保険業法 第53条の26(執行役の選任等)
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- 指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。
- 2.執行役は、取締役会の決議によって選任する。
- 3.指名委員会等設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。
- 4.第五十三条の二第一項及び第二項の規定は、執行役について準用する。
- 5.執行役は、取締役を兼ねることができる。
- 6.執行役の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。
- 7.会社法第四百二条第八項(執行役の選任等)の規定は、相互会社の執行役の任期について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは「保険業法第五十三条の二十六第六項」と、「が指名委員会等」とあるのは「(同法第三十条の十第九項に規定する指名委員会等設置会社をいう。)が指名委員会等(同法第四条第一項第三号に規定する指名委員会等をいう。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
執行役の選任等とは何ですか?
定義執行役の選任等とは、保険業法第53条の26に定められた規定で、「指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第53条の26(執行役の選任等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第53条の26の条文原文は「指名委員会等設置会社には、一人又は二人以上の執行役を置かなければならない。」で始まります。
- 保険業法第53条の26は第九目 指名委員会等及び執行役に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第53条の26の前の条は保険業法第53条の25です。
- 保険業法第53条の26の次の条は保険業法第53条の27です。
- 保険業法第53条の26には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の26 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第53条の26(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/53_26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法53条の28は、相互会社の指名委員会等設置会社に執行役を必置とし、取締役会が選任すると定める。会社との関係は委任で、任期は原則1事業年度である。
Q · 保険会社の「執行役」って、名刺でよく見る「執行役員」と同じものですか?
別物。執行役は法定機関で委任関係、執行役員は社内呼称
保険業法53条の28の執行役は、相互会社が指名委員会等設置会社である場合に必置とされる法定の機関です(1項)。取締役会の決議で選任され(2項)、会社との関係は雇用ではなく委任(3項)、任期は原則1事業年度で定時社員総会後最初の取締役会の終結時に満了します(6項)。一方の「執行役員」は法律上の機関ではなく社内の役職名にすぎず、多くは従業員のままで労働法の保護が及びます。取締役の兼任は可能です(5項)。
解説
「執行役」と「執行役員」は一字しか違わないが、法的にはまったく別の生き物である。執行役員は会社が任意に置く社内呼称で、多くは従業員のまま。対して執行役は、指名委員会等設置会社に必ず置かなければならない法定の機関だ(1項)。本条3項は、会社と執行役の関係を雇用ではなく委任だと言い切る。労働基準法も労働契約法も、原則として盾にならない。任期は1事業年度が基本で、定時社員総会後の最初の取締役会の終結でいったん切れる(6項)。そして日本生命や明治安田生命のように、いまも相互会社の形をとる生命保険会社では、保険料を払っているあなた自身が「社員」、つまり会社の構成員である。その会社が指名委員会等設置会社を選んだとき、日々の経営を握る執行役を選ぶのは社員総会(多くは総代会)ではなく、取締役会だ(2項)。あなたと経営者の間には、選任のステップが二段はさまっている。
法的な位置づけ
保険業法53条の28は、相互会社のうち指名委員会等設置会社における執行役について定める規定である。執行役は必置の法定機関であり、取締役会の決議により選任され、会社との関係は委任に関する規定に従う。任期は原則として選任後一年以内に終了する事業年度に係る定時社員総会後、最初に招集される取締役会の終結の時までとされる。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法53条の28とは何ですか?
相互会社である指名委員会等設置会社に執行役を必置とし、取締役会による選任、委任関係、原則1事業年度の任期を定める規定です。会社法402条の相互会社版にあたります。
Q2執行役は誰が選任しますか?
取締役会の決議で選任します(2項)。社員総会や総代会が直接選ぶのは取締役であり、執行役ではありません。契約者の意思は取締役選任を経由して届きます。
Q3執行役の任期はいつまでですか?
選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結後、最初に招集される取締役会の終結の時までです(6項)。定款で短縮はできますが延長はできません。
Q4執行役は取締役を兼任できますか?
できます(5項)。ただし指名委員会等設置会社では監査委員である取締役は執行役を兼ねられないという規律が別に働くため、兼任の範囲には限界があります。
Q5執行役に労働基準法は適用されますか?
原則として適用されません。3項が会社と執行役の関係を委任と定めるため、解雇予告手当や有給休暇、残業代は当然には発生しません。就任前の条件交渉が重要です。
Q6相互会社の「社員」とは誰のことですか?
保険契約者のことです。相互会社では契約者がそのまま会社の構成員となり、社員総会(多くは総代会)の議決権を持ちます。株式会社の株主にあたる立場です。
Q7執行役は解任できますか?
委任関係のため取締役会の決議でいつでも解任できます。ただし正当な理由がない解任は、解任により生じた損害の賠償請求の対象となりうる規律が及びます。
Q8指名委員会等の定めを廃止すると執行役はどうなりますか?
定款変更の効力発生時に任期が満了します(7項が準用する会社法402条8項)。機関設計の変更日が、そのまま全執行役の地位の終了日になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行役と執行役員って、結局どこが違うんですか?
執行役は保険業法53条の28が置くことを義務づけた法定の機関で、取締役会が選び(2項)、会社との関係は委任(3項)、任期は1事業年度単位(6項)です。執行役員は法律にない社内呼称で、多くは従業員のまま。実務のポイント:登記を見れば一発で判別できます。執行役は登記事項ですが、執行役員は登記されない。相手の肩書きが本物の機関かどうか、登記情報を取れば数百円で確認できる。
Q2執行役になったら、労働者としての権利はどうなるんですか?
3項が会社と執行役の関係を委任と定めている以上、労働基準法や労働契約法の保護は原則として及びません。解雇予告も有給休暇も残業代も、当然には付かない。実務のポイント:従業員から執行役に上がるとき、多くの会社は雇用契約をいったん終了させます。そこで退職金の勤続年数がリセットされることがある。就任を承諾する前に通算の扱いを書面で確認しないと、後から取り戻せない。
Q3保険の契約者なのに「社員」って言われるのは、どういう意味ですか?
相互会社では、保険契約者がそのまま会社の構成員である社員になります(保険業法2条)。株式会社の株主にあたる立場で、社員総会の議決権を持つ。ただし契約者が数百万人規模になるため、多くの会社は定款で総代会を置き、選ばれた総代が議決権を行使します(保険業法42条)。実務のポイント:総代は公募や推薦で選ばれ、応募できる契約者は意外に多い。総代になれば、本条の執行役を選ぶ取締役会のメンバーを選ぶ側に回れる。
Q4任期が1年しかないと、経営が短期志向になりませんか?
6項の任期は1事業年度が基本ですが、再選に回数制限はなく、実際に長期在任する執行役も珍しくありません。1年の刻みは、退場させたいときに毎年チャンスが来るという意味であって、必ず交代するという意味ではない。実務のポイント:短期志向を抑える装置は任期ではなく報酬設計の側にあります。指名委員会等設置会社では報酬委員会が個人別の報酬内容を決めるため(会社法404条3項と同旨の規律)、中長期の業績連動をどう組むかで実質が決まる。
間違えやすい点 AI による整理
- 会社を動かすトップなのだから、当然、社員である契約者が選んでいるはずだと思われがちだが、2項が選任権を与えているのは取締役会だけである。社員総会や総代会が直接選ぶのは取締役であって、執行役ではない。契約者の意思は、取締役の選任という一枚のフィルターを通ってからしか執行役に届かない。
- 「執行役員をクビにできるか」という問いの立て方そのものがずれている。執行役員は法律上の機関ではなく社内の役職名にすぎず、多くは労働者のままなので労働契約法の解雇規制がかかる。一方、本条の執行役は3項により委任だから、取締役会の決議で解任できる。同じ「やめさせる」でも、出発点になる法律が違う場所にある。
- あなたから見れば、毎年の再任で長年続投しているベテラン経営者だ。だが法律から見れば、その地位は6項によって1事業年度ごとにいったん完全に切れ、取締役会が毎年ゼロから選び直している。この落差は責任追及の場面で効いてくる。在任が何年続いていようと、問われるのは各任期における職務執行だからである。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的根拠 | 保険業法53条の28(相互会社の執行役) | 保険業法53条の2(役員の欠格事由、本条4項が準用) 会社法402条(株式会社の執行役、8項を本条7項が準用) |
| 選任機関 | 取締役会の決議(2項) | 欠格事由の適合審査は選任時に確認 株式会社でも取締役会が選任 |
| 会社との法律関係 | 委任に関する規定に従う(3項) | 欠格事由に該当すれば就任自体が不可 株式会社の執行役も委任 |
| 任期の終期 | 定時社員総会後最初に招集される取締役会の終結時(6項) | — 定時株主総会後最初の取締役会の終結時 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は相互保険会社の設立を法文上想定するが実例は限られ、保険市場の主流は株式会社。執行役に相当する法定機関は置かず、経理人・董事の枠組みで処理する
韓国は2011年商法改正で集行任員(집행임원)制度を導入したが、採用は任意。日本の指名委員会等設置会社のような必置構造ではない点が異なる
ドイツの相互保険協会(VVaG)は二層制(Vorstand と Aufsichtsrat)を基本とし、日本の一層制+委員会型とは監督構造の設計思想が異なる
米国は州ごとに規律が分かれるが、board of directors が officers を選任する構造は共通。日本の指名委員会等設置会社はこの米国型を翻案したものと位置づけられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 定時社員総会が来週に迫っているのに、執行役の再選議案が取締役会の議題に上がっていないとしたら? 6項の任期は、その総会後に最初に招集される取締役会の終結で自動的に切れる。再選決議を落とした瞬間、その人物は法的に執行役ではなくなり、その後に下した決裁の効力が後から争われる。動ける時間は、取締役会の招集通知期間しか残っていない。
- 執行役に就任しないかと打診された。提示されたのは年俸の額だけで、任期の扱いも解任されたときの補償も書面にない。委任契約である以上、退職金も解雇予告手当も自動では付いてこない。
- 保険会社から届いた総代会の資料に、役員の一覧が載っている。誰が執行役で、誰が取締役を兼ねているか(5項)を数えるだけで、その会社が監督と執行の分離をどこまで本気でやっているかが読める。ただし監査委員である取締役だけは執行役を兼ねられない(会社法400条4項に相当する規律)。ここが崩れていたら、指名委員会等設置会社の看板そのものが疑わしい。
- 取締役会が急に開かれ、執行役の解任が決議された。委任関係だから解任自体はいつでもできるが、正当な理由がなければ、解任によって生じた損害の賠償を請求する道が残る(会社法403条2項と同旨の規律が相互会社の執行役にも及ぶ)。実務の争点は「正当な理由」の中身で、単なる業績不振だけでは足りないと解されることが多い。
- 親会社の方針転換で、指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止することになった。この定款変更の効力が生じた瞬間、執行役の任期は残りがあってもそこで満了する(7項が準用する会社法402条8項)。機関設計の変更が、そのまま全執行役の地位の終了日になる。
取るべき行動
被害を受けた側:執行役として解任された、または再任されなかった場合、まず取締役会議事録の写しを請求し、決議の日付と理由の記載を押さえる。任期満了なら6項どおりの自然終了で争えないが、任期途中の解任なら「正当な理由」の有無が争点になる。次に委任契約書と報酬委員会の決定内容を突き合わせ、未払報酬と補償条項の有無を確認する。社員(契約者)の立場でガバナンスに疑問があるなら、総代会での質問と、定款や業務報告書の閲覧から始める。
訴えられた側:執行役として任務懈怠を追及されているなら、争点は在任期間全体ではなく、問題の判断が行われた任期の職務執行に絞られる。取締役会からどの範囲の業務執行の決定を委任されていたか、その決議内容を先に確定させること。委任の範囲外なら責任の入口自体が変わる。会社側として選任手続を問われている場合は、取締役会の招集手続、決議の成立要件、そして4項が準用する保険業法53条の2第1項・第2項の欠格事由の確認記録を、時系列で揃える。
時効(請求できる期限):執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結後、最初に招集される取締役会の終結の時まで(6項)。定款による短縮は可能だが延長はできない。さらに、指名委員会等を置く旨の定款の定めを廃止する定款変更をした場合、任期はその効力発生時に満了する(7項が準用する会社法402条8項)。任務懈怠責任の追及には本条固有の時効はなく、一般の消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)による。
学説
通説:会社と執行役の関係を委任とする3項の帰結として、執行役には民法644条の善管注意義務が及び、労働法の適用は原則として否定されると解されている。ただし従業員兼務の実態がある場合の労働者性は、実質に即した個別判断となる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)会社法改正に伴う整備 「委員会設置会社」から「指名委員会等設置会社」への名称変更が保険業法の相互会社規定にも及び、本条の見出しと文言が現在の形になったと解される。条番号の移動を含め、改正時期と新設か改正かの区別は人的検証が必要
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