確定給付企業年金法 第69条(事業主の行為準則)
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- 事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
- 2.事業主は、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、資産管理運用契約を締結すること。
- 二積立金の運用に関し特定の方法を指図することその他積立金の管理及び運用の適正を害するものとして厚生労働省令で定める行為
この条文の基本情報
事業主の行為準則とは何ですか?
定義事業主の行為準則とは、確定給付企業年金法第69条に定められた規定で、「事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第69条(事業主の行為準則)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第69条の条文原文は「事業主は、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第69条は第七章 行為準則に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第69条の前の条は確定給付企業年金法第68条です。
- 確定給付企業年金法第69条の次の条は確定給付企業年金法第70条です。
- 確定給付企業年金法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法69条は、事業主に法令・規約の遵守と加入者等のための忠実義務を課し、自己や第三者の利益目的での資産管理運用契約の締結や運用方法の指図を禁じる。
Q · 会社は企業年金の積立金を、会社の都合で使ったり運用に口を出したりしていいの?
会社は年金積立金を自社でなく加入者等のために扱う義務がある
確定給付企業年金法69条1項により、事業主は法令・厚生労働大臣の処分・規約を守り、加入者等(現役の加入者と、受給者など加入者であった者)のため忠実に業務を行わなければなりません。同条2項は、自社や第三者の利益を図る目的で資産管理運用契約を結ぶことと、積立金の運用について特定の方法を指図することなど、厚生労働省令で定める管理・運用の適正を害する行為を禁止しています。
解説
会社の企業年金の積立金は、会社のお金ではない。確定給付企業年金法69条は、事業主に対して、法令・厚生労働大臣の処分・規約を守り、「加入者等のため」に忠実に業務を行うよう義務づけている。加入者等とは、今働いている加入者と、かつて加入者だった者(受給者や退職後の待期者)である。ポイントは、この忠実義務(自分や第三者より相手の利益を優先する義務)の向き先が会社自身でも株主でもなく、あなたたち従業員と OB・OG だという点だ。さらに2項は具体的な禁止行為を定める。第一に、自社や加入者以外の第三者の利益を図る目的で資産管理運用契約(積立金を信託銀行・生命保険会社などに預けて運用させる契約)を結ぶこと。第二に、特定の運用方法を指図するなど、積立金の管理・運用の適正を害する行為である。メインバンクとの関係を保つために運用先を決める、自社株やグループ会社の債券を買うよう運用機関に求める。社内では「普通の経営判断」に見えるこうした動きが、年金の世界ではルール違反になりうる。人事から届く年金の通知を読み飛ばしてきた人ほど、この線引きを知っておく価値がある
法的な位置づけ
確定給付企業年金法第69条は、確定給付企業年金を実施する事業主の行為準則を定める規定である。1項は法令・厚生労働大臣の処分・規約の遵守と加入者等に対する忠実義務を課し、2項は自己又は第三者の利益を図る目的での資産管理運用契約の締結、及び積立金の運用に関する特定方法の指図その他厚生労働省令で定める行為を禁止する。
よくある質問 AI による整理
Q1確定給付企業年金法69条とは?
確定給付企業年金を実施する事業主の行為準則を定めた条文です。加入者等のための忠実義務を課し、利益目的の運用契約締結や運用方法の指図を禁止しています。
Q2企業年金における事業主の忠実義務とは何ですか?
自社や第三者ではなく、加入者と加入者であった者の利益を最優先して年金業務を行う義務です。69条1項が根拠で、法令・大臣の処分・規約の遵守とセットで課されています。
Q3資産管理運用契約とは何ですか?
企業年金の積立金を信託銀行・生命保険会社などに預け、管理・運用を任せる契約です。事業主がどの機関とどんな目的で結ぶかが69条2項1号の規律対象になります。
Q4確定給付企業年金の「加入者等」には誰が含まれる?
現在制度に加入している従業員(加入者)と、加入者であった者です。年金を受け取っている受給者や、退職して支給開始を待っている人も含まれます。
Q5事業主が年金の運用方法を指図するのは違法?
積立金の運用に関し特定の方法を指図することは、69条2項2号で明文で禁止されています。自社株や関連会社債券の購入を運用機関に求めるような行為が典型です。
Q6確定給付企業年金法69条に違反するとどうなる?
厚生労働大臣(地方厚生局)による報告徴収や改善命令などの行政監督の対象になりえます。加入者等に損害が生じれば民事上の賠償責任が問題になる余地もあります。
Q7規約型と基金型で行為準則は違う?
69条が規律するのは事業主です。企業年金基金を設立する基金型では、基金の理事に同種の忠実義務が別条で課されています(現行条文で要確認)。
Q8厚生労働省令で定める禁止行為とは?
69条2項2号を受け、確定給付企業年金法施行規則が積立金の管理・運用の適正を害する行為を具体化しています。詳細は最新の施行規則で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社、年金は信託銀行任せなんですけど、それでも会社に責任があるんですか?
あります。69条2項1号は、どの機関とどんな目的で資産管理運用契約を結ぶかを事業主の行為として規律しています。任せる判断自体が忠実義務の対象です。実務のポイント:行政の監査では運用成績そのものより、委託先を選んだ理由の記録や定期的な見直しの形跡が確認されることが多い。「長年の付き合い」しか理由がない会社は珍しくない
Q2会社が業績悪化してるので、年金のお金で自社を助けるのはダメなんですか?
自社の利益を図る目的での契約締結は69条2項1号、運用機関に自社関連の資産を買わせるような指図は2項2号の禁止行為にあたりえます。積立金は加入者等のために管理されるべきものです。実務のポイント:母体企業が破綻すると、年金資産が自社関連資産に偏っていた場合に従業員は職と年金を同時に失う。禁止規定はこの共倒れを防ぐ仕組みでもある
Q3もう退職した OB でも、会社の年金運営に文句を言えるんですか?
69条1項の「加入者等」には加入者であった者も含まれ、事業主の忠実義務はあなたにも向いています。受給者への情報提供も制度上予定されています。実務のポイント:給付減額を伴う規約変更では受給者等の同意手続が必要になる場面があり、OB の声が無視できなくなる。個人で動くより OB 会などでまとまって質問する方が、会社の回答は具体的になりやすい(手続の詳細は最新の法令をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 年金の運用は信託銀行や生命保険会社に任せているから、事業主は口を出していないし責任もない、と思われがちだ。だが69条は、委託先の選び方(2項1号)と運用への関与の仕方(2項2号)そのものを事業主の行為として規律している。任せる行為自体が、事業主の責任の対象になっている
- 会社の視点では、年金資産は「退職給付債務の裏付けとなる、自社バランスシート上の資産」に見える。法律の視点では、加入者等のために忠実に管理されるべき、加入者等に向けて拘束された財産である。財務部門がこの落差に気付かず「グループ全体の最適化」を年金資産にも当てはめたとき、社内決裁は通っても法令違反になりうる
- 忠実義務と聞くと、横領のような露骨な不正だけが問題だと考えがちだ。実際には、特定の運用方法を指図する行為が明文で禁止され、さらに厚生労働省令が「適正を害する行為」を列挙している。善意の口出しでも禁止行為になりうるという点で、射程は想像より広い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う主体 | 69条:確定給付企業年金を実施する事業主 | 70条:企業年金基金の理事(現行条文で要確認) 71条:資産管理運用機関等(信託会社・生命保険会社等、現行条文で要確認) |
| 忠実義務の向き先 | 加入者等(加入者と加入者であった者) | 基金および加入者等 加入者等(受託した積立金の管理・運用において) |
| 典型的な禁止行為 | 利益目的での資産管理運用契約の締結、特定の運用方法の指図 | 基金の業務における同種の利益相反行為 受託者としての利益相反的な管理・運用 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾の旧制退職金では、雇用主が勞工退休準備金を提撥し、監督委員会と主管機関が監督する。日本の DB のような事業主の忠実義務・運用指図禁止の明文構造とは異なる。
受託者に加入者・受益者の利益のみを図る義務と利益相反取引の禁止を課す。日本の本条はこの受託者責任の考え方を参照した構造を持つ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 業績が傾いた母体企業の財務部長が、信託銀行に「うちの社債を年金資産で少し持ってもらえないか」と打診した。本人は資金繰りの工夫のつもりでも、積立金の運用で特定の方法を指図する行為にあたりうる。社内の会議資料にその発言が残っていれば、後で行政の監査で問題になる
- もし会社が、融資を受けているメインバンクとの取引を維持するためだけに、手数料の高い資産管理運用契約を更新し続けていたとしたら? 運用成績が劣後しても、事業主が「銀行との関係」を優先した目的が証明されれば、69条2項1号の禁止行為の問題になる
- あなたは人事部で企業年金の担当に異動したばかりだ。前任者から引き継いだ運用委託先の見直しを、役員から「付き合いがあるから今のままで」と言われた。その一言に従う前に、判断理由を記録に残す必要がある
- 退職して5年、OB 向けの年金説明会で、運用利回りが同業他社より長年低いと気付いた。現役ではない自分に口を出す権利はあるのか。加入者であった者も「加入者等」に含まれ、事業主の忠実義務はあなたにも向いている
- 規約変更の説明会が来週に迫っている。会社は給付の引下げを提案しているが、その前年に運用委託先を役員の親族企業の関連先に切り替えていた。説明会までに経緯を確認できるかどうかで、質問の鋭さが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会社に対し、規約、運用の基本方針、資産管理運用機関の名称、直近の業務報告の内容の開示・説明を求める(事業主には加入者への情報提供の仕組みがある) 2. 運用委託先と母体企業の取引関係、選定時の比較検討の有無を確認する3. 労働組合や従業員代表を通じて、規約変更時の同意手続などの場で問題提起する4. 疑いが強ければ、地方厚生局の企業年金担当に情報提供する5. 損害が具体化した場合の賠償請求は、年金や労働問題に詳しい弁護士に相談し、立証の見通しを確認する
訴えられた側:1. 事業主側の担当者なら、運用委託先の選定・継続の判断過程を、加入者等の利益の観点から文書化しているか直ちに点検する2. 母体企業の資金繰り、取引先との関係、グループ事業への配慮が判断理由に混じっていないか洗い出す3. 運用機関への個別銘柄・特定方法の指図に当たる発言やメールがあれば、法務と共有して是正措置を検討する4. 厚生労働省の「資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン」に沿った体制かを確認し、運用コンサルタントなど外部の目を入れる
時効(請求できる期限):特定の時効はない。忠実義務違反を理由とする損害賠償請求では一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)、不法行為構成なら損害と加害者を知った時から3年(民法724条)が問題になる。行政の監督(報告徴収・改善命令など)には請求期限の仕組みがなく、発覚すれば随時対象になりうる
学説
通説:本条の忠実義務は、信託法理と米国 ERISA の受託者責任を背景に、事業主の権限行使の向き先を加入者等に固定するものと理解される。運用の専門判断は資産管理運用機関に委ね、事業主は選定と監督の責任を負うという役割分担が前提とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により、事業主の行為準則として忠実義務と禁止行為が明文化された。
- 確定給付企業年金法 第65条規約型の資産管理運用契約の締結義務(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第70条基金の理事に課される同種の行為準則(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第71条資産管理運用機関等の忠実義務(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第102条報告徴収・改善命令等による監督(現行効力を要確認)
- 確定拠出年金法 第43条企業型 DC における事業主の行為準則
- 会社法 第355条会社に向く取締役の忠実義務との対比
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