介護保険法 第51条(高額介護サービス費の支給)
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- 市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。)、地域密着型サービス(これに相当するサービスを含む。)又は施設サービスに要した費用の合計額として政令で定めるところにより算定した額から、当該費用につき支給された居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、地域密着型介護サービス費、特例地域密着型介護サービス費、施設介護サービス費及び特例施設介護サービス費の合計額を控除して得た額(次条第一項において「介護サービス利用者負担額」という。)が、著しく高額であるときは、当該要介護被保険者に対し、高額介護サービス費を支給する。
- 2.前項に規定するもののほか、高額介護サービス費の支給要件、支給額その他高額介護サービス費の支給に関して必要な事項は、居宅サービス、地域密着型サービス又は施設サービスに必要な費用の負担の家計に与える影響を考慮して、政令で定める。
この条文の基本情報
高額介護サービス費の支給とは何ですか?
定義高額介護サービス費の支給とは、介護保険法第51条に定められた規定で、「市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第51条(高額介護サービス費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第51条の条文原文は「市町村は、要介護被保険者が受けた居宅サービス(これに相当するサービスを含む。」で始まります。
- 介護保険法第51条は第三節 介護給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第51条の前の条は介護保険法第50条です。
- 介護保険法第51条の次の条は介護保険法第51条の2です。
- 介護保険法第51条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第51条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第51条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/51
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法51条は、1か月の介護サービス自己負担額が著しく高額となった要介護被保険者に、市町村が高額介護サービス費を支給すると定める。上限額は政令で所得区分ごとに定まる。
Q · 介護サービスの自己負担が毎月かなり高いけど、払い戻してもらえる制度はあるの?
上限超過分は市町村に申請すれば払い戻される
介護保険法51条により、1か月の介護サービス利用者負担額が政令で定める上限額を超えた場合、市町村が超過分を高額介護サービス費として支給します。上限額は所得区分ごとに異なり、一般的な課税世帯で月44,400円(世帯)が目安です。同一世帯の負担は合算して判定されますが、居住費・食費・日用品費は対象外です。原則として初回の申請が必要で、権利は2年で時効消滅します(同法200条)。
解説
介護保険の自己負担は1割(所得によって2割・3割)だと聞いて、多くの家族はそこで計算を止める。だが本当の防波堤はその先にある。介護保険法51条は、1か月に払った自己負担の合計が「著しく高額」になったとき、市町村が超過分を高額介護サービス費として払い戻すと定めている。上限額は所得区分ごとに政令で決まり、一般的な所得層の世帯なら月44,400円(住民税非課税世帯はさらに低く、生活保護受給者等は15,000円)が上限で、それを超えた分は戻ってくる(最新の改正状況をご確認ください)。しかもこれは世帯合算。同居の親と配偶者が二人とも介護を受けているなら、二人分を足して上限を判定する。ここで決定的なのは、支給が原則として市町村への申請に基づくこと。初回申請を出さないまま何年も払い続けている家庭は珍しくない。あなたが知っているかどうかで、年間数十万円が動く。
法的な位置づけ
高額介護サービス費とは、要介護被保険者が1か月に負担した居宅サービス、地域密着型サービス又は施設サービスの利用者負担額が、政令で定める上限額を超えた場合に、市町村がその超過分を支給する保険給付である。上限額は所得区分に応じて段階的に設定され、同一世帯内の負担額を合算して判定される。
手順
- 1.介護サービス費の自己負担額だけを抜き出す 直近の領収書・請求書から、居住費・食費・日用品費・理美容代・福祉用具購入費・住宅改修費を除き、介護サービス費の自己負担分だけを月ごとに合計する
- 2.世帯の所得区分と上限額を確認する 住民税の課税・非課税、課税所得額から世帯の所得区分を特定し、該当する月額上限と比較する。夫婦など同一世帯に複数の要介護者がいる場合は合算して判定する
- 3.市町村に支給申請書を提出する 市町村から届いた申請書、または窓口で入手した申請書に振込口座を記入して介護保険担当課へ提出する。通知が届いていなくても、超過月があれば自ら申請できる
- 4.医療との合算給付と税務処理を確認する 同一世帯に医療費の自己負担もある場合は高額医療合算介護サービス費(51条の2)も相談する。確定申告で医療費控除を使う場合は、払い戻し額を差し引いて計算する
よくある質問 AI による整理
Q1高額介護サービス費の上限額はいくら?
所得区分で異なり、一般的な課税世帯は月44,400円(世帯)、住民税非課税世帯は24,600円、生活保護受給者等は15,000円(個人)が目安です。高所得層は93,000円・140,100円に上がります。
Q2高額介護サービス費の申請方法は?
市町村の介護保険担当課に支給申請書を出し、振込口座を指定します。該当者に申請書が郵送される自治体が多く、初回申請後は自動振込になるのが一般的です。
Q3高額介護サービス費 いつ振り込まれる?
サービス利用月からおおむね3〜4か月後の振込が一般的です。国保連での審査を経るためで、具体的な時期は自治体によって異なります。
Q4要支援でも高額介護サービス費は使える?
51条は要介護者向けの規定です。要支援者には介護保険法61条の高額介護予防サービス費があり、同じ考え方で上限超過分が支給されます。
Q5福祉用具購入費や住宅改修費も対象になる?
対象外です。福祉用具購入費と住宅改修費の自己負担は高額介護サービス費の計算に含まれません。居住費・食費・日用品費も同様に対象外です。
Q6高額介護サービス費 さかのぼって申請できる?
2年以内の分ならさかのぼって申請できます。介護保険法200条により2年で時効消滅するため、それより前の月の超過分は取り戻せません。
Q72割・3割負担の人も上限は同じ?
上限額は負担割合ではなく世帯の所得区分で決まります。2割・3割負担の人ほど上限に届きやすく、払い戻しの恩恵が大きくなりやすい制度です。
Q8ショートステイの費用も合算できる?
ショートステイの介護サービス費自己負担分は合算できます。ただし滞在費(居住費)と食費は対象外なので、明細から分けて計算する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高額介護サービス費って、黙ってても市役所が振り込んでくれるんですか?
最初の一回は申請が要る自治体がほとんどである。多くの市町村では該当者に通知を送り、初回申請を出せば以降は自動振込に切り替わる。ただし通知は世帯情報の把握漏れで届かないことがある。実務のポイント:ケアマネジャーは介護サービスの調整が本業で、給付金の申請代行は業務範囲外。だから「申請しましたか」と聞かれないまま何年も過ぎる家庭がある。こちらから名指しで確認するかどうかが分かれ目になる
Q2施設の請求書が月20万円です。これ全部が対象になりますか?
ならない。51条の対象は居宅サービス・地域密着型サービス・施設サービスの自己負担分であって、居住費(部屋代)、食費、日用品費、理美容代、レクリエーション費は対象外である。ただし居住費と食費については、所得が低い世帯に特定入所者介護サービス費(51条の3)という別の減額制度がある。実務のポイント:施設の請求書は項目が混ざっているので、明細を分解して介護サービス費の行だけ抜き出す必要がある。施設の事務に「高額介護サービス費の対象額はいくらか」と直接聞けば、たいてい即答できる
Q3父と母、二人とも介護を受けています。上限はそれぞれ別ですか?
世帯単位で合算する。同一世帯内の被保険者の自己負担を足した額で上限を判定し、超過分は各人の負担割合に応じて按分して支給される。だから一人ずつ見ると上限未満でも、合算すると超えていることが非常に多い。実務のポイント:世帯を分けると所得区分が下がって上限が下がる一方、合算の恩恵は失う。どちらが得かは所得構成で逆転するので、世帯分離を検討するなら必ず両方のパターンを試算してから住民票を動かす
間違えやすい点 AI による整理
- 「区分支給限度基準額の範囲内なら、費用は抑えられている」という理解は、そもそも問いの立て方が違う。区分支給限度基準額は保険給付の対象になるサービス量の上限であって、自己負担の上限ではない。限度額いっぱいまで使えば使うほど自己負担は増える。自己負担の天井を決めるのは51条であり、二つは別の階層の話である
- 高額介護サービス費が「あることは知っている」という人でも、その深刻度は把握していない。この給付は原則として申請主義であり、市町村が自動的に振り込んでくれるとは限らない。初回に申請を出せば以降は自動振込になる自治体が多いが、その最初の一枚を出していない家庭は、月2万円の超過なら年間24万円、5年で120万円を放棄している計算になる
- 医療費と介護費を別々の財布として考えている家族が多いが、法律はそう見ていない。同一世帯で医療保険と介護保険の両方の自己負担が重なる場合、年間単位でさらに払い戻す高額医療合算介護サービス費(次条、51条の2)がある。51条だけを見て終わると、もう一枚の網を使い損ねる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度名 | 51条:高額介護サービス費 | 51条の2:高額医療合算介護サービス費 51条の3:特定入所者介護サービス費(補足給付) |
| 対象となる負担 | 介護サービス費の自己負担分 | 医療保険と介護保険の自己負担の合計 施設・ショートステイの居住費と食費 |
| 判定期間 | 月単位 | 年単位(毎年8月〜翌年7月) 利用のつど(負担限度額認定による) |
| 主な対象者 | 所得区分を問わず上限超過の要介護被保険者 | 医療と介護の負担が重なる世帯 住民税非課税世帯など低所得の入所者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の長照は税財源が中心で、給付額度の範囲内で所得別の部分負担比率を課す方式。日本のような月額の自己負担上限と払い戻し給付の仕組みとは設計が異なる
韓国は在宅・施設ごとに本人一部負担の割合を定め、低所得者は軽減する方式。月額上限による払い戻しよりも負担率の段階化が中心となる
ドイツの介護保険は定額給付が基本で、施設入所者の介護関連自己負担を入所期間に応じて軽減する加算を設けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同居の母が要介護3でデイサービスとショートステイを併用、月の自己負担が6万円を超えた。ケアマネジャーは「限度額内に収まっています」と言うが、それは区分支給限度基準額の話であって、51条の高額介護サービス費とは別の制度。上限超過分の払い戻しを申請していなければ、毎月1万5千円以上を捨て続けていることになる
- 父と母が二人とも要介護認定を受け、それぞれ別の事業所のサービスを使っている。請求書は別々に来るので、家族は「どちらも上限には届いていない」と思い込む。だが51条の判定は世帯単位での合算。二人分を足した瞬間、超過していたというケースは非常に多い
- もし、親の介護費用を負担している子が、親と住民票上の世帯を分けていたらどうなる? 世帯分離すれば世帯所得区分が下がり、上限額が下がることがある。ただし国民健康保険料や他の給付に跳ね返るため、総額で得かどうかは個別計算が要る。役所は聞かれない限り、この選択肢を先に説明してくれない
- 母が特別養護老人ホームに入所。毎月の請求は介護サービス費に加えて居住費と食費が乗る。ここで落とし穴がある。51条の高額介護サービス費の計算対象は介護サービスの自己負担分であって、居住費・食費・日用品費・理美容代は含まれない。請求書の総額で判断すると、申請できるのに諦めてしまう
- 介護保険の請求書を数年分まとめて見直したい。だが時効は2年。今月から遡って2年より前の分は、払い過ぎていても取り戻せない。押し入れの領収書を確認する時間は、あと何日残っているか
取るべき行動
被害を受けた側:1. 直近12か月分の介護サービス利用料の領収書を集め、居住費・食費・日用品費を除いた介護サービス自己負担額だけを月ごとに合算する2. 世帯の所得区分(住民税課税か非課税か、課税所得額)を確認し、該当する上限額と比較3. 超過月があれば市町村の介護保険担当課へ高額介護サービス費支給申請書を提出、振込口座を指定4. 同一世帯に医療費の自己負担もあるなら、高額医療合算介護サービス費(51条の2)も同時に相談5. ケアマネジャーには「51条の申請は出ているか」と名指しで確認する
訴えられた側:市町村の側で支給決定に誤りがあった、あるいは過払いの返還を求められた場合、まず算定の根拠となった政令上の所得区分と対象費用の範囲を書面で開示請求する。居住費・食費が誤って算入されていないか、世帯構成の認定が実態と合っているかが主な争点になる。納得できない決定については、処分を知った日の翌日から3か月以内に介護保険審査会へ審査請求ができる(介護保険法183条、行政不服審査法18条)
時効(請求できる期限):高額介護サービス費の支給を受ける権利は、2年を経過したときに時効によって消滅する(介護保険法200条1項)。起算点は各月のサービス費用を支払った日の翌日。市町村の支給決定に不服がある場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に介護保険審査会へ審査請求(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法の制定により高額介護サービス費の規定が置かれ、平成12年(2000年)4月の制度施行とともに運用が始まった
- 2.平成17年(2005年) 改正:介護保険法改正により地域密着型サービスが創設され、本条の算定対象に地域密着型サービスと地域密着型介護サービス費が加えられた
- 介護保険法 第51条の2医療と介護の自己負担を年単位で合算する給付
- 介護保険法 第51条の3施設の居住費・食費を軽減する別枠の給付
- 介護保険法 第41条居宅介護サービス費、自己負担額算定の基礎
- 介護保険法 第48条施設介護サービス費、控除対象となる給付
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年消滅時効
- 介護保険法 第183条支給決定への不服は介護保険審査会へ審査請求
- 健康保険法 第115条医療側の高額療養費、合算給付の相手方制度
- 生活保護法 第15条介護扶助との調整、保険給付優先の関係
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