議題外でも可能とされている。実務のポイント:反対意見そのものは述べられるし、述べた内容を議事録に残させる意味は大きい。後日の争いで、当日に異議を留めていた事実が主張の重みを左右する
Q3出席者が少なくて決議しちゃった場合、その決議はどうなるんですか
定足数を欠いた決議は手続に瑕疵があり、決議取消しの訴えの対象になる。程度が著しければ決議不存在の主張もありうる。取消しの訴えは決議の日から3か月以内という期間制限がある。実務のポイント:定足数の充足は議事録の記載だけで判断されるものではなく、委任状や議決権行使書面の実際の有効性が争点になる。争うなら議事録より先に、委任状の原本の閲覧を求める方が実質的だ
間違えやすい点 AI による整理
- 株式会社の株主総会と同じ感覚で、定款で定足数を外せると思われがちだが、本条は総社員の半数以上という定足数を原則として据えている。この法律または定款に別段の定めがある場合を除くという留保はあるものの、株式会社の普通決議のように定款で定足数をゼロまで下げられる構造とは前提が異なる。相互会社は社員が保険契約者であり、極端に少ない出席で会社の根幹が動くことを制度が警戒している
- 2項の目的事項制限は知られてはいるが、その深刻度が理解されていない。これは単なる議事整理のルールではなく、違反すれば決議取消事由になる効力規定である。当日の動議で押し切った決議は、後から訴訟で覆される火種を抱え続ける。総会を無事に終えたつもりで、数か月後に取消訴訟を受けるのが実際のリスクだ
- 社員の立場から見れば、総会は意見を言う場である。だが法律の側から見れば、総会は事前に確定した議題を承認または否認する場でしかない。この落差を知らないまま当日に臨むと、正しい主張をしていても手続の壁で一言も決議に結びつかない
- 議決権の過半数という表現を、出席者の頭数の過半数と読み違える人が多い。条文は出席した当該社員の議決権の過半数と書いている。相互会社の議決権配分は定款によるため、頭数と議決権が一致しない設計もありうる。数えるべき対象を間違えると、決議の成否判定そのものが狂う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 保険業法37条の3:社員総会の決議要件(定足数・目的事項制限) | 保険業法37条の2:社員総会の招集手続 保険業法42条:総代会を置く場合の代替機関 |
| 効いてくる場面 | 総会当日、決議が成立するかどうかの判定 | 総会の前、誰がいつ招集するかの決定 社員数が膨大で社員総会を開催しない会社の運営 |
| 違反した場合 | 決議取消事由(著しければ決議不存在) | 招集手続の瑕疵として同じく決議取消事由 総代会の構成・選出の瑕疵が争点となる |
| 社員が動くタイミング | 当日(定足数確認・但書の活用・異議の留保) | 招集前(提案権の行使、目的事項への搭載) 総代選出の段階(実質的な発言力の入口) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は相互会社形態を正面から制度化しておらず、保険会社は株式会社形態が中心。ただし公司法は召集通知への会議事由記載を求め、記載外事項の決議を制限する点で本条2項と機能的に対応する
韓国も相互会社制度を保険業法に置き、総会決議は商法の総会規定を基礎としつつ保険業法で修正される構造で、日本と体系配置が近い
ドイツは相互保険組合(VVaG)を保険監督法で規律し、意思決定機関として Oberste Vertretung(最高代表機関)を置く。日本の総代会に近い代表制が制度化されている
米国は州法ごとに相互保険会社を規律し、契約者を member とする点は共通だが、定足数や議題制限の詳細は州法と定款に委ねられ統一規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社が相互会社で、あなたは知らないうちに社員になっている。総会招集通知が届き、経営方針に不満があるので当日に議案を出そうと考えた。だが2項が立ちはだかる。招集通知記載の目的事項以外は決議できない。議題を載せたいなら、総会の何か月も前に社員提案権の手続を踏む必要がある
- 総代会ではなく社員総会を実際に開く小規模な相互会社で、当日の出席者が総社員の半数に届かなかった。この場合、どれだけ賛成が集まっても決議は不成立。議長が強行して決議したように見えても、後から決議取消訴訟または不存在確認訴訟の対象になる
- もし総会の席上で、会計監査人に直接説明させたいと感じたら、どうなる? 2項本文なら議題外で門前払いだが、但書があるおかげで、会計監査人の出席を求める決議だけは議題に載っていなくてもその場でできる。この一行を知っているかどうかで、総会当日の動き方が変わる
- 経営陣側の担当者として招集通知を起案する立場になった。目的事項の書き方が狭すぎると、想定していた関連決議まで2項で封じられる。逆に広く書きすぎると、社員側から予想外の提案を招く。招集通知の一文の設計が、その日の議事進行の勝敗を決める
- 総会まであと10日。定足数に届きそうにないと事務局が気付いた。委任状と議決権行使書面の回収を今から追い込むか、それとも延期して招集をやり直すか。決議が成立しなければ、それまでの準備がすべて無駄になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知を受け取ったら、日付と目的事項欄をまず確認、自分の関心事項が議題に載っているか照合する2. 載っていなければ、当日の動議では2項で封じられるため、社員提案の手続と期限を会社の総務窓口または定款で確認3. 総会当日、定足数が満たされているかを議長に確認させ、答えを議事録に残させる4. 手続違反があると考えるなら、その場で異議を述べたうえで、決議の日から3か月以内という決議取消訴訟の期間制限を意識して弁護士に相談する
訴えられた側:1. 会社側として招集通知を起案する段階で、目的事項を必要な決議事項が漏れない粒度で記載する2. 定足数の見込みを事前に試算し、議決権行使書面と委任状の回収状況を総会前に把握、届かない見込みなら招集のやり直しを検討3. 当日の動議が出た場合、2項本文により決議できない旨を議事録に明記し、但書の対象事項との区別を議長が説明できるよう準備4. 議事録の記載精度がそのまま後の訴訟耐性になるため、賛否の数と議決権数を分けて記録する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし総会決議に瑕疵があった場合、決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内に提起する必要があり、これは会社法の規定が保険業法により相互会社に準用される構造による(最新の準用条文の状況をご確認ください)。決議不存在または無効の確認は期間制限なく主張できる
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める