保険業法 第53条の15(会社法の準用)
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会社法第三百四十八条の二(業務の執行の社外取締役への委託)、第三百五十条(代表者の行為についての損害賠償責任)、第三百五十二条(取締役の職務を代行する者の権限)、第三百五十四条から第三百五十七条まで(表見代表取締役、忠実義務、競業及び利益相反取引の制限、取締役の報告義務)、第三百五十八条(第一項第二号を除く。)(業務の執行に関する検査役の選任)、第三百五十九条(裁判所による株主総会招集等の決定)、第三百六十条第一項(株主による取締役の行為の差止め)、第三百六十一条(第一項第三号から第五号までを除く。)(取締役の報酬等)及び第三百六十五条第二項(競業及び取締役会設置会社との取引等の制限)の規定は相互会社の取締役について、同法第三百四十九条第四項及び第五項(株式会社の代表)並びに第三百五十一条(代表取締役に欠員を生じた場合の措置)の規定は相互会社の代表取締役について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十四条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は相互会社の取締役又は代表取締役について、同法第九百三十七条第一項(第二号イ及びハに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の代表取締役について、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百四十八条の二第一項中「指名委員会等設置会社」とあるのは「指名委員会等設置会社(保険業法第三十条の十第九項に規定する指名委員会等設置会社をいう。以下この条において同じ。)」と、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とあるのは「取締役会の決議」と、同条第三項中「第二条第十五号イ」とあるのは「保険業法第五十一条の二第一号」と、同法第三百五十六条第一項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、同法第三百五十七条中「監査役設置会社」とあるのは「監査役設置会社(保険業法第三十条の十一第一項に規定する監査役設置会社をいう。第三百五十九条第三項において同じ。)」と、同条第二項中「監査役会設置会社」とあるのは「監査役会設置会社(保険業法第三十条の十第四項に規定する監査役会設置会社をいう。第三百六十一条第七項第一号において同じ。)」と、同条第三項中「監査等委員会設置会社」とあるのは「監査等委員会設置会社(保険業法第三十条の十第二項に規定する監査等委員会設置会社をいう。以下同じ。)」と、同法第三百五十八条第一項中「株主は」とあるのは「社員又は総代は」と、同項第一号中「総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主」とあるのは「社員総数の千分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に相当する数の社員又は三千名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の社員(特定相互会社にあっては、保険業法第三十八条第一項に規定する政令で定める数以上の社員)で六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続いて社員である者(総代会を設けているときは、これらの者又は九名(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その数)以上の総代)」と、同条第七項中「株主」とあるのは「社員又は総代」と、同法第三百五十九条第一項第二号中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同法第三百六十条第一項中「株式を有する株主」とあるのは「社員である者」と、「著しい損害」とあるのは「回復することができない損害」と、同法第三百六十一条第一項第六号中「金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)」とあるのは「金銭でないもの」と、同条第二項中「監査等委員」とあるのは「監査等委員(保険業法第二条第十九項に規定する監査等委員をいう。以下同じ。)」と、同条第七項第一号中「公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの」とあるのは「保険業法第五十一条の二ただし書に規定するものを除く。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
会社法の準用とは何ですか?
定義会社法の準用とは、保険業法第53条の15に定められた規定で、「会社法第三百四十八条の二(業務の執行の社外取締役への委託)、第三百五十条(代表者の行為についての損害賠償責任)、第三百五十二条(取締役の職務を代行する者の権限)…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第53条の15(会社法の準用)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第53条の15の条文原文は「会社法第三百四十八条の二(業務の執行の社外取締役への委託)、第三百五十条(代表者の行為についての損害賠償責任)、第三百五十二条(取締役の職務を代行する者の権限)…」で始まります。
- 保険業法第53条の15は第四目 取締役及び取締役会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第53条の15の前の条は保険業法第53条の14です。
- 保険業法第53条の15の次の条は保険業法第53条の16です。
- 保険業法第53条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法53条の15は、相互会社の取締役に会社法の忠実義務や利益相反取引の制限を準用する規定。社員三千名または総代九名で裁判所に検査役の選任を申し立てられる。
Q · 生命保険の契約者でも、保険会社の取締役の不正を追及できますか?
六箇月以上の社員なら、三千名または総代九名で検査役を申し立てられます
保険業法53条の15により会社法358条が準用され、六箇月前から引き続き社員である者が、社員総数の千分の三以上または三千名以上(総代会を設けている場合は総代九名以上)集まれば、業務の執行に関する検査役の選任を裁判所に申し立てられます。さらに会社法360条1項の準用により、回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、取締役の行為の差止めを請求できます。いずれも社員資格を失った時点で行使できなくなります。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命。これらの保険に入っているなら、あなたの法的な肩書は「顧客」ではなく「社員」である。相互会社には株主が一人もいない。出資者に相当する立場にいるのは、保険契約者であるあなただ。53条の15は、その相互会社の取締役に会社法の規律をまとめて引き込む変圧器にあたる。忠実義務(会社法355条)、競業・利益相反取引の制限(356条)、表見代表取締役(354条)、報酬の決め方(361条)がそのまま乗る。ただし読替えが効いている。差止請求(360条)の発動要件は「著しい損害」ではなく「回復することができない損害」、利益相反取引の承認機関は株主総会ではなく取締役会。そして検査役の選任申立て(358条)は、社員総数の千分の三、または三千名、総代会があるなら総代九名。あなたが握っている武器の形と、その刃こぼれの位置が、この一条に全部書き込まれている。
法的な位置づけ
保険業法53条の15は、相互会社の取締役および代表取締役に会社法の取締役に関する諸規定を準用する規定である。忠実義務、競業・利益相反取引の制限、表見代表取締役、検査役の選任、差止請求、報酬等の各規定が準用され、株式を前提とする部分の除外と、請求権者を社員または総代とする読替えが付されている。
手順
- 1.自分が「六箇月前から引き続き社員」かを確認する 保険証券と契約日、定款上どの契約が社員資格を伴うかを照合する。六箇月要件を満たさない、または既に解約している場合は、検査役選任も差止請求も入口に立てない。ここが全ての前提となる
- 2.総代会資料とディスクロージャー資料を日付入りで保全する 総代会の招集通知、議案書、事業報告、ディスクロージャー資料、剰余金処分に関する説明資料を、取得日が分かる形で保存する。会社側が後日サイト掲載物を差し替えても崩れない証拠になる
- 3.会社へ書面で照会し、回答の有無と内容を記録に残す 疑問点を書面で照会し、回答またはその不存在を記録する。会社が説明を拒んだ事実自体が、不正または法令・定款違反の重大な事実を疑うに足りる事由の補強材料になる
- 4.人数要件を満たす社員または総代を集める 社員総数の千分の三以上に相当する社員、または三千名以上の社員を集める。総代会を設けている会社なら総代九名以上でよい。特定相互会社の場合は政令で定める数が基準となるため、先に自社の区分を確認する
- 5.本店所在地の地方裁判所へ検査役選任を申し立てる 会社法358条および868条1項の準用により、本店所在地を管轄する地方裁判所へ申し立てる。疎明(869条準用)で足りるが、業務執行に関する不正の行為または法令・定款違反の重大な事実を疑うに足りる事由の具体的な提示が必要となる
- 6.損害が回復不能な段階なら差止請求へ切り替える 会社法360条1項の準用により、取締役の行為で回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、その行為の差止めを請求する。読替えにより要件が加重されているため、損害の回復不能性を具体的に主張する必要がある
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
株主が存在せず、保険契約者そのものが社員(構成員)となる保険会社の組織形態です。日本では生命保険会社の一部が採用し、意思決定は社員総会または総代会で行われます。
Q2総代会とは何ですか?
社員数が膨大な相互会社で、社員総会に代わって置かれる機関です。社員から選ばれた総代が議決権を行使します。保険業法53条の15の読替えでも、総代九名以上で検査役選任を申し立てられます。
Q3検査役の選任は何人で申し立てられますか?
社員総数の千分の三以上に相当する社員、または三千名以上の社員で申し立てられます。総代会を設けている場合は総代九名以上でも可能です。定款でこれを下回る要件を定めることもできます。
Q4取締役の行為の差止めはいつできますか?
会社法360条1項の準用ですが、要件が読み替えられ「著しい損害」ではなく「回復することができない損害」が生ずるおそれがある場合に限られます。株式会社より発動のハードルが高い設計です。
Q5六箇月前から社員という要件は何ですか?
検査役選任の申立てには、六箇月前から引き続き社員であることが必要です(定款でより短い期間を定めた場合はその期間)。加入直後や解約後は権利を行使できません。
Q6相互会社が株式会社になったらどうなりますか?
組織変更により社員たる契約者に株式や金銭が割り当てられる仕組みが用意されています。手続の詳細は保険業法の組織変更の章に定められ、総代会等の決議が必要です。
Q7社員総会と総代会の違いは何ですか?
社員総会は社員全員で構成する原則形態、総代会は定款により総代で構成する代替機関です。相互会社の実務では、社員数の規模から総代会を設ける例が一般的です。
Q8代表取締役の行為で損害を受けたら会社に請求できますか?
本条により会社法350条が準用され、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害は、相互会社自身が賠償責任を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生命保険に入っているだけなのに「社員」と呼ばれました。株主みたいなものですか?
似て非なるものです。相互会社には株式がないので、売買も株式配当もありません。その代わり社員総会(実際には総代会)での議決権に加え、会社法358条準用の検査役選任申立権、360条準用の差止請求権を持ちます。実務のポイント:どの契約が社員資格を伴うかは各社の定款で定まっています。総代候補者の選考手続や意見受付の窓口を設けている会社もあるので、自社の定款と総代選出規程を先に読むと、動かせる経路が見えます
Q2取締役が自分の身内の会社と取引するとき、契約者の承認は要らないんですか?
要りません。会社法356条1項が準用されますが、「株主総会」は「取締役会」と読み替えられるため、承認権限は取締役会の中で完結します。事後の報告先も365条2項準用で取締役会です。実務のポイント:だからこそ社員側の実効的な対抗手段は事後に寄ります。承認議事録に「重要な事実」が具体的に記録されているかどうかが、後日の責任追及で最初に見られる一点です
Q3保険会社の役員報酬って、契約者からは見えないものなんですか?
会社法361条が準用され、報酬等の決定には定款または社員総会(総代会)の決議が必要です。株式や新株予約権による報酬(1項3号から5号)は相互会社に株式がないため除外され、決定方針の策定義務は保険業法51条の2ただし書に該当する会社を除いて及びます。実務のポイント:個別開示ではなく総額での開示にとどまるのが通例です。各社のディスクロージャー資料と総代会議案を並べると、枠の総額と実際の支給の距離が読めます
Q4肩書だけの「副社長」が結んだ契約、会社は知らないと言い逃れできますか?
できません。会社法354条(表見代表取締役)が準用され、社長、副社長その他代表権を有すると認められる名称を付された取締役の行為について、会社は善意の第三者に責任を負います。実務のポイント:立証の鍵は名刺、パンフレット、ウェブサイトの役職表記です。取引に入る前にスクリーンショットと配布物を保存しておくと、後から会社側が表記を差し替えても崩れません
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社に株主のように物を言う権利はない」と考えて、質問すること自体をやめる人が多い。だが問いの立て方が違っている。相互会社に株主は存在せず、保険契約者であるあなた自身が社員、つまり構成員の側にいる。問うべきは「権利があるか」ではなく「その権利がどの条文の準用で、どの人数要件で動くか」である
- 「準用と書いてあるのだから会社法と同じ内容だろう」と読み飛ばされやすい。同じではない。読替えの一行が制度の中身を変える。360条の差止要件は「著しい損害」から「回復することができない損害」へ引き上げられ、損害が出る前でも取り返しがつく限り止められない。逆に、令和元年改正で新設された会社法348条の2(社外取締役への業務執行の委託)まで準用リストに並んでおり、利益相反局面で社外取締役に実務を委ねても社外性を失わない仕組みが相互会社にも用意されている。準用リストは単なる引き写しではなく、細部で強弱がついている
- あなたから見れば、毎月保険料を引き落とされる顧客である。法律から見れば、会社の構成員たる社員である。この落差が効いてくるのは、契約者配当や剰余金処分に納得できないときだ。顧客だと思っている人は問い合わせ窓口に電話して終わる。社員だと知っている人は、総代会の議案と裁判所への申立てという二本目の経路を数える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査役選任の請求要件 | 保険業法53条の15(会社法358条準用):社員総数の千分の三以上または三千名以上、総代会設置なら総代九名以上、六箇月継続 | 会社法358条(株式会社):総株主の議決権の百分の三以上 保険業法38条:社員総会の招集請求に関する社員数基準(特定相互会社の基準の参照元) |
| 差止請求の発動要件 | 「回復することができない損害」が生ずるおそれ(読替えで加重) | 会社法360条1項:原則「著しい損害」が生ずるおそれ —(招集請求の規定であり差止めの定めはない) |
| 利益相反・競業取引の承認機関 | 取締役会(会社法356条1項の「株主総会」を読替え) | 会社法356条:株主総会(取締役会設置会社では取締役会) — |
| 報酬等の規律 | 会社法361条準用。ただし株式・新株予約権による報酬(1項3号から5号)は相互会社に株式がないため除外 | 会社法361条:株式報酬・新株予約権報酬を含む全項目 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限会社または保険合作社に限定しており、日本型の相互会社は一般的でない。取締役の忠実義務は公司法23条、検査人の選任請求は公司法245条が担うが、請求要件は持株比率基準であり、人数基準への読替えは行われていない
韓国も保険業法に相互会社の規定を置き、機関に関する事項は商法の株式会社規定を広く準用する構造を採る。忠実義務および違法行為留止請求権の枠組みは日本と類似する
ドイツの VVaG は相互会社の原型の一つで、VAG が組織と機関を直接規律しつつ、必要な範囲で株式法の規定を準用する。監督官庁(BaFin)の監督権限が社員の私的監視より前面に出る点は日本と共通する
米国では州ごとに相互保険会社を規律し、取締役の義務は判例法上の fiduciary duty(duty of care / duty of loyalty)が基礎となる。契約者(policyholder)の議決権行使率が極めて低い点が長年の論点として指摘されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは相互会社の取締役で、配偶者が代表を務める会社にシステム保守を発注しようとしている。会社法356条1項が準用されるが、読替えにより承認機関は社員総会でも総代会でもなく取締役会だ。承認を取らずに実行すれば、取引の効力と任務懈怠責任の両方が同時に火を噴く。しかも実行後は365条2項の準用で取締役会への報告義務が残る
- もし総代会で剰余金の使い道を質問して、会社が「経営判断ですので」の一言で打ち切ったら? そこで終わりではない。不正の行為または法令・定款違反の重大な事実を疑うに足りる事由があれば、社員三千名、あるいは総代九名で、裁判所に検査役の選任を申し立てられる(会社法358条準用)
- 名刺に「副社長」とある取締役と契約した。実は代表権はなかった。それでも会社は善意のあなたに責任を負う(会社法354条準用)
- 不正を疑う情報を掴んだが、あなたが契約したのは五か月前。差止請求も検査役の申立ても「六箇月前から引き続き社員である者」が要件だ。あと一か月、契約を維持して待たなければ入口に立てない。逆に今日解約返戻金を受け取れば、その瞬間に社員資格ごと権利が消える
- 取引先として相互会社の代表取締役と交渉し、その職務執行によって損害を被った。会社法350条が準用され、会社そのものが賠償責任を負う。相手が個人として無資力でも、請求先は会社本体側に立てられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が六箇月前から引き続き社員かを保険証券と契約日で確認する、ここが全ての入口2. 総代会の招集通知、事業報告、ディスクロージャー資料を日付入りで保存3. 会社へ書面で照会し、回答の有無と内容を記録に残す4. 不正または法令・定款違反の重大な事実を疑う事由が固まったら、社員三千名または総代九名で本店所在地の地方裁判所へ検査役選任を申し立てる(会社法358条、868条1項準用) 5. 損害が回復不能な段階なら差止請求(360条準用)へ切り替える
訴えられた側:1. 競業取引と利益相反取引は、実行前に取締役会の承認を取る(会社法356条準用、承認機関は取締役会へ読替え) 2. 承認を求める場で重要な事実を全て開示し、開示内容を議事録に具体的に残す3. 実行後は遅滞なく取締役会へ報告(365条2項準用) 4. 会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したら監査役等へ即時報告(357条準用) 5. 報酬は定款または社員総会(総代会)決議の枠内かを確認し、決定方針の策定義務の有無を機関設計から検証する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間の定めはない。ただし検査役選任の申立ても差止請求も「六箇月前から引き続き社員である者」が要件であり、加入直後および解約後は行使できない。差止請求は損害が現実化する前でなければ実益を失う。役員の会社に対する損害賠償責任の追及は、特定の時効規定がなければ一般の消滅時効(民法166条1項、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の準用は会社法の取締役規律を相互会社へ包括的に及ぼす趣旨であり、読替えは株式を前提とする部分の技術的調整と、社員数規模に対応した権利行使要件の再設計の二種に整理される。読替えの範囲を超えて株式会社法理をそのまま持ち込むことはできないと解されている。
監督規制との関係を重視する立場:相互会社の社員は数が膨大で個々の監視インセンティブが乏しいため、会社法準用による社員の私的監視は補助的であり、実効的なガバナンスは金融庁による監督と総代会運営の透明化に依存すると指摘する見解がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治33年(1900年) 新設:旧保険業法により相互会社の制度が導入され、株主を持たない保険会社形態が日本法に組み込まれた
- 2.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正。相互会社の機関に関する規定が再編され、商法の株式会社規定を準用する構造が整理された
- 3.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、準用元が商法から会社法へ切り替えられ、条番号と読替えが全面的に置き換えられた
- 4.令和元年(2019年) 改正:会社法改正で新設された第348条の2(業務の執行の社外取締役への委託)が準用リストに追加され、利益相反局面で社外取締役に業務執行を委託しても社外性を失わない仕組みが相互会社にも及ぶこととなった
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