受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

確定給付企業年金法 第70条(基金の理事の行為準則)

クイックジャンプ
  1. 基金の理事は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
  2. 2.基金の理事は、次に掲げる行為をしてはならない。
  3. 一自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、第六十六条第一項、第二項、第四項及び第五項に規定する契約(以下「基金資産運用契約」という。)を締結すること。
  4. 二自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、積立金の運用に関し特定の方法を指図することその他積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為
  5. 3.基金の理事が第二十二条第三項に規定する基金の業務についてその任務を怠ったときは、その理事は、基金に対して連帯して損害賠償の責めに任ずる。
  6. 4.基金は、この条の規定に違反した理事を、規約で定めるところにより、代議員会の議決を経て、交代させることができる。

この条文の基本情報

基金の理事の行為準則とは何ですか?

定義基金の理事の行為準則とは、確定給付企業年金法第70条に定められた規定で、「基金の理事は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 確定給付企業年金法第70条(基金の理事の行為準則)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
  2. 確定給付企業年金法第70条の条文原文は「基金の理事は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」で始まります。
  3. 確定給付企業年金法第70条は第七章 行為準則に置かれています。
  4. 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
  5. 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 確定給付企業年金法第70条の前の条は確定給付企業年金法第69条です。
  7. 確定給付企業年金法第70条の次の条は確定給付企業年金法第71条です。
  8. 確定給付企業年金法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第70条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050
  • 本サイト収録確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/70

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点確定給付企業年金法70条は、基金の理事に基金への忠実義務を課し、私益目的の運用契約締結や運用指図を禁止する。任務を怠った理事は基金に連帯して損害賠償責任を負う。

Q · 企業年金基金の理事が運用で失敗したら、個人で責任を取らされるの?

任務懈怠なら基金に連帯賠償。ただし損失だけでは問われない

確定給付企業年金法70条3項により、基金の業務について任務を怠った理事は、基金に対して連帯して損害賠償責任を負います。ただし市場全体の下落による損失だけで直ちに責任が生じるわけではなく、法令・規約に沿った検討過程を踏んだかが問われます。また同条2項は、自己又は第三者の利益を図る目的での運用契約締結や運用指図を禁止しており、違反した理事は規約に基づき代議員会の議決で交代させられます。

解説

会社の企業年金基金には「理事」がいる。人事部長や経理部長が兼ねていることも多い。確定給付企業年金法70条によって、理事は株式会社の取締役に近い忠実義務を負っている。この義務は社長に対するものではなく、基金に対するもの、言い換えれば基金を通じてあなたの老後の給付に対するものだ。第2項は二つの行為を名指しで禁じている。一つ目は、自分や第三者の利益のために資産運用契約(信託会社、生命保険会社、投資顧問会社などとの契約)を結ぶこと。二つ目は、同じ目的で特定の運用方法を指図すること。たとえば旧知の運用会社への義理、接待、天下り先への配慮で委託先を決めることが、この線にかかる。任務を怠れば理事は連帯して基金に損害を賠償し、規約の定めに従い代議員会の議決で交代させられる。あなたの退職後の給付額は、運用成績だけでなく、この会議室での「選び方」でも決まっている。

法的な位置づけ

確定給付企業年金法第70条は、企業年金基金の理事の行為準則を定める規定である。理事に基金に対する忠実義務を課し、自己又は基金以外の第三者の利益を図る目的による基金資産運用契約の締結及び積立金運用の指図等を禁止する。任務懈怠による基金への連帯損害賠償責任と、規約に基づく代議員会の議決による理事交代を定める。

手順

  1. 1.業務概況と運用委託先を確認する 基金が加入者に周知している業務概況・決算資料を入手し、運用委託先、運用成績、委託先の変更時期と理由を一覧にする
  2. 2.互選代議員に書面で資料開示を依頼する 委託先変更などの議案がある代議員会の前に、選定理由・比較検討資料・利害関係の有無の開示を求める書面を互選代議員に渡し、議事録に残るよう質問してもらう
  3. 3.規約の理事交代条項を確認する 70条4項の交代は「規約で定めるところにより」行うため、規約に交代条項があるかを確認し、なければ規約変更を代議員会の議題に乗せるよう働きかける
  4. 4.基金が動かない場合は地方厚生局へ情報提供する 基金内部で是正されない場合、時系列と資料を整理して監督官庁である地方厚生局に情報提供する。賠償請求権者は基金である点を踏まえ、弁護士への相談も並行する

よくある質問 AI による整理

Q1確定給付企業年金法70条とは?

企業年金基金の理事の行為準則を定める条文です。基金への忠実義務、私益目的の運用契約・運用指図の禁止、連帯賠償責任、理事交代の手続を規定しています。

Q2企業年金基金の理事には誰がなる?

事業主側が選んだ代議員と、加入者が互選した代議員の双方から選ばれるのが基本です。実務では人事部長や経理部長が兼務することが多くあります。

Q3基金資産運用契約とは何ですか?

基金が積立金を運用するため、信託会社・生命保険会社・投資一任業者などと結ぶ契約です。同法66条に定める契約を70条ではこう呼んでいます。

Q4規約型企業年金にも70条は適用される?

70条は基金型の理事が対象です。規約型では事業主が運用契約を結ぶため、事業主の行為準則である同法69条が中心になります。

Q5理事の損害賠償責任はいつまで追及できる?

本条に特別な期間の定めはなく、民法166条の一般消滅時効が適用されます。基金が権利行使できると知った時から5年、行使できる時から10年です。

Q6企業年金基金の不正は どこに相談できる?

基金の監督は地方厚生局が担います。まず互選代議員を通じて基金内で資料開示を求め、動かない場合は地方厚生局へ情報提供するのが一般的な流れです。

Q7厚生労働省令で禁止される理事の行為とは?

特定の運用方法の指図のほか、積立金の管理運用の適正を害する行為が省令で定められています。具体的な類型は確定給付企業年金法施行規則で確認が必要です。

Q870条違反の理事は 解任できる?

基金は規約の定めに従い、代議員会の議決を経て違反した理事を交代させられます。規約に交代条項がなければ、まず規約変更が必要になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちの基金、理事は人事部長がやってるんですけど、運用で失敗したら個人で弁償するんですか?

第3項により、任務を怠った理事は基金に対して連帯して損害賠償責任を負う。ただし、損失が出たことだけで責任が生じるわけではない。問われるのは、法令や規約に沿った適切なプロセスを踏んだかどうかである。実務のポイント:本当の防御材料は、決定当時の議事録と比較検討資料である。運用会社が持ってきた資料をそのまま承認しただけの記録は、後で最も弱い証拠になる

Q2運用会社の営業から接待を受けるのって、アウトなんですか?

接待を受けただけで直ちに違法とは限らない。しかし、その結果として契約先を決めれば、第2項1号の「第三者の利益を図る目的」を疑われる入口になる。厚生労働省は資産運用関係者の役割と責任に関するガイドラインで、利益相反の管理を求めている。実務のポイント:問題になるのは接待の額より、接待のあとに委託先が変わったという時系列である。記録を残さない理事ほど、後から説明できなくなる

Q3加入者の立場で、おかしいと思う理事を辞めさせることってできますか?

第4項により、基金は規約の定めに従い、代議員会の議決を経て、70条に違反した理事を交代させることができる。代議員の半数は加入者の互選で選ばれるため、加入者の声が届く経路はある。実務のポイント:まず規約の交代条項を読むこと。条項が不備なら、第4項は使いにくい。規約の変更を先に議題に乗せるのが、遠回りに見えて実際には最短である

間違えやすい点 AI による整理

  • 「運用で損が出たら理事の責任」と考えがちだが、70条が問うのは結果ではなくプロセスである。市場全体の下落による損失は、それだけでは任務懈怠にならない。逆に、利益が出ていても、選定動機が第三者の利益のためであれば第2項違反になりうる。見るべきものは損益表ではなく、議事録と選定経緯である
  • 理事は会社の役職のついでに務める名誉職だと思われがちだが、責任の重さを知らない人が多い。任務を怠った場合、個人として基金に賠償責任を負い、しかも「連帯」である。自分は議案に反対しなかっただけ、という理事も巻き込まれうる
  • 「理事は会社(事業主)のために働く人」という見方が、そもそも出発点で誤っている。忠実義務の向け先は、法律上「基金」である。会社の人事異動で就任した理事でも、会社の都合と基金の利益が食い違えば、基金の側に立たなければ条文違反になる。この構造を理解しないまま会社の意向に従い続けることが、理事本人を危険にさらす
比較の観点この条文ほかの条文
義務を負う主体70条:企業年金基金の理事69条:規約型の事業主
71条:資産管理運用機関等
義務の向け先基金(ひいては加入者等の給付)加入者等
加入者等・基金
違反時の是正手段基金への連帯賠償責任+代議員会議決による理事交代監督官庁による監督・処分
監督官庁による監督・処分

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
勞動基準法第56條・信託法第22條

台湾には日本型の基金型企業年金はなく、退職準備金は監督委員会の監督下に置かれる。受託者の忠実義務は信託法で一般的に規律される

アメリカ
ERISA § 404・§ 406・§ 409

受託者の専らの利益義務、禁止取引、違反受託者の個人責任を明文化しており、日本の企業年金における受託者責任の議論の参照源となった

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 基金の運用委託先が、理由の説明もないまま、理事長の元同僚が役員を務める小さな投資顧問会社に切り替わった。手数料は業界相場より高い。資産運用契約を自分や第三者の利益のために結ぶことは第2項が名指しで禁じている。問題になるのは結果ではなく、選定の動機と経緯である
  • あなたが人事部長になった年、辞令の最後に「企業年金基金 理事」とあった。法令、厚生労働大臣の処分、規約、代議員会の議決を守って忠実に業務を行う義務が、その一行と一緒にあなたへ移っている。運用会社からのゴルフの誘いは、もう単なる付き合いではない
  • もし積立金の大半を一つのファンドに集中させた結果、そのファンドが破綻したらどうなる? 相場の下落そのものではなく、分散の検討を怠った経緯が任務懈怠(やるべき仕事を怠ったこと)として問われうる。その場合の賠償責任は、関わった理事全員が連帯して負う
  • あなたは加入者から選ばれた互選代議員だ。来週の代議員会では、運用委託先を変更する議案が審議される。理事長は資料をその場で配ると言っている。残りは5日。議事前に選定理由と比較資料の開示を書面で求めるかどうかで、後から責任を追及できるかが決まる
  • 監査で理事の利益相反取引が見つかった。ただし規約に理事交代の定めがなかった。第4項の交代権は「規約で定めるところにより」とされているため、まず規約を確認しなければ動けない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 基金が加入者に周知している業務概況や決算資料を入手し、運用委託先、運用成績、委託先の変更経緯を確認する2. 疑わしい点があれば、自分の属する互選代議員に書面で伝え、代議員会での質問や資料開示を求めてもらう3. 規約の理事交代条項を確認し、第4項による代議員会の議決を働きかける4. 基金が動かない場合、監督権限を持つ地方厚生局へ情報を提供する。条文上、損害賠償の請求権者は基金であり、加入者が直接理事を訴える仕組みは本法に明記されていない点に注意

訴えられた側:1. 運用委託先の選定過程(比較検討、コンサルタントの意見、議事録)を直ちに保全する2. 自分や第三者の利益を図る目的がなかったことを、利害関係の不存在や報酬の相場との比較で示す3. 損失が市場全体の変動によるもので、分散投資と運用の基本方針に沿っていたことを立証する4. 基金が役員の賠償責任保険に加入しているかを確認し、早い段階で企業年金実務に詳しい弁護士に相談する

時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権者が権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。ここでいう債権者は基金である。理事交代(第4項)に期限の定めはなく、規約と代議員会の開催時期に左右される

学説

実務上の理解(受託者責任論):理事の忠実義務は、基金と加入者等の利益のみを図る義務と理解され、厚生労働省の資産運用関係者の役割と責任に関するガイドラインでも利益相反の管理と選定過程の記録が求められている

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)の制定により、基金型企業年金の理事の行為準則として設けられた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

確定給付企業年金法の全文を見る所属する編章節を開く:第七章 行為準則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›