介護保険法 第124条の3(住所地特例適用被保険者に係る地域支援事業に要する費用の負担金)
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市町村は、政令で定めるところにより、当該市町村が行う介護保険の住所地特例適用被保険者に対して、当該住所地特例適用被保険者が入所等をしている住所地特例対象施設の所在する施設所在市町村が行う地域支援事業に要する費用について、政令で定めるところにより算定した額を、地域支援事業に要する費用として負担するものとする。
この条文の基本情報
住所地特例適用被保険者に係る地域支援事業に要する費用の負担金とは何ですか?
定義住所地特例適用被保険者に係る地域支援事業に要する費用の負担金とは、介護保険法第124条の3に定められた規定で、「市町村は、政令で定めるところにより、当該市町村が行う介護保険の住所地特例適用被保険者に対して、当該住所地特例適用被保険者が入所等をしている住所地特例対象施設の所…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第124条の3(住所地特例適用被保険者に係る地域支援事業に要する費用の負担金)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第124条の3の条文原文は「市町村は、政令で定めるところにより、当該市町村が行う介護保険の住所地特例適用被保険者に対して、当該住所地特例適用被保険者が入所等をしている住所地特例対象施設の所…」で始まります。
- 介護保険法第124条の3は第一節 費用の負担に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第124条の3の前の条は介護保険法第124条の2です。
- 介護保険法第124条の3の次の条は介護保険法第125条です。
- 介護保険法第124条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第124条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第124条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/124_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法124条の3は、住所地特例適用被保険者が施設所在市町村の地域支援事業を利用した費用について、保険者である市町村が政令の算定額を負担すると定める。
Q · 住所地特例で元の市が保険者だと、施設のある町の包括支援センターは使えないの?
使えます。費用は元の市が負担する仕組みです
使えます。2015年4月以降、施設所在市町村は区域内の住所地特例対象施設に入所する住所地特例適用被保険者にも地域支援事業を行い(介護保険法115条の45)、その費用は保険者である元の市町村が、政令で算定した額を負担金として支払います(同法124条の3)。財政負担を理由に施設所在市町村が支援を断る根拠はありません。ただし要介護認定や保険給付は元の市町村の担当です。
解説
親を隣の市の有料老人ホームに入れた。住民票もホームの住所に移した。ではその親の介護保険は、どちらの市が面倒を見るのか。答えは「両方」である。保険料を取り、要介護認定を出し、介護サービス費を払う保険者は、入所前に住んでいた元の市のまま動かない(住所地特例、介護保険法13条)。ところが地域包括支援センターの総合相談や権利擁護、介護予防・日常生活支援総合事業といった地域支援事業は、ホームが建っている市が担当する。124条の3は、その費用を元の市が施設所在市町村へ負担金として払うと定めた条文だ。金の流れを決めただけに見えるが、この精算があるからこそ、施設のある市は「うちの被保険者ではない」と断れない。窓口でそう言われたなら、それは制度ではなく運用の誤りである可能性が高い。
法的な位置づけ
介護保険法124条の3は、住所地特例適用被保険者が入所等をしている住所地特例対象施設の所在市町村(施設所在市町村)が行う地域支援事業の費用について、当該被保険者の保険者である市町村が、政令で定めるところにより算定した額を負担する旨を定める規定である。住所地特例に伴う市町村間の費用精算を担う。
よくある質問 AI による整理
Q1住所地特例とは?
介護保険施設などに入所して住所を移しても、入所前の市町村が保険者であり続ける特例です(介護保険法13条)。施設が多い市町村に財政負担が集中するのを防ぐ目的があります。
Q2住所地特例対象施設とはどこですか?
介護保険施設、特定施設(有料老人ホーム等)、養護老人ホームが該当します。有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅も2015年4月から対象です。
Q3地域支援事業とは何ですか?
市町村が行う介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業(総合相談、権利擁護など)、任意事業の総称です(介護保険法115条の45)。
Q4住所地特例適用届はどこに出す?
原則として保険者である入所前の市町村に提出します。施設を経由する運用や様式、提出期限の目安は自治体ごとに異なるため、事前確認が必要です。
Q5住所地特例の要介護認定はどこで申請する?
保険者である元の市町村に申請します。遠隔地の場合、認定調査は施設所在地の市町村に嘱託されることがありますが、認定を出す主体は元の市町村です。
Q6住所地特例の負担金の計算方法は?
算定方法は政令(介護保険法施行令)で定められ、124条の3自体に具体的な金額は書かれていません。市町村間の精算実務は厚生労働省の通知にも従います。
Q7サ高住は住所地特例の対象?
有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅は対象です。該当しない物件は対象外で、住所を移すと保険者が所在地の市町村に変わります。
Q8後期高齢者医療にも住所地特例はある?
あります(高齢者の医療の確保に関する法律55条)。ただし対象施設の範囲が介護保険と一致しない場合があり、医療と介護で保険者市町村がずれることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ホームに入るとき、住民票は移した方がいいんですか?
原則は施設の住所に移します。移しても介護保険の保険者は元の市のままです(13条)。実務のポイント:住所地特例が効くのは「住所地特例対象施設」に限られ、同じ高齢者向け住宅でも対象外の物件があります。対象外なら保険者が施設のある市に変わり、保険料の基準額まで変わる。契約前に施設名を挙げて両市の介護保険課に照会するのが確実です。
Q2保険料はどっちの市に払うんですか。移った先の方が安かったら損ですよね?
元の市に払い続けます(13条)。第1号被保険者の保険料基準額は市町村ごとに違うため、施設のある市の方が安くてもその額は使えません。逆に元の市が安ければ得をします。実務のポイント:保険料は3年ごとの市町村介護保険事業計画で改定されます(117条)。元の市の次期改定見込みは公開資料で読めるので、長期入所を前提とするなら入所前に確認する価値があります。
Q3窓口で「うちの被保険者じゃないので使えません」と言われました。本当ですか?
制度上は使えます。施設所在市町村は、区域内の住所地特例対象施設に入所する住所地特例適用被保険者にも地域支援事業を行う立場にあり(115条の45)、その費用は保険者である元の市が負担します(124条の3)。実務のポイント:この扱いは2015年4月からのもので、それ以前の運用を記憶している担当者が古い説明をすることがあります。条番号を挙げて上席者への確認を求めてください。
Q4施設を二回変わったら、保険者はどこになるんですか?
原則として、最初の施設に入る前に住んでいた市町村のままです(13条2項)。A市から別の市の施設、さらに別の市の施設へ移っても保険者はA市。途中で在宅に戻って別の市に住めば、そこでリセットされます。実務のポイント:施設間の転居のたびに届出が必要で、抜けると給付の停止や二重処理が起きます。転居ごとに届出の控えをファイルに残しておくと、後で争いになったときの決め手になります。
間違えやすい点 AI による整理
- 住所地特例そのものは知っている人でも、その効力が何度でも連鎖することまでは知らない。施設Aから別の市の施設Bへ、さらに施設Cへと移っても、保険者は最初の施設に入る前に住んでいた市のままである(13条2項)。十年前に離れた町が、今も保険料を徴収し認定を出す主体であり続ける。この連鎖を知らずに「今いる市が保険者だろう」と手続きを進めると、申請先そのものを間違える。
- 「住民票をホームに移すべきか、元のままにすべきか」という問いの立て方自体が誤っている。原則は移す。移しても介護保険の保険者は変わらないからこそ、住所地特例という制度がある。本当に問うべきは「住所地特例適用届を出したか」「その施設は住所地特例対象施設か」の二点で、住民票を残すのは居住実態との齟齬を生むだけだ。
- あなたから見れば「同じ介護保険なのに窓口が二つに分かれていて面倒」でしかない。市町村から見れば、これは施設が集中する町の財政が保つかどうかという生存問題である。この温度差が、窓口担当者の歯切れの悪さの正体だ。相手が守ろうとしているのが制度ではなく予算だと分かれば、持ち出すべき材料も変わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 介護保険法124条の3:地域支援事業費の市町村間負担(お金の流れ) | 介護保険法13条:住所地特例(誰が保険者か) 介護保険法115条の45:地域支援事業の実施(誰が支援を行うか) |
| 主な名宛人 | 保険者市町村(負担金を支払う側) | 被保険者と市町村(資格の帰属) 施設所在市町村を含む各市町村(事業の実施主体) |
| 利用者から見た意味 | 施設所在市町村が財政を理由に支援を断る根拠をなくす | 保険料・要介護認定・保険給付は入所前の市町村のまま 包括支援センターや総合事業は施設のある町で利用できる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾の長期介護は税財源方式で中央の長照基金が費用を負担する。市町村保険者方式ではないため、住所地特例や自治体間の負担金精算に相当する仕組みはない
韓国の老人長期療養保険は国民健康保険公団が全国単一の保険者であり、施設入所に伴う保険者の移動や自治体間精算の問題が構造的に生じない
ドイツの社会扶助では、施設入所者について入所前の常居所地の実施主体が管轄し、施設所在地の実施主体が支出した費用は償還される。施設所在地への負担集中を防ぐ発想が日本の住所地特例に近い
フランスの社会扶助では、社会福祉施設等への入所期間は救護住所(domicile de secours)の取得に算入されず、入所前の県が費用を負担し続ける
米国 Medicaid では施設入所者の州居住地判定に特則があり、入所先の州ではなく一定の基準で費用負担州を決める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、母をホームに入れて住民票も移したのに、住所地特例適用届を出し忘れたまま一か月が過ぎたとしたら? 施設のある市が保険者として処理を始め、要介護認定も保険料の賦課もそちらで走り出す。遡って直すには両市の協議が要る。気付いた日から動かなければ、次の納入通知書は誤った市から届く。
- あなたが市の介護保険課の担当者で、隣市から移ってきた入所者の家族が地域包括支援センターの相談を求めてきた。台帳を引くと、その人は隣市の被保険者だ。断るか受けるか。あなたの一言が一世帯の支援の入口を閉じる。
- サービス付き高齢者向け住宅に移った父の相談先を探している。元の市の包括支援センターか、新しい町の包括支援センターか。答えは新しい町の方だ。
- 保険料の納入通知書が、引っ越したはずの元の市から届いた。手続きミスだと思って電話をかけたら「そちらが正しい」と言われた。納得はいかないが、それが住所地特例が効いている証拠である。
- 特別養護老人ホームから別の市の有料老人ホームへ、さらに別の市の介護医療院へ。三か所を移った利用者の保険者はどこかと、ケアマネジャーのあなたが家族に聞かれる。答えは最初の施設に入る前に住んでいた市だ(13条2項)。施設を転々としても、この起点は動かない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 断られた内容、担当者名、日付をその場でメモする。2. 施設が住所地特例対象施設である旨と、介護保険法115条の45および124条の3を示して再確認を求める。3. それでも通らなければ保険者である元の市の介護保険課に連絡し、市町村間で調整してもらう。4. すでに自費で支払った分があれば償還払いの可否を保険者に確認する。保険給付を受ける権利の時効は2年(200条)なので放置しない。
訴えられた側:1. 対象者が住所地特例適用被保険者か、入所先が住所地特例対象施設かを台帳で確認する。2. 該当するなら地域支援事業の実施主体は施設所在市町村側である(115条の45)。費用は保険者市町村から負担金として精算される(124条の3)ので、財政負担を理由に断らない。3. 算定方法と精算様式は政令(介護保険法施行令)および厚生労働省の通知に従い、保険者市町村と年度当初に突き合わせておく。
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。実務上の期限は三つある。住所地特例適用届は異動後すみやかに提出(多くの自治体が14日以内を目安とするが、様式と期限の運用は自治体ごとに要確認)。保険給付を受ける権利の時効は2年(介護保険法200条)。市町村間の負担金という金銭債権は、地方自治法236条により5年で時効消滅する。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)公布、平成27年(2015年)4月1日施行 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により新設。住所地特例適用被保険者が施設所在市町村の地域支援事業を利用できるようにする改正(115条の45)と対をなし、その費用を保険者市町村が負担金として負担する精算ルールを定めた。同じ改正でサービス付き高齢者向け住宅の一部が住所地特例対象施設に追加されている
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号)により新設、平成27年(2015年)4月1日施行。住所地特例適用被保険者が施設所在市町村の地域支援事業を利用できるようにする改正と対をなす費用負担規定
- 介護保険法 第13条住所地特例、保険者を入所前市町村に固定
- 介護保険法 第115条の45施設所在市町村が地域支援事業を実施する根拠
- 介護保険法 第115条の46地域包括支援センターの設置と業務範囲
- 介護保険法 第12条被保険者の資格に関する届出義務
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年時効
- 高齢者の医療の確保に関する法律 第55条後期高齢者医療における住所地特例の並行制度
- 国民健康保険法 第116条の2国民健康保険における住所地特例の並行制度
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