感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第76条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。
- 一第五十六条の十一第二項(第五十六条の十四において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして第五十六条の十一第一項ただし書に規定する変更をしたとき。
- 二第五十六条の十六第二項、第五十六条の二十八又は第五十六条の二十九第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
- 三第五十六条の二十一の規定に違反したとき。
- 四第五十六条の二十三第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかったとき。
- 五第五十六条の二十七第五項の規定による警察官の停止命令に従わず、提示の要求を拒み、検査を拒み、若しくは妨げ、又は同項の規定による命令に従わなかったとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条は第十五章 罰則に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第75条です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第77条です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法第76条は、特定病原体等の届出・帳簿・運搬に関する手続義務違反を、行為者個人への百万円以下の罰金で処罰する規定。病原体の漏出がなくても成立する。
Q · 病原体の帳簿や届出をサボっただけで、本当に罰金になるの?
なる。手続違反だけで百万円以下の罰金の対象
感染症法第76条は、特定病原体等に関する変更届出や各種届出の不提出・虚偽届出、帳簿の備付け・記載・保存義務違反、運搬中の警察官の停止命令や検査の拒否などを、百万円以下の罰金の対象としています。病原体を漏らしていなくても成立し、処罰されるのは「当該違反行為をした者」です。法人には第77条の両罰規定が別途適用されえます。
解説
罰金百万円。感染症法の罰則としては軽く見えるかもしれないが、この条文が狙っているのは患者でも医師でもない。狙われているのは、特定病原体等(天然痘ウイルス、エボラウイルス、炭疽菌など、バイオテロに使われうる病原体)を扱う研究機関・大学・製薬企業、そしてその運搬を担う業者だ。あなたが大学の研究室で三種病原体を管理する立場にあるとき、帳簿を一冊つけ忘れただけで、あるいは記載を後回しにしただけで、この条文の射程に入る。五号を見てほしい。運搬中に警察官から停止を命じられ、書類の提示を拒んだ場合も百万円以下の罰金である。感染症法の罰則の多くは「病気を広げた者」を罰するが、第七十六条が罰するのは「記録と報告を怠った者」だ。病原体そのものを漏らしていなくても、紙の上の手続を破れば犯罪になる。この構造を理解していない研究者は、善意のまま前科を背負う可能性がある。
法的な位置づけ
感染症法第76条は、特定病原体等の管理制度における手続義務違反を処罰する罰則規定である。変更届出等の不提出・虚偽届出、帳簿の備付け・記載・保存義務違反、運搬時の警察官の停止命令・提示要求・検査への不服従等を構成要件とし、当該違反行為をした者に百万円以下の罰金を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1特定病原体等とは何ですか?
感染症法が一種から四種に分類し、所持や運搬などを規制する病原体・毒素のことです。天然痘ウイルスやエボラウイルス、炭疽菌などが含まれ、種別ごとに禁止・許可・届出・基準遵守の義務が課されます。
Q2感染症法76条の罰金はいくらですか?
百万円以下の罰金です。本条には拘禁刑の定めはなく、罰金刑のみです。法人については第77条の両罰規定により、別途罰金刑が科されることがあります。
Q3感染症法76条で処罰されるのは誰ですか?
条文上は「当該違反行為をした者」です。研究者に限らず、届出書を作成・提出する担当者、帳簿を管理する事務職員、運搬を担うドライバーも対象になりえます。
Q4病原体の帳簿には何を書く必要がありますか?
第56条の23第1項と厚生労働省令で定める事項を記載します。所持する病原体等の種類や数量、譲受け・譲渡し、滅菌等の記録などが中心で、備付け・記載・保存はそれぞれ別の義務です。
Q5特定病原体等を運ぶときに届出は必要ですか?
第56条の27により、一定の特定病原体等を事業所の外で運搬する場合は都道府県公安委員会への届出が必要です。運搬中は警察官による停止や書類の提示要求、検査を受けることがあります。
Q6感染症法違反の罰金は前科になりますか?
罰金も刑罰であり、確定すれば前科になります。略式命令で罰金を納めて終わった場合も同じです。研究資金の応募や施設許可の審査など、職業上の影響が出る可能性があります。
Q7感染症法76条違反の時効は何年ですか?
罰金にあたる罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法第250条第2項)。帳簿の不保存のような継続的な不作為の場合、起算点の評価が分かれる点に注意が必要です。
Q8病原体管理の違反で会社や大学も罰せられますか?
第77条の両罰規定により、従業者が業務に関して違反した場合、行為者のほか法人等にも罰金刑が科されえます。個人と組織の責任は並行して問われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1帳簿をつけ忘れただけで、本当に前科がつくんですか?
第五十六条の二十三第一項違反は第七十六条第四号で明文の罰金対象であり、構成要件上は該当する。実務では行政指導が先行することが多いが、それは法律上の権利ではなく運用である。実務のポイント:立入検査で不備を指摘された施設が、その後の是正報告を誠実に出したか否かが告発に至るかの分水嶺になる。最初の指摘を軽く扱った施設だけが刑事手続に進む傾向がある
Q2届出を出し忘れたのと、内容を間違えて書いたのは、どちらが重いんですか?
第七十六条第一号・第二号はいずれも「届出をせず」と「虚偽の届出をして」を同じ百万円以下の罰金で並べている。ただし虚偽は故意の立証が必要な一方、認定されれば情状は格段に悪くなる。実務のポイント:単純な記入ミスを後から「訂正届」で直した記録が残っていると、虚偽の故意を否定する最強の材料になる。気付いた時点の訂正は、隠すより常に有利である
Q3運搬中に警察に止められたとき、荷物の中身を見せる義務まであるんですか?
第五十六条の二十七第五項は停止命令、提示の要求、検査を並べて規定しており、これらを拒み又は妨げた場合が第七十六条第五号に当たる。提示を求められる書類と検査の範囲は同項の定めに従う。実務のポイント:運搬の届出書の写しを車内の手の届く場所に置いておくかどうかで、現場の所要時間が十分と二時間に分かれる。ダッシュボードの一枚が、担当者の一日を守る
間違えやすい点 AI による整理
- 「帳簿の不備くらい行政指導で済む」と思われがちだが、第五十六条の二十三違反は第七十六条第四号で明文の罰金対象になっている。行政指導(役所が任意の協力を求める働きかけで、従わなくても直接の罰はない)と刑事罰は別の線路であり、帳簿の不備は後者に直接乗る
- 罰金百万円という金額の軽さから「重大な違反ではない」と読む人がいるが、見るべきは金額ではなく前科が付くという事実である。研究者個人に罰金刑が確定すると、科研費の応募資格や施設の許可更新、海外共同研究のための身元審査にまで影響が及ぶ。百万円で終わる話ではない
- 「自分は病原体を直接扱わない事務職だから関係ない」という問いの立て方が誤っている。第七十六条が問うのは「当該違反行為をした者」であり、届出書を作成・提出する担当者、帳簿を管理する事務担当者がまさに該当する。実験台に立つ人だけが対象ではない
- 警察官の停止命令について、「道路交通法の検問と同じで任意協力だろう」と考える運搬担当者がいる。法律から見れば、第五十六条の二十七第五項による停止命令は感染症法固有の権限であり、従わないこと自体が独立の犯罪構成要件になる。この落差が現場担当者を潰す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象の行為 | 第76条:届出・帳簿・運搬時検問対応などの手続義務違反 | 第77条:従業者の違反に対する法人等の責任(両罰規定) 第67条:特定病原体等の発散など実質的危険を伴う行為 |
| 刑の重さ | 百万円以下の罰金のみ | 各本条の罰金刑を法人等に科す 拘禁刑を含む重い刑罰 |
| 被害・危険の発生 | 不要。紙と現場の手続を破れば成立 | 行為者の違反成立が前提 病原体による危険の惹起が中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も感染性生物材料の管理を中央主管機関の規範に委ね、違反には罰則を設ける。行政罰(罰鍰)中心の設計で、日本の刑事罰(罰金)とは性格が異なる点に注意
韓国は高危険病原体の所持・搬入等について申告・許可制度を設け、違反に刑事罰と過料を併用する
ドイツでは病原体取扱いの許可制を敷き、手続的な義務違反の多くは秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料で処理される。日本の本条が刑罰を用いる点と対照的
米国は Federal Select Agent Program により登録・記録・移送手続を厳格に管理し、違反には民事制裁金と刑事罰の双方がありうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学の医学部研究室で、特定病原体等の保管場所を隣の部屋に移した。軽微な変更だと判断し、厚生労働大臣への変更届出を後回しにしたまま三か月が過ぎた。第五十六条の十一第二項の届出義務違反として、研究室の管理責任者個人が罰金の対象になる。法人への両罰規定(第七十七条)も別に動く
- あなたが運搬業者のドライバーで、特定病原体等を積んで深夜の高速道路を走っている。検問で警察官に停止を命じられたが、急いでいたため減速だけして通過した。これだけで第七十六条第五号に該当する。「積荷の中身を知らなかった」という弁解は、運搬の届出書に署名した時点で通りにくくなる
- 帳簿の記載を、月末にまとめて書く運用にしている施設はないか。第五十六条の二十三は備付け・記載・保存の三つを別々に義務づけており、「後でまとめて書く」運用は記載義務違反と評価されうる。保存期間を過ぎて廃棄した帳簿も、同条第二項違反になる
- もし、立入検査の前日に帳簿の不備に気付いたらどうするか。慌てて遡って記載を埋めると、それは「虚偽の記載」として、単なる不記載より重く評価されるリスクがある。不記載と虚偽記載は同じ百万円以下だが、情状と行政処分の面で扱いが分かれる
- 研究所の所長が交代し、前任者の時代の届出漏れが引継ぎで発覚。あと十日で定期の立入検査が来る。自主申告するか黙っているかで、その後の数年が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:特定病原体等の管理不備に気付いた施設職員・内部関係者の立場では、まず不備の範囲と期間を書面で特定する。次に所属機関の管理責任者と法務部門へ同時に報告し、厚生労働省への自主的な報告の可否を検討する。この段階で記録を補筆・改変しないことが最重要である。内部通報制度を使う場合は、提出前に通報内容の控えと提出日時の記録を自分の手元に残す
訴えられた側:1. 違反とされる行為が五つの号のどれに当たるかを特定する。号ごとに構成要件が全く違う2. 不記載か虚偽記載かを厳格に区別して主張する。前者は過失的要素を主張できる余地がある3. 届出義務の主体が自分か法人か、職務分掌規程で確認する。第七十七条の両罰規定との関係で責任の所在が変わる4. 停止命令違反なら、命令の存在・内容・認識可能性を具体的に検証する。手信号だけで命令の趣旨が伝わったか否かが争点になる
時効(請求できる期限):罰金に当たる罪の公訴時効は三年(刑事訴訟法第二百五十条第二項)。起算点は違反行為の終了時で、帳簿の不保存のような継続的不作為では評価が分かれるため、実務上は解釈が分かれている論点である。行政処分(許可の取消等)は公訴時効とは別の時間軸で動く
学説
通説的理解:本条は法益侵害の発生を要件としない行政刑罰(形式犯)であり、刑法第38条第1項により原則として故意が必要とされる。過失による不記載については、明文の過失処罰規定がない以上処罰対象外と解するのが基本である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律が制定され、伝染病予防法等に代わる感染症対策の基本法となった
- 2.平成18年(2006年) 改正:特定病原体等の所持・運搬等を規制する病原体管理制度が創設され、届出・帳簿・運搬に関する手続義務違反の罰則が整備された
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の11所持等の届出義務、第一号の前提規定
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の23帳簿の備付け・記載・保存義務、第四号の前提
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の27運搬時の警察官の停止命令等、第五号の前提
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第77条法人両罰規定、行為者と法人の併科
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第67条特定病原体等の違法所持等に対する重い刑罰との対比
- 刑事訴訟法 第250条罰金刑の公訴時効期間の決定
- 刑法 第38条虚偽届出における故意の要件
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