感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第44条の4(建物に係る措置等の規定の適用)
クイックジャンプ
- 国は、新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため、特に必要があると認められる場合は、二年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めるところにより、当該感染症を一類感染症とみなして、第二十八条及び第三十一条から第三十六条まで、第十三章及び第十四章の規定(第二十八条又は第三十一条から第三十三条までの規定により実施される措置に係る部分に限る。)の全部又は一部を適用することができる。
- 2.前項の政令で定められた期間は、当該感染症について同項の政令により適用することとされた規定を当該期間の経過後なお適用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。当該延長に係る政令で定める期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
- 3.厚生労働大臣は、前二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。ただし、第一項の政令の制定又は改廃につき緊急を要する場合で、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
- 4.前項ただし書に規定する場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その立案した政令の内容について厚生科学審議会に報告しなければならない。
この条文の基本情報
建物に係る措置等の規定の適用とは何ですか?
定義建物に係る措置等の規定の適用とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4に定められた規定で、「国は、新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため、特に必要があると認められる場合は、二年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めると…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4(建物に係る措置等の規定の適用)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4の条文原文は「国は、新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため、特に必要があると認められる場合は、二年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めると…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4は第七章 新型インフルエンザ等感染症に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の3の6です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4の2です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第44条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第44条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第44条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/44_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法44条の9は、国が特に必要と認めるとき、新型インフルエンザ等感染症を政令で一類感染症とみなし、建物への措置(32条)や交通遮断(33条)等を二年以内適用できると定める。
Q · 日本で新型インフルエンザが流行したら、国は建物の封鎖や交通の遮断までできるの?
政令で可能。国会の議決は要件ではない
感染症法44条の9第1項により、国は特に必要と認める場合、新型インフルエンザ等感染症を政令で一類感染症とみなし、建物への措置(32条)、交通の制限・遮断(33条)、生活用水の使用制限(31条)等を適用できます。期間は二年以内で、一年以内ずつの延長が認められます。厚生労働大臣は政令の立案前に厚生科学審議会の意見を聴く必要があり、緊急時の例外は第1項の政令に限られます。
解説
新型コロナが「新型インフルエンザ等感染症」に分類されていた時期でも、国が建物を封鎖したり道路を遮断したりすることはなかった。法律上その権限がないと思われがちだが、実は違う。権限は条文の中にあり、政令一本で発動できる状態のまま置かれている。感染症法では、建物への立入制限・封鎖(32条)、交通の制限・遮断(33条)、生活用水の使用制限(31条)、ねずみ・昆虫等の駆除(28条)といった最も強い物的措置は、原則としてエボラ出血熱などの「一類感染症」に限られている。本条はその壁に開けられた通用口である。国が「特に必要」と認めれば、新型インフルエンザ等感染症を一類感染症とみなして、これらの措置と関連する罰則を適用できる。期間は二年以内の政令で定める期間に限られるが、一年以内ずつの延長には回数制限がない。厚生労働大臣は政令の立案前に厚生科学審議会の意見を聴く必要があるが、緊急時は事後報告で足りる。国会の議決は要件になっていない。次のパンデミックで店舗やオフィスが封鎖されうるか、その答えは「法律改正を待つ」ではなく「政令が出るかどうか」で決まる。
法的な位置づけ
感染症法44条の9は、新型インフルエンザ等感染症を政令により一類感染症とみなし、本来は一類感染症に限られる物的措置(28条、31条から36条まで)とこれに係る罰則等の規定を、二年以内の期間に限って適用可能とする委任規定である。期間は一年以内ずつ延長でき、政令の立案には厚生科学審議会への事前諮問を要する。
よくある質問 AI による整理
Q1一類感染症とは何ですか?
感染力や重篤性が極めて高い感染症の類型で、エボラ出血熱やペストなどが該当します。建物封鎖や交通遮断など最も強い物的措置の対象とされています。
Q2感染症法32条の建物への措置とは?
一類感染症の病原体に汚染された疑いのある建物について、立入りの制限・禁止や、消毒で対応できない場合の封鎖などを可能にする規定です。
Q3感染症法33条の交通遮断 何時間まで?
33条は、まん延防止のため緊急の必要がある場合に、72時間以内の期間を定めて場所の交通を制限・遮断できるとしています(最新条文をご確認ください)。
Q4一類みなし適用の政令 国会の承認は必要?
不要です。44条の9は政令による適用を認めており、国会の議決は要件とされていません。手続上の歯止めは厚生科学審議会への諮問です。
Q5一類みなし適用は何回延長できる?
回数制限はありません。2項は一年以内の延長を認め、再延長も「同様とする」と定めています。延長のたびに「特に必要」と認められることが要件です。
Q6建物封鎖に従わないと罰則はある?
本条は32条等の措置に係る罰則規定もあわせて適用できる仕組みです。適用の有無と内容は、政令で適用対象とされた規定を確認する必要があります。
Q7厚生科学審議会とは?
厚生労働省に置かれる審議会で、感染症対策などの科学的事項を審議します。本条の政令を立案する際、厚生労働大臣は原則としてその意見を聴かなければなりません。
Q8封鎖された店舗の損失は補償される?
本条自体に損失補償の規定はありません。賃貸借契約の不可抗力条項、休業補償保険の特約、別途の支援策などを個別に確認する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1コロナのとき、なんで建物封鎖とか交通遮断はやらなかったんですか?
新型コロナは2021年の法改正で「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられたが、一類感染症とみなして32条・33条を適用する政令は出されなかった。法律上できなかったのではなく、必要性と社会への影響を比べて発動を選ばなかったのである(最新の運用状況をご確認ください)。実務のポイント:権限が使われなかった前例は、次も使われない保証にはならない。致死率が高い感染症が出れば判断は変わりうるので、平時に備えるべきは要請への対応だけではない。
Q2特措法の休業要請と、感染症法の建物への措置って何が違うんですか?
新型インフルエンザ等対策特別措置法45条の要請・命令は、施設の使用制限を求めるもので、命令違反は過料の対象になる。感染症法32条は、本条の政令によって適用されれば、感染症のまん延防止のために建物への立入りの制限や封鎖を行うことを可能にする物的な措置で、関連する罰則規定も動き出す。実務のポイント:届いた書面の根拠条文が「特措法」か「感染症法」かで、取りうる対応と不服申立ての戦略がまったく変わる。最初に根拠法を確認する。
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本では法律上ロックダウンができない」とよく言われるが、正確ではない。特措法には強制的な外出禁止の仕組みがないのは事実だが、感染症法には建物の封鎖(32条)や交通の遮断(33条)があり、本条を通じて新型インフルエンザ等感染症にも適用できる。足りないのは権限ではなく、発動の実績と、それを支える社会的な合意である。
- 期間が「二年以内」と書かれているので、長くても二年で終わると考えるのは条文の半分しか読んでいない。第二項は一年以内の延長を認め、その後の再延長も「同様とする」としている。回数の上限はない。歯止めは年数ではなく、延長のたびに「特に必要」と言えるかどうか、そしてその判断が審議会と世論の検証に耐えるかどうかにかかっている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 感染症法44条の9:一類向け措置を新型インフルエンザ等感染症に政令で借用する委任規定 | 感染症法32条:建物への立入制限・封鎖等の本体規定 新型インフルエンザ等対策特別措置法45条:施設の使用制限の要請・命令 |
| 発動の根拠 | 国が「特に必要」と認め政令を制定(厚生科学審議会に事前諮問) | 一類感染症であること、または本条の政令で適用されること 新型インフルエンザ等緊急事態宣言下での都道府県知事の判断 |
| 期間 | 二年以内、一年以内ずつ回数制限なく延長可 | 措置ごとに必要最小限度(34条) 緊急事態措置の期間内 |
| 強制力 | 適用された規定に係る罰則等も動き出す | 行政処分として建物に直接作用 要請→命令の段階を経て、命令違反は過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はコロナ禍で特別条例を制定し、中央流行疫情指揮中心の指揮官に包括的な応変措置の権限を与えた。日本の政令委任方式と比べ、立法府が特別法を通す形をとった点が異なる
韓国は行政庁に交通遮断・集会制限等の予防措置を広く認め、法律に直接列挙している。類型の政令みなし適用という迂回構造はない
ドイツはコロナ禍で§28aを新設し、議会が「全国的流行状況」を確認することを措置の前提にした。議会関与の点で日本の本条と対照的
米国は連邦の隔離・検疫権限を法律で定める一方、営業制限等は主に州の警察権に委ねられ、連邦と州の権限配分が中心論点となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新しいウイルスで死者が急増し、ニュース速報で「政令で一類感染症とみなす措置を閣議決定」と流れた。翌週、あなたの経営する飲食店が入るビルの一角で集団感染が見つかる。特措法の「休業要請」と違い、感染症法32条に基づく立入制限や封鎖は、従わなければならない行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)として届くことになる。
- 特措法の休業要請と感染症法の封鎖、どちらが届いたのか分からないまま店を開け続けたらどうなる? 要請なら公表や命令の段階が残るが、感染症法の措置が政令で適用されていれば、罰則規定も同時に動き出している。書面(36条)の根拠条文欄を確認するまで判断してはならない。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。