感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第74条
クイックジャンプ
- 感染症の患者であるとの人の秘密を業務上知り得た者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたときは、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 2.第十五条の三第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条の条文原文は「感染症の患者であるとの人の秘密を業務上知り得た者が、正当な理由がなくその秘密を漏らしたときは、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条は第十五章 罰則に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第73条の3です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第75条です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法74条は、感染者の秘密を業務上知った者が正当な理由なく漏らすことと、帰国者等の健康状態報告の拒否・虚偽を処罰し、いずれも六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金とする。
Q · 感染者の情報を漏らして罰せられるのは医師だけ?
業務上知った人なら職種を問わず処罰されうる
感染症法74条1項は、感染症の患者であるとの人の秘密を「業務上知り得た者」が正当な理由なく漏らしたとき、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処すると定めます。対象は資格ではなく情報を知った経路で決まるため、受付事務、検査会社、保健所の委託スタッフ、介護職員なども含まれえます。医師等には73条の重い類型が別にあります。また2項は、帰国者等が15条の3第1項の健康状態報告をしない・虚偽の報告をする行為などを同じ刑で処罰します。
解説
感染症の情報を漏らしたときに罰せられるのは医師だけだと考えがちだが、本条1項が対象にしているのは「業務上知り得た者」である。受付事務、検査会社の担当者、保健所の委託スタッフ、介護施設の職員なども、仕事を通じて「あの人は感染者だ」と知れば当てはまる可能性がある。正当な理由なく漏らせば、六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金になる。医師などには、より重い前条(73条)が別に用意されている。つまり法律は二段構えで、医療の中心にいる人も周辺にいる人も、秘密を守る立場に置いている。2項は向きが逆で、海外の流行地から帰国した人などが知事から健康状態の報告を求められたのに無視したり、うそをついたりすると、同じ刑罰になる。守られる側の権利と、協力する側の義務が、同じ条文に並んでいる。噂話のつもりで口にした一言も、検温報告をめんどうがって適当に済ませた一行も、どちらも刑事罰(罰金・拘禁刑のような、前科がつく刑罰)の対象になりうる。
法的な位置づけ
感染症法第74条は、感染症患者の秘密に関する業務上の守秘義務違反と、帰国者等に課される健康状態報告義務の違反を処罰する罰則規定である。1項は業務上知り得た者による正当な理由のない秘密漏示を、2項は同法15条の3第1項の報告・質問に対する不報告・虚偽報告・不答弁・虚偽答弁を対象とし、法定刑はいずれも六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1感染症法74条とは?
感染者の秘密を業務上知った者による漏示(1項)と、健康状態報告の拒否・虚偽(2項)を処罰する罰則規定です。法定刑は六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。
Q2感染症法の守秘義務は誰が対象?
74条1項は「業務上知り得た者」と定めており、資格の有無を問いません。医療事務、検査会社、委託業者、介護職員なども、仕事を通じて知れば対象になりえます。
Q3感染症法74条の罰則はどのくらい?
1項・2項とも六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。罰金も刑事罰なので、有罪となれば前科がつきます。医師等は73条でより重い刑が定められています。
Q4感染者情報の漏えいは告訴がないと処罰されない?
本条には告訴を処罰の条件とする規定は置かれていません。告訴が必要な親告罪である刑法134条の秘密漏示罪とは、この点で扱いが異なります。
Q5感染症法74条の「正当な理由」とは?
法令に基づく保健所への届出や、本人の同意がある場合、感染対策に必要な範囲での共有などが典型です。必要以上に実名を広げた場合は認められにくくなります。
Q6感染症法74条違反の時効はいつまで?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の慰謝料請求は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年で時効になります(民法724条)。
Q7家族の感染を職場で話したら違法?
家族として私的に知った情報は「業務上知り得た」ものではないため、本条の対象外となる可能性が高いです。ただし本人の承諾なく広めればプライバシー侵害の民事責任は残ります。
Q8感染症法73条と74条の違いは?
73条は医師等を対象とするより重い秘密漏示罪、74条1項はそれ以外の業務上知り得た者を広く対象とする規定です。74条2項は報告義務違反という別の類型も含みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1職場でコロナに感染した人の名前、みんなに伝えちゃダメなんですか?
本条1項は「業務上知り得た者」が正当な理由なく秘密を漏らすことを処罰する。濃厚接触者を特定するために、必要な範囲の人へ必要な情報だけを伝えるのは、正当な理由が認められやすい。部署全体への実名公開は危うい。実務のポイント:実務では、保健所や産業医に判断を任せ、社内への周知は匿名にする運用が安全策として定着している。誰が知ったかを記録する社内ルールがあるだけで、紛争になったときの立場が大きく変わる
Q2病院の看護師に感染を言いふらされたら、どこまで責任を問えますか?
看護師であれば刑法134条(秘密漏示)の対象外とされるが、保健師助産師看護師法の守秘義務違反、本条1項の刑事罰、病院の使用者責任(民法715条)による慰謝料請求が並んで検討対象になる。実務のポイント:個人の看護師から回収するより、病院を相手にした請求のほうが回収できる見込みが格段に高い。病院の院内規程や情報管理体制の不備を突くのが、実務の定石である
Q3帰国後の健康観察、報告をさぼったら本当に捕まるんですか?
知事の報告要求(15条の3第1項)に応じない、虚偽の報告をする、職員の質問に答えない、うその答弁をすると、本条2項で六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金の対象になる。実際に逮捕まで至る例は多くないとみられるが、制度上は刑事罰である。実務のポイント:報告漏れより重く見られるのは「虚偽」のほうである。測れなかった日は「未測定」と正直に書くのが、自分を守るいちばん安い手段になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「医療関係者でなければ守秘義務はない」と思われがちだが、1項の対象は「業務上知り得た者」と広く書かれている。資格の有無ではなく、どういう経路で知ったかが問われる。事務職、委託業者、施設職員も対象になりうる。どこまで含むか(たとえば企業の人事担当まで及ぶか)は、実務上解釈が分かれている
- 情報漏えいは損害賠償の問題だと考える人は多いが、本条違反は前科がつく刑事罰である。さらに民事でもプライバシー侵害(民法709条、710条)として慰謝料を請求されうる。刑事と民事の両方が、別々の軌道で同時に動く
- 「感染拡大を防ぐためなら名前を出してもよい」という問いの立て方自体が、出発点を誤っている。法律が問うのは、目的が正しいかではなく、実名を出すことが本当に必要だったかである。匿名で注意喚起できる場面で実名を流せば、正当な理由は認められにくい
- コロナ禍のイメージから「疫学調査を拒否しても過料で済む」と覚えている人がいる。しかし2項の報告義務違反や虚偽答弁は過料(前科のつかない行政上の金銭罰)ではなく、罰金・拘禁刑という刑事罰である。似た場面でも、条文が違えば重さが一段変わる(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 感染症法74条1項:業務上知り得た者(職種・資格を問わない) | 感染症法73条:医師等(範囲は現行条文で要確認) 刑法134条:医師・薬剤師・助産師・弁護士等の列挙された職種 |
| 保護される秘密 | 感染症の患者であるとの人の秘密 | 感染症の患者であるとの人の秘密 業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密全般 |
| 法定刑 | 六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金 | 74条より重い加重類型(現行効力を要確認) 六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金 |
| 告訴の要否 | 告訴を要件とする規定なし | 告訴を要件とする規定なし(要確認) 親告罪(刑法135条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は業務上知り得た病人の氏名・病歴等の漏えいを禁じるが、制裁は行政罰(罰鍰)が中心で、日本のような刑事罰構成とは異なる
韓国も感染症関連業務の従事者に業務上の秘密の漏えい・目的外使用を禁じ、刑事罰で担保する。COVID-19期の動線公開との緊張が議論された
ドイツは職業上の秘密漏示を刑法203条で包括的に処罰し、感染症特有の情報は IfSG と DSGVO の枠組みで保護する
米国は対象事業者による健康情報の不正開示を連邦法で規律し、悪質な場合は刑事罰も科す。州法による HIV 情報の特別保護もある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- クリニックの受付で働くあなたは、近所の顔なじみの人が性感染症の検査で陽性になったことを知った。夜、家族との食卓で「あの奥さん、実はね」と口にしかけている。その一言で、あなたは被告人の席に座るかもしれない
- もし、社内で感染した社員の名前を人事担当が部署全体のチャットに流したら、どうなる? 感染拡大を防ぐための周知のつもりでも、どこまでが「正当な理由」かが争点になる。名前を出さずに目的を果たせたのなら、言い訳は通りにくい
- 介護施設で入居者の HIV 陽性を知った職員が、同僚に「ケアのとき気をつけて」と個別に伝えた。標準予防策(すべての人を感染の可能性ありとみなして手袋などを使う基本の感染対策)を守っていれば、本来その情報は必要ない。善意と刑事罰の境界線は、思っているよりも細い
- 海外の流行地から帰国して三日目、保健所から毎日の体温報告を求められている。あと数日で監視期間が終わるからと、測らずに「36.5度」と入力し続けた。その虚偽報告そのものが2項の犯罪になる
- 地方のママ友の LINE グループで、子どもの同級生の家族が感染したという話題が出た。情報源は保健所の委託で働く知人だった。漏らしたのはその知人である。ただし、あなたが転送した書き込みは、名誉毀損やプライバシー侵害で別の責任を問われうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏えいに気付いたら、誰が、いつ、どの媒体で、誰に話したかを記録する。LINE やチャットはスクリーンショットで保存する2. 情報を業務で扱えた人(医療機関・施設・保健所・職場)を洗い出し、出どころの候補を絞る3. 医療機関や事業者の相談窓口に、事実確認と再発防止を書面で求める4. 警察・検察への告訴(本条の刑事責任)と、民法709条・710条による慰謝料請求を並行して検討する。弁護士への早めの相談が有効である
訴えられた側:1. 情報を知った経路が「業務上」にあたるかを整理する。私的な会話で本人から聞いた場合は、本条の対象外となる可能性がある2. 伝えた相手、目的、範囲を具体的に洗い出し、感染対策上の必要性など「正当な理由」を裏付ける資料を集める3. 被害者への謝罪と示談は、刑事処分と民事の両方に影響する4. 2項の報告義務違反を疑われたときは、報告できなかった事情(体調不良、通知が届いていない等)を客観的資料で示す
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑の長期が5年未満の拘禁刑または罰金、刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は漏えい行為や虚偽報告が終わった時。民事の慰謝料請求は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴う整理で、「懲役」が「拘禁刑」に改められた。そのほかの改正経過(2項の新設時期など)は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)。その他の改正経過は要確認
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第73条医師等による秘密漏示の加重類型(現行効力を要確認)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第15条の32項処罰の前提となる健康状態報告義務(現行効力を要確認)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第15条積極的疫学調査、情報収集の主たる根拠
- 刑法 第134条医師・薬剤師等の秘密漏示罪との関係
- 地方公務員法 第34条保健所職員等の一般的守秘義務
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。