確定給付企業年金法 第65条(事業主の積立金の管理及び運用に関する契約)
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- 第三条第一項第一号の承認を受けた事業主は、政令で定めるところにより、積立金の管理及び運用について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。
- 一信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けたものに限る。以下同じ。)又は信託業務を営む金融機関を相手方とする信託の契約
- 二生命保険会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項に規定する生命保険会社及び同条第八項に規定する外国生命保険会社等をいう。以下同じ。)を相手方とする生命保険の契約
- 三農業協同組合連合会(全国を地区とし、農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号の事業のうち生命共済の事業を行うものに限る。以下同じ。)を相手方とする生命共済の契約
- 2.事業主は、前項第一号に規定する信託の契約に係る信託財産の運用に関して、政令で定めるところにより、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者をいう。次項並びに次条第三項及び第四項において同じ。)と投資一任契約を締結することができる。
- 3.第一項各号に規定する者又は前項に規定する金融商品取引業者は、正当な理由がある場合を除き、資産管理運用契約(第一項の規定により締結される同項各号に掲げる契約又は前項の規定により締結される投資一任契約をいう。以下同じ。)の締結を拒絶してはならない。
- 4.資産管理運用機関が欠けることとなるときは、事業主は、別に資産管理運用契約(第一項各号に掲げる契約に限る。以下この条において同じ。)の相手方となるべき者を定めて、資産管理運用契約を締結しなければならない。
- 5.資産管理運用契約が解除されたときは、当該解除された資産管理運用契約に係る資産管理運用機関は、速やかに、当該資産管理運用契約に係る積立金を事業主が定めた資産管理運用機関に移換しなければならない。
この条文の基本情報
事業主の積立金の管理及び運用に関する契約とは何ですか?
定義事業主の積立金の管理及び運用に関する契約とは、確定給付企業年金法第65条に定められた規定で、「第三条第一項第一号の承認を受けた事業主は、政令で定めるところにより、積立金の管理及び運用について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第65条(事業主の積立金の管理及び運用に関する契約)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第65条の条文原文は「第三条第一項第一号の承認を受けた事業主は、政令で定めるところにより、積立金の管理及び運用について、次の各号のいずれかに掲げる契約を締結しなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第65条は第六章 積立金の積立て及び運用に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第65条の前の条は確定給付企業年金法第64条です。
- 確定給付企業年金法第65条の次の条は確定給付企業年金法第66条です。
- 確定給付企業年金法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法65条は、規約型企業年金の事業主に積立金を信託・生命保険・生命共済のいずれかの契約で外部に預けるよう義務づける。投資一任は信託への上乗せに限られる。
Q · 会社の企業年金のお金って、会社が自分で持っているの?
持てない。信託・生命保険・共済に預ける義務がある
確定給付企業年金法65条1項により、規約型の企業年金を実施する事業主は、積立金を信託会社・信託業務を営む金融機関との信託契約、生命保険会社との生命保険契約、全国規模の農業協同組合連合会との生命共済契約のいずれかで外部に預けなければなりません。運用を専門業者に任せたい場合も、信託契約に投資一任契約を上乗せする形に限られます(同条2項)。ただし外部管理が守るのは積み立て済みの資産であり、積立不足分を公的に補う保証制度はありません。
解説
会社の年金の積立金は、会社の金庫には入っていない。そもそも入れてはいけない、と法律が命じている。規約型の確定給付企業年金(労使で作った規約を厚生労働大臣が承認し、会社自身が運営する企業年金)を実施する事業主は、積立金を三つの器のどれかに預けなければならない。信託銀行などとの信託契約、生命保険会社との生命保険契約、全国規模の農業協同組合連合会との生命共済契約である。あなたの将来の年金は、会社の決算書とは別の箱に入っている。会社が倒産しても、その箱は債権者が差し押さえる会社財産にはならない。ただし、箱の中身が足りているかは別の問題だ。積立不足のまま会社が倒れた場合、足りない分を埋める公的な保証制度は確定給付企業年金にはない。確認すべき数字は二つだけである。預け先はどこか、そして積立比率は何割か。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法65条は、規約型確定給付企業年金の積立金について、事業主が信託契約・生命保険契約・生命共済契約のいずれかを締結し、外部の機関に管理・運用させることを義務づける規定である。あわせて投資一任契約の上乗せ、相手方による契約締結拒絶の禁止、資産管理運用機関が欠ける場合の後任契約締結と積立金の移換を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1資産管理運用契約とは何ですか?
確定給付企業年金の積立金を外部機関に管理・運用させる契約の総称です。信託・生命保険・生命共済の各契約と、信託に上乗せする投資一任契約を指します(65条3項)。
Q2規約型企業年金の積立金はどこに預けますか?
信託会社または信託業務を営む金融機関、生命保険会社、全国を地区とする農業協同組合連合会のいずれかです。65条1項が相手方を限定列挙しています。
Q3地方銀行に企業年金の積立金を預けられますか?
信託業務の兼営認可を受けていれば信託契約の相手方になれます。認可のない銀行は相手方になれず、普通預金で保管することもできません。
Q4企業年金の運用を投資顧問会社に直接任せられる?
直接はできません。金融商品取引業者との投資一任契約は、信託契約に係る信託財産の運用について締結する形に限られます(65条2項)。
Q5信託銀行が企業年金業務から撤退したらどうなる?
事業主は後任の相手方を定めて新たに契約を締結する義務を負い(65条4項)、旧機関は積立金を速やかに新機関へ移換しなければなりません(5項)。
Q6金融機関は企業年金の契約を断れますか?
正当な理由がない限り拒絶できません(65条3項)。ただし手数料などの条件は交渉次第で、規模による差は残ります。
Q7積立金の移換はいつまでに行う必要がある?
65条5項は「速やかに」と定めるのみで、具体的な日数は条文にありません。実務では契約解除前に後任機関を決めて空白を防ぎます。
Q8確定給付企業年金の積立金は差し押さえられる?
会社の債権者が会社財産として差し押さえることは想定されていません。積立金は信託等で会社から切り離されているためです。個別事案は専門家に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が潰れたら、企業年金ってゼロになるんですか?
ゼロにはならない。規約型の積立金は65条により信託銀行や生命保険会社などに預けられ、会社の財産から切り離されている。制度が終了すれば、残った財産が加入者等に分配される。実務のポイント:問題は積立比率である。100% を割っていれば、分配額はその分だけ減る。確定給付企業年金には、その不足を埋める公的な保証がない。説明会で『積立比率は何%ですか』と一言聞けば、どれだけ安全かはほぼ分かる
Q2信託銀行と生命保険会社、預け先によって安全さって違うんですか?
法的な構造が違う。信託財産は、受託者が破産しても破産財団に含まれない(信託法25条)。生命保険の一般勘定は予定利率が保証される代わりに保険会社自身の資産と一体で運用され、保険会社が破綻すると契約条件が変わることがある。実務のポイント:実務では複数の機関に分散し、取りまとめ役の『総幹事』を置く企業が多い。周知資料で何社にどう配分しているかを見ると、会社が年金運営にどれだけ本気かが見えてくる
Q3うちみたいな小さい会社でも、信託銀行に相手にしてもらえるんですか?
65条3項により、信託会社・生命保険会社などや投資一任業者は、正当な理由がない限り資産管理運用契約の締結を拒めない。実務のポイント:実際には、単独で規約型を作るより、総合型の基金に加入したり、生命保険会社の定型商品を使ったりする中小企業が多い。『断られない』ことと『有利な条件が出る』ことは別の話で、規模が小さい会社ほど手数料体系の比較が効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 企業年金は会社が自社の口座で積み立ててくれている、と思われがちだ。だが規約型では、会社の手元に積立金を置くこと自体が許されていない。信託、生命保険、生命共済という三つの器のどれかに預ける義務がある
- 外部に預けてあるから安心だ、ということまでは知っている人が多い。見落とされているのは、その安心が及ぶ範囲である。分別管理が守るのは積み立て済みの資産だけで、積立不足の分は会社の倒産と一緒に消えることがある。米国の PBGC(企業年金の公的保証機関)のように、足りない分を補う公的な支払保証の仕組みは、確定給付企業年金にはない
- 加入者から見れば、信託も保険も同じ『預け先』にすぎない。だが法的な構造は違う。信託財産は、受託者が破産しても破産財団(債権者に分配される財産)に含まれない(信託法25条)。これに対して生命保険の一般勘定は保険会社自身の資産と一体で運用されており、保険会社が破綻すれば予定利率の引下げなど契約条件の変更を受けることがある。どの器を選ぶかは、どの種類のリスクを引き受けるかの選択である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 65条:規約型の積立金の管理運用契約 | 66条:基金型の積立金の運用契約(現行規定要確認) 59条:積立金を積み立てる義務(現行規定要確認) |
| 義務を負う主体 | 厚生労働大臣の承認を受けた事業主 | 企業年金基金 事業主等 |
| 定める内容 | どの器に預けるか(信託・生命保険・生命共済)と契約の継続性 | 基金が結ぶ運用契約の相手方 どれだけ積み立てるか(積立水準) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の旧制退職金は、雇主が毎月勞工退休準備金を提撥して専戸で存儲し、会社財産から分離する。外部管理という発想は共通だが、民間の信託・保険を選ぶ日本型とは異なり公的な専戸管理が中心
ドイツは直接約定・支援金庫・直接保険・年金金庫・年金基金の複数の実施経路を認め、直接約定では倒産時の保護を PSVaG が担う
米国は制度資産を原則として信託で保有させ、加えて PBGC による公的な支払保証がある。日本の確定給付企業年金には後者に相当する仕組みがない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤め先が民事再生を申し立てたと、朝の電車でニュースを見て知った。退職金の一部として約束されていた企業年金はどうなるのか。規約型なら、積立金は会社ではなく信託銀行か生命保険会社の側にある。最初に確かめるのは会社の資産ではなく、預け先の名前と、直近の財政検証(年金財政の定期健康診断)での積立比率である
- あなたは中堅メーカーの総務部長。長年付き合いのある地方銀行から『企業年金の積立金をうちで管理しませんか』と提案された。ところが、信託業務の兼営認可がない銀行は信託契約の相手方になれない。65条1項の相手方は法律が限定して列挙しており、付き合いで選べる範囲は最初から決まっている
- 受託している信託銀行から、企業年金の受託業務から撤退するという通知が届いた。契約終了まであと三か月。65条4項により、事業主は後任の相手方を決めて契約を結ぶ義務を負う。選定が遅れれば、数十億円の積立金の預け先が決まらないまま期限を迎える
- 運用成績を上げたい社長が、知人の投資顧問会社に年金資産を直接預けようとしている。それはできない。投資一任契約(運用判断を業者に任せる契約)は、信託契約に上乗せする形でしか結べない(65条2項)
- もし契約した投資一任業者が運用実績を偽っていたら、どうなるのか。2012年に発覚した AIJ 投資顧問事件では、主に厚生年金基金から預かった資産の大半が失われた。運用を外部に任せられるからといって、事業主が業者を監視する責任まで外に出せるわけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 年金規約と、毎年配られる加入者向けの業務概況を入手し、資産管理運用機関の名前と積立比率を確認する2. 経営危機の兆候があれば、労働組合や従業員代表を通じて財政状況の説明を求める3. 積立金が会社の口座に置かれている、預け先がはっきりしないなどの疑いがあれば、所管の地方厚生局に情報提供する4. 倒産した場合は、制度終了時の残余財産の分配方法を確認し、未払の掛金や退職金の扱いは弁護士か社会保険労務士に相談する
訴えられた側:1. 契約の相手方が1項各号の適格者か確認する(信託業法の免許を受けた信託会社、または信託業務の兼営認可を受けた金融機関、生命保険会社、全国規模の農協連合会) 2. 投資一任契約は信託契約とセットでしか結べない。単独で運用を委託すれば違法になる3. 受託機関から撤退や合併の通知を受けたら、すぐに後任機関の選定を始め、空白期間が出ないよう移換を進める4. 運用委託先を選んだ理由とモニタリングの記録を残す。厚生労働省の資産運用関係者ガイドラインは、事業主に委託先の評価を求めている
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。5項の積立金の移換は『速やかに』とされているだけで、具体的な日数の定めはない。4項により、資産管理運用機関がいなくなる前に後任との契約を締結しておく必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
受託者責任論:年金積立金を事業主から切り離して外部の受託機関に置くことで、流用や倒産リスクから資産を隔離しつつ、事業主には委託先の選定・監視という責任を残すという考え方。運用を外部化しても監督責任は外部化されない。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)金融商品取引法制定に伴う整備(要人的検証) 2項の投資一任契約の相手方が、旧来の投資顧問業者から『金融商品取引業者』に改められたとみられる。施行は平成19年(2007年)9月とみられるが、改正の回数と文言は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により、規約型確定給付企業年金の積立金について信託・生命保険・生命共済のいずれかによる外部管理を義務づける規定として設けられた
- 確定給付企業年金法 第3条規約型の承認、本条の適用対象を画定
- 確定給付企業年金法 第59条積立金の積立義務(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第66条基金型の積立金運用契約(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第69条事業主の行為準則(現行効力を要確認)
- 確定給付企業年金法 第71条資産管理運用機関の行為準則(現行効力を要確認)
- 信託法 第25条受託者破産時の信託財産の隔離
- 信託業法 第3条受託者となる信託会社の免許要件
- 確定拠出年金法 第8条DC の資産管理契約(現行効力を要確認)
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