民法第百二十一条の二第一項の規定にかかわらず、消費者契約に基づく債務の履行として給付を受けた消費者は、第四条第一項から第四項までの規定により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消した場合において、給付を受けた当時その意思表示が取り消すことができるものであることを知らなかったときは、当該消費者契約によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
要点消費者契約法 6 条の 2 は、誤認・困惑(4 条)で契約を取り消した消費者が、給付受領当時に取消し可能と知らなかった場合、返還義務を現存利益の限度に軽減すると定める。
Q · 騙されて結んだ契約を取り消したら、もう使ってしまった分まで全額返さないといけないの?
使い切った分は返さなくてよい。返還は現存利益の限度まで
消費者契約法 6 条の 2 により、誤認・困惑(同法 4 条 1 項から 4 項)を理由に契約を取り消した消費者は、給付を受けた当時に取り消せると知らなかった場合、民法 121 条の 2 第 1 項の原状回復義務(全額返還)の原則にかかわらず、現に利益を受けている限度(現存利益)でのみ返還義務を負います。使い切って消滅した利益は返還不要となり得ます。ただし生活費など本来支出するはずだった費目に充てた分は『出費を免れた利益』として現存利益に残り、返還対象になります。
エステで「今日契約しないと二度とこの価格は出ない」と急かされ、20回コースを結んだ。5回通ったところで、説明がまるごと嘘だったと気づく。取り消したい。でも「もう5回受けた分は返せないから、結局その代金は払わされるんだろう」と諦めて、契約書を引き出しにしまい込んでいないか。ここで効くのが消費者契約法6条の2だ。本来、契約を取り消すと民法121条の2により、受け取った物やサービスを丸ごと元に戻す義務(原状回復義務、つまり全額返す義務)を負う。だがこの条文は、誤認や困惑(4条)で取り消した消費者について、しかも給付を受けた当時「これは取り消せる契約だ」と知らなかった場合に限り、返還義務を「現に利益を受けている限度」(現存利益、今も手元に残っている得の分だけ)まで軽くする。使い切って消えた利益は返さなくてよい。取り消しのハードルを一段下げる、消費者側にだけ配られた盾である。
消費者契約法 6 条の 2 は、取り消された消費者契約の給付返還範囲に関する特則である。民法 121 条の 2 第 1 項が定める原状回復義務の原則に対し、同法 4 条 1 項から 4 項の誤認・困惑を理由に取り消した消費者が、給付受領当時に取消しの可能性を知らなかった場合には、返還義務を現に利益を受けている限度に軽減する。
取り消された消費者契約の返還範囲を定める特則です。誤認・困惑で取り消し、受領当時に取消し可能と知らなかった消費者は、現存利益の限度でのみ返還義務を負います。
法律上は口頭でも成立しますが、実務では内容証明郵便が基本です。取消事由(4 条の何号か)、取り消す旨、返還は現存利益の限度である旨を明記し、配達記録を保管します。
クーリング・オフは特定商取引法などが定める無条件解除で期間が短く、原則として原状回復です。消費者契約法の取消しは誤認・困惑という理由が必要で、返還は 6 条の 2 で軽減されます。
使えます。ただし提供済み役務は物のように返せないため、受けた施術にどこまで利益が残っているかが争点になります。回数・施術内容・効果の記録が交渉材料になります。
相手が受領当時に取消し可能と知らなかった善意の消費者であれば、請求できるのは現存利益までです。全額請求は民法 121 条の 2 の原則を前提とした主張で、6 条の 2 が優先します。
未成年者など制限行為能力者の取消しは民法 121 条の 2 第 3 項が現存利益に軽減します。根拠条文は違いますが、返還範囲を現存利益に絞る発想は共通しています。
消費者ホットライン 188 で最寄りの消費生活センターに相談し、あっせんを求めます。並行して支払督促や少額訴訟の準備を進め、契約書と通知の控えを整理します。
未開封の在庫は現存利益として返還対象になり得ます。使い切った分は現存利益が残りにくい一方、取消しに気づいた後に受領した分は全額返還になり得るため、時期の記録が重要です。
誤認・困惑での取消し(4条)で、受け取った当時に取り消せると知らなかったなら、返すのは『現存利益』つまり今も手元に残っている得の分だけです(6条の2)。使い切って消えた利益は返還不要になり得ます。業界裏話ヒント:事業者はよく「使った以上は全額払え」と迫りますが、相手が善意の消費者なら請求できるのは現存利益まで。この一線を知っているかで支払額が大きく変わる
浪費や娯楽で消えた分は現存利益ゼロになり得ますが、食費や生活費など『どのみち支払う予定だった出費』に充てた分は、その支出を免れた利益として現存利益に残り、返還対象になります(不当利得の民法703条の考え方)。業界裏話ヒント:現存利益が残っているかは実務上解釈が分かれ、立証の押し付け合いになる。消費者側は『残っていない』事情を具体的に記録しておくと交渉で強い
使えない可能性が高いです。6条の2は『給付を受けた当時、取り消せると知らなかった』ことが条件で、知っていて受け取り続けたなら民法121条の2の原則に戻り、原状回復(全額返還)を負い得ます。業界裏話ヒント:継続的なサービスや定期購入では、取消しに気づいた後に届いた分だけ全額返還、それ以前の分は現存利益、と時期で分かれることがある。気づいた日付の記録が効く
追認できる時(誤認に気づいた時や困惑を脱した時)から1年、契約締結から5年で取消権は時効消滅します(7条)。放置するほど権利は消え、6条の2の盾も一緒に失われます。業界裏話ヒント:霊感商法など一部の類型は期間が3年・10年へ延長されている。自分のケースがどの類型かで残り時間がまるで違うので、まず4条のどの号に当たるかを先に確定する(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 6 条の 2:取消し後の返還範囲を現存利益に軽減する特則 | — |
| 要件 | 4 条 1 項から 4 項による取消し+給付受領当時に取消し可能と知らなかったこと | — |
| 効果 | 返還義務が現に利益を受けている限度に縮減される | — |
| 使うタイミング | 取消し通知の段階から返還額の交渉局面まで | — |
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