保険業法 第87条(組織変更に関する書類等の備置き及び閲覧等)
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- 組織変更をする相互会社は、組織変更計画備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各事務所に備え置かなければならない。
- 2.前項に規定する「組織変更計画備置開始日」とは、次に掲げる日のいずれか早い日をいう。
- 一前条第一項の社員総会の日の二週間前の日(第四十一条第一項において準用する会社法第三百十九条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)
- 二次条第二項の規定による公告の日
- 3.組織変更をする相互会社の保険契約者その他の債権者は、当該相互会社に対して、その事業時間内は、いつでも、次の各号に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該相互会社の定めた費用を支払わなければならない。
- 一第一項の書面の閲覧の請求
- 二第一項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
- 三第一項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
- 四第一項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更をする相互会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
- 4.組織変更後株式会社は、効力発生日から六月間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各営業所に備え置かなければならない。
- 5.組織変更後株式会社の株主及び保険契約者その他の債権者は、組織変更後株式会社に対して、その営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号に掲げる請求をするには、当該組織変更後株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
- 一前項の書面の閲覧の請求
- 二前項の書面の謄本又は抄本の交付の請求
- 三前項の電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
- 四前項の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって組織変更後株式会社の定めたものにより提供することの請求又はその事項を記載した書面の交付の請求
この条文の基本情報
組織変更に関する書類等の備置き及び閲覧等とは何ですか?
定義組織変更に関する書類等の備置き及び閲覧等とは、保険業法第87条に定められた規定で、「組織変更をする相互会社は、組織変更計画備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第87条(組織変更に関する書類等の備置き及び閲覧等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第87条の条文原文は「組織変更をする相互会社は、組織変更計画備置開始日から効力発生日までの間、組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録を各…」で始まります。
- 保険業法第87条は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第87条の前の条は保険業法第86条です。
- 保険業法第87条の次の条は保険業法第88条です。
- 保険業法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法87条は、組織変更をする相互会社に組織変更計画等の備置義務を課し、保険契約者その他の債権者に閲覧・謄本交付請求権を認める。閲覧は無料、謄本交付は有料である。
Q · 保険会社が相互会社から株式会社に変わるとき、契約者は計画書を見られるの?
見られる。事業時間内ならいつでも閲覧請求でき、閲覧自体は無料
保険業法87条1項により、組織変更をする相互会社は組織変更計画備置開始日から効力発生日まで、組織変更計画の内容等を各事務所に備え置く義務を負います。同条3項で保険契約者その他の債権者は事業時間内いつでも、書面の閲覧(1号)、謄本・抄本の交付(2号)、電磁的記録の表示の閲覧(3号)、電磁的方法による提供・書面交付(4号)を請求できます。2号と4号のみ会社の定めた費用が必要で、閲覧は無料です。組織変更後も4項・5項により効力発生日から6か月間、各営業所で同じ請求ができます。
解説
生命保険の相互会社は、契約者があなたも含めて「社員」という立場を持つ。だが会社が株式会社へ組織変更するとき、その立場は消える。保険業法87条は、その転換の全設計図を、あなたが自分の目で確認できる場所に置くことを会社に義務づける条文である。総会の2週間前(または公告の日、早い方)から効力発生日まで、組織変更計画は各事務所に備え置かれる。あなたは保険契約者として、事業時間内であればいつでも閲覧を請求できる。謄本の交付も、電磁的方法での提供も請求できる(有料になる項目はある)。さらに組織変更後も6か月間、株式会社側で同じ書類が備え置かれ、閲覧できる。つまり「知らないうちに自分の保険会社の性質が変わっていた」という事態を防ぐ鍵は、この条文が握っている。使うか使わないかは、あなた次第だ。
法的な位置づけ
保険業法87条は、相互会社の株式会社への組織変更における情報開示義務を定める規定である。組織変更をする相互会社は組織変更計画備置開始日から効力発生日まで各事務所に、組織変更後株式会社は効力発生日から6か月間各営業所に、組織変更計画の内容等を記載・記録した書面または電磁的記録を備え置き、保険契約者その他の債権者等の閲覧請求に応じなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書から二つの日付を特定する 保険会社から届いた組織変更の通知書で、社員総会の開催日と効力発生日を確認する。備置開始日は社員総会の日の2週間前の日と88条2項の公告の日のうち早い方(87条2項)であり、すでに備置が始まっているかを判断する
- 2.事務所で無料の閲覧請求をする 契約している相互会社の事務所へ事業時間内に出向き、保険業法87条3項1号に基づく書面の閲覧を請求する。条文番号を明示すると法定請求として担当部署へ回される。電磁的記録の場合は同3号の表示の閲覧を請求する(いずれも無料)
- 3.割当てに関する事項と算定根拠を確認する 組織変更計画のうち、保険契約者に割り当てられる株式または金銭に関する事項と、その算定の根拠を重点的に読む。疑問のある箇所を特定し、必要な部分だけ87条3項2号の謄本・抄本の交付(有料)を請求する
- 4.社員総会前に判断・相談する 議決権行使は社員総会前にしか行えないため、割当ての妥当性に疑問があれば総会日より前に弁護士へ相談する。総会後に閲覧しても議決権という最大のてこは失われている
- 5.組織変更後6か月以内に事後検証する 効力発生日から6か月間は、組織変更後株式会社の各営業所で87条4項の書面を5項により閲覧できる。割当株式数などに疑問が残る場合、この期間内に一次資料を確保しておく
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更計画備置開始日とは何ですか?
保険業法87条2項が定める備置義務の起算日です。組織変更を決議する社員総会の日の2週間前の日と、88条2項の公告の日の、いずれか早い日をいいます。
Q2保険会社の組織変更計画はいつまで閲覧できますか?
組織変更前は備置開始日から効力発生日まで(87条1項)、組織変更後は効力発生日から6か月間(同4項)です。期間を過ぎると事実上請求できません。
Q3組織変更計画の閲覧は誰が請求できますか?
組織変更前は保険契約者その他の債権者(87条3項)、組織変更後は株主および保険契約者その他の債権者(同5項)です。株主は組織変更後にのみ加わります。
Q4組織変更計画の閲覧に費用はかかりますか?
書面の閲覧(3項1号)と電磁的記録を表示したものの閲覧(3号)は無料です。謄本・抄本の交付(2号)と電磁的方法による提供・書面交付(4号)のみ会社の定めた費用が必要です。
Q5相互会社と株式会社の違いは何ですか?
相互会社は保険契約者が社員(構成員)となる保険業特有の会社形態、株式会社は株主が構成員です。組織変更により契約者の社員としての地位は失われます。
Q6備え置く書類はどこにありますか?
組織変更前は相互会社の各事務所(87条1項)、組織変更後は株式会社の各営業所(同4項)です。本社のみの備置は条文違反となります。
Q7電磁的記録でも閲覧請求できますか?
できます。87条3項3号により、内閣府令で定める方法で表示したものの閲覧を無料で請求でき、4号で電磁的方法による提供も有料で請求できます。
Q8備置書面に何が書かれていますか?
組織変更計画の内容その他内閣府令で定める事項です(87条1項)。計画には株式または金銭の割当てに関する事項が含まれ、詳細は保険業法施行規則に委ねられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険に入ってるだけなのに、会社の書類を見せろって言えるんですか?
言える。相互会社の保険契約者は会社の社員(構成員)であり、87条3項は保険契約者その他の債権者に閲覧請求権を認めている。事業時間内であればいつでも請求可能である。実務のポイント:窓口の担当者がこの制度を知らないことは珍しくない。「保険業法87条3項に基づく閲覧請求」と条文番号を明示すれば、本社の法務・総務へ回される
Q2閲覧って、お金かかるんですよね?
書面そのものの閲覧(3項1号)と、電磁的記録を表示したものの閲覧(同3号)は無料である。費用がかかるのは謄本・抄本の交付(2号)と、電磁的方法での提供・書面交付(4号)だけで、金額は会社が定める。実務のポイント:まず無料の閲覧で全体を把握し、争点になりそうな箇所だけ有料の謄本を取るのが費用効率のよい順序である
Q3組織変更が終わっちゃったら、もう何も見られないんですか?
見られる。4項により、組織変更後株式会社は効力発生日から6か月間、同じ内容の書面または電磁的記録を各営業所に備え置く義務を負い、5項で株主および保険契約者その他の債権者が閲覧を請求できる。実務のポイント:この6か月は事後検証のための期間である。割当てに疑問があるなら、この間に一次資料を確保しておかないと、後の交渉や訴訟で手元に証拠がない状態になる
Q4備え置く書類の中身って、法律で決まってるんですか?
組織変更計画の内容に加え、「その他内閣府令で定める事項」とされており、具体的内容は保険業法施行規則に委ねられている(最新の改正状況をご確認ください)。計画本体には株式または金銭の割当てに関する事項が含まれる。実務のポイント:条文が「内閣府令で定める」と書いている箇所は、実務上そこに肝心の中身が入っている。条文だけ読んで満足せず、施行規則まで降りるのが実務家の読み方である
間違えやすい点 AI による整理
- 「閲覧できることは知っているが、閲覧しても意味がない」と考える人が多い。だがこれは重要度の誤認である。組織変更計画には株式または金銭の割当てに関する事項が記載され、そこがあなたの受け取る対価の根拠になる。閲覧しないまま総会決議が通り効力が発生すると、後から算定根拠を争おうとしても手元に一次資料がない。閲覧は「参考情報の入手」ではなく「争う権利を実効化する前提条件」である
- 「株主になってから見ればいい」と考えるのは、問いの立て方自体が違っている。87条は組織変更「前」(1項、社員である契約者向け)と「後」(4項、株主および契約者向け)を分けて備置義務を課している。前段階の閲覧は総会での議決権行使のため、後段階の閲覧は事後検証のため。目的が違うのだから、後で見れば足りるという話ではない
- 契約者から見れば「保険を買った顧客」だが、相互会社の法律構成では「社員」であり、会社の構成員である。この落差が問題を生む。株式会社化すれば構成員としての地位は失われ、契約者は純粋な顧客に戻る。自分が今どちらの立場にいるかを把握していない人は、失うものが何かも分からないまま転換に立ち会うことになる
- 「有料だから請求しにくい」という思い込みも整理しておくべきだ。3項但書が費用を要求するのは謄本・抄本の交付(2号)と電磁的方法での提供・書面交付(4号)だけであり、単純な閲覧(1号)と電磁的記録の表示の閲覧(3号)は無料である。まず無料の閲覧で内容を確認し、必要な部分だけ有料で取得するのが合理的な順序
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 備置義務者と場所 | 87条1項:組織変更をする相互会社、各事務所/4項:組織変更後株式会社、各営業所 | 保険業法68条:相互会社、帳簿書類の備置き(一般規定) 保険業法85条:組織変更計画の記載事項そのものを規定(備置義務なし) |
| 期間 | 備置開始日〜効力発生日/効力発生日から6か月間 | 平常時の継続的備置 期間概念なし(計画作成時点の規律) |
| 請求権者 | 3項:保険契約者その他の債権者/5項:株主および保険契約者その他の債権者 | 社員(保険契約者)中心 — |
| 費用 | 閲覧(1号・3号)無料、謄本交付・電磁的提供(2号・4号)は会社の定めた費用 | 請求内容により会社の定めた費用 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では相互会社形態の保険会社が実務上ほぼ存在せず、株式会社形態が中心。組織変更の事前・事後開示は公司法の一般規定に依存する構造で、保険業特有の詳細な備置規定は日本ほど整備されていない
韓国保険業法も相互会社の株式会社への組織変更を規定し、日本法の構造と類似する。書類の備置・閲覧に関する規律も置かれるが、具体的条番号と現行内容は要確認
ドイツは相互保険組合(VVaG)制度が現存し、株式会社への転換に監督官庁 BaFin の認可を要する。開示は組合員保護と監督法上の認可審査の二重構造で担保される
米国は州法ごとに相互会社の株式会社化(demutualization)手続を規律し、州保険監督官の承認とポリシーホルダーへの情報開示・投票が必須。開示の詳細度は州により大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社から「相互会社から株式会社へ組織変更します」という通知が届いた。何が変わるのか通知文だけでは分からない。87条3項を使えば、組織変更計画そのものを閲覧できる。配当の扱い、割当てられる株式または金銭の算定方法、その根拠がそこに書いてある
- もし、社員総会に出席できない契約者が、賛否を判断する材料をどこから得るとしたら? 答えは総会の2週間前から備え置かれる書面である。総会当日に会場で説明を聞くのでは遅い。判断材料は総会前に取りに行くもので、待っていても届かない
- 会社側の立場に立ってみる。組織変更計画を各事務所に備え置かず、本社だけに置いていたとしたら。87条1項は「各事務所」と書いている。備置義務違反は行政処分(役所が会社に直接下す是正命令や業務改善命令)の対象になりうる。コンプライアンス担当者にとってはチェックリストの一行だ
- 組織変更が終わってから半年、あなたは自分に割り当てられた株式の数に疑問を持った。まだ間に合う。4項の6か月間の備置期間内であれば、株主としても保険契約者としても閲覧請求ができる。ただし残り時間は日々減っている
- 友人が「保険会社が株式会社になるって手紙が来た、無視していい?」と相談してきた。無視した場合に何を失うかを、あなたは説明できる。閲覧して初めて、割当ての妥当性を争う余地があるかどうかが判断できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書から社員総会の日と効力発生日を特定、備置開始日は総会の2週間前または公告日の早い方2. 契約している会社の事務所へ、事業時間内に87条3項1号の閲覧請求(無料)で出向く3. 組織変更計画のうち、株式または金銭の割当てに関する事項と算定根拠を確認、必要部分のみ2号の謄本交付(有料)を請求4. 割当てに疑問があれば総会前に弁護士へ相談、総会後は4項の6か月間で事後検証
訴えられた側:1. 各事務所すべてに備置しているか物理的に確認、本社のみは1項違反2. 備置開始日の算定を文書化、総会2週間前と公告日を比較して早い方を採用3. 閲覧請求への対応手順と費用基準を事前に社内規程化、費用を請求できるのは2号と4号のみ4. 効力発生日から6か月間の各営業所での備置を忘れない、前段階の対応で完了したと誤認しやすい
時効(請求できる期限):備置期間は組織変更計画備置開始日(社員総会の日の2週間前の日、または公告の日のいずれか早い日)から効力発生日まで。組織変更後は効力発生日から6か月間。閲覧請求権自体に特定の消滅時効はないが、備置期間が終われば事実上行使できなくなる
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