保険業法 第53条の21(監査役会の運営)
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会社法第二編第四章第八節第二款(運営)の規定は相互会社の監査役会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの条において準用する同法第三百九十四条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による許可の申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第三百九十四条第二項(議事録)中「株主」とあるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」と、同条第三項中「役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」とあるのは「役員の責任を追及するため必要があるとき」と、同条第四項中「親会社若しくは子会社」とあるのは「保険業法第三十三条の二第一項に規定する実質子会社」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
監査役会の運営とは何ですか?
定義監査役会の運営とは、保険業法第53条の21に定められた規定で、「会社法第二編第四章第八節第二款(運営)の規定は相互会社の監査役会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第53条の21(監査役会の運営)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第53条の21の条文原文は「会社法第二編第四章第八節第二款(運営)の規定は相互会社の監査役会の運営について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百六十九条(疎明)、第八百七十条…」で始まります。
- 保険業法第53条の21は第六目 監査役及び監査役会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第53条の21の前の条は保険業法第53条の20です。
- 保険業法第53条の21の次の条は保険業法第53条の22です。
- 保険業法第53条の21には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の21 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の21(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法53条の21は、相互会社の監査役会議事録の閲覧に会社法394条を準用し、請求できる者を社員(総代会があるときは総代)に読み替え、裁判所の許可を要件とする。
Q · 生命保険の相互会社で、監査役会の議事録って契約者でも見られるんですか?
総代会がある会社では、請求できるのは総代だけです
保険業法53条の21は、相互会社の監査役会の運営について会社法394条等を準用します。監査役会議事録の閲覧・謄写には裁判所の許可が必要で、請求できるのは「社員(総代会を設けているときは、総代)」に読み替えられています。大手生保はほぼ総代会を設けているため、実際に申立てができるのは総代に限られます。裁判所は、閲覧により会社または保険業法33条の2第1項の実質子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、許可をすることができません。
解説
生命保険の契約者は、会社の「客」であると同時に「社員」である。相互会社(日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命、朝日生命)に有配当保険で加入していれば、あなたは株式会社の株主に相当する構成員だ。その社員には、会社法394条2項の準用によって監査役会議事録の閲覧・謄写を求める道が開かれている。ただし裁判所の許可が要る。そして本条最大の仕掛けは読替えにある。総代会を設けている会社では、請求できるのは「社員」ではなく「総代」に限られる。大手はほぼ全社が総代会を置いているから、数千万人の契約者の情報アクセス権は、実際には数百人の総代に集約されている。さらに債権者側の請求についても、会社法の原文にある「親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」が丸ごと削られ、「役員の責任を追及するため必要があるとき」だけが残る。相互会社に株主はいない、だから親会社という概念も接続しない。誰も読まない読替えの一行一行が、誰が会社の内部を覗けるかを決めている。
法的な位置づけ
保険業法53条の21は、相互会社の監査役会の運営に関する準用規定である。会社法394条2項等を準用して監査役会議事録の閲覧・謄写に裁判所の許可を要するものとしたうえ、請求適格者を「社員(総代会を設けているときは、総代)」に読み替え、閲覧拒否事由の対象会社を保険業法33条の2第1項に規定する実質子会社に置き換える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の立場(社員か総代か)を確定する 対象の相互会社が総代会を設けているかを定款・ディスクロージャー誌で確認する。総代会を置く会社では、会社法394条2項の準用による申立適格は総代に限られるため、まず自分が総代であるか、総代に働きかける立場かを切り分ける
- 2.「役員の責任を追及するため必要」という目的を具体化する 債権者側の請求では読替えにより目的が「役員の責任を追及するため必要があるとき」に限定される。支払査定基準の変更、資産運用方針、実質子会社への与信など、問題視する事実を特定し、どの監査役会の議事録が必要かを日付単位で絞り込む
- 3.本店所在地の地方裁判所に許可を申し立てる 会社法868条1項の準用により、相互会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に申し立てる。原因となる事実は証明ではなく疎明で足りる(同869条の準用)ため、決定的証拠がそろうのを待たずに着手できる
- 4.会社側の陳述・審問に備える 裁判所は会社の陳述を聴く(会社法870条2項1号の準用)。会社は閲覧により会社または実質子会社(保険業法33条の2第1項)に著しい損害を及ぼすおそれを主張してくるため、対象議事録を限定して損害主張の射程を狭める反論を準備する
- 5.決定の理由を読み、即時抗告の要否を判断する 決定には理由が付される(会社法871条本文の準用)。不許可なら理由を踏まえて即時抗告(同872条5号の準用)を検討する。許可が出ても会社の即時抗告により執行は停止する(同873条本文の準用)ため、その後の進行も想定しておく
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法53条の21とは何ですか?
相互会社の監査役会の運営に会社法の規定を準用する条文です。特に監査役会議事録の閲覧・謄写の許可申立てについて、非訟手続の規定を準用しつつ請求適格者などを読み替えています。
Q2相互会社の監査役会議事録は誰が請求できますか?
会社法394条2項の「株主」が「社員(総代会を設けているときは、総代)」に読み替えられます。総代会を置く会社では、裁判所に閲覧許可を申し立てられるのは総代に限られます。
Q3監査役会議事録を見るのに裁判所の許可は必要ですか?
必要です。会社法394条2項の準用により、閲覧・謄写の請求には裁判所の許可を得なければなりません。会社に直接請求すれば当然に見られる仕組みにはなっていません。
Q4実質子会社とは何ですか?
保険業法33条の2第1項に規定される概念で、議決権の保有等を通じて相互会社が実質的に支配する会社を指します。本条では会社法の「親会社若しくは子会社」がこれに読み替えられます。
Q5監査役会議事録はいつまで保存されますか?
会社法394条1項の準用により、監査役会の日から10年間、本店に備え置かれます。備置期間を過ぎると、許可が出ても閲覧対象そのものが存在しなくなります。
Q6閲覧許可の申立てはどこの裁判所にしますか?
会社法868条1項の準用により、会社の本店所在地を管轄する地方裁判所が管轄します。相互会社の本店が大阪なら大阪地裁、東京なら東京地裁というように相手方の本店で決まります。
Q7閲覧許可が出なかったら不服申立てできますか?
会社法872条5号の準用により即時抗告ができます。逆に許可が出た場合も会社側が即時抗告でき、873条本文の準用により原裁判の執行は停止します。
Q8親会社社員による請求は相互会社でもできますか?
できません。会社法394条3項にある「親会社社員がその権利を行使するため必要があるとき」が読替えで削られ、「役員の責任を追及するため必要があるとき」だけが残っています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生命保険に入ってるだけで、本当に会社の「社員」なんですか?
相互会社に有配当保険で加入している契約者は、法律上その会社の社員、つまり構成員である。株式会社の株主に相当する地位で、剰余金の分配と総代会を通じた関与が付いてくる。ただし本条の読替えにより、総代会を設けている会社で監査役会議事録の閲覧許可を申し立てられるのは総代に限られる。実務のポイント:総代の選任手続と候補者名簿は各社が公表しており、推薦や応募の窓口が用意されている。請求できない側から請求できる側へ移る道は、制度上ふさがっていない。
Q2裁判所の許可なんて、どうせ出ないんじゃないですか?
判断の分かれ目は会社法394条4項の読替えにある。閲覧により会社または実質子会社(保険業法33条の2第1項)に著しい損害を及ぼすおそれがあると認められる場合に限り、裁判所は許可できない。逆に言えば、そのおそれが示されなければ許可は出る。実務のポイント:許可が出ても即時抗告されれば執行は停止する(同873条本文の準用)。会社側は時間を稼げるため、申立て側は対象議事録を絞り込むほど早く決着しやすい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険は買うもので、会社の中身は関係ない」と思われているが、相互会社の有配当契約者は法律上その会社の構成員である。剰余金の分配を受ける地位も、総代会を通じた議決権も、この社員という身分から出てくる。商品を買った瞬間に身分が発生する契約は、そう多くない。
- 会社法の株主の権利がそのまま社員に平行移動すると考えるのは、問いの立て方が誤っている。本条は準用しつつ読替えで削っている。株主なら「その権利を行使するため必要があるとき」で足りるが、相互会社の債権者側は「役員の責任を追及するため必要があるとき」に絞られ、親会社社員の請求経路は存在しない。準用条文は、何を準用したかより何を読み替えたかを読む。
- 総代会がある会社の契約者から見れば「自分にも請求権がある」だが、条文から見れば請求適格者は総代だけである。この落差に気付かないまま申立てをすれば、中身の当否に入る前に適格の段階で終わる。総代の選任手続に無関心でいることの実質的なコストは、ここに現れる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 保険業法53条の21:社員(総代会を設けているときは、総代) | 会社法394条2項(原文):株主 保険業法42条:総代会の設置根拠、総代が社員に代わって権限を行使 |
| 債権者側の請求目的 | 役員の責任を追及するため必要があるときに限定 | 役員の責任追及+親会社社員の権利行使の二本立て — |
| 閲覧拒否事由の対象会社 | 会社または保険業法33条の2第1項の実質子会社に著しい損害のおそれ | 会社または親会社・子会社に著しい損害のおそれ — |
| 手続の性質 | 非訟事件(会社法868条1項以下を準用、疎明で足りる) | 同じ非訟手続だが株式会社を前提 総代の選任は会社内部の手続で、裁判所は関与しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限公司または合作社に限り、日本型の相互会社を置かない。帳簿書類の閲覧は会社法の一般規定と監察人の調査権で処理され、裁判所の許可制という関門は設けられていない
韓国は相互会社の制度を保険業法に置きつつ、機関の議事録閲覧は商法の取締役会議事録閲覧規定(裁判所の許可制)を軸に構成する。監査役会ではなく監査委員会型が主流である点が日本と異なる
ドイツの相互保険社(VVaG)は日本の相互会社の主要な参照点。Aufsichtsrat(監査役会)の議事録は AktG の規定によるが、構成員の閲覧を裁判所許可にかからしめる日本型の設計とは構造が異なる
米国は州ごとに相互保険会社を規律し、記録閲覧権は州会社法・保険法の inspection right として構成される。正当な目的(proper purpose)の立証が争点となり、裁判所の事前許可制ではなく事後の訴訟で争われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが総代に選ばれた年に、保険金の支払査定基準の変更や実質子会社への大口与信が問題化したとしたら? 監査役会の議事録閲覧許可を裁判所に申し立てられるのは、その会社では社員一般ではなく総代であるあなただけだ。総代の任期が切れればその立場も消える。次の改選まで残された時間の中で、何を特定して請求するかを決めることになる。
- 支払渋りの報道を見た。あなたは相互会社の契約者、つまり社員である。だが総代会がある以上、議事録請求の窓口はあなたではなく総代の側にある。
- あなたが相互会社の法務担当だとする。総代から監査役会議事録の閲覧許可の申立てが裁判所に出た。会社側には審問で陳述する機会が与えられ(会社法870条2項の準用)、閲覧により会社または実質子会社に著しい損害を及ぼすおそれを疎明できれば、裁判所は許可を出せない。仮に許可が出ても、即時抗告すれば執行は停止する(同873条本文の準用)。攻める側と守る側で、使える道具が最初から違う。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が社員か総代かを確認する。総代会を設けている会社では申立適格は総代に絞られる2. 「役員の責任を追及するため必要」という目的を、支払査定、資産運用、実質子会社への与信など具体的事実に落として書面化する3. 会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に許可を申し立てる(会社法868条1項の準用)。日本生命なら大阪、明治安田生命なら東京と、相手の本店で出向く先が変わる4. 原因事実は疎明で足りる(同869条の準用)ので、決定的証拠がそろうのを待たない
訴えられた側:1. 申立てを受けたら審問での陳述の機会を確実に使う(会社法870条2項の準用)。ここで提出する資料が結論をほぼ決める2. 争点は「著しい損害のおそれ」一点に絞る。会社本体だけでなく実質子会社(保険業法33条の2第1項)への影響も主張できるのが本条の読替えの利点3. 決定には理由が付される(同871条本文の準用)ので、理由を読んで即時抗告の可否を判断する。抗告は執行停止の効力を持つ(同873条本文の準用) 4. 平時から議事録の記載粒度を設計しておく
時効(請求できる期限):本条自体に申立ての期間制限はない。ただし監査役会議事録の備置期間は監査役会の日から10年(会社法394条1項の準用)で、これを過ぎれば閲覧対象そのものが消える。裁判所の決定に対する即時抗告は、裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内(会社法872条5号の準用、非訟事件手続法)。役員の責任追及自体の時効は別軌道で進む(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 改正年・回数は人的検証が必要 条文中に会社法870条の2(申立書の写しの送付等)および872条の2(抗告状の写しの送付等)の準用が含まれており、会社法の非訟手続整備に連動して更新されてきたことがうかがえる。具体的な改正年次と新設・改正の別は未検証のため、施行日付きの官報ベースでの確認を要する
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