仲裁法 第19条(忌避の手続)
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- 仲裁人の忌避の手続は、当事者が合意により定めるところによる。ただし、第四項に規定するものについては、この限りでない。
- 2.前項の合意がない場合において、仲裁人の忌避についての決定は、当事者の申立てにより、仲裁廷が行う。
- 3.前項の申立てをしようとする当事者は、仲裁廷が構成されたことを知った日又は前条第一項各号に掲げる事由のいずれかがあることを知った日のいずれか遅い日から十五日以内に、忌避の原因を記載した申立書を仲裁廷に提出しなければならない。この場合において、仲裁廷は、当該仲裁人に忌避の原因があると認めるときは、忌避を理由があるとする決定をしなければならない。
- 4.前三項に規定する忌避の手続において仲裁人の忌避を理由がないとする決定がされた場合には、その忌避をした当事者は、当該決定の通知を受けた日から三十日以内に、裁判所に対し、当該仲裁人の忌避の申立てをすることができる。この場合において、裁判所は、当該仲裁人に忌避の原因があると認めるときは、忌避を理由があるとする決定をしなければならない。
- 5.仲裁廷は、前項の忌避の申立てに係る事件が裁判所に係属する間においても、仲裁手続を開始し、又は続行し、かつ、仲裁判断をすることができる。
この条文の基本情報
忌避の手続とは何ですか?
定義忌避の手続とは、仲裁法第19条に定められた規定で、「仲裁人の忌避の手続は、当事者が合意により定めるところによる。ただし、第四項に規定するものについては、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第19条(忌避の手続)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第19条の条文原文は「仲裁人の忌避の手続は、当事者が合意により定めるところによる。ただし、第四項に規定するものについては、この限りでない。」で始まります。
- 仲裁法第19条は第三章 仲裁人に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第19条の前の条は仲裁法第18条です。
- 仲裁法第19条の次の条は仲裁法第20条です。
- 仲裁法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法19条は仲裁人の忌避手続を定める。合意がなければ仲裁廷が決定し、申立ては事由を知った日等から15日以内、却下後は通知から30日以内に裁判所へ申し立てられる。
Q · 仲裁人が相手寄りだと思ったら、どうやって外してもらうの?
合意がなければ仲裁廷に15日以内、却下後は30日以内に裁判所へ
仲裁法19条によれば、忌避の手続はまず当事者の合意(機関仲裁規則を含む)に従います。合意がなければ、仲裁廷の構成または忌避事由(18条1項)を知った日のいずれか遅い日から15日以内に、忌避の原因を書いた申立書を仲裁廷に提出します。退けられたら、通知を受けた日から30日以内に裁判所へ申し立てることができます。ただし裁判所の審理中も、仲裁廷は手続を続け、仲裁判断まで出せます(5項)。
解説
十五日。仲裁人に偏りを感じた当事者に、法律が与える猶予はそれだけである。仲裁法19条は、仲裁人を手続から外させる「忌避」(公平さに疑いのある判定者を外すよう求める申立て)の段取りを定めている。まず当事者同士が決めた手続が優先する。機関仲裁なら、その規則がこれに当たることが多い。決めがなければ仲裁廷自身が判断する。申立ての期限は、仲裁廷が構成されたと知った日と、忌避の原因(公正性・独立性を疑うに足りる相当な理由など、18条1項)を知った日のうち、遅い方から15日以内である。理由を書いた申立書で出さなければならない。退けられても、まだ終わりではない。通知から30日以内なら裁判所に持ち込める。この裁判所ルートだけは、契約でも消せない(1項ただし書)。落とし穴は5項にある。裁判所が審理している間も、仲裁廷は手続を進め、判断まで出せる。疑いを感じた日に動いた人と様子を見た人とでは、最後に手元に残る争い方の数がまるで違う。
法的な位置づけ
仲裁法19条は仲裁人の忌避手続を定める規定である。忌避手続は当事者の合意に委ねられ、合意がない場合は仲裁廷が当事者の申立てにより決定する。申立期間は15日、仲裁廷が忌避を理由なしとした場合の裁判所への申立期間は30日と定められ、裁判所ルートは合意によっても排除できない。裁判所係属中も仲裁手続は続行できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.忌避事由と知った日付を記録する 仲裁人の経歴、所属事務所の取引関係、開示書の内容など、公正性・独立性を疑う根拠を集め、それを知った日付と仲裁廷構成を知った日付を記録する。遅い方が15日の起算日になる
- 2.仲裁合意と機関規則の忌避条項を確認する 仲裁合意や JCAA 等の機関仲裁規則に忌避手続の定めがあるか確認する。定めがあればそれが優先する(19条1項)。期限や提出先が法律と異なる場合がある
- 3.15日以内に仲裁廷へ忌避申立書を提出する 合意がなければ、忌避の原因を記載した申立書を仲裁廷に提出する。根拠事実と証拠、知った日付を明記する
- 4.却下されたら30日以内に裁判所へ申し立てる 仲裁廷が忌避を理由なしとした場合、決定通知の受領日から30日以内に裁判所へ忌避の申立てをする。仲裁手続は止まらないため、期限ぎりぎりまで待たず速やかに出す
- 5.仲裁手続内で異議を書面で留保する 裁判所の審理中も仲裁は続行されるため、仲裁廷に対し異議を書面で留保し、審問日程の調整も求めておく。後の仲裁判断取消し(44条)に備えた記録になる
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁人の忌避とは何ですか?
公正性や独立性を疑うに足りる相当な理由がある仲裁人を、手続から外すよう求める申立てです。忌避事由は仲裁法18条、手続は19条が定めています。
Q2仲裁人の忌避申立て いつまで?
合意に別段の定めがなければ、仲裁廷の構成を知った日と忌避事由を知った日のいずれか遅い日から15日以内です(仲裁法19条3項)。
Q3仲裁人の忌避 誰が判断する?
当事者の合意(機関規則を含む)があればそれに従い、なければ仲裁廷が判断します。仲裁廷が退けた場合は裁判所が最終的に判断できます。
Q4忌避が認められなかったら裁判所に申し立てできる?
できます。忌避を理由なしとする決定の通知を受けた日から30日以内に、裁判所へ忌避の申立てができます(仲裁法19条4項)。
Q5裁判所への忌避申立てを契約で排除できる?
できません。19条1項ただし書により、4項の裁判所への申立ては当事者の合意で外せない強行的なルートとされています。
Q6忌避申立て中に仲裁判断が出ることはある?
あります。裁判所に係属している間も、仲裁廷は手続を開始・続行し、仲裁判断をすることができます(仲裁法19条5項)。
Q7自分で選んだ仲裁人を忌避できる?
選任後に知った事由に限り可能です(仲裁法18条2項)。選任前から知っていた事情を理由に後から忌避することはできません。
Q8忌避の申立書には何を書く?
忌避の原因を記載する必要があります(19条3項)。印象ではなく、利害関係や開示漏れなど具体的な事実と、それを知った日付を示すのが実務の基本です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が選んだ仲裁人、どう見ても相手寄りなんですけど、外してもらえますか?
「相手寄りに見える」だけでは足りない。公正性または独立性を疑うに足りる相当な理由が必要である(18条1項2号)。仲裁人には、就任時と手続中に利害関係を開示する義務がある(18条3項・4項)。まずは開示内容と実際の経歴を突き合わせる。実務のポイント:決め手になりやすいのは態度ではなく、所属事務所と相手方グループの取引関係である。事務所サイトの実績欄や過去のプレスリリースを調べるほうが、印象論よりはるかに強い
Q2裁判所に忌避を申し立てたら、仲裁は止まりますか?
止まらない。裁判所の審理中も、仲裁廷は手続を続け、判断まで出せる(19条5項)。さらに、裁判所の決定に即時抗告できるのは法律に特別の定めがある場合に限られる(7条)。そのため、4項の決定に対する不服申立ての道は原則としてない。実務のポイント:裁判所に申し立てたら、仲裁廷にも審問日程の調整を書面で求めておく。拒否された記録そのものが、後の取消し申立て(44条)の材料になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲裁は一回勝負だから、偏った仲裁人に当たったら諦めるしかない」と思われがちだが、そうではない。仲裁廷に忌避を退けられても、通知から30日以内なら裁判所の判断を仰げる。しかもこの道は、当事者の合意でも閉じることができない(19条1項ただし書、4項)
- 15日という期限は知っていても、その重さを知らない人が多い。期限を過ぎてそのまま手続に乗り続けると、異議を述べる権利を放棄したとみなされるおそれがある(27条)。後で仲裁判断の取消し(44条)を申し立てて偏りを持ち出しても、「なぜその時に言わなかったのか」で退けられるリスクがある。この点の扱いは、実務上、解釈が分かれている
- あなたから見れば、忌避は不公平な判定者を外すための正義の申立てである。だが法律から見れば、手続を遅らせる道具にもなりうる。だから裁判所に持ち込んでも仲裁は止まらない設計になっている(5項)。申立てさえすれば時間を稼げると考えていると、判断だけが先に出て終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 仲裁法19条:忌避の手続(期限・判断者・裁判所ルート) | 仲裁法18条:忌避の原因と仲裁人の開示義務 仲裁法20条:任務遂行不能等による解任の申立て |
| 主な要件 | 15日以内の書面申立て、却下後30日以内の裁判所申立て | 合意した資格の欠如、または公正性・独立性を疑うに足りる相当な理由 法律上・事実上の任務遂行不能、または不当な遅滞 |
| 合意による変更 | 手続は合意で定められるが、裁判所ルート(4項)は排除不可 | 事由そのものは法定、開示義務は継続的に負う 合意による解任手続の余地あり |
| 見逃した場合の帰結 | 期限経過で忌避の機会を失い、異議権放棄(27条)のリスク | 開示義務違反は仲裁判断取消し(44条)の理由になりうる 手続遅延がそのまま継続する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も書面による迴避申立てと仲裁廷の判断、その後の裁判所への不服申立てという二段構えを採る。期限の日数は日本と異なるため原典確認が必要。
モデル法13条を継受し、日本と同様に合意優先・仲裁廷の判断・裁判所への申立ての構造を持つ。
ドイツもモデル法準拠で、合意優先、2週間以内の申立て、却下後1か月以内の裁判所申立て、手続続行を定める。
米国連邦法は判断前の裁判所による仲裁人排除を原則として予定せず、evident partiality は主に仲裁判断後の取消し事由として争われる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相手方が選んだ仲裁人の経歴を調べたら、所属事務所の別の弁護士が、相手方の親会社の案件を担当していた。気付いたのは今日である。仲裁地が日本で、合意や機関規則に別の定めがなければ、期限は15日しかない。まず仲裁合意と規則の忌避条項を開き、気付いた日付を記録する。カレンダーに期限を書き込むのは今夜だ
- 自社側で選んだ仲裁人に対し、判断の直前になって相手方が忌避を申し立ててきたら、手続は止まるのか? 仲裁廷が退ければ、相手は裁判所に持ち込める。それでも仲裁廷は手続を続け、判断まで出せる(19条5項)。引き延ばし目的の申立てだと見えたら、審理を続けるよう書面で求めればよい
- 仲裁廷が忌避を退けた。決定通知の受領日から30日、裁判所への申立てが最後の窓口になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑いの根拠(経歴、所属事務所の利益相反、発言記録)を集め、それを知った日付を記録する2. 仲裁合意や機関規則に忌避手続の定めがないか確認し、あればそれに従う3. 定めがなければ、15日以内に忌避の原因を書いた申立書を仲裁廷に出す4. 退けられたら、通知の受領から30日以内に裁判所へ申し立てる。並行して、仲裁手続の中でも異議を書面で留保しておく
訴えられた側:1. 相手の申立てが15日以内か、相手が事情を知った時点から検証し、期限を過ぎていれば真っ先に指摘する2. 相手が自分で選んだ仲裁人を忌避しているなら、理由にできるのは選任後に知った事由だけ(18条2項)。前から知っていた事情でないか確認する3. 裁判所段階でも手続は続けられる(5項)ので、遅延戦術と見えれば審理の続行を求める4. 開示漏れがあれば、仲裁人に速やかに追加開示してもらい、判断取消しのリスクを潰す
時効(請求できる期限):仲裁廷への忌避申立ては、仲裁廷の構成を知った日と忌避の原因を知った日のいずれか遅い日から15日以内(19条3項。当事者の合意で別の定めが可能)。裁判所への申立ては、忌避を理由なしとする決定の通知を受けた日から30日以内(同4項)。仲裁判断の取消しの申立ては、仲裁判断書の写しの送付による通知を受けた日から3か月以内(44条2項、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:19条1項により忌避手続は当事者自治に委ねられるが、4項の裁判所への申立ては公正性確保の最後の保障として強行的に残される。5項の手続続行は、忌避が遅延戦術に使われることを防ぐためのモデル法由来の設計と理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法に準拠した仲裁法の制定に伴い、忌避の手続(15日・30日の二段構え)を定めた。その後の改正(令和5年改正を含む)で本条の文言が変わったかどうかは、人による確認が必要である
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法に準拠した仲裁法の制定に伴い、忌避手続(合意優先・15日・30日・手続続行)を新設。
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