仲裁法 第21条(仲裁人の任務の終了)
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- 仲裁人の任務は、次に掲げる事由により、終了する。
- 一仲裁人の死亡
- 二仲裁人の辞任
- 三当事者の合意による仲裁人の解任
- 四第十九条第一項から第四項までに規定する忌避の手続においてされた忌避を理由があるとする決定
- 五前条の規定による仲裁人の解任の決定
- 2.第十九条第一項から第四項までに規定する忌避の手続又は前条の規定による解任の手続の進行中に、仲裁人が辞任し、又は当事者の合意により仲裁人が解任されたという事実のみから、当該仲裁人について第十八条第一項各号又は前条各号に掲げる事由があるものと推定してはならない。
この条文の基本情報
仲裁人の任務の終了とは何ですか?
定義仲裁人の任務の終了とは、仲裁法第21条に定められた規定で、「仲裁人の任務は、次に掲げる事由により、終了する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第21条(仲裁人の任務の終了)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第21条の条文原文は「仲裁人の任務は、次に掲げる事由により、終了する。」で始まります。
- 仲裁法第21条は第三章 仲裁人に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第21条の前の条は仲裁法第20条です。
- 仲裁法第21条の次の条は仲裁法第22条です。
- 仲裁法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法21条は、仲裁人の任務が死亡・辞任・合意解任・忌避決定・裁判所の解任決定の五つで終了すると定める。手続中の辞任から不公正を推定することは禁じられる。
Q · 仲裁人が途中で辞任したら、やっぱり何か問題があったってこと?
いいえ。辞任だけで不公正とは推定されない
仲裁法21条1項は、仲裁人の任務が死亡、辞任、当事者の合意による解任、忌避を認める決定、20条による裁判所の解任決定で終了すると定めます。そして2項は、忌避や解任の手続中に仲裁人が辞任し、または合意で解任されたという事実のみから、18条1項の忌避事由や20条の解任事由があると推定することを禁じています。辞任を取消しの証拠に使うには、別途具体的な事実の立証が必要です。
解説
仲裁人が「辞めます」と言えば、その日で任務は終わる。仲裁法21条1項は、仲裁人の任務が終わる理由を五つに限っている。死亡、辞任、当事者全員の合意による解任、忌避(不公正のおそれがある判断者を外す申立て)を認める決定、そして20条による裁判所の解任決定である。肝心なのは2項だ。忌避や解任の手続の途中で仲裁人が自ら辞めても、当事者の合意で解任しても、その事実だけで「やはり公正さに問題があった」と推定してはならない。この規定のおかげで、仲裁人は非を認めずに身を引ける。だから、こちらが勝ちを狙って何か月も忌避で争うより、「辞任していただければこの件は終わりにする」と持ちかけた方が早く片付くことが多い。ただし注意点もある。相手方の仲裁人が辞任しても、それを仲裁判断の取消しや相手の落ち度の証拠には使えない。辞任は終わりではなく、22条による後任選びの始まりである。
法的な位置づけ
仲裁法21条は、仲裁人の任務終了事由を定める規定である。1項は終了事由を、仲裁人の死亡、辞任、当事者の合意による解任、19条の忌避手続における忌避を理由ありとする決定、20条による解任決定の五つに限定する。2項は、忌避または解任の手続中の辞任・合意解任の事実のみから、18条1項各号または20条各号の事由を推定することを禁止する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.疑問の根拠を記録し期限を確認 仲裁人の経歴・利害関係・開示漏れなど公正さへの疑問の根拠を書面で記録し、忌避原因を知った日から15日の期限(19条3項)をカレンダーに登録する
- 2.仲裁人に追加開示を求める 18条4項の開示義務を根拠に、疑問のある事実について仲裁人に開示を求める書面を送付する
- 3.辞任または合意解任を打診 事実を整理した書面を相手方と仲裁人に送り、辞任または当事者全員の合意による解任を打診する。21条2項により辞任から不公正は推定されないため、応じやすい環境が整っている
- 4.後任の選任方法を同時に合意 辞任・解任の話をまとめる際、22条の別段の合意として後任を仲裁機関が選ぶ等の選任方法を合意し、同じ問題の再発を防ぐ
- 5.不調なら忌避・裁判所への申立て 打診が不調の場合、期限内に書面で忌避を申し立てる。忌避が退けられたら通知から30日以内に裁判所へ申し立て、任務遂行不能・遅滞なら20条の解任を申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1仲裁人の任務が終了するのはどんなとき?
仲裁法21条1項により、死亡、辞任、当事者の合意による解任、忌避を理由ありとする決定、20条の裁判所による解任決定の五つの場合に限られます。
Q2仲裁人は自分から辞任できる?
できます。辞任は21条1項2号の任務終了事由です。忌避手続中の辞任であっても、2項によりその事実だけで不公正があったとは推定されません。
Q3当事者の合意で仲裁人を解任できる?
できます。当事者全員の合意による解任は21条1項3号の終了事由です。一方当事者だけの意思では解任できず、合意が整わなければ忌避や裁判所の解任申立てに進みます。
Q4仲裁人が病気で動けないときはどうする?
自動的には任務は終わりません。辞任を求めるか、当事者全員の合意で解任するか、20条に基づき裁判所に解任を申し立てる必要があります。
Q5仲裁人の忌避が認められたら任務はどうなる?
19条の手続で忌避を理由ありとする決定がされると、21条1項4号によりその仲裁人の任務は終了し、22条に従って後任が選任されます。
Q6仲裁人の辞任は仲裁判断の取消理由になる?
辞任の事実だけではなりません。21条2項が推定を禁じているため、取消しには44条1項の事由を具体的な証拠で別途立証する必要があります。
Q7仲裁人が辞任した後の後任はどう決まる?
22条により、当事者間に別段の合意がない限り、辞任した仲裁人を選んだときと同じ方法で後任が選任されます。選び方を変えるなら合意が必要です。
Q8仲裁人の忌避申立ての期限はいつまで?
当事者間に別段の合意がなければ、仲裁廷の構成を知った日と忌避原因を知った日のいずれか遅い日から15日以内に書面で申し立てます(19条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁人が辞めたら、それまでの審理は全部やり直しなんですか?
21条は任務がいつ終わるかを決めているだけで、それまでの手続の効力については定めていません。後任は22条により、別段の合意がない限り同じ選び方で選ばれ、どこから再開するかは当事者の合意や仲裁廷の判断、仲裁機関の規則で決まります。実務のポイント:JCAA などの機関規則には、後任選任後の審問の扱いを定めたものがあります。辞任を打診する前に、どの規則が適用されるかを確認しておくと、余計な審問の繰り返しを防げます
Q2忌避の途中で相手の仲裁人が辞めました。仲裁判断が出た後、それを理由に取消しを求められますか?
辞任の事実だけを根拠にするのは無理です。21条2項が、辞任や合意解任から18条1項や20条の事由を推定することを禁じています。取消しには44条1項の事由(仲裁廷の構成が法令に違反するなど)を独立に証明する必要があります。実務のポイント:実務で効くのは辞任の事実ではなく、開示されなかった利害関係の具体的な証拠です。疑いを持った時点で経歴やメールを保全しておくかどうかで差がつきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「辞任したなら疑いを認めたのと同じ」と考えがちだが、法律はそう扱わない。21条2項が、忌避・解任手続の途中で辞任や合意解任があっても、その事実だけで18条1項や20条の事由を推定してはならないと定めている。辞任を仲裁判断取消しの証拠に使う戦略は、出発点から成り立たない
- 「仲裁人に問題があれば仲裁はやり直しになる」というのは問いの立て方が違う。21条が決めているのは任務がいつ終わるかだけである。後任は22条により、別の合意がない限り前の仲裁人と同じ方法で選ばれる。問題の仲裁人が外れても、問題のある選び方をした側が同じやり方でまた選ぶ。外すことより、後任が誰になるかの方が実は大事だ
- 当事者から見れば「仲裁人が動かないのだから任務は終わったも同然」に見えても、法律上はそうならない。動かない仲裁人も、死亡・辞任・解任・決定のどれかがあるまでは仲裁人のままである。放っておくと手続は何か月も止まったままになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 仲裁法21条:任務終了の五つの事由と推定禁止 | 仲裁法19条:忌避の手続と期限(15日・30日) 仲裁法20条:任務遂行不能・遅滞による裁判所の解任 |
| 誰が動くか | 死亡・辞任・合意・決定のいずれかで当然に終了 | 当事者が書面で忌避を申し立てる 当事者が裁判所に解任を申し立てる |
| 理由の要否 | 辞任・合意解任は理由不要、2項で不公正の推定を禁止 | 18条1項の忌避原因が必要 法律上・事実上の遂行不能または不当な遅滞が必要 |
| その後 | 22条で後任選任へ | 理由ありの決定で21条1項4号により終了 解任決定で21条1項5号により終了 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は仲裁人の開示義務と迴避の請求を定める。モデル法を全面採用していないため、辞任の不推定に相当する明文は確認が必要
韓国はモデル法を採用し、任務遂行不能による権限終了と辞任・合意終了を定める点で日本と構造が近い
ドイツはモデル法14条をほぼそのまま受け入れ、辞任や合意終了から忌避事由を認めたことにはならない旨を定める
米国は州法が中心で、欠員時の任命方法を定める。推定禁止の明文規定は一般的ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の取引先との仲裁で、相手方が選んだ仲裁人が、相手の親会社の顧問法律事務所に以前所属していたと分かった。忌避の申立ては、それを知った日(または仲裁廷が構成されたと知った日の遅い方)から15日以内に書面で出さなければならない(19条3項)。残り日数を、今日のうちに数えておく
- 忌避を申し立てた翌週、その仲裁人が突然辞任した。「やはり後ろめたいことがあったのだ」と、取消申立ての材料にできるだろうか? 21条2項がその推論をはっきり禁じている。辞任の事実だけでは何も証明できない
- あなたが選んだ仲裁人が病気で倒れ、半年間審問が開かれていない。本人が辞任しない限り任務は自動的には終わらない。当事者全員の合意で解任するか、裁判所に解任を申し立てる(20条)。どちらにするか、決める時期はもう来ている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仲裁人の公正さに疑問が出たら、根拠(経歴、利害関係、開示の漏れ)を書面で記録する2. 18条4項の開示義務に照らし、仲裁人に開示を求める3. 辞任を求めるか、当事者全員の合意による解任を打診する。2項があるので相手方も応じやすい4. 応じない場合は19条の期限内に書面で忌避を申し立てる。退けられたら通知から30日以内に裁判所へ申し立てる5. 後任の選び方の合意(22条)も同時に詰める
訴えられた側:1. 仲裁人の立場で忌避を申し立てられたら、事実関係を整理し、開示漏れがなかったかを確認する2. 争って長引くより辞任の方が当事者の利益にかなうなら、2項を前提に辞任を選べる。それで公正さを欠いたと推定されることはない3. 相手方の当事者として忌避を申し立てられた場合は、自分の選んだ仲裁人を守るより、22条で後任の選び方を有利に設計することに力を注ぐ
時効(請求できる期限):忌避の申立て:仲裁廷が構成されたことを知った日、または忌避の理由を知った日の遅い方から15日以内(19条3項、当事者間の別段の合意がない場合)。忌避が退けられた場合の裁判所への申立て:通知を受けた日から30日以内(19条4項)。仲裁判断の取消申立て:判断書の写しの通知を受けた日から3か月以内(44条2項)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:21条1項の終了事由は限定列挙であり、仲裁人が任務を事実上果たしていなくても、列挙事由が生じるまでは任務は終了しない。2項はモデル法14条2項と同趣旨で、辞任を促し手続の迅速化を図る規定と解される
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)制定 UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法14条・15条を参考に、仲裁法の制定と同時に置かれた。その後の改正(令和5年(2023年)改正を含む)が本条の文言に及んだかは、人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:仲裁法の制定に伴い新設。UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法14条・15条を参考に、任務終了事由と推定禁止を明文化した
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