保険業法 第75条(取締役の報告)
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取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。
この条文の基本情報
取締役の報告とは何ですか?
定義取締役の報告とは、保険業法第75条に定められた規定で、「取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第75条(取締役の報告)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第75条の条文原文は「取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第75条は第一款 株式会社から相互会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第75条の前の条は保険業法第74条です。
- 保険業法第75条の次の条は保険業法第76条です。
- 保険業法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法75条は、株式会社から相互会社への組織変更について、取締役が保険契約者総会に報告する義務を定める。74条3項が準用する会社法78条により説明義務も負う。
Q · 保険会社の組織変更で開かれる保険契約者総会って、取締役は何をする場なんですか?
報告だけの条文だが、質問に答えさせる唯一の場です
保険業法75条により、取締役は組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければなりません。報告そのものは決議ではありませんが、74条3項が準用する会社法78条によって、取締役は総会で出た質問に答える説明義務を負います。組織変更を止める勝負は70条の異議申立期間で決着しており、総会の争点は「止めるか」ではなく「どんな相互会社になるか」(76条の定款と取締役の選任)です。効力発生日を過ぎれば保険契約者は社員となります(81条)。
解説
取締役が説明台に立つ相手は、株主ではない。保険料を払っている契約者である。保険業法75条はたった一文、「取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない」。だがこの一文が置かれている場所を見てほしい。保険会社である株式会社が相互会社へ姿を変える工程(68条以下)の、ちょうど真ん中だ。効力発生日を過ぎれば、あなたは「保険を買った客」から相互会社の社員、つまり会社の構成員の一人になる(81条)。その立場が入れ替わる前に開かれる、最後の対面説明がこの報告である。しかも74条3項が準用する会社法78条により、取締役はその場で出た質問に答える義務を負う。分厚い書面に書かれていないことを口頭で言わせられる機会は、ここしかない。使わなければ、次に開くのは訴状になる。
法的な位置づけ
保険業法75条は、保険会社が株式会社から相互会社へ組織変更する場合において、取締役が組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告すべき義務を定める規定である。70条の異議手続と76条の総会決議の中間に位置し、保険契約者が社員へ移行する前に口頭による説明を受ける機会を制度上確保する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公告・通知から異議申立期間の末日を特定する 会社から届いた公告・通知を開いたら、まず70条2項の異議申立期間の末日を探す。期間は一月を下ることができないが、それだけしか猶予はない。総会を待ってから考えるのでは順序が逆になる
- 2.異議は書面で出し、控えを残す 異議は書面で会社に提出し、発送記録と控えを必ず保存する。異議を述べた保険契約者は84条の2第2項の組織変更無効の訴えの提訴権者に入るため、この一通が後の手段を残す
- 3.保険契約者総会に出席し、数字を名指しで質問する 基金の総額、既存契約の配当の扱い、定款案の具体的条項について、抽象論ではなく数字と条項番号を挙げて質問する。74条3項が準用する会社法78条の説明義務は、招集通知の目的事項の外側にも及ぶ
- 4.議事録を確認し、出訴期限を手帳に書く 答弁が空疎であれば、74条3項が準用する会社法81条の議事録に質問と答弁がどう記載されたかを確認する。決議取消しの訴えは決議の日から3か月、組織変更無効の訴えは効力発生日から6か月
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者総会とは何ですか?
株式会社の保険会社が相互会社へ組織変更する際に開かれる、保険契約者で構成される総会です。取締役の報告(75条)を受け、定款と取締役の選任を決議します(76条)。
Q2保険会社の組織変更とは何ですか?
株式会社である保険会社が相互会社へ、または相互会社が株式会社へ、法人格を維持したまま組織形態を変える手続です。保険業法68条以下と85条以下が規律します。
Q3組織変更の異議申立てはいつまでですか?
公告に記載された異議申立期間内で、その期間は一月を下ることができません(70条2項ただし書)。異議者が総数と金額の各5分の1を超えると承認決議が失効します。
Q4保険契約者総会に出席しないとどうなりますか?
報告を直接聞く機会と、その場で質問する機会を失います。決議自体は出席者の議決権で成立し、欠席した契約者も効力発生日には社員となります(81条)。
Q5保険契約者総会の議決権は一人一票ですか?
はい。保険契約者は各々一個の議決権を持ちます(74条1項)。保険料の多寡に関係なく、個人契約も法人契約も同じ一票という設計になっています。
Q6組織変更無効の訴えは誰が起こせますか?
組織変更について承認をしなかった債権者などが提訴できます(84条の2第2項)。提訴期間は効力発生日から6か月で、異議を述べておくことが実質的な前提になります。
Q7保険契約者総会はいつ招集されますか?
70条の異議手続が終了した後、遅滞なく取締役が招集します(73条)。総会が開かれた時点で、異議による阻止の関門はすでに通過済みということを意味します。
Q8相互会社の社員になると何が変わりますか?
効力発生日に保険契約者は会社の構成員となり(81条)、総代会等を通じた議決権と剰余金分配に関する地位を得ます。保険契約の内容そのものが自動的に変わるわけではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が相互会社に変わると、私の契約はどうなるんですか?
契約条件が自動で書き換わるわけではないが、立場は変わる。効力発生日に会社は相互会社となり(81条)、保険契約者は社員になる。配当の扱いを決める定款は保険契約者総会の決議事項だ(76条1項)。実務のポイント:報告(75条)と決議(76条)は別物で、総会は招集通知に書かれた目的事項以外を決議できない。定款案に言いたいことがあるなら、当日ではなく招集通知が届いた時点で議題の書き方を確認する
Q2取締役の報告がスカスカでも、罰則はないんですか?
75条の報告を怠ったことを名指しした過料規定は保険業法にない。制裁は刑罰ではなく手続の巻き戻しで来る。決議取消しの訴え(74条3項が準用する会社法831条、決議の日から3か月)と組織変更無効の訴え(84条の2、効力発生日から6か月)だ。実務のポイント:例外は基金の引受けや払込みについて総会に虚偽の申述をした場合で、これは325条2項の犯罪。5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金が科されうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険契約者総会で反対すれば組織変更を止められる」と考えている人が多いが、問いの立て方が誤っている。止める勝負は総会より前、70条の異議申立期間で決着している。異議を述べた保険契約者が総数の5分の1を超え、かつその金額も5分の1を超えたときに限り、69条1項の株主総会承認決議が効力を失う(70条6項)。総会が現に招集されたということは、その関門はすでに突破された後だという意味だ。総会での争点は「止めるか」ではなく「どんな相互会社になるか」(76条の定款と取締役の選任)に移っている
- 取締役に報告義務があること自体は条文を読めば分かる。知られていないのは、その義務違反に刑罰も過料も直接は用意されていないという構造の方だ。保険業法の過料規定(333条)は75条を名指ししていない。制裁は手続の巻き戻し、すなわち決議取消しや組織変更無効の訴えという形でしか来ない。だから読者が握るべき手段は監督官庁への通報ではなく、期限のある訴えである。この違いを知らないと、動く先を間違えたまま出訴期間が過ぎる
- あなたの自己認識は「保険料を払っている客」だろう。だが70条1項はあなたを「保険契約者その他の債権者」と呼び、効力発生日には社員(会社の構成員)へ移す(81条)。客のつもりでいる間に、異議申立権も、組織変更無効の訴えの提訴資格(84条の2第2項の「組織変更について承認をしなかった債権者」)も、使われないまま期限だけが消えていく。この自己認識と法的地位の落差が、損失の正体である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 75条:取締役が組織変更に関する事項を報告する(報告のみ) | 70条:保険契約者その他の債権者の異議手続(止める関門) 76条:保険契約者総会の決議事項(定款・取締役の選任) |
| 契約者ができること | 報告を聞き、会社法78条の説明義務を使って質問する | 書面で異議を述べる。総数・金額とも5分の1超で承認決議が失効 議決権を行使して定款案と取締役の選任に賛否を示す |
| 期限 | 総会当日のみ(招集は異議手続終了後、遅滞なく=73条) | 公告記載の異議申立期間、一月を下ることができない(70条2項ただし書) 総会当日。決議取消しの訴えは決議の日から3か月 |
| 違反・不服の帰結 | 直接の過料規定なし。決議取消しの訴え・組織変更無効の訴えで争う | 手続を欠けば組織変更無効の訴え(84条の2、効力発生日から6か月) 決議の方法の瑕疵は会社法831条準用の決議取消しの訴え |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保険業の組織を株式有限会社または合作社に限定しており、日本の相互会社に相当する形態を正面から制度化していない。したがって「株式会社から相互会社への組織変更」という工程自体が存在せず、75条に対応する契約者総会への報告義務も置かれていない
韓国も保険業法に相互会社の章を置き、日本法の影響を受けた構成を採る。ただし実務上、相互会社形態の保険会社はほとんど存在しない
相互会社という法人形態の源流。ドイツでは VVaG が保険監督法上の独立した法人類型として整備され、組織変更は保険監督法と組織再編法制の双方が関与する
米国は州法主義で、州保険監督当局の認可と契約者投票を要する。契約者への情報開示と投票権が中心であり、日本のような会社法準用による説明義務・決議取消しの訴えという構成とは組み立てが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している生命保険会社から「相互会社への組織変更に関するお知らせ」が届いたら、何日以内に何をすべきか答えられるだろうか。公告に記載される異議申立期間は一月を下ることができない(70条2項ただし書)が、その末日を一日過ぎた瞬間、あなたは手続を止められる側から、決まったことを受け取る側へ移る。総会で報告を聞いてから考えるのでは、順序が逆になっている
- あなたが組織変更を進める側の取締役だとする。事務局が報告用の資料を作り、当日の進行表も固まった。だが74条3項が準用する会社法78条の説明義務は、資料の外側から飛んでくる質問にも及ぶ。基金の総額、既存契約の配当がどう扱われるか、答えを用意していない項目が一つでもあれば、その一問が後日の決議取消しの訴え(同項が準用する会社法831条)の起点になる
- 親が四十年払い続けた保険の組織変更通知を、実家の郵便受けで見つけた。本人は「難しいから捨てていい」と言う。その一枚が、親を会社の社員にするかどうかの分岐点だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた公告・通知から70条2項の異議申立期間の末日を最初に特定する。一月を下ることはできないが、それだけしかない2. 異議は書面で会社に出し、控えを必ず残す。異議を述べた契約者は84条の2第2項の提訴権者に入る3. 総会に出席し、基金・配当・定款案について具体的に質問する(74条3項が準用する会社法78条の説明義務) 4. 答弁が空疎なら議事録を確認し、決議の日から3か月の取消訴訟の期限を手帳に書く
訴えられた側:1. 報告事項を69条の組織変更計画と76条の決議事項に一対一で対応させ、抜けを潰す2. 想定問答は招集通知の目的事項の外側まで用意する。説明義務は用意した資料の範囲では止まらない3. 質問と答弁を具体的に議事録へ記載し、事後の決議取消しの訴えに備える4. 基金の引受けと払込みの状況は数字を確定してから述べる。ここだけは325条2項の刑事罰の射程に入る
時効(請求できる期限):保険契約者総会の招集は70条の異議手続終了後「遅滞なく」(73条)。異議申立期間は公告記載の期間で、一月を下ることができない(70条2項ただし書)。決議取消しの訴えは決議の日から3か月(74条3項が準用する会社法831条1項)。組織変更無効の訴えは効力発生日から6か月(84条の2第1項)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)。旧保険業法(昭和14年法律第41号)を全面的に置き換え、組織変更に関する規定が68条以下に体系化され、取締役の保険契約者総会への報告義務が75条に置かれた。
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