保険業法 第71条(新株予約権買取請求等)
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会社法第七百七十七条(新株予約権買取請求)、第七百七十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定は、組織変更をする株式会社が新株予約権を発行している場合について準用する。この場合において、同法第七百七十八条第一項、第二項及び第四項中「組織変更後持分会社」とあるのは「組織変更後相互会社(保険業法第六十九条第四項第一号に規定する組織変更後相互会社をいう。)」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
新株予約権買取請求等とは何ですか?
定義新株予約権買取請求等とは、保険業法第71条に定められた規定で、「会社法第七百七十七条(新株予約権買取請求)、第七百七十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第71条(新株予約権買取請求等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第71条の条文原文は「会社法第七百七十七条(新株予約権買取請求)、第七百七十八条(新株予約権の価格の決定等)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る…」で始まります。
- 保険業法第71条は第一款 株式会社から相互会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第71条の前の条は保険業法第70条です。
- 保険業法第71条の次の条は保険業法第72条です。
- 保険業法第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法71条は、相互会社へ組織変更する保険会社の新株予約権者に、会社法777条・778条を準用して公正な価格での買取請求権を認める。請求は効力発生日の20日前から前日まで。
Q · 保険会社が相互会社になると、持っている新株予約権はどうなりますか?
消滅する前に、20日間の窓で買取請求できます
新株予約権は組織変更の効力発生日に消滅します(保険業法81条2項)。ただし保険業法71条が会社法777条・778条を準用するため、新株予約権者は効力発生日の20日前の日から前日までに、会社に対し公正な価格での買取りを請求できます。効力発生日から30日以内に価格協議が調わないときは、その満了日後30日以内に本店所在地を管轄する地方裁判所へ価格決定の申立てができ、裁判所が非訟事件として価格を決定します。
解説
保険会社である株式会社が相互会社に姿を変える日、その会社の株式と新株予約権は同時に消滅する(保険業法81条2項)。株主は組織変更計画に書かれた補償を受け取るだけで、この款に法定の株式買取請求権は置かれていない。ところが新株予約権(ストックオプション)を持つあなただけは別扱いになる。本条が会社法777条と778条を引き込むことで、会社に「公正な価格で買い取れ」と迫る権利が生まれ、価格が折り合わなければ裁判所に決めさせられる。ただし使える窓は狭い。効力発生日の20日前の日から前日までの間だけである。この窓を逃せば、あなたの新株予約権は会社が組み立てた補償の枠内で静かに消える。
法的な位置づけ
保険業法71条は、株式会社から相互会社への組織変更に際し、組織変更をする株式会社が新株予約権を発行している場合について、会社法777条・778条の新株予約権買取請求および価格決定の規定、ならびに868条1項以下の非訟事件手続規定を準用する規定である。準用に伴い「組織変更後持分会社」は「組織変更後相互会社」と読み替えられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告・通知から効力発生日を確定する 会社からの通知または公告で組織変更の効力発生日を確認し、その20日前の日と前日をカレンダーに記入する。通知・公告は効力発生日の20日前までに行われる(会社法777条3項・4項)
- 2.期間内に買取請求を書面で提出する 効力発生日の20日前の日から前日までに、買取りを請求する新株予約権の内容と数を明らかにして請求する(会社法777条5項)。新株予約権証券が発行されている場合は証券も提出する(同6項)
- 3.効力発生日から30日間、価格を協議する 会社の提示額と算定根拠(オプション評価モデルの前提、時間価値の扱い等)の開示を求め、協議する。協議が調えば会社は効力発生日から60日以内に支払う(会社法778条1項)
- 4.協議不成立なら裁判所へ価格決定を申し立てる 30日の協議期間の満了日後30日以内に、本店所在地を管轄する地方裁判所へ価格決定を申し立てる(会社法778条2項、868条1項)。非訟事件として扱われ、申立書の写しは会社に送付される(870条の2)
- 5.必要なら先払いを受けつつ争う 会社は価格決定前でも自社が公正と認める額を支払うことができる(会社法778条5項)。資金が必要な場合はこれを受領しつつ、裁判所の決定を求める。決定に不服なら即時抗告(872条5号)
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法71条とは何ですか?
株式会社から相互会社へ組織変更する保険会社が新株予約権を発行している場合に、会社法777条・778条および非訟事件手続の規定を準用する条文です。
Q2組織変更で新株予約権はどうなりますか?
効力発生日に消滅します(保険業法81条2項)。消滅前に買取請求をしなければ、組織変更計画に定められた補償の枠内で処理されます。
Q3新株予約権買取請求はいつまでにすればいいですか?
効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までです(会社法777条5項)。効力発生日当日に出しても間に合いません。
Q4買取請求は撤回できますか?
原則として会社の承諾が必要です(会社法777条8項)。効力発生日から60日以内に価格決定の申立てがなければ、その後はいつでも撤回できます。
Q5相互会社への組織変更とはどういう意味ですか?
保険株式会社が社員(保険契約者)を構成員とする相互会社に組織を変える手続です。効力発生日に保険契約者が社員となります。
Q6株主にも買取請求権はありますか?
この款に法定の株式買取請求権は置かれていません。株主の取り分は組織変更計画に記載された補償(保険業法69条4項3号)によります。
Q7買取代金はいつ支払われますか?
協議が調った場合、会社は効力発生日から60日以内に支払います(会社法778条1項)。買取りの効力は効力発生日に生じます。
Q8新株予約権証券は提出が必要ですか?
新株予約権証券が発行されている場合は、買取請求に際して証券を会社に提出する必要があります(会社法777条6項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持ってるストックオプション、会社は「ちゃんと補償するから大丈夫」って言うんですけど、それで済ませていいんですか?
組織変更計画に書かれる補償(保険業法69条4項3号)と、あなたが自分で行使する買取請求権(本条が準用する会社法777条1項の公正な価格)は別の話である。会社の提示に乗れば、価格を裁判所に決めさせる道は使わずに終わる。実務のポイント:実務では新株予約権の公正な価格にオプション評価モデルが用いられる。会社の提示が本源的価値だけで組まれていると時間価値の分が抜け落ちていることがあるので、算定根拠の開示を先に求める。
Q2価格の話がこじれたら、どこの裁判所に行くことになるんですか。うちは地方なんですけど
訴訟ではなく非訟事件として扱われ、管轄は会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に固定される(本条が準用する会社法868条1項)。決定に不服なら即時抗告ができる(同872条5号)。実務のポイント:非訟事件なので申立書の写しは相手方に送付される(同870条の2)。書いた内容がそのまま会社側に届くので、最初の申立書を交渉の第一手として設計するかどうかで、その後の協議の温度が変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主のほうが新株予約権者より厚く保護されるはずだ」という前提から考え始めると、答えにたどり着けない。この款が法定の買取請求権を与えたのは新株予約権者だけで、株主の取り分は組織変更計画に書かれた補償(保険業法69条4項3号)の中身次第。問いの向きそのものを逆に立て直す必要がある
- 「効力発生日の20日前から請求できる」ところまでは知っている人が多いが、その窓が効力発生日の前日で閉じることまで意識している人は少ない。効力発生日当日に出した請求はもう間に合わない。買取り自体は効力発生日に効力を生ずる(会社法778条6項)ため、当日は手続の内側ではなく外側である
- 一度出した買取請求はいつでも引っ込められると思われがちだが、原則として会社の承諾がなければ撤回できない(会社法777条8項)。自由に撤回できるようになるのは、効力発生日から60日以内に誰も価格決定の申立てをしなかった場合だけである(同778条3項)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰を保護するか | 保険業法71条:新株予約権者(会社法777条・778条を準用) | 保険業法69条:株主(組織変更計画の補償の記載義務) 保険業法70条:債権者(異議手続) |
| 救済の性質 | 公正な価格での買取請求権+裁判所による価格決定(非訟) | 計画に記載された補償の受領(法定の買取請求権なし) 弁済・担保提供・信託の請求 |
| 行使の窓 | 効力発生日の20日前の日から前日まで(会社法777条5項) | 株主総会の特別決議までの意思表示(計画の承認段階) 公告・催告に定める一定の期間内(1か月以上) |
| 失権後の争い方 | 期間を逃すと請求権が発生せず、補償の枠内で消滅(保険業法81条2項) | 手続の瑕疵は組織変更無効の訴え(保険業法84条の2)で争う 手続の瑕疵は組織変更無効の訴え(保険業法84条の2)で争う |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾の保険業は株式会社または保険合作社に限られ、日本型の相互会社への組織変更は想定されていない。反対株主の株式買取請求は公司法・企業併購法に置かれ、買取価格の争いは裁判所が決定する点が共通する
韓国も保険株式会社の相互会社への組織変更を法定し、保険契約者総会など日本と類似した手続を置く。新株予約権者の扱いは商法の買取請求制度との接続で処理される
中国の保険会社は株式有限会社等に限られ、相互会社への転換制度はない。反対株主の持分・株式買取請求は会社法に置かれ、協議不成立時は人民法院への提訴によって争う
ドイツ組織再編法は、株式の取得権など特別の権利を持つ者に同等の権利を与えることを求め、組織変更(Formwechsel)では現金補償の申出を義務づける。裁判所による補償額の審査は Spruchverfahren で行われる
フランスは資本へのアクセス権を持つ有価証券の保有者に対する保護規定を商法典に置き、組織再編時の権利保全を求める。価格は原則として契約と鑑定により定まり、非訟型の価格決定手続は日本ほど制度化されていない
米国の相互会社化・株式会社化は州保険当局の認可と保険監督手続を中心に組み立てられ、appraisal right は原則として株主に限られる。オプション保有者の救済は発行要項と再編契約の条項に委ねられる度合いが高い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤め先の生命保険会社が相互会社になるという公告が出た。手元のストックオプションはどうなる? 効力発生日に消滅する(保険業法81条2項)。ただし効力発生日の20日前の日から前日までに買取請求を出せば、公正な価格を現金で取り戻せる。動ける窓は実質20日間しかなく、そこを過ぎたら請求権そのものが立ち上がらない
- 組織変更を進める会社の法務担当なら、話は逆向きになる。効力発生日の20日前までに新株予約権者へ通知、または公告に切り替えないと(会社法777条3項・4項)、その手続の瑕疵が組織変更無効の訴え(保険業法84条の2)で争われる余地を残す。
- 会社の提示額に納得できないまま、効力発生日から30日が過ぎた。ここから先は、その満了日後30日以内に本店所在地の地方裁判所へ価格決定の申立てをするかどうかの二択(会社法778条2項、868条1項)。申立てをしないまま効力発生日から60日を過ぎると、今度はあなたがいつでも買取請求を撤回できる立場に変わる(同778条3項)。前に進むか白紙に戻すかを、日付で選ばされる局面である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知または公告の日付を押さえ、効力発生日を確定する2. 効力発生日の20日前の日から前日までに、新株予約権の内容と数を明示した買取請求を書面で出す(会社法777条5項)。新株予約権証券が発行されているなら証券も提出する(同6項)3. 効力発生日から30日は価格協議、調わなければその満了日後30日以内に本店所在地の地方裁判所へ価格決定の申立て(同778条2項)4. 資金が必要なら会社の先払い(同778条5項)を受けながら争う
訴えられた側:1. 効力発生日の20日前までに新株予約権者へ通知、または公告に切り替える(会社法777条3項・4項)2. 組織変更計画に株主及び新株予約権者への補償を明記し(保険業法69条4項3号)、算定根拠を文書として残す3. 請求が出たら効力発生日から60日以内の支払期限を逆算して資金を手当てする(会社法778条1項)4. 争いが長引く見込みなら、公正と認める額の先払いで利息の膨張を止める(同778条5項)
時効(請求できる期限):買取請求は効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日まで(会社法777条5項)。協議が調えば会社は効力発生日から60日以内に支払(同778条1項)。効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、その満了日後30日以内に裁判所へ価格決定の申立て(同778条2項)。効力発生日から60日以内に申立てがなければ、その後は新株予約権者がいつでも撤回できる(同778条3項)。裁判所が決めた価格には60日期間の満了日後の法定利率による利息が付く(同778条4項、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により制定。株式会社から相互会社への組織変更に関する一連の規定が整備され、その一環として組織変更をする株式会社が新株予約権を発行している場合の準用規定が置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、旧商法の規定を引いていた準用関係が会社法777条・778条ほかの準用へと改められた
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