確定給付企業年金法 第40条(失権)
クイックジャンプ
- 老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。
- 一老齢給付金の受給権者が死亡したとき。
- 二老齢給付金の支給期間が終了したとき。
- 三老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき。
この条文の基本情報
失権とは何ですか?
定義失権とは、確定給付企業年金法第40条に定められた規定で、「老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第40条(失権)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第40条の条文原文は「老齢給付金の受給権は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、消滅する。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第40条は第二節 老齢給付金に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第40条の前の条は確定給付企業年金法第39条です。
- 確定給付企業年金法第40条の次の条は確定給付企業年金法第41条です。
- 確定給付企業年金法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法40条により、老齢給付金の受給権は、受給権者の死亡、支給期間の終了、全部を一時金で受け取ったときのいずれかで消滅する。
Q · 企業年金を全部一時金で受け取ったら、もう年金はもらえないの?
はい。全部を一時金で受け取ると受給権は消滅します
確定給付企業年金法40条3号により、老齢給付金の全部を一時金として支給された時点で、年金として受け取る受給権は消滅し、後から年金に戻すことはできません。ただし、消滅するのは「全部」を一時金にした場合だけです。規約が一部一時金の選択を認めていれば、一部を一時金で受け取り、残りを年金として受け取り続けられます。死亡(1号)や支給期間の終了(2号)でも受給権は消滅します。
解説
会社の企業年金は「一生もらえるもの」と思い込んでいる人が多い。確定給付企業年金法40条は、その思い込みを三行で崩す。老齢給付金(会社の DB 制度から老後に受け取るお金)の受給権が消える場面は三つある。①本人が死亡したとき、②支給期間が終わったとき、③全部を一時金で受け取ったとき、である。見落とされやすいのは②と③だ。DB の年金は終身とは限らず、規約次第で「10年」「15年」の有期年金にもなる。その場合、85歳で元気に暮らしていても、期間が満了すれば振込は止まる。③は退職時にあなた自身がする選択である。全額を一時金で受け取った瞬間、年金として受け取る権利は二度と戻らない。①の死亡についても、保証期間の残りが遺族に渡るかどうかは規約の書き方で決まる。つまり、本当に読むべきなのは本条そのものではなく、本条が指し示している自社の年金規約である。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法第40条は、老齢給付金の受給権の消滅事由(失権事由)を定める規定である。受給権者の死亡、規約で定めた支給期間の終了、老齢給付金の全部の一時金支給の三つを列挙し、いずれかに該当した時点で受給権は当然に消滅する。遺族への支給は、規約に定める遺族給付金の問題として別に扱われる。
手順
- 1.規約で三つの項目を確認する 選択書を受け取ったら、まず年金規約や制度のしおりで、支給期間(終身か有期か)、保証期間の有無、一部一時金を選べるかどうかを確認する。分からない点は人事または基金に書面で問い合わせる
- 2.一時金と年金の手取りを試算する 一時金(退職所得)と年金(雑所得)で税金と社会保険料を差し引いた手取りを並べて比べる。年金額に効いている給付利率も確認し、預金金利との差を判断材料にする
- 3.選択書を提出する前に最終確認する 全部を一時金にすると年金の受給権は消滅し、後から戻せない(40条3号)。一部一時金の割合も含めて、家族と相談したうえで選択書に記入し、控えを保管する
- 4.受給者が亡くなったらすぐ届け出る 受給者が死亡したら、基金または事業主へ速やかに死亡を届け出る。同時に、遺族給付金や未支給分を請求できるかを照会し、死亡後に入金された分には手を付けずに返還額の確定を待つ
よくある質問 AI による整理
Q1確定給付企業年金の失権とは?
老齢給付金を受け取る権利が消えることです。確定給付企業年金法40条は、死亡・支給期間の終了・全部の一時金支給の三つを失権事由として定めています。
Q2企業年金の支給期間はどこで確認できる?
勤務先の年金規約か、制度のしおりに書かれています。終身か5年以上の有期か、保証期間があるかどうかを事業主または基金に書面で確認するのが確実です。
Q3企業年金の受給者が亡くなったら届出は必要?
必要です。受給権は死亡した時点で消滅するため、基金または事業主へ早めに届け出てください。届出が遅れると、死亡後に振り込まれた分が返還の対象になります。
Q4死亡後に振り込まれた企業年金は返さないといけない?
原則として返還の対象です。死亡で受給権が消滅した後の支払いには根拠がないためです。返還額が確定するまで、その口座のお金には手を付けないのが安全です。
Q5企業年金の一時金の割合は自由に選べる?
自由ではなく、規約で定められた範囲で選びます。全額・半分・一定割合など選択肢は制度ごとに違うため、選択書の提出前に規約で確認する必要があります。
Q6企業年金は一時金と年金どっちが税金で得?
一時金は退職所得として退職所得控除、年金は雑所得として公的年金等控除の対象です。勤続年数やほかの所得で結果が変わるため、税金込みの手取りで比べます。
Q7確定給付企業年金と確定拠出年金の違いは?
確定給付は規約で給付額の算定方法が決まり、運用リスクは主に事業主が負います。確定拠出は掛金が決まっていて、運用の結果で給付額が変わる制度です。
Q8企業年金の受給権は差し押さえられる?
確定給付企業年金法は受給権の譲渡や差押えを原則として禁止しています(同法34条・現行規定を要確認)。ただし口座に入金された後の預金は別に扱われることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1年金をもらってる途中で死んだら、残りは家族に行くんですか?
本人の老齢給付金の受給権は、死亡の時点で消滅する(本条1号)。残りが家族に渡るのは、規約に保証期間と遺族給付金の定めがある場合に限られる。実務のポイント:遺族給付金は相続財産として自動的に承継されるのではなく、遺族が自分の権利として請求するものである。請求しなければ振り込まれない例もあり、受取りの順位も規約で決まる
Q2一時金でもらったあと、やっぱり年金に戻すことってできます?
戻せない。全部を一時金で受け取った時点で受給権は消滅する(本条3号)。実務のポイント:規約によっては「半分だけ一時金」のような部分選択が認められている。全部を一時金にしなければ残りの年金の受給権は消えないので、住宅ローンの繰上げ返済に使う分だけを一時金にする、という組み立てもできる
Q3会社の年金って、ずっともらえるものだと思ってたんですが?
制度によって異なる。確定給付企業年金の年金は、終身か5年以上の有期かを規約で定める(33条)。有期であれば、期間が満了した時点で受給権は消える(本条2号)。実務のポイント:有期年金でも保証期間付きの終身年金でも、年金額の計算には規約上の給付利率が効いてくる。一時金と比べるときは、その利率が今の預金金利よりどれだけ高いかを見ると判断が早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社の年金も公的年金と同じく死ぬまでもらえる」と思われがちだが、DB の老齢給付金は終身か、5年以上の有期かを規約で選べる制度である(33条)。有期年金なら、長生きするほど後半は無年金の期間が延びる。長生きリスクを誰が負っているのかを、規約で確かめるまで安心してはいけない
- 一時金選択のリスクは知っていても、「全部」と「一部」の差の重さを知らない人が多い。本条3号で受給権が消えるのは「全部」を一時金で受け取ったときだけである。規約が一部一時金を認めていれば、まとまった現金と終身の年金を両立できる。制度の選択肢を二択だと思い込むことが、最大の損失になりうる
- 遺族は「親の年金が止まったら終わり」と考えるが、問いの立て方が違う。受給権者本人の権利は死亡で確実に消えるが、それとは別に、遺族が自分自身の権利として遺族給付金を請求できる場合がある。問うべきなのは「年金は続くか」ではなく、「規約に保証期間と遺族給付金の定めがあるか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定している内容 | 40条:老齢給付金の受給権が消える三つの場面 | 33条:年金の支給期間は終身または5年以上 47条:遺族給付金の支給要件(現行規定を要確認) |
| 誰の権利か | 受給権者本人の老齢給付金 | 受給権者本人の年金の設計 遺族が自分の権利として請求する給付 |
| 受取り手の行動で変わるか | 3号(全部一時金)だけは本人の選択による | 規約で決まるため個人は選べない 遺族が請求しなければ支払われないことがある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の労工退休金(新制)は個人口座方式で、要件を満たせば月退休金と一次退休金を選べる。請領前に死亡した場合は遺族または指定請領人が一次退休金を請領する
韓国の確定給付型退職年金も、年金か一時金かを受給時に選べる仕組みを持つ
ドイツの企業年金法は受給期待権の保護(Unverfallbarkeit)を中心に据え、終身年金を基本とする
米国の確定給付プランでは、夫婦共同生存年金(QJSA)が原則とされ、一時金選択には配偶者の同意が求められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし退職の一週間前に人事から「年金か一時金か、選択書を月末までに提出してください」と言われたら、どうなる? 残り十日で、あなたは終身の受取りを捨てるかどうかを決めることになる。全額一時金に丸を付けた時点で、本条3号により年金の受給権は消滅する。書き直しがきくのは提出前だけである
- 父が亡くなった後、年金基金への死亡の届出を忘れていたら、父の口座に三か月分の老齢給付金が振り込まれ続けた。受給権は死亡した時点で消えているため、この三か月分は返還の対象になる。気付いた基金から返還を求められるのは、遺族であるあなたの側だ
- 72歳の元同僚が「会社の年金が急に止まった」と青ざめている。規約を確認すると、10年の有期年金だった。制度が壊れたわけではなく、約束どおりに終わっただけである
- あなたは中小企業の総務担当として、定年退職者に年金と一時金の選択について説明することになった。「一部だけ一時金にする」選択肢が規約にあるのに伝えず、退職者が全額一時金を選んでしまったら、後から「説明がなかった」と苦情を言われる火種になる
- 保証期間15年付きの終身年金を受け取っていた母が、受給開始から6年目に亡くなった。母の受給権は消えるが、残り9年分が遺族給付金として子に支払われるかどうかは規約次第である。遺族が請求しなければ、自動的に振り込まれるとは限らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受給者本人なら、規約(または制度のしおり)で終身か有期か、保証期間の有無、一部一時金の可否を確認する2. 選択書を提出する前に、一時金と年金それぞれの手取り額を、税金を含めて試算してもらう3. 遺族なら、死亡後すぐに基金または事業主へ届け出て、遺族給付金と未支給分を請求できるかを書面で照会する4. 死亡後に振り込まれた分には手を付けず、返還額の確定を待つ
訴えられた側:事業主や基金の担当者として: 1. 一時金を選べば受給権が消滅すること(本条3号)と、一部一時金の選択肢の有無を、選択書に明記する2. 有期年金であれば、支給終了の時期を受給開始時の通知に書く3. 受給者の死亡を把握する仕組み(住基ネットの照会、遺族への届出案内)を整え、過払いを防ぐ4. 過払いが生じたら、返還の根拠と金額を遺族に丁寧に示し、分割返還にも応じる
時効(請求できる期限):本条そのものに期限の定めはない。受給権は、死亡・期間満了・一時金の全額支給という事実が生じた時点で当然に消滅する。死亡後の過払い分の返還請求や、遺族給付金・未支給分の請求の期限は、規約・法令上の時効規定、または一般消滅時効(民法166条:権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)制定 確定給付企業年金法の制定(平成14年(2002年)施行)とともに置かれた条文。その後の改正の有無と内容は人の手による検証が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)の制定とともに新設。平成14年(2002年)4月施行。その後の改正の有無は原典での確認が必要
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