確定拠出年金法 第32条(受給権の譲渡等の禁止等)
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- 給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
- 2.租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
この条文の基本情報
受給権の譲渡等の禁止等とは何ですか?
定義受給権の譲渡等の禁止等とは、確定拠出年金法第32条に定められた規定で、「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定拠出年金法第32条(受給権の譲渡等の禁止等)は、日本の確定拠出年金法に含まれる条文です。
- 確定拠出年金法第32条の条文原文は「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。」で始まります。
- 確定拠出年金法第32条は第一款 通則に置かれています。
- 確定拠出年金法の公布日は平成13年6月29日です。
- 確定拠出年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定拠出年金法第32条の前の条は確定拠出年金法第31条です。
- 確定拠出年金法第32条の次の条は確定拠出年金法第33条です。
- 確定拠出年金法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000088 - 本サイト収録
確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000088/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定拠出年金法32条は、給付を受ける権利の譲渡・担保提供・差押えを禁止する。例外は国税滞納処分による老齢給付金・死亡一時金の差押えのみで、障害給付金には課税もできない。
Q · iDeCoや企業型DCのお金は、借金や税金の滞納で差し押さえられるの?
民間債権者は不可。税の滞納処分なら老齢給付金は差押え可
確定拠出年金法32条1項により、給付を受ける権利は譲渡・担保提供・差押えのいずれも禁止されており、カード会社や貸金業者などの民間債権者は差し押さえられません。ただし国税滞納処分(住民税や国民健康保険料などの滞納処分を含む)による場合、老齢給付金と死亡一時金を受ける権利は差押えの対象になります。障害給付金はこの例外にも含まれず、2項により受け取った金銭には課税もできません。なお、預金口座に入金された後は保護が及ばないとされる余地があります。
解説
消費者金融、クレジットカード会社、連帯保証を頼んできた友人の債権者。確定拠出年金(企業型 DC と iDeCo)の給付を受ける権利には、民間の債権者は誰も手を出せない。1項は、給付を受ける権利を「譲り渡す」「担保に入れる」「差し押さえる」の三つをすべて禁じている。借金の返済に回すことも、年金を担保に借金することもできない。これは不便さではなく、老後資金を守る壁として設計されている。ただし例外が一つある。税金などを滞納して国税滞納処分(地方税や社会保険料の滞納処分のように、国税の例にならう処分を含む)を受けた場合、老齢給付金と死亡一時金を受ける権利は差し押さえられる。障害給付金はこの例外にも入らない。さらに2項により、障害給付金として受け取ったお金には税金などの公課(国や自治体が強制的に徴収する金銭)をかけられない。つまり守りの強さには段階がある。障害給付金がいちばん強く、老齢給付金と死亡一時金がその次で、一般の預金は無防備である。自分の老後資金がこの三段階のどこにあるかを知っておけば、借金の整理や滞納の処理で優先順位を間違えずに済む
法的な位置づけ
確定拠出年金法32条は、確定拠出年金の受給権保護を定める規定である。給付を受ける権利の譲渡、担保提供および差押えを禁止し、国税滞納処分およびその例による処分に限り、老齢給付金と死亡一時金の受給権の差押えを許容する。障害給付金として支給された金銭については、これを標準とする租税その他の公課の賦課を禁止している。
手順
- 1.守られている資産と危ない資産を仕分ける DCの受給権(差押禁止)、受け取り済みの給付金が入った預金(差押えのリスクあり)、給料・一般預金(差押え可能)の三つに資産を分け、それぞれの金額を把握する
- 2.税・社会保険料の滞納を先に片付ける 老齢給付金と死亡一時金は国税滞納処分の例外にあたるため、税や国民健康保険料の滞納がある場合は、分納の相談や換価の猶予(国税徴収法151条)を先に申し出る
- 3.給付金の受取口座を専用にする 給付金の受取口座を他の入金と混ぜない専用口座にし、入出金履歴で原資が給付金であることを示せる状態を保つ
- 4.口座を差し押さえられたら1週間以内に動く 差押命令の告知を受けてから1週間以内の執行抗告、または民事執行法153条に基づく差押禁止債権の範囲変更の申立てを弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1iDeCo 自己破産したらどうなる?
差押禁止財産は破産法34条で自由財産にあたるため、実務では破産管財人が換価しない扱いが一般的です。残高を手元に残せることが多いといえます。
Q2iDeCoを担保にお金を借りることはできる?
できません。確定拠出年金法32条1項は給付を受ける権利を担保に供することを禁止しています。受給権を担保にしたローン契約は認められません。
Q3企業型DCの差押禁止は何条に書いてある?
確定拠出年金法32条1項です。個人型年金(iDeCo)には同法73条で準用されるとされています。現行の準用関係は最新の法令で確認してください。
Q4住民税を滞納するとiDeCoは差し押さえられる?
老齢給付金と死亡一時金を受ける権利は、国税滞納処分の例による処分として住民税の滞納処分でも差し押さえられます。障害給付金は対象外です。
Q5死亡一時金は遺族の借金で差し押さえられる?
死亡一時金を受ける権利も32条1項で差押えが禁止され、民間債権者は差し押さえられません。ただし国税滞納処分による差押えは例外として認められます。
Q6iDeCoの受給権を家族に譲渡できる?
できません。32条1項は給付を受ける権利の譲渡を禁止しています。本人の老後資金として確保するための制度設計であり、生前に他人へ移すことはできません。
Q7iDeCoは離婚の財産分与の対象になる?
受給権そのものは譲渡できませんが、残高が分与対象財産として計算に入ることがあります。その場合は残高相当額を他の財産で調整するのが一般的です。
Q8障害給付金に住民税はかかる?
かかりません。32条2項は障害給付金として支給を受けた金銭を標準として租税その他の公課を課すことを禁止しており、住民税も課税されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借金がかなりあるんだけど、iDeCo って取られちゃう?
民間の貸金業者やカード会社は、確定拠出年金の給付を受ける権利を差し押さえられない(確定拠出年金法32条1項。個人型には73条で準用)。ただし税金や国民健康保険料の滞納があれば、老齢給付金は差押えの対象になる。実務のポイント:債務整理の相談で、iDeCo を解約して返済に回そうとする人がいるが、60歳前は原則として引き出せないうえ、守られている資産をわざわざ危険な場所へ移すことになる。返済の優先順位は税金が先
Q2年金が振り込まれた口座を差し押さえられた。これって違法じゃないの?
判例(最判平成10.2.10)は、振り込まれて預金になった時点で差押禁止の性質は原則として引き継がれないとした。一方で、入金直後の口座を狙った差押えを違法とした下級審の例もあり、解釈は分かれている。まずは民事執行法153条による範囲変更の申立てを検討する。実務のポイント:勝負を分けるのは通帳である。給付金以外の入金がほとんどない専用口座だと、「中身は年金だ」と説明しやすくなる
Q3障害給付金をもらってるけど、確定申告は必要?
障害給付金として受け取った金銭には、租税その他の公課をかけられない(32条2項)。そのため所得税も住民税もかからず、所得として申告する必要もない。実務のポイント:老齢給付金は雑所得や退職所得として課税され、死亡一時金は相続税の対象になる。同じ DC から出るお金でも、名目によって税の扱いがまったく違う。障害状態になったら、老齢給付金ではなく障害給付金の裁定を請求できないか必ず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「iDeCo は差押えが禁止されているから絶対に安全」と考えている人は多いが、国税滞納処分とその例による処分(住民税、国民健康保険料などの滞納処分)は例外として老齢給付金と死亡一時金を差し押さえられる。借金よりも税金の滞納のほうが、老後資金にとっては危ない
- 差押禁止の対象は「給付を受ける権利」である。給付金が銀行口座に振り込まれて預金になったあとについて、判例(最判平成10.2.10)は原則として差押禁止の性質を引き継がないとした。ただし、年金などが入金された直後の口座を狙い撃ちにした差押えを違法とした下級審の例もあり、実務上は解釈が分かれている。受け取り方と口座の管理まで考えて初めて守りが完成する
- 「老後資金をどう守るか」と問う前に、「いつ、どの形で受け取るか」を問うべきである。年金形式で少しずつ受け取れば、口座に大きな金額が一度にたまりにくい。一時金で受け取れば退職所得控除を使える一方、預金として差押えの危険にさらされる金額が一気に増える。守りと税の両方を見て受け取り方を設計することが、法律が実際に要求していることである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 民間債権者による差押え | 障害給付金(37条):不可 | 老齢給付金(33条):不可 死亡一時金:不可 |
| 国税滞納処分(その例による処分を含む)による差押え | 障害給付金:不可(例外に含まれない) | 老齢給付金:可 死亡一時金:可 |
| 受け取った金銭への課税 | 障害給付金:租税その他の公課を課せない(32条2項) | 老齢給付金:退職所得または雑所得として課税 死亡一時金:相続税の対象 |
| 譲渡・担保提供 | 障害給付金:いずれも不可 | 老齢給付金:いずれも不可 死亡一時金:いずれも不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の労工退職金も、請求権の譲渡・差押え・相殺・担保提供が禁止されている。個人専用口座制度という点で日本の DC と構造が近い
韓国の退職年金も受給権の譲渡・担保提供が禁止されている。DC 型・IRP 型の制度設計は日本と類似する
ドイツは一定の要件を満たす老齢年金契約上の請求権を、年金の差押保護と同様に扱う。差押えの可否を金額基準で段階的に定める点が日本と異なる
米国は401(k)等の ERISA 適格プランに譲渡禁止条項を義務づけ、破産財団からも除外される。連邦税の徴収は例外とされ、日本の国税滞納処分の例外と構造が似ている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- カードローンの返済が止まり、債権者から「給料と財産を差し押さえる」と通知が来た。iDeCo に400万円ある。もし差し押さえられたら老後資金はゼロになるのか? 答えは否である。民間債権者は受給権を差し押さえられない。慌てて iDeCo を解約しようとする必要はない(そもそも60歳前には原則として引き出せない)
- あなたは個人事業主として消費税を2年分滞納し、督促状を放置している。税務署の徴収担当は、あなたが61歳で老齢給付金の受給を始めたことを把握している。民間の借金取りには手が出せない権利でも、国税滞納処分なら差し押さえられる。税の滞納だけは、この壁の外にある
- 65歳の父が老齢給付金を一時金で受け取り、普通預金に入金した。翌週、父の借金の債権者がその口座を差し押さえた。受給権は守られていたのに、口座に入った瞬間に「ただの預金」と扱われる危険がある。差押命令の告知を受けてから執行抗告できる期間は1週間しかない
- 病気で障害状態となり、企業型 DC から障害給付金を受け取っている。所得税は? 住民税は? どちらもかからない。2項が明文で課税を禁じている
- あなたは友人に300万円を貸したが返ってこない。訴訟で勝ったあと、相手の資産は企業型 DC の残高だけだと分かった。判決があっても、その受給権は差し押さえられない。回収の計画は、給料や預金など別の財産を軸に組み直す必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 民間の債権者から差押えを予告されたら、DC の受給権は32条で差押禁止だと落ち着いて把握する。慌てて資産を動かすとかえって不利になる2. 給付金の受取口座は、ほかの入金と混ぜない専用口座にして、入出金の履歴で原資を示せるようにしておく3. 口座が差し押さえられたら、告知から1週間以内の執行抗告、または民事執行法153条の範囲変更申立てを弁護士と検討する4. 税の滞納がある場合は、老齢給付金が差押えの対象になるため、分納の相談や換価の猶予(国税徴収法151条)を先に申し出る
訴えられた側:1. 債権者の立場で回収を考えるなら、相手の DC 受給権は差押えの対象から外して計画を立てる2. 差し押さえるなら、給料(手取りの4分の1まで。手取り44万円を超える部分は全額)や一般の預金など、差押えが可能な財産を調べる3. 年金が入金された直後の口座を狙った差押えは違法と判断される危険があるので、口座の原資を確認してから申し立てる4. 回収が難しいと分かった時点で、分割弁済の和解に切り替えるほうが結果的に多く回収できる場合がある
時効(請求できる期限):32条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。差押命令に対する執行抗告は告知を受けた日から1週間(民事執行法10条2項)。国税の滞納処分に対する再調査の請求・審査請求は、処分を知った日の翌日から原則3か月(国税通則法77条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・実務:32条の差押禁止は受給権段階の保護であり、老後や障害時の生活基盤を民間債権者から切り離す趣旨である。国税滞納処分の例外は、DC が滞納者の資産隠しに使われることを防ぐ公平負担の要請による
有力説(預金化後の保護):給付金が預金化した後も、原資が給付金であることが識別できる場合には、民事執行法153条の範囲変更や差押えの違法評価を通じて保護を及ぼすべきとする見解がある
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年) 確定拠出年金法(平成13年法律第88号)の制定時に設けられた。その後の文言改正の有無と時期は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定拠出年金法(平成13年法律第88号)の制定時に受給権保護規定として設けられた。その後の文言改正の有無は要確認
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