確定給付企業年金法 第36条(支給要件)
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- 老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
- 2.前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件(第四十一条第二項第二号において「老齢給付金支給開始要件」という。)を満たすものでなければならない。
- 一六十歳以上七十歳以下の規約で定める年齢に達したときに支給するものであること。
- 二政令で定める年齢以上前号の規約で定める年齢未満の規約で定める年齢に達した日以後に実施事業所に使用されなくなったときに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに老齢給付金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
- 3.前項第二号の政令で定める年齢は、五十歳未満であってはならない。
- 4.規約において、二十年を超える加入者期間を老齢給付金の給付を受けるための要件として定めてはならない。
この条文の基本情報
支給要件とは何ですか?
定義支給要件とは、確定給付企業年金法第36条に定められた規定で、「老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第36条(支給要件)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第36条の条文原文は「老齢給付金は、加入者又は加入者であった者が、規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第36条は第二節 老齢給付金に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第36条の前の条は確定給付企業年金法第35条です。
- 確定給付企業年金法第36条の次の条は確定給付企業年金法第37条です。
- 確定給付企業年金法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法36条は、老齢給付金の支給開始年齢を規約で60歳以上70歳以下と定めさせ、20年を超える加入者期間を受給要件とすることを禁じている。
Q · 企業年金の老齢給付金は、何歳から、どんな条件でもらえるの?
規約次第だが、開始年齢は60〜70歳の範囲に限られる
確定給付企業年金法36条により、老齢給付金は規約で定める要件を満たしたときに支給されます。その要件は、60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したこと、または規約に定めがあれば、政令で定める年齢(50歳以上)以後に退職したことに限られます。さらに規約は、20年を超える加入者期間を受給要件にすることができません(同条4項)。
解説
会社の年金規程に「老齢給付金は65歳から」と書いてあっても、その数字は会社が自由に決められるわけではない。確定給付企業年金法36条は、老齢給付金をいつから払えるかに法律で枠をはめている。まず、支給開始年齢は規約(会社と従業員側で作る年金のルールブック)が60歳以上70歳以下の範囲で決める。次に、規約に定めがあれば、政令で定める年齢(50歳を下回ってはならない)以上の年齢で退職した人にも、開始年齢より前に払える。そして最も見落とされやすいのが4項である。規約は「20年を超える加入者期間」を受給要件にしてはならない。つまり「勤続25年で初めて年金がもらえる」という設計は、それだけで法律違反になる。転職を考えるとき、あなたが確かめるべきは退職金の額だけではない。自分の加入者期間が規約の要件を満たしているか、満たしていなければ脱退一時金(41条)に切り替わるのか。この分かれ目で、受け取る形も税金のかかり方も変わる。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法36条は、老齢給付金の支給要件の枠組みを定める規定である。支給要件は規約で定めるが、60歳以上70歳以下の規約所定年齢への到達、または50歳以上の政令所定年齢以後の実施事業所からの退職に限られ、20年を超える加入者期間を受給要件とすることは禁止される。
手順
- 1.年金規約と加入者期間の記録を入手する 人事部門または企業年金基金に、年金規約の写しと自分の加入者期間の記録を請求する。退職や転職の意思表示をする前に行うのが望ましい
- 2.老齢給付金の三つの要件を照合する 規約の支給開始年齢(60〜70歳の範囲内か)、前倒し退職の年齢(50歳以上か)、加入者期間要件(20年以内か)の三点を、自分の年齢と加入者期間に当てはめる
- 3.受給ルートと受取方法を決める 老齢給付金の要件を満たすか、脱退一時金(41条)になるかを確定し、年金受取か一時金受取かを税負担も含めて比較する。脱退一時金の場合は移換先も検討する
- 4.裁定請求を提出する 要件を満たしたら、規約所定の様式で事業主等に裁定請求を出す。支給を拒まれた場合は書面で理由を求め、地方厚生局や専門家に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1老齢給付金とは何ですか?
確定給付企業年金(DB)から、規約で定める年齢到達や退職などの要件を満たした加入者等に支払われる給付です。年金または一時金で受け取ります。
Q2確定給付企業年金の支給開始年齢は何歳ですか?
規約で60歳以上70歳以下の範囲で定めます(36条2項1号)。会社ごとに60歳、65歳などと異なるため、自社の規約で確認が必要です。
Q3企業年金は50歳で退職してももらえる?
規約に定めがあれば、政令で定める年齢(50歳以上)以後の退職で老齢給付金を受け取れます(36条2項2号・3項)。定めがなければ脱退一時金の対象です。
Q4企業年金の受給資格に勤続年数の上限はある?
あります。規約は20年を超える加入者期間を老齢給付金の受給要件にできません(36条4項)。勤続25年要件などは法律違反です。
Q5企業年金70歳から支給は違法?
違法ではありません。36条2項1号は開始年齢の上限を70歳と定めており、70歳支給の規約は法律の範囲内です。71歳以上は認められません。
Q6企業年金の老齢給付金は自動で振り込まれる?
自動ではありません。受給権者の請求に基づき事業主等が裁定を行い、支給が始まります(30条)。請求手続を忘れないことが重要です。
Q7企業年金の規約はどこで見られる?
勤務先の人事部門や企業年金基金に閲覧・写しの交付を求めるのが一般的です。事業主等には規約内容を加入者に周知する義務があります。
Q8確定給付企業年金と確定拠出年金の違いは?
確定給付は給付額があらかじめ規約で決まり運用リスクを会社が負います。確定拠出は掛金が決まり、給付額は本人の運用結果で変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1定年後も再雇用で働いてるんですが、企業年金ってもらえるんですか?
規約次第です。36条2項1号は「60歳以上70歳以下の規約で定める年齢に達したとき」の支給を認めており、開始年齢に達すれば在職中でも支給される設計の年金があります。一方で退職を支給の前提にしている規約もあります。実務のポイント:再雇用の面談で年金の話はまず出ません。規約の該当条を自分で探し、人事に「私のケースはどちらか」と書面で聞いておくと、後で言った言わないにならずに済みます
Q2勤続12年で辞めたら、企業年金は全部パーですか?
パーではありません。規約が定める老齢給付金の要件を満たしていなければ、多くの場合は脱退一時金(41条)の対象になります。そして脱退一時金について、規約は3年を超える加入者期間を要件にできません。実務のポイント:脱退一時金はそのまま受け取るだけでなく、転職先の企業年金やiDeCoへ移せる場合があります。移換の手続期限を過ぎると選択肢が狭まるため、退職前に移換先を確認しておくことが重要です
Q3年金でもらうのと一時金でもらうの、どっちが得なんですか?
税の扱いが違います。一時金は退職所得(所得税法31条)として退職所得控除が使え、年金は公的年金等の雑所得として公的年金等控除の対象です。実務のポイント:退職金と同じ年、あるいは近い年に一時金を受け取ると、退職所得控除の重複調整で控除が思ったより使えないことがあります。iDeCoの受取時期と組み合わせる場合は特に注意が必要です(最新の改正状況をご確認ください)
Q4会社が勝手に支給開始を65歳から70歳に変えてもいいんですか?
70歳までは36条2項の範囲内なので、年齢そのものは違法ではありません。ただし規約変更には労使合意や厚生労働大臣の承認・届出が必要で、受給者に不利な変更は給付減額として別の厳しい手続が求められます。実務のポイント:開始年齢の引上げは「減額ではない」と説明されがちですが、実質的に給付の現在価値が下がるため、減額手続の対象になりうる論点です。説明会で必ず質問しましょう
間違えやすい点 AI による整理
- 「企業年金は勤続が長くないともらえない」と思い込んでいる人が多いが、法律は20年を超える加入者期間を受給要件にすることを禁じている(36条4項)。さらに加入期間が短くても、要件を満たせば脱退一時金(41条)という別の受け取り口がある。「短いから権利ゼロ」という前提がまず間違っている
- 老齢給付金が60歳以降に出ることは知っていても、それが「規約で決めた年齢」にしか出ないことの重さまでは知られていない。同じ60歳でも、会社Aは60歳支給、会社Bは65歳支給ということがある。転職先の規約を確かめずに移ると、想定していた受給開始が5年ずれる
- 社員から見ると企業年金は「会社がくれるおまけ」だが、法律から見ると、規約に書かれた要件を満たした瞬間に発生する受給権である。この差は大きい。おまけだと思っている人は請求を忘れ、規約を読まず、脱退一時金の移換先も選ばないまま放置する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の種類 | 36条:老齢給付金(老後所得の中核) | 41条:脱退一時金(老齢給付金の要件未達で退職した場合) 38条:老齢給付金の支給方法(年金または一時金) |
| 加入者期間要件の上限 | 20年を超える期間を要件にできない | 3年を超える期間を要件にできない 36条の要件充足が前提 |
| 年齢に関する枠 | 開始年齢60〜70歳、前倒し退職は50歳以上の政令年齢 | 老齢給付金の要件を満たさない退職時点 年金の支給期間等は規約で定める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の労工退休金新制は確定拠出型の個人口座制で、満60歳から請領できる。旧制(労基法)は勤続年数と年齢による自請退休要件を法律で直接定めており、規約自治の余地が大きい日本の DB とは設計思想が異なる
ドイツは企業年金の受給権確定(Unverfallbarkeit)を年齢と加入期間で法定し、使用者が過度に長い勤続要件を課すことを防ぐ点で、36条4項と同じ方向の規制である
米国は最低 vesting 基準と normal retirement age の定義で受給権を保護する。日本の確定給付企業年金法はこの ERISA の受給権保護の発想を参照している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤続18年、52歳で早期退職の募集に手を挙げるか迷っている。会社の規約に「50歳以上で退職したら老齢給付金を支給」という定めがあるか、あなたは知っているだろうか。定めがあれば年金として受け取る道があり、なければ脱退一時金になる。募集の締切はあと10日しかない
- 人事部の担当者として、年金規約の改定案を任された。役員から「受給資格は勤続25年以上にしろ」と言われた。そのまま書けば36条4項違反で、厚生労働大臣の承認は下りない。止めるのはあなたの役目だ
- 60歳で定年再雇用になった。まだ同じ会社で働いているのに、老齢給付金はもらえるのか? 答えは規約で決めた年齢と要件次第である。在職中でも開始年齢に達すれば支給される設計の年金もあれば、そうでない年金もある
- 友人から「うちの会社のDBは70歳からしか出ないらしい、違法じゃないの?」とLINEが来た。違法ではない。上限は70歳まで認められている
- 65歳の誕生日を過ぎたのに、年金の案内が一通も届かない。老齢給付金は受給権者が請求し、事業主等が裁定(受給資格の確認)をしてはじめて支払われる。黙って待っていても振り込まれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 人事部または企業年金基金に規約の写しと自分の加入者期間の記録を請求する2. 規約の支給開始年齢が60〜70歳の範囲内か、勤続要件が20年を超えていないかを確認する3. 要件を満たしているのに支給されない、または違法な要件で拒まれたと考えられる場合は、書面で理由を求め、地方厚生局や社会保険労務士・弁護士に相談する4. 受給権の発生後は自分から裁定請求を出す。待っていても自動的には振り込まれない
訴えられた側:1. 事業主・基金側として、規約の老齢給付金要件が36条2項〜4項の範囲内かを総点検する2. 20年を超える加入期間要件や70歳超の開始年齢があれば、規約変更の手続を始める3. 受給権者へ請求手続と受取方法(年金か一時金か)の案内を書面で送り、記録を残す4. 規約変更で給付を減らす場合は、減額に必要な同意手続など別の規制も確認する
時効(請求できる期限):36条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。ただし規約に請求期限や時効の定めがあることが多いため、受給要件を満たした日を起点に、規約の定めを必ず確認する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正(施行日は要確認) 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律により、老齢給付金の支給開始年齢として規約で定められる範囲の上限が65歳から70歳に拡大されたとされる。改正回数と施行日は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により、老齢給付金の支給要件の枠組みとして本条が設けられた
- 2.令和2年(2020年) 改正:年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律により、規約で定める支給開始年齢の上限が65歳から70歳に拡大された(施行日は要確認)
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