感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第73条の2
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第四十四条の三第四項又は第五項(これらの規定が第四十四条の九第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十条の二第四項において準用される場合を含む。)の規定により第四十四条の三第一項若しくは第二項(これらの規定が第四十四条の九第一項の規定に基づく政令によって準用される場合を含む。)又は第五十条の二第一項若しくは第二項の規定による報告の求めの委託を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員又はこれらの者であった者が、当該委託に係る事務に関して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときは、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2の条文原文は「第四十四条の三第四項又は第五項(これらの規定が第四十四条の九第一項の規定に基づく政令によって準用される場合及び第五十条の二第四項において準用される場合を含む。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2は第十五章 罰則に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の3です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法73条の2は、健康状態報告の受託者の役職員や元職員が委託事務で知った秘密を正当な理由なく漏らすと、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金とする。
Q · 健康観察の委託先スタッフが療養者の情報を漏らしたら、刑事罰になるの?
はい、受託者の役職員・元職員も刑事罰の対象です
感染症法73条の2は、健康状態報告の求めの委託を受けた者(法人ならその役員)、その職員、そしてこれらの者であった者を処罰対象とします。委託事務に関して知った人の秘密を正当な理由なく漏らすと、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。退職後や委託契約の終了後も義務は続きます。刑法134条の秘密漏示罪(六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金)より重い刑が定められています。
解説
コロナ禍の自宅療養中、毎日体温や酸素飽和度を尋ねる電話をかけてきたのは、保健所の職員とは限らなかった。多くの自治体は、こうした健康状態の報告を集める事務を民間のコールセンターや医療機関に委託した。本条は、その委託先で働いた人に重い守秘義務を負わせる。委託先の役員、職員、そして元職員も含めて、仕事で知った他人の秘密を正当な理由なく漏らせば、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金となる。刑法の秘密漏示罪(134条)は六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金で、対象も医師・弁護士などの限られた職業だけである。本条は、資格を持たないアルバイトのオペレーターにも、それより重い刑罰を科す。ポイントは「これらの者であった者」という一句である。契約が終わっても、辞めても、義務は消えない。あなたの病状を知っている人は、あなたが思っているより多い。そして、その全員が刑罰付きで口止めされている。この二つを知っている人は、漏洩が起きたとき泣き寝入りしない。
法的な位置づけ
感染症法73条の2は、受託者秘密漏示罪を定める罰則規定である。同法44条の3第4項・第5項または50条の2第4項に基づき、健康状態報告の求めの委託を受けた者、その役員・職員および元役職員が、委託事務に関して知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象とする。
よくある質問 AI による整理
Q1感染症法73条の2とは?
健康状態報告の求めの委託を受けた者とその役員・職員・元職員が、委託事務で知った人の秘密を漏らした場合の罰則です。
Q2感染症法 守秘義務 違反 罰則は?
受託者側の者が秘密を正当な理由なく漏らすと、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。医師については同法73条に別の規定があります。
Q3健康観察コールセンター 情報漏洩 違法?
委託事務で知った療養者の秘密を正当な理由なく漏らせば、本条の犯罪となりえます。委託先企業の使用者責任など民事責任も別途問題になります。
Q4コロナ 感染 バラされた 訴えられる?
漏らしたのが委託先の職員なら本条で刑事告訴でき、民法709条・715条で損害賠償も請求できます。漏洩の経路と内容の特定が出発点です。
Q5委託先 元職員 守秘義務 いつまで?
期限はありません。条文が「これらの者であった者」を明記しているため、退職後も契約終了後も、委託事務で知った秘密を漏らせば処罰対象です。
Q6感染症法 秘密漏示 時効は?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の損害賠償は損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年です。
Q7アルバイトでも感染症法の守秘義務違反になる?
なりえます。本条は受託者の「職員」を対象にしており、資格の有無を問いません。オペレーター業務のアルバイトも含まれうる点に注意が必要です。
Q8正当な理由があれば漏らしても罪にならない?
法令に基づく報告や本人の同意などで「正当な理由」があれば、本条は成立しません。ただし、どこまで正当かは個別事情で判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1健康観察のバイトを辞めて一年たちましたけど、まだ守秘義務ってあるんですか?
あります。本条は「これらの者であった者」も対象としており、退職後や委託契約の終了後も、委託事務に関して知った秘密を漏らせば処罰されます(一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金)。実務のポイント:派遣会社経由で働いていた場合、自分は「委託先の職員」ではないと思い込みがちですが、実際に事務に従事した者が対象と解されうる余地があります。所属形態で安心するのは危険です
Q2誰が漏らしたか分からなくても、何かできますか?
できます。犯人が特定できなくても、委託元の自治体に通報すれば委託先への調査が始まります。また、委託先の職員が漏らしたことが推認できれば、会社の使用者責任(民法715条)を追及できます。実務のポイント:自治体の委託契約書には、個人情報の取扱いや事故報告の義務が盛り込まれていることが多いです。情報公開請求で契約書を入手すると、委託先が報告義務を果たしたかどうかが攻めどころになります
Q3刑法の秘密漏示罪とどう違うんですか?
刑法134条は医師、弁護士などの特定の職業に限られ、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金で、親告罪です(135条)。本条は感染症の健康状態報告の委託事務に関わった人全員が対象で、刑も一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金と重くなっています。実務のポイント:感染情報は差別に直結するため、感染症法は医師(73条)や受託者に一般法より重い守秘義務を課しています。罰則規定を比べると、立法者がどの情報を一番危ないと見ていたかが分かります
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員でも医者でもないから、守秘義務違反で刑事罰までは受けない」と思っている委託先スタッフは多い。実際には、本条は受託者の役員と職員を直接の処罰対象にしている。刑罰の上限も、刑法の秘密漏示罪より重い
- 守秘義務は在職中だけのものだと誰もが漠然と考えている。ただ、本条の深刻さは時間軸にある。退職しても、委託契約が終わっても、「これらの者であった者」として一生ついてくる。三年後に転職先で昔話をした瞬間でも成立しうる
- 被害者からは「誰が漏らしたか」が一番の関心事に見えるが、法律の見方は違う。問題は、漏れたものが「人の秘密」に当たるか、漏らしたことに「正当な理由」がないか、の二点である。犯人探しより先に、漏れた情報の中身と範囲を特定した側が主導権を握る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 感染症法73条の2:健康状態報告の受託者・その役員・職員・元役職員 | 感染症法73条:感染症の診断・治療に際して秘密を知った医師等 刑法134条:医師・薬剤師・弁護士など列挙された職業の者 |
| 秘密を知る場面 | 健康状態報告の求めの委託事務に関して | 感染症に関する健康診断・治療に際して 業務上取り扱ったことについて |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金 |
| 資格の要否 | 不要(委託先のオペレーター等も含まれうる) | 医師等の身分が前提 列挙された職業の身分が前提(身分犯) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は感染症患者の資料について業務上知った者に秘密保持を課す。刑事罰は刑法316条(医師等の身分犯)が中心で、委託先の個人を直接処罰する日本の本条ほど明確な構造ではない
韓国も感染症業務の従事者に秘密漏示禁止を課し、罰則を置く。コロナ禍の接触者追跡で情報公開とプライバシーの衝突が大きな論点になった
ドイツは職業上の秘密漏示罪に、補助・協力者(mitwirkende Personen)を含める改正を行い、外部委託先の人員も処罰対象とする
米国は医療情報の不正開示を刑事罰の対象とし、業務委託先(business associates)にも規制が及ぶ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅療養中に健康観察の電話を受けていた。数週間後、近所の人から「あなた感染してたんでしょう」と言われた。コールセンターで働く知人の家族が話を広めていたと分かった。発端が委託先の職員なら、本条の刑事責任と民事の損害賠償を同時に問える
- 派遣で健康観察コールセンターに三か月勤めたあと、飲み会で「有名人の〇〇も療養者リストにいた」と口を滑らせたらどうなる? 契約が終わっていても「これらの者であった者」に当たる。冗談のつもりの一言が、前科になりうる
- 委託先の社員が、療養者リストを Excel のまま私用のクラウドに保存し、それが外部に流出した。故意に「漏らした」と言えるかが刑事の争点になるが、会社の使用者責任(民法715条)や委託元である自治体の責任は別の筋で追及される
- 漏洩に気付いたのは、事件から二年半たった頃だった。秘密漏示の公訴時効は三年である。告訴状を準備し、証拠を集め、警察に相談する時間は、残り半年しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩の具体的な状況を記録する:誰から、いつ、どんな内容を聞いたか。SNS 投稿ならスクショと URL を保存2. 健康観察を受けた時期と自治体、委託先事業者を特定する(自治体への情報公開請求や問い合わせで確認できる場合がある) 3. 自治体に書面で通報し、委託先の調査を求める4. 刑事告訴は警察または検察へ。並行して民法709条、715条による損害賠償を検討する
訴えられた側:1. 委託された事務に関して知った情報か、それとも別ルートで知った情報かを整理する。本条は委託事務に関して知り得た秘密に限られる2. 情報が既に公知だった、本人の同意があった、法令上の報告義務があったなど、「秘密」性や「正当な理由」の有無を検討する3. 取調べの前に弁護士に相談し、不用意な供述を避ける4. 被害者との示談は、起訴判断の前に進めるほど効果が大きい
時効(請求できる期限):公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑又は罰金にあたる罪)。民事の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第44条の3健康状態報告の求めと委託の根拠
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第50条の2新感染症での報告の求めと委託
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第44条の9指定感染症への政令による準用
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第73条医師等の秘密漏示に対する同種罰則
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第74条職務上の秘密漏示に対する罰則
- 刑法 第134条一般の秘密漏示罪、本条が加重特則
- 個人情報の保護に関する法律 第179条個人情報データベース等不正提供罪(現行効力を要確認)
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