確定給付企業年金法 第41条(脱退一時金)
クイックジャンプ
- 脱退一時金は、加入者が、第二十七条第二号から第五号までのいずれかに該当し、かつ、その他の規約で定める脱退一時金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その者に支給するものとする。
- 2.前項に規定する規約で定める要件は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
- 一加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件を満たさないもの(次号に規定する者を除く。)に支給するものであること。
- 二加入者であって規約で定める老齢給付金を受けるための要件のうち老齢給付金支給開始要件以外の要件を満たすものに支給するものであること(規約において当該状態に至ったときに脱退一時金を支給する旨が定められている場合に限る。)。
- 3.前項第一号に係る脱退一時金を受けるための要件として、規約において、三年を超える加入者期間を定めてはならない。
- 4.第一項に規定する脱退一時金を受けるための要件を満たす者(第二十七条第二号、第四号又は第五号のいずれかに該当することとなった者に限る。)は、規約で定めるところにより、事業主等に当該脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げの申出をすることができる。
この条文の基本情報
脱退一時金とは何ですか?
定義脱退一時金とは、確定給付企業年金法第41条に定められた規定で、「脱退一時金は、加入者が、第二十七条第二号から第五号までのいずれかに該当し、かつ、その他の規約で定める脱退一時金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第41条(脱退一時金)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第41条の条文原文は「脱退一時金は、加入者が、第二十七条第二号から第五号までのいずれかに該当し、かつ、その他の規約で定める脱退一時金を受けるための要件を満たすこととなったときに、その…」で始まります。
- 確定給付企業年金法第41条は第三節 脱退一時金に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第41条の前の条は確定給付企業年金法第40条です。
- 確定給付企業年金法第41条の次の条は確定給付企業年金法第42条です。
- 確定給付企業年金法第41条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第41条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第41条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/41
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法41条は脱退一時金の支給要件を定める。規約は、老齢給付金の要件を満たさない退職者に対し、3年を超える加入者期間を要件にできない。
Q · 企業年金(DB)のある会社を途中で辞めたら、脱退一時金はもらえるの?
加入3年以上なら原則もらえる。3年未満は規約次第
確定給付企業年金法41条3項により、老齢給付金の要件を満たさずに退職した加入者について、規約は3年を超える加入者期間を脱退一時金の要件にできません。したがって加入3年以上であれば受給資格が確保されます。3年未満の場合は規約の定めによります。受け取る前に、規約に基づく繰下げの申出(同条4項)や、他の企業年金制度・企業年金連合会への移換も比較検討できます。
解説
退職前に年金規約を開く人はほとんどいない。だが勤め先に確定給付企業年金(DB)があるなら、辞める日付によって手元に残る金額が変わる。本条は、老齢給付金をもらう条件を満たさずに辞めた加入者へ「脱退一時金」を払う枠組みを定める。要になるのは第3項だ。規約は、脱退一時金をもらうために3年を超える加入者期間を求めてはならない。つまり加入3年以上なら、どの DB でも受給資格は保障される。3年未満だとどうなるかは規約次第で、ゼロになることもある。もう一つ見落とされがちなのが第4項で、一時金を今すぐ受け取らず、繰り下げを申し出る道がある(規約で定めている場合)。現金で受け取るか、繰り下げるか、次の年金制度へ移すか。退職届を出す前に、この三つを比べておくこと。
法的な位置づけ
脱退一時金とは、確定給付企業年金の加入者が退職等により加入者資格を喪失し(同法第27条第2号から第5号)、規約で定める要件を満たした場合に支給される一時金である。老齢給付金の受給要件を満たさない者への支給を基本とし、規約は3年を超える加入者期間をその要件とすることができない。
手順
- 1.規約の脱退一時金要件を月単位で確認 退職日を決める前に、人事部または企業年金の実施窓口に規約の写しを請求し、脱退一時金の加入者期間要件(月数)、加入日の起算点、繰下げ規定の有無を確認する
- 2.退職日を要件と突き合わせて調整 加入者期間が規約要件にわずかに届かない場合、有給休暇の消化や転職先の入社日調整で退職日を動かせないか会社と相談する。退職届の提出前に行う
- 3.現金・繰下げ・移換の三択を比較 現金で受け取る場合の退職所得課税、繰下げ(41条4項)の可否、転職先の DB・企業型 DC・iDeCo・企業年金連合会への移換可否と申出期限を並べて比較する。移換先の受入可否は移換先に先に確認する
- 4.選択書類と税務書類を期限内に提出 選んだ方法を書類で届け出る。現金で受け取る場合は「退職所得の受給に関する申告書」を支払者に提出し、源泉徴収の過大控除を避ける
- 5.不支給に納得できない場合は書面で照会 加入3年以上なのに不支給とされた場合、41条3項との関係について書面で説明を求め、解決しなければ地方厚生局や社会保険労務士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1脱退一時金とは何ですか?
確定給付企業年金の加入者が退職等で資格を失い、規約の要件を満たしたときに支払われる一時金です。確定給付企業年金法41条が根拠です。
Q2脱退一時金の税金はどうなる?
所得税法上、退職手当等とみなされ退職所得として課税されます。受け取る前に「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、高い税率で源泉徴収されます。
Q3脱退一時金の繰下げとは?
一時金をすぐ受け取らず、支給を後に延ばすよう事業主等に申し出る制度です(41条4項)。規約に定めがある場合に限り利用できます。
Q4早期退職したのに脱退一時金が出ないのは違法?
老齢給付金の期間要件を満たしている場合、規約に定めがなければ一時金は出ません(41条2項2号)。違法ではなく、支給開始年齢に達すれば老齢給付金を受け取る形になります。
Q5規約で脱退一時金の要件を加入5年以上にするのは違法?
違法です。老齢給付金の要件を満たさない者への脱退一時金について、3年を超える加入者期間を要件とすることは41条3項で禁止されています。
Q6脱退一時金を請求しないとどうなる?
自動的に消えるわけではありませんが、規約の時効や民法の消滅時効により請求できなくなるおそれがあります。放置せず、受け取るか移換するかを早めに決めましょう。
Q7脱退一時金の金額はどう決まる?
法律に一律の計算式はなく、各規約の算定方法(加入者期間、給与、ポイントなど)で決まります。規約や加入者向けの通知書で確認できます。
Q8脱退一時金はいつ振り込まれる?
資格喪失後、支給請求の手続きをしてから規約所定の時期に支払われます。受け取り方法の選択書類を返送しないと手続きが進まない点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入社して2年半で辞めるんですけど、企業年金って1円も出ないんですか?
規約次第である。法律(41条3項)が禁じているのは3年を超える要件を課すことだけで、1年や加入直後から支給する規約も珍しくない。実務のポイント:規約要件を満たすかどうかは加入者期間の月数で数えられ、加入日が入社日より遅い規約もある。退職日を決める前に、人事へ「脱退一時金の加入者期間要件は何か月か」と月単位で聞くこと
Q2脱退一時金って、もらわずに次の会社の年金に移せるんですか?
移せる場合がある。転職先の DB や DC(iDeCo を含む)、企業年金連合会への移換制度があり、受け取る前に申し出るのが前提である。繰り下げについては41条4項が根拠になる。実務のポイント:会社から届く書類は現金受け取りを前提に作られていることが多く、移換の選択肢が目立たない。移換先の受入可否と申出期限を、先に移換先へ確認してから返送すること
間違えやすい点 AI による整理
- 「DB は定年まで勤めた人の制度だから、途中で辞めたら没収される」と思われがちだ。実際は、加入3年以上なら脱退一時金の受給資格を奪う規約は作れない(第3項)。没収されるのではなく、受け取り方を選べるのである
- 3年ルールがあることは知っていても、それが上限にすぎないことは知られていない。規約は1年でも0年でもよい。つまり「3年未満だから何も出ない」は会社ごとの規約次第であって、法律がそう決めているわけではない。自分の会社の規約を確認しないまま諦めるのは早い
- 「一時金と年金、どちらがトクか」という問いは立て方が違う。本当の分かれ道は、受け取るか移すかだ。現金化すれば退職所得として課税関係がそこで確定し、老後資金としての積立ても途切れる。額面ではなく、通算と税の繰延べで比べるべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の性格 | 41条:途中退職者等への脱退一時金 | 36条:老齢給付金(年金または一時金) 29条:規約で定める給付の種類 |
| 期間要件の上限 | 3年を超える加入者期間を要件にできない(3項) | 老齢給付金の加入者期間要件にも別途上限あり(36条) 給付の種類の枠組みを定め、期間要件は各条に委ねる |
| 支給のきっかけ | 27条2〜5号の資格喪失+規約要件の充足 | 支給開始年齢到達等の老齢給付金支給開始要件 老齢給付金・脱退一時金は必須、障害・遺族給付は任意 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の新制は個人専戸の確定拠出型で、転職しても積立は本人に帰属し通算される。旧制退職金は長期勤続要件があり、途中退職者の保護は日本の DB より弱い
韓国は継続勤続1年以上で退職給付を保障し、確定給付型退職年金もこの枠組みで運営される。受給資格期間の上限は日本より短い
ドイツは2018年以降、加入3年かつ21歳以上で企業年金の受給権が不可喪失となる。3年という水準は日本の本条と一致する
米国の DB プランは5年クリフまたは3〜7年の段階的 vesting が最低基準。日本の本条は3年上限でより短いが、段階的付与の規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 入社2年11か月で転職先から内定が出た。入社日を1か月遅らせてもらえれば、加入者期間が3年に届くかもしれない。規約が上限いっぱいの3年を要件にしているなら、その1か月で一時金が出るかどうかが決まる
- 20年勤めて50歳で早期退職した。老齢給付金の期間要件は満たしているのに、会社からは「一時金は出ない、60歳まで待って」と言われた。規約に脱退一時金の定めがなければ、第2項第2号の脱退一時金は出ない。これは違法ではない
- 人事担当として規約を改定するなら? 脱退一時金の要件を「加入5年以上」にした案は、第3項違反で認可も承認も下りない。厚生労働大臣の承認・認可を受ける前に、条文と突き合わせて潰しておく必要がある
- 退職後、会社から「脱退一時金の受け取り方法を選んでください」という書類が届いた。現金で受け取ると、DC(企業型・iDeCo)や企業年金連合会へ移して課税を先送りする選択肢は、そこで失われる
- 友人が「前の会社の年金、いつの間にか消えた」とこぼした。調べると、請求も移換もしないまま時間が過ぎていただけだった。お金は消えておらず、受け取る手続きをしていなかったのだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 人事または年金の実施窓口に規約の写しを請求し、脱退一時金の加入期間要件と繰下げ規定を確認する2. 加入3年以上なのに不支給とされたら、第3項に反していないか書面で説明を求める3. 受け取る前に、現金・繰下げ・DC や企業年金連合会への移換を比べる4. 納得できなければ、所管の地方厚生局や社会保険労務士に相談する
訴えられた側:1. 事業主側は、規約の脱退一時金要件が3年以下になっているか点検する2. 第2項第2号の一時金を出さない設計なら、その旨を従業員に明確に周知する3. 退職者には受け取り方の選択肢と期限を書面で案内し、説明の記録を残す4. 規約変更は承認・認可の手続を経てから運用する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。給付請求権の時効は規約の定めによるほか、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が問題になる。DC や企業年金連合会への移換は、資格喪失後一定期間内かつ一時金を受け取る前に申し出る必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により新設。途中退職者の受給権保護のため、脱退一時金の加入者期間要件に3年の上限を置いた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める