確定給付企業年金法 第37条(支給の繰下げ)
クイックジャンプ
- 前条に規定する老齢給付金の支給の要件を満たす者であって老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの申出をすることができる。
- 2.前項の申出をした者に対する老齢給付金の支給は、前条第一項の規定にかかわらず、規約で定める時から始めるものとする。
この条文の基本情報
支給の繰下げとは何ですか?
定義支給の繰下げとは、確定給付企業年金法第37条に定められた規定で、「前条に規定する老齢給付金の支給の要件を満たす者であって老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第37条(支給の繰下げ)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第37条の条文原文は「前条に規定する老齢給付金の支給の要件を満たす者であって老齢給付金の支給を請求していないものは、規約で定めるところにより、事業主等に当該老齢給付金の支給の繰下げの…」で始まります。
- 確定給付企業年金法第37条は第二節 老齢給付金に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第37条の前の条は確定給付企業年金法第36条です。
- 確定給付企業年金法第37条の次の条は確定給付企業年金法第38条です。
- 確定給付企業年金法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法37条は、老齢給付金の要件を満たし未請求の者が、規約の定めにより事業主等へ支給の繰下げを申し出られると定める。支給は規約で定める時から始まる。
Q · 会社の企業年金(DB)の受け取り開始は、自分で遅らせることができるの?
規約に繰下げの定めがあり、請求前なら申し出られる
確定給付企業年金法37条により、老齢給付金の支給要件を満たし、まだ請求していない人は、規約で定めるところにより事業主等(規約型なら会社、基金型なら企業年金基金)へ繰下げを申し出ることができます。支給は規約で定める時から始まります。ただし規約に繰下げの定めがなければ申し出はできず、繰り下げた場合の増額方法も法律ではなく規約で決まります。
解説
受給資格を満たした時点で、会社の年金は「もらうもの」から「いつもらうかを選べるもの」に変わる。ただし、選べるのは規約に繰下げの定めがある場合に限られる。確定給付企業年金法37条は、老齢給付金の要件(36条)を満たしていて、まだ支給を請求していない人に対し、事業主等(規約型なら会社、基金型なら企業年金基金)へ支給の繰下げを申し出る道を開いている。見落とされやすい点は三つある。第一に、規約に繰下げの定めがなければ、申し出ること自体ができない。第二に、一度請求して受給が始まると、この条文の対象から外れる。第三に、繰り下げたときに年金額がどれだけ増えるかは、国の年金のように「1か月あたり0.7%」と法律で決まっているわけではなく、規約の設計で決まる。請求書を出す前に規約を取り寄せ、繰下げたときの算定方法を確かめた人だけが、実際に選択肢を手にする。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法37条は、老齢給付金の支給要件(同法36条)を満たし、かつ支給を請求していない者が、規約の定めに従い事業主等に対して支給の繰下げを申し出ることができる旨、及び申出者への支給は同法36条1項にかかわらず規約で定める時から開始する旨を定める規定である。
手順
- 1.請求書を出す前に規約の写しを求める 企業年金の請求書類が届いたら、記入・投函より先に、事業主等(会社または企業年金基金)へ規約の写しと繰下げに関する事務手続の説明を書面で求める
- 2.繰下げ条項の有無と中身を確認する 規約に繰下げの定めがあるか、繰り下げられる上限時期、据置期間中の増額・利息の扱い、繰下げ中に死亡した場合の遺族給付金の有無(47条)を確認する
- 3.繰下げ時の年金額試算を依頼し公的年金と比較する 事業主等に「繰下げ時の年金額試算」を名指しで依頼し、公的年金の繰下げ(厚生年金保険法44条の3)や再雇用中の給与と並べて、受け取る順番と各年の所得額を比較する
- 4.期限内に繰下げを申し出て控えを保管する 繰下げを選ぶ場合は、老齢給付金を請求しないまま、規約所定の様式で事業主等に申し出る。受付日の分かる控えを保管し、拒まれたら規約の該当条項を示して書面で再度申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1企業年金の繰下げとは?
確定給付企業年金の老齢給付金について、受け取り開始の時期を後ろにずらす仕組みです。確定給付企業年金法37条が根拠で、規約に定めがある場合に限り利用できます。
Q2企業年金 繰下げ 何歳まで できる?
繰り下げられる上限の時期は37条自体には書かれておらず、法令の範囲内で各制度の規約が定めます。会社ごとに異なるため、規約の繰下げ条項で確認が必要です。
Q3企業年金の繰下げ申出はどこに出す?
申出先は「事業主等」です。規約型の企業年金なら勤務先の会社、基金型なら企業年金基金が窓口になります。様式や提出方法は規約と事務手続で決まります。
Q4規約に定めがないと企業年金は繰下げできない?
できません。37条は「規約で定めるところにより」申し出られると定めているため、規約に繰下げの定めがない制度では、本人が希望しても申出の道がありません。
Q5企業年金 繰下げ 申出 期限はいつまで?
37条は、老齢給付金の支給を請求していない者に申出を認めています。そのため請求書を提出する前に申し出る必要があり、具体的な締切は規約と事務手続で確認します。
Q6企業年金と公的年金は別々に繰下げできる?
別々の制度なので、それぞれ判断できます。公的年金の繰下げは厚生年金保険法等が、企業年金の繰下げは確定給付企業年金法37条と各制度の規約が規律します。
Q7再雇用中でも企業年金の繰下げはできる?
36条の支給要件を満たし、まだ請求していなければ、再雇用中かどうかにかかわらず規約に従って申し出られます。給与と年金の重なりを避ける手段にもなります。
Q8企業年金の規約はどうやって確認する?
勤務先の人事部または企業年金基金に、規約の写しや閲覧を求めるのが確実です。繰下げ条項、上限時期、増額の算定方法の箇所を指定して請求すると早く確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の企業年金も、国の年金みたいに遅らせると増えるんですか?
37条は繰下げの道を開いているだけで、どれだけ増えるかは定めていない。増え方は規約の算定方法で決まり、国の年金のように「月0.7%」と法律で決まっているわけではない。実務のポイント:キャッシュバランス型の場合、据置期間中も指標利率で利息が付く設計があるが、指標が低い時期は繰下げのメリットが小さい。人事担当者が詳細を知らないことも多いので、「繰下げ時の年金額試算」と名指しで依頼すると、具体的な数字が出てきやすい
Q2もう請求書を出しちゃったんですけど、今から繰下げに変えられますか?
37条1項は「支給を請求していないもの」に限って申出を認めているので、請求した後は原則としてこの条文の対象外になる。実務のポイント:提出済みでも、事業主等の側で手続が終わる前なら取下げを認める運用があるかどうかは、制度によって異なる。あきらめる前に、提出先へ「まだ取り下げられる段階か」をその日のうちに確認する価値はある
Q3繰下げしている間に死んだら、家族は何ももらえないんですか?
遺族給付金は、規約で定めた場合にだけ支給される任意の給付である(47条)。規約に定めがあれば遺族が受け取れるが、定めがなければ何も出ない設計もありうる。実務のポイント:保証期間付きの年金では、繰下げ中や保証期間中に亡くなった場合の扱いが規約に細かく書き分けられていることが多い。繰下げを決める前に、この条項は家族と一緒に読んでおく
Q4一時金でもらうか年金でもらうかって、繰下げと関係ありますか?
一時金を選べるかどうかは38条と規約で決まる。税金は、一時金なら退職所得(所得税法31条)、年金なら雑所得(同35条)として扱われる。繰下げで受取時期が動けば、退職金や iDeCo との受取順序と各年の所得額も変わる。実務のポイント:退職所得控除には前後の受取と重複した分を調整する仕組みがあり、受け取る順番と間隔によって手取りが数十万円単位で変わることがある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「繰下げは得か損か」と悩む人は多いが、その問いを立てるのはまだ早い。先に確かめるべきなのは、自分の会社の規約にそもそも繰下げの定めがあるか、あるなら何歳まで繰り下げられ、どのように増額されるのかである。定めがなければ、損得を比べる余地もない
- 国の年金と同じように、1か月繰り下げるごとに0.7% 増えると思い込んでいる人がいる。37条は増額率を定めていない。据置期間中の利息や増額をどう扱うかは規約の算定方法で決まるので、国の年金の感覚で計算すると見込みがずれることがある(最新の規約・法令をご確認ください)
- 本人の感覚では、繰下げは「お金を寝かせておくだけ」である。だが法的には、受給権を会社の年金制度の中に置き続けることを意味する。受給権者の給付を減額するには厳格な手続が要求されるものの、制度終了時の分配ルールなど、制度そのものの動向から完全に切り離されるわけではない。手元に入るまでは、制度の行方と無関係ではいられない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定する内容 | 37条:老齢給付金の支給の繰下げの申出 | 36条:老齢給付金の支給要件(支給開始の原則) 38条:年金支給の原則と一時金の選択 |
| 本人の選択の余地 | 規約に定めがあれば、受け取り開始時期を後ろにずらせる | 要件を満たせば規約所定の時期から支給(本人が時期を選ぶ規定ではない) 規約に定めがあれば、年金か一時金かを選べる |
| 適用のタイミング | 支給を請求する前に限る | 支給要件を満たした時点 給付の受取方法を決める時点 |
| 規約への委任 | 申出の可否・方法・支給開始時期を規約に委ねる | 支給開始年齢等の要件を規約で定める 一時金選択の可否と条件を規約で定める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の新制(労工退休金条例)は個人口座型で、60歳以降に請領する仕組み。企業ごとの規約で受取開始を繰り下げる日本の DB とは制度設計が異なる
韓国の確定給付型退職年金は退職時の給付が中心で、受取方法や時期は年金規約と金融機関の商品設計に左右される点が日本と共通する
ドイツの企業年金は BetrAVG が受給権保護を定め、具体的な給付開始時期は年金規程(Versorgungsordnung)に委ねられる
米国では受取の繰延べが可能だが、税法上の最低分配義務(RMD)により繰延べの上限が法定されている点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 60歳で定年を迎え、再雇用で給料はまだ出ている。そこへ会社から企業年金の請求書類が届いた。今すぐ出すべきなのか? 出せば、その時点で37条による繰下げの選択肢はなくなる。投函する前に、規約の繰下げ条項を確認する価値がある
- 支給開始年齢まであと1か月。人事部からは「手続きは月末までに」としか言われていない。繰下げを希望するなら、請求をしないまま申出をする必要があり、その様式と締切は規約と事務手続で決まっている。期限を過ぎたときの扱いは制度によって違うので、今週中に確認しておく
- 再雇用で年収はほとんど変わらない。今年から企業年金も入ってくれば、課税所得が膨らむ。繰下げは、税負担の山をならす手段にもなる。
- あなたは中堅メーカーの人事担当者だ。OB から「繰下げを申し出たのに受け付けてもらえなかった」と苦情が来た。規約に繰下げの定めがないなら、会社の対応は法的に問題ない。だが規約に定めがあるのに窓口で断ったのなら、規約違反として受給者と争いになりうる。まず窓口マニュアルと規約を突き合わせることだ
- 繰下げ中に亡くなったら、その年金はどうなるのか? 遺族給付金は、規約で定めた場合にしか支給されない任意の給付である(47条)。家族に何も出ない設計の制度もありうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求書を出す前に、規約の写しと「繰下げ時の年金額試算」を事業主等へ書面で求める2. 繰下げの定めの有無、上限時期、据置期間中の増額方法、繰下げ中に死亡した場合の扱い(遺族給付金の有無、47条)を確認する3. 公的年金の繰下げ(厚生年金保険法44条の3)と並べて、どちらを先に受け取るか試算する4. 申出を拒まれたら、規約の該当条項を示して書面で改めて申し出る。解決しなければ、地方厚生局への相談も選択肢になる
訴えられた側:1. 規約に繰下げの有無、上限時期、増額の算定方法を明記しているか点検する2. 受給資格を得た人への案内に、繰下げの選択肢と申出期限を記載し、窓口対応を統一する3. 規約にない繰下げを個別に認めると規約違反になりうる。制度として導入するなら、規約変更の手続(6条・7条)で対応する4. 申出の受付日と内容を記録し、後日の紛争に備える
時効(請求できる期限):37条自体に申出期限の定めはないが、老齢給付金の支給を請求する前に申し出る必要がある。申出の期限と繰下げの上限時期は規約で定められる。給付を受ける権利そのものについては、特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用されうる。規約で別に請求期限を定めている例もあるため、確認が必要である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)の制定により、規約型・基金型の確定給付企業年金制度が創設され、老齢給付金に関する規定が整備された
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