消費者契約法 第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
クイックジャンプ
- 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
- 一重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
- 二物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
- 2.消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意又は重大な過失によって告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
- 3.消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
- 一当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。
- 二当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。
- 三当該消費者に対し、当該消費者契約の締結について勧誘をすることを告げずに、当該消費者が任意に退去することが困難な場所であることを知りながら、当該消費者をその場所に同行し、その場所において当該消費者契約の締結について勧誘をすること。
- 四当該消費者が当該消費者契約の締結について勧誘を受けている場所において、当該消費者が当該消費者契約を締結するか否かについて相談を行うために電話その他の内閣府令で定める方法によって当該事業者以外の者と連絡する旨の意思を示したにもかかわらず、威迫する言動を交えて、当該消費者が当該方法によって連絡することを妨げること。
- 五当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、次に掲げる事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること。
- 一進学、就職、結婚、生計その他の社会生活上の重要な事項
- 二容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項
- 六当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げること。
- 七当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること。
- 八当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、当該消費者又はその親族の生命、身体、財産その他の重要な事項について、そのままでは現在生じ、若しくは将来生じ得る重大な不利益を回避することができないとの不安をあおり、又はそのような不安を抱いていることに乗じて、その重大な不利益を回避するためには、当該消費者契約を締結することが必要不可欠である旨を告げること。
- 九当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部若しくは一部を実施し、又は当該消費者契約の目的物の現状を変更し、その実施又は変更前の原状の回復を著しく困難にすること。
- 十前号に掲げるもののほか、当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該事業者が調査、情報の提供、物品の調達その他の当該消費者契約の締結を目指した事業活動を実施した場合において、当該事業活動が当該消費者からの特別の求めに応じたものであったことその他の取引上の社会通念に照らして正当な理由がある場合でないのに、当該事業活動が当該消費者のために特に実施したものである旨及び当該事業活動の実施により生じた損失の補償を請求する旨を告げること。
- 4.消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの分量、回数又は期間(以下この項において「分量等」という。)が当該消費者にとっての通常の分量等(消費者契約の目的となるものの内容及び取引条件並びに事業者がその締結について勧誘をする際の消費者の生活の状況及びこれについての当該消費者の認識に照らして当該消費者契約の目的となるものの分量等として通常想定される分量等をいう。以下この項において同じ。)を著しく超えるものであることを知っていた場合において、その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者が既に当該消費者契約の目的となるものと同種のものを目的とする消費者契約(以下この項において「同種契約」という。)を締結し、当該同種契約の目的となるものの分量等と当該消費者契約の目的となるものの分量等とを合算した分量等が当該消費者にとっての通常の分量等を著しく超えるものであることを知っていた場合において、その勧誘により当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときも、同様とする。
- 5.第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項(同項の場合にあっては、第三号に掲げるものを除く。)をいう。
- 一物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの
- 二物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件であって、消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの
- 三前二号に掲げるもののほか、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該消費者の生命、身体、財産その他の重要な利益についての損害又は危険を回避するために通常必要であると判断される事情
- 6.第一項から第四項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもって善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
この条文の基本情報
消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しとは何ですか?
定義消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しとは、消費者契約法第4条に定められた規定で、「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消費者契約法第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)は、日本の消費者契約法に含まれる条文です。
- 消費者契約法第4条の条文原文は「消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費…」で始まります。
- 消費者契約法第4条は第一節 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しに置かれています。
- 消費者契約法の公布日は平成12年5月12日です。
- 消費者契約法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 消費者契約法第4条の前の条は消費者契約法第3条です。
- 消費者契約法第4条の次の条は消費者契約法第5条です。
- 消費者契約法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061 - 本サイト収録
消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000061/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消費者契約法4条は、事業者の不実告知や断定的判断の提供による誤認、退去妨害や霊感商法等による困惑で結んだ消費者契約を取り消せると定める。取消権は原則1年で消滅する。
Q · 強引な勧誘やうその説明で契約させられたら、本当に取り消せるんですか?
うそや不安をあおる勧誘なら、詐欺の立証なしで取り消せます
消費者契約法4条により、事業者が重要事項について事実と異なることを告げた場合(1項1号)、将来の不確実な事項を断定的に告げた場合(1項2号)、不利益事実を故意又は重大な過失で告げなかった場合(2項)、消費者は誤認を理由に契約を取り消せます。また退去妨害、社会生活上の経験不足につけ込む不安商法、デート商法、加齢による判断力低下につけ込む勧誘、霊感商法等(3項)や過量契約(4項)は困惑・過量を理由に取消しが可能です。ただし取消しは善意無過失の第三者に対抗できず(6項)、行使期間は消費者契約法7条が定めます。
解説
「今買わないと二度とこの価格では手に入りません」「この投資は必ず値上がりします」。営業のこの一言に押されて契約してしまった。多くの人は「だまされた、でも詐欺を立証するなんて無理だ」と諦める。ここで消費者契約法4条を知っているかどうかが、あなたの財布を分ける。民法96条の詐欺取消は、相手の故意、しかも二重の故意まで立証しないと通らない。だが4条は違う。事業者が重要事項について事実と異なることを告げた(不実告知)、将来の不確実なことを「確実だ」と断定した(断定的判断の提供)、あなたに不利な事実をわざと黙っていた(不利益事実の不告知)、この客観的な事実さえ示せれば、相手の悪意を証明しなくても契約を取り消せる。さらに2018年と2022年の改正で、デート商法、霊感商法、高齢者の不安をあおる勧誘、大量に売りつける過量契約まで、取消しの対象が一気に広がった。あなたが泣き寝入りしていたケースの多くは、実は取り消せる。
法的な位置づけ
消費者契約法4条は、消費者契約の勧誘に際して生じた消費者の誤認又は困惑を理由とする取消権を定める規定である。1項及び2項は不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知による誤認類型を、3項は退去妨害や不安をあおる告知等の困惑類型を、4項は通常の分量を著しく超える過量契約を対象とし、6項は当該取消しを善意でかつ過失がない第三者に対抗できないとする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧誘時に何を言われたかを固定する 契約書、パンフレット、チラシ、LINE・メールのやり取り、録音、勧誘の日時・場所・担当者名をメモにまとめる。4条の類型判定は「何を告げられたか」が核心なので、記憶が新しいうちに時系列で書き起こす
- 2.自分のケースを4条の類型に当てはめる 事実と異なる説明なら1項1号、「必ず儲かる」なら1項2号、不利な事実の隠蔽なら2項、退去妨害・不安商法・デート商法・霊感商法なら3項、必要量を著しく超える購入なら4項に該当しないかを確認する
- 3.取消権の期間を計算する 消費者契約法7条により、追認できる時から原則1年、契約締結時から5年(霊感商法類型は3年・10年)。誤認に気付いた日、困惑を脱した日をカレンダーで特定し、残り日数を把握してから交渉に入る
- 4.取消しの意思表示を内容証明郵便で送る 該当する条項(例:4条1項2号)、勧誘時の具体的発言、取消しの意思、返金先口座、回答期限を記載して内容証明郵便で送付する。交渉が長引いても、期間内に通知が届いていれば権利は保全される
- 5.応じない場合は公的窓口・弁護士へ 事業者が返金に応じなければ消費者ホットライン188または最寄りの消費生活センターにあっせんを申し出る。金額が大きい場合や霊感商法・過量契約の場合は弁護士に依頼し、少額訴訟や通常訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1不実告知とは何ですか?
事業者が重要事項について事実と異なることを告げる行為です(消費者契約法4条1項1号)。商品の内容や価格・取引条件など、契約するかどうかの判断に通常影響する事項が対象になります。
Q2消費者契約法で取り消せる期間はいつまでですか?
消費者契約法7条により、追認できる時(誤認に気付いた時・困惑を脱した時)から原則1年、契約締結時から5年です。霊感商法類型は2022年改正で3年・10年に延長されました。
Q3取り消したお金は全額返ってきますか?
取消しにより契約は初めから無効となり代金返還を請求できますが、消費者側の返還義務は消費者契約法6条の2により現存利益の範囲に限定されます。使ってしまった分の負担が軽くなる仕組みです。
Q4販売代理店や勧誘員の説明でも取り消せますか?
取り消せます。消費者契約法5条により、事業者が媒介を委託した第三者や代理人の勧誘行為にも4条が準用されます。契約の相手方本人が説明していなくても取消しの対象です。
Q5帰らせてもらえずに契約した場合は取り消せますか?
消費者契約法4条3項2号の退去妨害にあたり、取り消せる可能性があります。勧誘場所から退去する意思を示したのに帰してもらえず、困惑して契約した事実が要件です。
Q6クレジットカードや分割払いで支払った場合も取り消せますか?
契約自体は4条で取り消せます。信販会社への支払いについては割賦販売法の抗弁の接続により支払いを拒める場合があるため、販売会社と信販会社の双方に書面で通知するのが実務です。
Q7会社どうしの契約でも消費者契約法は使えますか?
使えません。消費者契約法は消費者と事業者の間の契約に適用され、事業として又は事業のために契約の当事者となる場合は消費者にあたりません。法人間契約は民法95条・96条で争うことになります。
Q8取り消したのに事業者が返金に応じない場合はどうしますか?
取消しの意思表示を内容証明郵便で残したうえで、消費者ホットライン188や消費生活センターにあっせんを求めます。応じない場合は少額訴訟や通常訴訟で不当利得返還を請求します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「絶対儲かる」って言われただけで、本当に契約を取り消せるんですか?
取り消せる可能性が高いです。将来値上がりするかどうかは不確実なのに「必ず」「絶対」と断定して勧誘したなら、4条1項2号の断定的判断の提供にあたります。相手が本気で信じていたかは問いません。実務のポイント:ポイントは「値上がりする」という予想自体ではなく、それを『確実』と言い切ったかどうか。営業の録音やメモに「必ず」「間違いなく」の一言があれば、それが決定打になる。だから勧誘時のメモは、その場で残しておく価値がある
Q2クーリングオフの8日を過ぎてしまいました。もう無理ですか?
まだ道があります。クーリングオフ(特定商取引法)と消費者契約法4条の取消しは別制度です。8日を過ぎても、誤認または困惑による契約なら4条で取り消せ、期間は原則として追認できる時から1年です(消費者契約法7条)。実務のポイント:事業者側はクーリングオフ期間の経過を強調して諦めさせようとするが、それは別の話。「クーリングオフは過ぎたが、消費者契約法4条で取り消す」と切り分けて主張できるかどうかで、返金の成否が変わる
Q3高齢の親が次々に高額商品を買わされています。取り戻せますか?
取り戻せる可能性があります。判断力が著しく低下した高齢者の不安をあおる勧誘は4条3項7号、通常の分量を著しく超える大量購入は過量契約として4条4項で取り消せます。実務のポイント:家族が代わりに動く場合、まず「いつ、何を、いくらで」買ったかの一覧を作ること。過量契約は同種商品の累積で判断されるため(4条4項後段)、一件ずつではなく合算した全体像が武器になる。個別の契約書より、購入履歴の総額表が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「取り消すには相手が詐欺だと証明しなきゃ」と思っている時点で、問いの立て方がずれている。4条が民法96条の詐欺取消と別に用意されている理由は、まさに事業者の故意を立証しなくても、客観的な不実告知や断定的判断の事実だけで取り消せるようにするため。証明すべき対象が根本的に違う
- 「クーリングオフの期間が過ぎたらもう無理」と知っている人は多いが、その深刻さを取り違えている。クーリングオフ(特定商取引法)が使えなくなっても、4条の取消権は別枠で生きている。追認できる時から原則1年、霊感商法は3年という別の時計が動いており、8日を過ぎた=万事休す、ではない
- 「契約書にサインした以上もう覆せない」と思い込んでいるが、4条の取消しは契約書の有無と無関係。誤認または困惑によって意思表示をした事実があれば、署名済みの契約でも遡って効力を失わせられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 立証すべき対象 | 消費者契約法4条:不実告知・断定的判断等の客観的事実と誤認・困惑の因果関係 | 民法96条:相手方の欺罔の故意(二重の故意) 特定商取引法9条:法定書面の受領日のみ(理由不要) |
| 行使できる期間 | 追認できる時から1年・契約時から5年(霊感商法は3年・10年、消費者契約法7条) | 追認できる時から5年・行為時から20年(民法126条) 法定書面受領日から8日(連鎖販売等は20日) |
| 適用範囲 | 消費者と事業者の間の消費者契約全般(事業者間契約は対象外) | 契約類型を問わず全ての意思表示(法人間も可) 訪問販売・電話勧誘販売等の指定取引類型に限定 |
| 第三者への対抗 | 善意でかつ過失がない第三者に対抗できない(4条6項) | 善意無過失の第三者に対抗できない(民法96条3項) 無条件解除のため第三者対抗の問題は原則生じない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は誤認・困惑を理由とする包括的な消費者取消権を置かず、通訊交易の7日間解除権と民法の詐欺・脅迫取消で処理する。日本の4条のように立証負担を下げた類型化規定は持たない点が最大の差。
韓国も民法の詐欺・強迫取消を基本としつつ、訪問販売法・電子商取引法の청약철회(申込撤回権)で消費者を保護する。誤認・困惑の類型化という日本型のアプローチとは設計思想が異なる。
ドイツは私法上の取消しを BGB § 123に一本化し、誤認惹起的・攻撃的商慣行の規制は UWG(競争法)で行う。個別消費者の取消権と市場規制を分離する構造で、日本のように民事取消権へ類型を取り込まない。
米国は行政規制(FTC)と州 UDAP 法による私訴(懲罰的賠償・弁護士費用転嫁を含む)が中心で、訪問販売には3日間のクーリングオフがある。契約取消しより金銭賠償のインセンティブ設計で抑止する点が対照的。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし高齢の親が、訪ねてきた業者に「このままでは家族に不幸が起きる」と言われ、次々と高額な壺や印鑑を買わされていたら? 4条3項8号の霊感商法類型、または通常の分量を著しく超える過量契約(4項)で取り消せる可能性がある。契約書にサイン済みでも関係ない
- 「この外貨建て保険は元本保証で必ず増えます」と勧められて加入したが、解約したら元本割れ。将来の変動が不確実な事項を「確実」と断定して勧誘したなら、4条1項2号の断定的判断の提供にあたる。金融商品の勧誘現場でこれは頻発する
- あなたが営業として「今日中に決めればこの特別価格」と口頭で押し込んだとする。もしその特別価格が事実と違えば、顧客は4条で契約を取り消し、支払い済みの代金の返還を求められる。売った側のあなたが原状回復の責任を負う立場になる
- デートの相手だと思っていた人に高額なアクセサリーを買わされた。恋愛感情につけ込むデート商法は4条3項6号の取消対象。ただし取消権には期限がある
- エステの無料体験に行ったら個室に通され、帰りたいと言っても帰してもらえず、数十万円のコースを契約させられた。退去妨害(4条3項2号)で取り消せるが、追認できる時から1年で取消権は消える。気付いたら早く動くしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勧誘の証拠を確保:パンフレット、契約書、録音、LINE やメールのやり取り、勧誘の日時と場所のメモ。「何を言われたか」が4条の類型判定の核心2. 自分のケースを類型に当てはめる:事実と違う説明(1項1号)、「必ず儲かる」(1項2号)、不利な事実の隠蔽(2項)、退去妨害や不安商法やデート商法や霊感商法や過量契約(3項、4項)3. 取消しの意思表示を内容証明郵便で通知し、期間内であることを明示4. 応じなければ消費者ホットライン188、消費生活センターまたは弁護士へ
訴えられた側:1. 勧誘時の説明が「重要事項の不実告知」「断定的判断の提供」に当たらないか、自社のトークスクリプトを点検2. 消費者から取消しを主張されたら、まず類型該当性と取消権の期間(消費者契約法7条)を確認、期間経過なら取消しは認められない3. 4条2項の不利益事実の不告知は、告げようとしたのに消費者が拒んだ場合は除外される(ただし書)、その経緯の記録が防御になる4. 過量契約は「通常の分量を著しく超える」ことの認識が要件、生活状況の記録で反証する
時効(請求できる期限):取消権は、追認をすることができる時(誤認に気付いた時、困惑を脱した時)から1年、消費者契約の締結時から5年で消滅する(消費者契約法7条)。霊感商法類型(4条3項8号)は2022年改正で延長され、追認できる時から3年、契約締結時から10年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:4条は民法96条の詐欺取消の特則であり、事業者の欺罔の故意を要件から外して客観的な告知行為に着目することで、情報格差下の消費者に現実的な救済経路を与えたものと理解されている。
限定列挙説(多数説):取引の安全との均衡から、取消事由は誤認・困惑という定型化された類型に限定列挙されており、類型外の不当勧誘は民法90条・95条等の一般法理で処理すべきとする。度重なる改正による類型追加は、この立法方式の帰結である。
一般条項化を志向する見解:類型の後追い的追加では新手の悪質勧誘に対応しきれないとして、つけ込み型不当勧誘に関する受け皿的な一般規定を設けるべきとする立法論。消費者委員会の検討でも継続的に議論されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年) 過量契約取消権(4項)を新設。通常の分量を著しく超える大量購入を取消対象とし、高齢者被害に対応。あわせて取消権行使後の返還義務を現存利益に限定する規定(6条の2)を整備
- 平成30年(2018年) 困惑類型を大幅に拡張。社会生活上の経験不足に乗じた不安をあおる勧誘、恋愛感情等につけ込むデート商法、加齢による判断力低下への不安商法、霊感商法などを追加。不利益事実の不告知(2項)に「重大な過失」を加えた
- 令和4年(2022年) 困惑類型をさらに追加(退去困難な場所への同行勧誘、相談の連絡妨害、契約前の義務実施・損失補償請求告知等)。霊感商法対応として取消権の行使期間を追認可能時から3年・契約時から10年に延長(7条)
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:消費者契約法制定(平成12年法律第61号)。4条に不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知による誤認類型と、退去妨害・監禁型の困惑類型を新設し、民法96条とは別の取消権を創設。
- 2.平成28年(2016年) 改正:過量契約取消権(4項)を新設し、通常の分量を著しく超える大量購入を取消対象とした。あわせて取消し後の消費者の返還義務を現存利益に限定する6条の2を整備。
- 3.平成30年(2018年) 改正:困惑類型を大幅に拡張し、社会生活上の経験不足に乗じた不安商法、恋愛感情等につけ込むデート商法、加齢による判断力低下につけ込む勧誘、霊感商法を追加。不利益事実の不告知(2項)に重大な過失を加えた。
- 4.令和4年(2022年) 改正:退去困難な場所への同行勧誘、相談のための連絡妨害、契約前の義務実施・損失補償請求の告知などを困惑類型に追加。さらに霊感商法対応として取消権の行使期間を追認可能時から3年・契約時から10年に延長(7条)。
- 消費者契約法 第3条事業者の情報提供の努力義務、4条の誤認防止の前提
- 消費者契約法 第5条媒介の委託を受けた第三者・代理人への取消権の準用
- 消費者契約法 第6条の2取消権行使後の返還義務を現存利益に限定
- 消費者契約法 第7条取消権の行使期間(1年・5年、霊感商法は3年・10年)
- 民法 第96条詐欺・強迫による取消しの一般規定、4条は立証負担を軽減した特則
- 民法 第95条錯誤による取消しの一般規定、誤認類型と競合
- 特定商取引に関する法律 第9条訪問販売のクーリングオフ、無条件解除の別制度
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。