金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第7条(損害の額の推定)
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- 顧客が前条の規定により損害の賠償を請求する場合には、元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによって当該顧客に生じた損害の額と推定する。
- 2.前項の「元本欠損額」とは、当該金融商品の販売が行われたことにより顧客の支払った金銭及び支払うべき金銭の合計額(当該金融商品の販売が行われたことにより当該顧客の譲渡した金銭相当物又は譲渡すべき金銭相当物がある場合にあっては、当該合計額にこれらの金銭相当物の市場価額(市場価額がないときは、処分推定価額)の合計額を加えた額)から、当該金融商品の販売により当該顧客(当該金融商品の販売により当該顧客の定めるところにより金銭又は金銭以外の財産を取得することとなった者がある場合にあっては、当該者を含む。以下この項において「顧客等」という。)の取得した金銭及び取得すべき金銭の合計額(当該金融商品の販売により当該顧客等の取得した金銭以外の財産又は取得すべき金銭以外の財産がある場合にあっては、当該合計額にこれらの金銭以外の財産の市場価額(市場価額がないときは、処分推定価額)の合計額を加えた額)と当該金融商品の販売により当該顧客等の取得した金銭以外の財産であって当該顧客等が売却その他の処分をしたものの処分価額の合計額とを合算した額を控除した金額をいう。
この条文の基本情報
損害の額の推定とは何ですか?
定義損害の額の推定とは、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条に定められた規定で、「顧客が前条の規定により損害の賠償を請求する場合には、元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条(損害の額の推定)は、日本の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に含まれる条文です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条の条文原文は「顧客が前条の規定により損害の賠償を請求する場合には、元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによ…」で始まります。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条は第三章 金融商品の販売等に置かれています。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律の公布日は平成12年5月31日です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条の前の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第6条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条の次の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第8条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000101 - 本サイト収録
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000101/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融サービス提供法7条は、重要事項の説明義務違反または断定的判断の提供等があった場合、元本欠損額を顧客の損害額と推定する。業者は反証により推定を覆せる。
Q · 銀行で勧められた投資信託で元本割れしたら、損した金額は自分で証明しないといけないの?
説明義務違反等を立証できれば、損失額が損害額と推定される
金融サービス提供法7条により、重要事項の説明がなかったこと、または断定的判断の提供等があったことを顧客が立証できれば、元本欠損額(支払額から受取額・保有商品の時価・売却代金を差し引いた額)がそのまま損害額と推定されます。業者が推定を覆すには、損失が別の原因によることを業者側が証明しなければなりません。ただし推定は賠償の確定ではなく、過失相殺(民法722条2項)で減額される余地があります。
解説
銀行や証券会社を相手に損害賠償を求めるとき、普通は「説明がなかったせいで、いくら損をしたのか」を顧客が自分で証明しなければならない。相場が下がったのか、説明不足が原因なのか。この切り分けは素人にはほぼ不可能で、多くの人はここで諦める。本条はこの壁を取り払う。重要事項の説明がなかった場合、または「絶対に上がる」といった断定的判断の提供等があった場合には、元本欠損額(払ったお金から、受け取ったお金と、手元に残っている商品の時価を差し引いた額)が、そのまま損害額と推定される。「説明不足と損害の因果関係」と「損害額」の両方について、立証の重い荷物が業者側に移る。業者が覆したいなら、損失は別の原因で生じたと業者のほうが証明しなければならない。ただし注意点がある。説明義務違反や断定的判断があったという事実そのものは、あなたが立証する。勝負は「損した額」の計算ではなく、「あの日、窓口で何を言われたか」の記録で決まる。
法的な位置づけ
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律7条は、同法6条に基づく損害賠償請求において、元本欠損額を、金融商品販売業者等の重要事項不説明または断定的判断の提供等によって顧客に生じた損害の額と推定する規定である。元本欠損額は、顧客の支払額等から取得額等および処分価額を控除して算定される。
手順
- 1.取引書類を一式集める 契約書、目論見書、重要事項説明書、確認書、取引報告書、分配金・償還の通知をすべて集め、購入日・販売店・担当者名を特定する。
- 2.勧誘時のやり取りを書き出す 購入時の会話を日付順に再現し、「元本は減らない」「必ず戻る」などの断定的な言葉は一字一句記録する。同席者がいれば証言も残す。
- 3.業者に面談記録の開示を求める 応接記録・面談記録・録音の有無と開示を書面で業者に求める。説明義務違反の前提事実を立証する材料になる。
- 4.元本欠損額を計算する 支払額から、受け取った分配金・償還金、保有商品の時価、途中売却の代金を差し引き、本条2項に沿って推定損害額を算出する。
- 5.金融ADRまたは弁護士に相談する 証券・金融商品あっせん相談センターや全国銀行協会の相談室にあっせんを申し立てるか、弁護士に相談する。申立書で本条の推定を明示する。
よくある質問 AI による整理
Q1元本欠損額とは何ですか?
金融商品の購入で顧客が支払った金銭等の合計から、受け取った金銭、保有商品の時価、売却代金などを差し引いた額です。金融サービス提供法7条2項が定義しています。
Q2元本欠損額の計算方法は?
「支払額(+譲渡した財産の時価)」から「取得した金銭+保有財産の時価+処分済み財産の処分価額」を控除します。時価がない財産は処分推定価額で評価します。
Q3金融サービス提供法と金融商品販売法の違いは?
同じ法律です。2000年制定の金融商品販売法が改正で名称変更され、現在は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律となり、条番号も移動しています。
Q4説明義務違反の損害賠償は誰が何を立証する?
顧客は説明義務違反または断定的判断の提供等があった事実を立証します。損害額と因果関係は本条で推定されるため、覆したい業者側が反証を負います。
Q5外貨建て保険の元本割れも対象になる?
保険契約も本法の金融商品の販売に含まれます。為替リスクなど重要事項の説明が不十分なら、6条の賠償請求と本条の損害額推定の対象になりえます。
Q6金融商品の説明義務違反の時効はいつまで?
本法に固有の時効規定はなく、8条により民法が適用されます。不法行為の民法724条(知った時から3年・行為時から20年)を目安とする見解が有力です。
Q7損害額の推定を業者が覆すにはどうする?
損失の全部または一部が説明不足ではなく、相場変動など別の原因で生じたことを業者側が証明する必要があります。実務上その立証は容易ではありません。
Q8断定的判断の提供は違法?
「必ず値上がりする」など不確実な事項を確実と誤認させる断定的判断の提供等は本法5条で禁止され、違反すれば6条の賠償責任と本条の推定が働きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1分配金をずっともらってたんですけど、それも損失から引かれちゃうんですか?
引かれる。本条2項の元本欠損額は、支払った額から、受け取った金銭や保有している商品の時価などを差し引いて計算する。毎月分配型で長く分配金を受け取っていた場合、推定額は思ったより小さくなる。実務のポイント:分配金の中には元本の払い戻し(特別分配金)にすぎない部分が含まれることがある。「実は自分のお金が戻ってきただけ」という分配の仕組みを説明していなかったこと自体が、説明義務違反の材料になりうる
Q2「説明を受けました」って書類にサインしちゃったんですが、もう無理ですか?
無理とは限らない。本法4条は、顧客の知識・経験・財産の状況・契約目的に照らして理解されるために必要な方法と程度での説明を求めている。署名は一つの証拠にすぎず、高齢者や投資未経験者に複雑な商品を短時間で売った経緯があれば争える。実務のポイント:金融機関は高齢顧客への販売で家族の同席や上席者の承認を求める社内ルールを持っていることが多い。それが守られていたかを確認するだけで、交渉の空気が変わる
Q3銀行に「損した分を少し返してもらえませんか」って直接頼めば済む話じゃないの?
業者は勝手に損失を穴埋めできない。金融商品取引法39条は損失補填を原則として禁じており、違法行為による事故だと確認された場合などに限って例外が認められる。だから窓口でいくら頼んでも「規則上できません」と返されやすい。実務のポイント:金融 ADR のあっせんや裁判上の和解は、補填禁止の例外として扱われる枠組みである。業者が支払いに応じやすい舞台に乗せることが、解決への近道になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「損をしたら全額返ってくる」と期待する人がいるが、推定されるのは損害額と因果関係であって、賠償の確定ではない。裁判例では、顧客側の不注意を理由に過失相殺(民法722条2項)がかなりの割合で行われることが少なくない。推定は出発点であり、ゴールではない
- 推定規定があるから楽勝だと知っていても、その前提の重さを知らない人が多い。本条が働くのは、説明義務違反または断定的判断の提供等があったことを顧客が立証できた後だけである。業者は面談記録や「重要事項の説明を受けました」という確認書を必ず残している。こちらに録音もメモもなければ、推定の扉にすら手が届かない
- 「確認書にサインしたから、もう争えない」という問いの立て方自体がずれている。本法は、顧客の知識・経験・財産の状況・契約目的に照らして、その顧客に理解されるために必要な方法と程度で説明することを求めている(本法4条)。署名があっても、80歳で投資経験のない人に複雑な仕組債を十分に説明したとは限らない。問われるのは紙ではなく、理解されたかどうかである
- 顧客から見れば「元本割れした」は一つの事実だが、法律上の元本欠損額は細かい引き算である。受け取った分配金、途中で売った代金、まだ持っている商品の時価は、すべて差し引かれる。分配金を何年も受け取っていた人は、体感の損失よりも請求できる推定額がずっと小さくなることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 金サ法7条:損害額・因果関係の推定 | 金サ法6条:説明義務違反等による損害賠償責任の根拠 民法709条:一般の不法行為責任 |
| 顧客の立証対象 | 説明義務違反または断定的判断の提供等の事実(損害額は推定) | 説明義務違反または断定的判断の提供等の事実 故意・過失、違法性、損害、因果関係のすべて |
| 業者の過失 | 6条の責任を前提に損害額を推定 | 無過失責任とされる 顧客側が故意・過失を立証する必要 |
| 減額の余地 | 反証による推定の覆滅、過失相殺(8条で民法適用) | 8条で民法適用、過失相殺あり 民法722条2項の過失相殺 |
他国ではどう定めているか 3 か国
説明義務違反等による損害賠償責任を定め、損害が違反行為によらないことの証明を金融服務業側に負わせる。損害額そのものを機械的に推定する日本の元本欠損額方式とは構造が異なる
説明義務違反の損害賠償で、支払額から回収額を差し引いた金額を損害額と推定する。日本の元本欠損額推定と発想が近い
虚偽・不実表示による販売で、支払った対価から受領した収益を差し引いた額の回復を認め、損害が不実表示によらないことの証明は被告が負う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 70代の母親が銀行の窓口で外貨建て一時払い保険を勧められ、円高で300万円の元本割れ。「元本は減らない商品です」と言われたと母は話している。母が受け取った書面、面談の日付、担当者名。今週中に集めないと、母の記憶はどんどん曖昧になっていく
- もし、地方銀行系の証券会社から買った仕組債が、株価急落で早期償還されずに半額になったら、どうなる? リスクの説明が「パンフレットを渡しただけ」なら、本法の説明義務違反が問題になり、損失額の計算は本条の推定に乗せられる
- あなたが証券会社の営業担当で、ノルマに追われて「このファンドは来年には確実に戻りますよ」と口にした。その一言が断定的判断の提供等にあたれば、顧客の損失全額が会社の賠償額として推定される。録音されていたら、会社の反論はほぼ封じられる
- 亡くなった父の遺品から、損失を出した投資信託の取引報告書が束で出てきた。購入時、父は認知機能が落ちていた。相続人であるあなたは、父の賠償請求権も相続している。時効のカウントはすでに進んでいる
- 「確認書にサインしましたよね」と、銀行の担当者に言われて黙ってしまった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書、目論見書、確認書、取引報告書、分配金や償還の通知をすべて集める2. 購入時の会話を日付順に書き出す。「元本保証」「必ず戻る」など断定的な言葉は一字一句再現する3. 業者に面談記録・応接記録の開示を書面で求める4. 元本欠損額を計算する(支払額から受取額と保有分の時価を差し引く) 5. 金融 ADR か弁護士相談へ。民法709条による請求や消費者契約法による取消しも並行して検討する
訴えられた側:1. 説明時の資料、面談記録、録音の有無を即座に確認する2. 顧客の投資経験、資産状況、過去の取引歴を整理し、説明が理解された根拠を固める3. 損失が説明不足ではなく相場変動など別の原因によることを示せれば推定は覆りうるが、立証は重い4. 顧客の過失を示す事情を整理し、過失相殺を主張する5. 自主的な損失補填は金融商品取引法39条で原則禁止されているので、和解は ADR や裁判など適法な枠組みで行う
時効(請求できる期限):本法に固有の時効規定はない。本法の損害賠償責任には本法8条により民法が適用され、責任の性質を不法行為類似と見て民法724条(損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年)を当てはめる見解が有力である。ただし実務上、解釈が分かれているため、損失に気付いた時点から3年を上限の目安として動くのが安全である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は法律上の事実推定であり、顧客が説明義務違反または断定的判断の提供等を立証すれば、損害額と因果関係が推定される。業者は反対事実を証明して推定を覆すことができ、8条を通じて民法の過失相殺も適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 金融商品の販売等に関する法律の制定時に、元本欠損額を損害額と推定する規定として設けられた(当時は別の条番号)
- 平成18年(2006年) 断定的判断の提供等の禁止が加わり、推定の対象に断定的判断の提供等による損害も含まれる形に改められたとされる(人的検証が必要)
- 令和2年(2020年)・令和5年(2023年) 法律名が金融サービスの提供に関する法律、さらに現行名称へと変わり、条番号が移動した(各改正の施行日と条番号の対応は要確認)
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:金融商品の販売等に関する法律(平成12年法律第101号)の制定時に、元本欠損額を損害額と推定する規定として設けられた(当時は別の条番号)
- 2.平成18年(2006年) 改正:断定的判断の提供等の禁止が加わり、推定の対象に断定的判断の提供等による損害も含まれる形に改められた(条番号の変遷は要確認)
- 3.令和2年(2020年)・令和5年(2023年) 改正:法律名が金融サービスの提供に関する法律、さらに金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律へと改められ、本規定は現行7条となった(各施行日は要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第6条説明義務違反等の損害賠償責任
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第4条重要事項の説明義務の内容(現行効力を要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第5条断定的判断の提供等の禁止(現行効力を要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第8条民法の適用、過失相殺等の根拠(現行効力を要確認)
- 民法 第709条一般法としての不法行為責任
- 消費者契約法 第4条断定的判断提供による契約取消し
- 金融商品取引法 第39条損失補填の原則禁止と例外
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