不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第11条(罰則)
クイックジャンプ
第三条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
罰則とは何ですか?
定義罰則とは、不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条に定められた規定で、「第三条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条(罰則)は、日本の不正アクセス行為の禁止等に関する法律に含まれる条文です。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条の条文原文は「第三条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律の公布日は平成11年8月13日です。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条の前の条は不正アクセス行為の禁止等に関する法律第10条です。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条の次の条は不正アクセス行為の禁止等に関する法律第12条です。
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000128 - 本サイト収録
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000128/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不正アクセス禁止法11条は、他人のID・パスワードの無断使用などによる不正アクセス行為に3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を科す。実害がなくても成立する。
Q · 他人のアカウントにログインして見ただけでも犯罪になるの?
見ただけでも成立し、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
不正アクセス禁止法11条は、3条に違反して不正アクセス行為をした者に3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を科します。不正アクセス行為は、他人のIDとパスワードを無断で入力するなどして、ネットワーク越しに利用制限された機能を使える状態にした時点で完成します。データを盗んだり書き換えたりしたかは問われません。利用権者やアクセス管理者の承諾があれば対象外ですが(2条4項)、親告罪ではないため示談しても刑事手続は止まりません。
解説
パスワードを打ち込んで Enter を押した瞬間に、犯罪は完成している。何も盗まず、何も書き換えず、ただ画面を眺めて閉じただけでも同じである。不正アクセス禁止法11条は、3条が禁じる「不正アクセス行為」(他人の ID・パスワードを無断で使う、またはシステムの弱点を突いて、ネットワーク越しに本来入れない領域へ入る行為)をした者に、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を科す。損害の発生は要件ではない。元恋人の Instagram、退職した会社のクラウド、家族の LINE アカウント。動機が嫉妬でも好奇心でも「確認したかっただけ」でも結論は変わらない。そのうえ親告罪(被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪)ではないので、被害者と和解しても事件は消えない。逆の立場から見れば、あなたのアカウントに誰かが入り込んだ時点で、相手の実害を証明しなくても刑事事件として動かせるということである。
法的な位置づけ
不正アクセス罪は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律11条が定める犯罪であり、電気通信回線を通じて他人の識別符号を無断で入力し、又はアクセス制御機能による制限を免れる情報・指令を入力して、本来制限された特定利用を可能にする行為(同法2条4項・3条)を処罰対象とする。法定刑は3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1不正アクセス罪の罰則はどれくらい?
不正アクセス禁止法11条により、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。2012年改正で、それまでの1年以下・50万円以下から引き上げられました。
Q2不正アクセス禁止法違反で初犯だと前科はつく?
起訴されて罰金以上の有罪判決が確定すれば前科になります。初犯で示談が成立していれば起訴猶予となる余地はありますが、親告罪ではないので示談で必ず終わるわけではありません。
Q3不正アクセスの時効は何年?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。ログインした時点から起算されます。民事の損害賠償は民法724条の期間制限に従います。
Q4スマホのロックを外して中身を見るのは不正アクセス禁止法違反?
手元の端末を直接操作するだけなら、電気通信回線を通じたアクセスではないため、通常は本法の対象外です。ただし端末からクラウドやSNSにログインすれば対象になりえます。
Q5不正アクセスされたら警察に被害届を出せる?
出せます。本罪は実害を要件としないため、侵入の事実を示すログイン履歴や通知メールがあれば相談できます。都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が受け付けています。
Q6会社の同僚のパスワードを使ってログインしたら違法?
本人や管理者の承諾がなければ不正アクセス行為になりえます。業務上の慣行として共有されていても、承諾の範囲を超えた利用は違法と評価される可能性があります。
Q7不正アクセスとフィッシングの罰則は違う?
違います。不正アクセス行為そのものは11条で3年以下の拘禁刑等、フィッシングサイトの開設やID・パスワードの不正取得・保管は12条でより軽い法定刑が定められています。
Q8不正アクセスで逮捕されることはある?
あります。逃亡や証拠隠滅のおそれがあれば逮捕されることがあり、ログの解析で後日逮捕に至る例もあります。警察から連絡が来たら早めに弁護士に相談すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1付き合ってたとき本人からパスワード聞いてたんだけど、別れたあとログインしたらアウト?
承諾を得たアクセスは不正アクセス行為に当たらない(2条4項)。問題は、その承諾が別れた後まで続いているかである。関係が終わった後や、相手がパスワードを変えた後のアクセスは、承諾の範囲外と評価される可能性が高い。どこまでを承諾と見るかは実務上、事案ごとの判断になる。実務のポイント:捜査の現場では、「教えてもらった」という言い分よりも、ログインの時期と相手がパスワードを変えた時期の前後関係が重く見られる。変更後のパスワードを推測して入った場合は、言い逃れがほぼできない
Q2乗っ取られたけど実害はないし、警察は動いてくれないよね?
11条は実害を要件にしていないので、侵入の事実が証明できれば事件として成り立つ。ただし警察が受理するかどうかは、証拠の質に大きく左右される。実務のポイント:相談の窓口で「乗っ取られた気がする」と言うだけでは動きにくい。ログイン日時、IP アドレス、端末名の画面を印刷して持参し、相手に心当たりがあればその理由も時系列でまとめておく。担当者が被害届の書類を書き始められる状態で持ち込むことが、受理への近道である
Q3セキュリティの穴を見つけて、確認のために入ってみただけでも捕まるの?
アクセス制御機能の弱点を突いて入る行為は、ID の盗用と並ぶ不正アクセスの類型として明記されている(2条4項2号・3号)。善意の脆弱性調査でも、管理者の承諾がなければ構成要件に当たりうる。実務のポイント:脆弱性を見つけたら、自分で入って確かめるのではなく、IPA(情報処理推進機構)の脆弱性関連情報の届出制度を使うのが安全である。実際に入って確認した時点で、届け出る側から捜査される側に変わってしまう
間違えやすい点 AI による整理
- 「何も盗んでいないし、何も壊していないから犯罪ではない」と思われがちだが、逆である。不正アクセス行為は、他人のアカウントやシステムを使える状態にした時点で完成する。データの持ち出しや改ざんは、別の罪を上乗せする要素にすぎない
- 「家族のスマホを勝手に見るのは不正アクセスだ」とよく言われるが、立て方がずれている。本法が対象にするのは電気通信回線(インターネットや社内 LAN)を通じたアクセス制御の突破であり、手元にある端末の画面ロックを外して中を見る行為は、通常は本法の不正アクセス行為に当たらない。ただし、その端末から本人のクラウドや SNS にネットワーク越しにログインすれば話は変わる。プライバシー侵害として民事責任を負う可能性は別に残る
- 多くの人は11条を「ハッカーを罰する規定」として理解しているが、実際に検挙される典型は、元交際相手、元同僚、家族、知人といった身近な人による「ID・パスワードの無断使用」である。警察庁の統計でも、手口の大半は識別符号の盗用型が占めている。高度な技術はいらない。教えてもらったパスワード、推測できた誕生日、付箋に書いてあったメモ。それで十分に犯罪になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 11条:不正アクセス行為をした者への罰則 | 3条:不正アクセス行為の禁止(行為規範) 12条:識別符号の不正取得・保管、フィッシング等の罰則 |
| 法定刑 | 3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 罰則規定なし(11条を通じて処罰される) 11条より軽い法定刑(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金) |
| 典型行為 | 他人のID・パスワードで実際にログインする | ID盗用・セキュリティホール攻撃等を禁止する ログインせずにパスワードを入手・保管する、偽サイトを作る |
| 実害の要否 | 不要(ログインできる状態にした時点で成立) | 不要 不要(侵入前の準備段階を処罰) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は刑法典の妨害電腦使用罪章に置き、3年以下の有期徒刑等を科す。ただし同法363条により告訴乃論とされており、親告罪ではない日本の本罪と対照的である
韓国は情報通信網法で正当な接近権限のない侵入を禁止し刑事罰を科す。刑法典ではなく特別法で規律する点は日本と共通する
ドイツはアクセス保護を突破してデータへのアクセスを得る行為を処罰し、刑法典に規定する。日本と異なり、データへのアクセス取得が構成要件に組み込まれている
米国は連邦法CFAAで無権限アクセスを処罰する。「権限を超えるアクセス」の解釈が長く争われてきた点に特徴がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 別れた恋人の Instagram に、付き合っていた頃に教わったパスワードでログインし、新しい恋人とのやりとりを読んだ。何も投稿していないし、何も消していない。それでも3条違反として11条の対象になりうる。「見ただけ」は弁解にならない
- あなたが退職して二週間後、在職中から使っていた ID でまだ会社の顧客管理システムに入れることに気付き、引き継ぎ漏れを確認するつもりでログインした。善意でも、退職によって利用権限が消えていれば不正アクセスになりうる。会社のアクセスログには日時と IP が残っている
- もし自分の Amazon アカウントに見知らぬ住所への配送履歴を見つけたら、どうなる? ログインされた事実だけで11条の刑事事件になる。不正購入の損害は、電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)などで別に問われる
- あなたが社内の情報システム担当で、元社員による顧客データベースへの深夜のアクセス記録を見つけた。クラウドサービスのログの保存期間は契約プランによっては90日程度しかない。あと数週間で証拠が自動的に消える。警察へ相談する前に、ログの書き出しと保全が先である
- 夫のスマホを本体のロックだけ外して中を見た場合と、夫の Gmail に自分の PC からログインした場合。前者は不正アクセス禁止法の対象外となりうるが、後者は対象になる。分かれ目は「ネットワークを通じたか」である
取るべき行動
被害を受けた側:1. パスワード変更の前に、ログイン履歴、通知メール、不審な操作の画面をスクショで保存し、可能ならサービス運営会社にログの保全を依頼する2. その後パスワードを変更し、二段階認証を有効にし、他の端末をログアウトさせる3. 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に、保存した証拠を持って相談する4. 金銭被害や情報流出があれば、刑法上の別罪と民法709条の損害賠償を併せて検討する。相手が身近な人物でも、親告罪ではないので告訴するかどうかに迷う必要はない
訴えられた側:1. 警察から連絡が来たら、その場で説明を重ねる前に弁護士に相談する。供述した内容は後から撤回しにくい2. 利用権者やアクセス管理者の承諾があったか(パスワードを教えられた経緯、業務上の権限の範囲)を、メッセージ履歴などで客観的に整理する。承諾があれば不正アクセス行為に当たらない(2条4項) 3. 承諾がなかった場合は、早期に被害者へ謝罪し示談を進める。親告罪ではないので示談で事件は終わらないが、起訴猶予や罰金にとどまるかどうかに影響しうる
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑の長期が5年未満の拘禁刑のため、刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時、つまりログインした時点から起算する。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。ログは保存期間が過ぎると消えるので、実際の期限は時効よりずっと短い
学説
通説:本罪の保護法益は、アクセス制御機能に対する社会的信頼であり、個々の情報の秘密そのものではないと解される。そのため情報の取得や損害の発生を要件とせず、特定利用を可能にした時点で既遂となる抽象的危険犯的な構造をとる
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)改正 フィッシング行為や識別符号の不正取得・保管の禁止を新たに設けるのに伴い条文が整理され、不正アクセス罪の法定刑を「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」から「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に引き上げた
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う関係法律の整理により、「懲役」を「拘禁刑」に改めた
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:不正アクセス行為の禁止等に関する法律の制定(平成11年法律第128号)。不正アクセス行為の罰則は当初8条1号に置かれ、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされた
- 2.平成24年(2012年) 改正:フィッシング行為や識別符号の不正取得・保管の禁止規定の新設に伴い条文が整理され、罰則が11条に移るとともに、法定刑が3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に引き上げられた
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第3条本条が処罰する禁止規範
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第2条不正アクセス行為三類型の定義
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第12条識別符号不正取得・保管・フィッシングの罰則
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第7条フィッシング行為の禁止
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第14条国外犯処罰の規定
- 刑法 第246条の2侵入後の不正送金等で別罪成立
- 刑法 第234条の2侵入後のデータ破壊等で別罪成立
- 刑事訴訟法 第250条本罪の公訴時効3年の根拠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。