介護保険法 第51条の2(高額医療合算介護サービス費の支給)
クイックジャンプ
- 市町村は、要介護被保険者の介護サービス利用者負担額(前条第一項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)及び当該要介護被保険者に係る健康保険法第百十五条第一項に規定する一部負担金等の額(同項の高額療養費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)その他の医療保険各法又は高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)に規定するこれに相当する額として政令で定める額の合計額が、著しく高額であるときは、当該要介護被保険者に対し、高額医療合算介護サービス費を支給する。
- 2.前条第二項の規定は、高額医療合算介護サービス費の支給について準用する。
この条文の基本情報
高額医療合算介護サービス費の支給とは何ですか?
定義高額医療合算介護サービス費の支給とは、介護保険法第51条の2に定められた規定で、「市町村は、要介護被保険者の介護サービス利用者負担額(前条第一項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)及び当該要…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第51条の2(高額医療合算介護サービス費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第51条の2の条文原文は「市町村は、要介護被保険者の介護サービス利用者負担額(前条第一項の高額介護サービス費が支給される場合にあっては、当該支給額に相当する額を控除して得た額)及び当該要…」で始まります。
- 介護保険法第51条の2は第三節 介護給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第51条の2の前の条は介護保険法第51条です。
- 介護保険法第51条の2の次の条は介護保険法第51条の3です。
- 介護保険法第51条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第51条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第51条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/51_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法51条の2は、1年間の医療と介護の自己負担額の合計が著しく高額な場合に、市町村が要介護被保険者へ高額医療合算介護サービス費を支給すると定める。
Q · 医療費も介護費も上限まで払っているけど、まだ戻ってくるお金はある?
申請すれば、医療と介護の年間合算で上限超過分が戻る
介護保険法51条の2により、医療保険の自己負担額と介護サービスの自己負担額(それぞれ高額療養費・高額介護サービス費で戻った分を差し引いた後)を合算し、その合計が著しく高額になる場合、市町村が高額医療合算介護サービス費を支給します。計算期間は毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間で、上限額は所得区分により政令で定められます。原則として申請が必要で、権利は2年で時効消滅します(同法200条)。
解説
医療費と介護費、この二つは別々の窓口で計算される。だから高齢の親を抱える家庭では、病院の支払いで月8万円、デイサービスとヘルパーで月4万円、合わせて12万円が毎月飛んでいくのに、どちらの窓口も「うちの制度の上限内です」と言う。それぞれの制度には高額療養費(健康保険法115条)と高額介護サービス費(介護保険法51条)という天井があるが、その天井を二つ足すと結局は家計が潰れる。介護保険法51条の2は、この構造的な穴を塞ぐために作られた。1年分の医療自己負担と介護自己負担を合算し、所得区分に応じた年間上限額を超えた分を市町村が払い戻す、それが高額医療合算介護サービス費である。あなたが知っておくべき核心は一つ、この給付は原則として申請しないと出ないという点だ。役所は合算額を把握できる立場にありながら、黙っていれば払わずに済む。親の医療費と介護費の領収書を別々のファイルに分けて保管している家庭ほど、この制度から漏れている。
法的な位置づけ
高額医療合算介護サービス費とは、介護保険法51条の2に基づき、要介護被保険者の介護サービス利用者負担額と医療保険各法等に基づく一部負担金等の額を合算し、その合計額が政令で定める基準を超えて著しく高額となる場合に、市町村が当該被保険者に支給する介護保険の保険給付である。医療保険側では対応する高額介護合算療養費が支給される。
手順
- 1.1年分の自己負担額を集計する 前年8月1日から当年7月31日までの医療と介護の自己負担額を、同一世帯・同一医療保険の範囲で集計する。高額療養費・高額介護サービス費で戻った分は差し引く
- 2.所得区分の年間上限額と比較する 世帯の年齢構成と所得区分に応じた年間上限額(政令で定める額)を市町村窓口または保険者の案内で確認し、集計額と比較する
- 3.自己負担額証明書を取り寄せる 計算期間中に加入していた医療保険者・介護保険者から自己負担額証明書を取得する。期間中に転居や保険の切替えがあれば、旧保険者の分も取り寄せる
- 4.基準日時点の医療保険者へ申請する 7月31日時点で加入している医療保険者(国保・後期高齢者医療は市町村窓口)に、自己負担額証明書を添えて支給申請を行う。介護分は市町村から支給される
- 5.支給決定を確認し、不服があれば審査請求 支給決定通知の金額を自分の集計と照合する。計算に疑義があり保険者の説明で解消しない場合は、介護保険審査会への審査請求(介護保険法183条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1高額医療合算介護サービス費とは何ですか?
医療保険と介護保険の1年分の自己負担額を合算し、所得区分ごとの年間上限額を超えた分を払い戻す給付です。介護保険法51条の2が根拠です。
Q2高額医療合算介護サービス費の計算期間はいつからいつまで?
毎年8月1日から翌年7月31日までの12か月間です。基準日は7月31日で、その時点で加入している医療保険が計算の起点になります。
Q3高額医療合算介護サービス費はいつ振り込まれる?
申請後、医療保険者と市町村の間で負担額を按分計算するため、支給まで数か月かかるのが一般的です。時期は保険者ごとに異なります。
Q4高額医療合算介護サービス費の申請に必要な書類は?
基準日以前に加入していた医療保険・介護保険の保険者が発行する自己負担額証明書、申請書、振込先口座の情報などです。詳細は窓口で確認します。
Q5高額医療合算介護サービス費はさかのぼって申請できる?
保険給付を受ける権利は2年で時効消滅します(介護保険法200条)。計算期間終了から2年以内であれば過去分の申請が可能です。
Q6亡くなった親の高額医療合算介護サービス費は請求できる?
死亡した被保険者の未支給分は相続人などが請求できます。死亡日までの期間で計算するため、死亡後の手続きの中で確認するのが確実です。
Q7要支援でも高額医療合算の対象になる?
要支援者には、予防給付側の高額医療合算介護予防サービス費が別に用意されています。仕組みは要介護者向けとほぼ同じです。
Q8高額医療合算介護サービス費に所得制限はある?
所得制限ではなく、所得区分ごとに年間上限額が異なる仕組みです。住民税非課税世帯ほど上限が低く、払い戻しを受けやすくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1父の医療費と母の介護費、別々の人でも合算できるんですか?
同一世帯で同じ医療保険に加入していることが条件になる。父が国民健康保険、母が後期高齢者医療制度という組み合わせだと、制度が違うため原則として合算できない。実務のポイント:75歳の誕生日で後期高齢者医療制度に移った瞬間、それまで合算できていた夫婦の負担が分断されることがある。誕生日の前後で家計の実質負担が変わる構造は、窓口では説明されない
Q2申請しないと本当にもらえないんですか?役所が勝手にやってくれないの?
申請主義が原則である。実務では医療保険者が支給見込者を把握して申請勧奨の通知を送る運用が広く行われているが、これは法律上の義務として一律に保障されたものではない。実務のポイント:通知は自己負担額証明書の交付申請を促す形で来ることが多く、書式が事務的で重要性が伝わりにくい。介護保険の別の通知と誤認して放置される割合が高く、心当たりがあれば通知を待たずに窓口へ行くほうが確実
Q3施設の食費や部屋代も合算の対象になりますか?
原則として対象外である。合算の基礎になるのは保険給付の対象となるサービスの自己負担額であり、居住費・食費・日常生活費は含まれない。実務のポイント:食費と居住費の負担が重い場合は、介護保険法51条の3の特定入所者介護サービス費(補足給付)という別ルートがある。合算で駄目でも補足給付で通ることがあるので、窓口では両方の可否を同時に聞く
間違えやすい点 AI による整理
- 「高額療養費で既に上限まで戻っているから、もうこれ以上は出ない」と思っている人が大半だが、問題は問いの立て方そのものにある。正しい問いは「医療と介護を足した年間合計が、所得区分に応じた年間上限を超えているか」である。医療単体、介護単体という視点で見ている限り、この給付は永遠に視界に入らない
- この制度を知っている人でも、深刻度を過小評価している。年間の上限額は所得区分によって幅があり、住民税非課税世帯と現役並み所得者では数倍の差がある。世帯全体の所得判定と、世帯内の誰が医療保険に加入しているかで支給額が大きく変わるため、「たぶん数千円でしょ」と申請を後回しにした結果、実際には十万円単位を放棄していたケースがある(具体的な上限額は最新の改正状況をご確認ください)
- 「役所が計算して自動で振り込んでくれるはず」という前提が誤っている。医療保険者が支給対象者を把握して申請勧奨の通知を送る運用が広く行われているが、通知が届かない、届いても他の役所からの郵便物に紛れて開封されない、というケースが実務では頻発する。通知の有無にかかわらず、心当たりがあれば自分から市町村の介護保険担当窓口に問い合わせる姿勢が要る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる負担 | 51条の2:医療と介護の自己負担額の年間合算 | 51条:介護サービスの自己負担額(月単位) 51条の3:施設・ショートステイの食費・居住費 |
| 計算単位 | 年単位(8月1日〜翌年7月31日) | 月単位 日額の負担限度額 |
| 支給の前提 | 合算額が所得区分ごとの年間上限額を超える | 月の利用者負担が所得区分ごとの上限額を超える 所得・資産が一定以下で負担限度額認定を受ける |
| 関係する保険者 | 医療保険者と市町村(介護)が按分して支給 | 市町村(介護保険者)のみ 市町村(介護保険者)のみ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は医療の部分負担に上限を設けるが、長期介護は税財源の長照制度で運営され、医療と介護の自己負担を合算調整する仕組みはない
韓国は医療の本人負担上限制と老人長期療養保険を別個に運営しており、日本のような両制度の合算払戻しは設けられていない
ドイツは医療の自己負担に所得比例の年間上限(Belastungsgrenze)を設けるが、介護保険は定額給付型で、両者を合算する構造ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同居の母が脳梗塞で入院、退院後は要介護3で週4回のデイサービス。病院の窓口で高額療養費の上限に達し、介護のほうも高額介護サービス費で上限に達している。「両方とも上限だからこれ以上は出ない」と思っているが、実はここから合算の年間上限を超えた分がさらに戻る。8月から翌年7月の1年分をまとめて計算する
- 要介護の父が年度途中で市外に引っ越した。医療保険は変わらないが介護保険の保険者が変わる。この場合、合算の計算単位はどうなるのか。基準日である7月31日時点に加入している医療保険者が支給計算の中心になり、市町村は介護分を支給する。引っ越しをまたぐケースは支給漏れの最頻出パターンである
- 国民健康保険から後期高齢者医療制度へ、75歳の誕生日で切り替わった年の合算。制度をまたぐと計算期間が分断される場合がある。誕生月の扱いと年間上限の按分、ここを役所任せにすると数万円単位で取り逃す
- 父が3月に亡くなった。医療費と介護費は1月から3月まで発生している。あと2年で時効が来る。相続人であるあなたが請求できるが、そもそも請求権があることを知らないまま期限が過ぎる家庭が圧倒的に多い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 毎年8月1日から翌年7月31日までの1年分について、医療の自己負担額(高額療養費で戻った分を差し引いた後)と介護の自己負担額(高額介護サービス費で戻った分を差し引いた後)を並べて合計する2. 世帯の所得区分に応じた年間上限額と比較する3. 超過していれば、基準日時点で加入している医療保険者に自己負担額証明書を請求し、市町村の介護保険担当窓口に申請する4. 申請から支給までは数か月かかることを前提に動く
訴えられた側:市町村側の立場であれば、支給対象者の把握と申請勧奨が実務上の責務になる。対象者リストの作成漏れ、通知の未達、制度をまたぐ被保険者の計算誤りが典型的な争点であり、支給決定に不服がある被保険者は介護保険審査会への審査請求(介護保険法183条)という経路を持つ。処分通知書には必ず不服申立ての教示を記載する
時効(請求できる期限):保険給付を受ける権利は2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。起算点は計算期間の末日である7月31日の翌日と解されるのが実務の通例。死亡した被保険者の未支給分も相続人が同じ期間内に請求できる(具体的な起算点の取扱いは保険者に確認すること)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:健康保険法等の一部を改正する法律により、医療と介護の自己負担を合算する高額医療合算介護サービス費を創設。平成20年(2008年)4月から施行
- 介護保険法 第51条高額介護サービス費、合算前段階の介護側上限
- 介護保険法 第51条の3特定入所者介護サービス費、食費居住費の別枠軽減
- 介護保険法 第61条予防給付側の高額介護予防サービス費
- 介護保険法 第183条支給決定に対する介護保険審査会への審査請求
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年時効
- 健康保険法 第115条高額療養費、合算対象となる医療側自己負担の算定基礎
- 高齢者の医療の確保に関する法律 第84条後期高齢者医療の高額療養費、医療側の対応規定
- 国民健康保険法 第57条国民健康保険における高額療養費の対応規定(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める