仲裁法 第43条(追加仲裁判断)
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- 当事者は、仲裁手続における申立てのうちに仲裁判断において判断が示されなかったものがあるときは、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁廷に対し、当該申立てについての仲裁判断を求める申立てをすることができる。この場合においては、第四十一条第二項及び第三項の規定を準用する。
- 2.仲裁廷は、前項の申立ての日から六十日以内に、当該申立てについての決定をしなければならない。この場合においては、第四十一条第五項の規定を準用する。
- 3.第三十九条の規定は、前項の決定について準用する。
この条文の基本情報
追加仲裁判断とは何ですか?
定義追加仲裁判断とは、仲裁法第43条に定められた規定で、「当事者は、仲裁手続における申立てのうちに仲裁判断において判断が示されなかったものがあるときは、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁廷に対し、当該申立てについての…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 仲裁法第43条(追加仲裁判断)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
- 仲裁法第43条の条文原文は「当事者は、仲裁手続における申立てのうちに仲裁判断において判断が示されなかったものがあるときは、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁廷に対し、当該申立てについての…」で始まります。
- 仲裁法第43条は第六章 仲裁判断及び仲裁手続の終了に置かれています。
- 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
- 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 仲裁法第43条の前の条は仲裁法第42条です。
- 仲裁法第43条の次の条は仲裁法第44条です。
- 仲裁法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138 - 本サイト収録
仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点仲裁法43条は、仲裁判断で判断漏れの申立てがあるとき、通知受領から30日以内に仲裁廷へ追加の仲裁判断を求められると定める。仲裁廷は60日以内に決定する。
Q · 仲裁判断書で請求の一部が判断されていなかったら、どうすればいいの?
通知から30日以内なら仲裁廷に追加判断を求められる
仲裁法43条により、仲裁判断で判断が示されなかった申立てがあるときは、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁廷に追加の仲裁判断を求めることができます。申立ては仲裁判断の通知を受けた日から30日以内に行い、申立ての内容を相手方にあらかじめ、または同時に通知する必要があります(41条2項・3項の準用)。仲裁廷は申立ての日から60日以内に決定しますが、必要があればこの期間を延長できます。決定は仲裁判断書と同じ方式(39条)で作成されます。
解説
仲裁判断書が届くと、多くの当事者は主文の勝ち負けだけを見て書類を閉じる。だが、本当に確認すべきなのは、自分が出した申立てが一つ残らず判断されているかどうかである。申立ての数が多い仲裁では、損害賠償の本体は認められたのに、遅延損害金や仲裁費用の負担について何も書かれていない、ということが起こりうる。本条は、こうした判断漏れ(仲裁人が判断を示さなかった申立て)について、仲裁廷に追加の仲裁判断を求める道を用意している。条件は二つある。第一に、仲裁判断の通知を受けた日から30日以内に申し立てること(41条3項の準用)。第二に、申立ての内容を相手方全員にあらかじめ、または同時に通知すること(41条2項の準用)。仲裁廷は申立ての日から60日以内に決定しなければならず、必要があればこの期間を延長できる(41条5項の準用)。決定は仲裁判断書と同じ方式(39条)で作られる。判断漏れに気づいても、通常の裁判所にそのまま持ち込めば仲裁合意を理由に門前払いされうる。だから、判断書を受け取ったら、最初の一週間で申立て一覧と主文を突き合わせる。それをしたかどうかで、取りこぼした請求を回収できるかが決まる。
法的な位置づけ
追加仲裁判断とは、仲裁判断において判断が示されなかった申立てについて、当事者の申立てを受けて仲裁廷が事後的に行う判断をいう。仲裁法43条が定め、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁判断の通知を受けた日から30日以内の申立てと相手方への通知を要する。仲裁廷の決定は仲裁判断書と同じ方式で作成される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知を受けた日を確定し期限を記録 仲裁判断書の通知を受けた日を確認し、その日から30日の期限をカレンダーに入れる。あわせて、利用した仲裁機関の規則や当事者間の合意に別の期限がないかを確認する
- 2.申立て一覧と判断書を一つずつ照合 申立書・追加や変更をした請求・主張書面に書いた請求項目をすべて書き出し、判断書の主文と理由に一つずつ照らし合わせる。理由中で実質的に判断されている項目は判断漏れではないため、区別して記録する
- 3.相手方全員に申立ての内容を通知 判断漏れが見つかったら、追加仲裁判断を求める申立ての内容を、あらかじめ、または申立てと同時に相手方全員に通知する(41条2項の準用)。通知した日時と方法を証拠として残す
- 4.期限内に仲裁廷へ追加判断を申し立てる 判断が示されなかった申立てを特定し、追加の仲裁判断を求める申立てを仲裁廷に提出する。訂正(41条)や解釈(42条)を求める事項と混ぜず、追加判断の申立てであることを明記する
- 5.仲裁廷の決定まで反論・和解に備える 仲裁廷は申立ての日から原則60日以内に決定する。相手方の反論に備えるとともに、判断漏れ部分を含めた一括和解の可能性も並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1追加仲裁判断とは何ですか?
仲裁判断で判断が示されなかった申立てについて、当事者の申立てにより仲裁廷が後から行う判断です。仲裁法43条が根拠です。
Q2追加仲裁判断の申立てはいつまでにすればいい?
当事者間に別段の合意がない限り、仲裁判断の通知を受けた日から30日以内です(43条1項・41条3項の準用)。仲裁機関の規則も確認が必要です。
Q3追加仲裁判断の申立ては相手方に知らせる必要がある?
必要です。申立ての内容を、あらかじめ、または申立てと同時に相手方全員に通知しなければなりません(41条2項の準用)。
Q4仲裁廷は追加判断をいつまでに出す?
申立ての日から60日以内に決定しなければなりません。ただし必要があると認めるときは、この期間を延長できます(43条2項・41条5項の準用)。
Q5仲裁費用の負担が判断されていない場合も申し立てできる?
費用負担についての申立てが判断されていなければ、追加判断の対象になりえます。仲裁人報酬などは高額になりうるため、照合時に必ず確認します。
Q6仲裁判断の判断漏れは取消しの理由になる?
取消事由(44条)は限定列挙で、判断漏れそのものを取消事由として争えるかは解釈が分かれています。まず本条の追加判断を検討するのが確実です。
Q7仲裁機関の規則では期限が違うこともある?
あります。本条は「別段の合意がない限り」適用されるため、利用した仲裁機関の規則に別の期限や手続があれば、そちらが優先されうる点に注意が必要です。
Q8追加仲裁判断の決定はどんな形式で出される?
仲裁判断書と同じ方式(39条の準用)で作成されます。書面で作成し、仲裁人の署名や理由の記載など、仲裁判断書と同等の形式を備えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判断書に遅延損害金のことが何も書いてないんだけど、これってもう諦めるしかない?
諦める必要はない。遅延損害金の申立てを判断していないのであれば、通知を受けた日から30日以内に、仲裁廷に追加仲裁判断を求められる(43条1項・41条3項)。ただし、理由中で「認めない」と実質的に判断されているなら、それは判断漏れではない。実務のポイント:判断漏れは主文より理由の書き方を読むと見つかることが多い。代理人が気づかず期限を過ぎる事例は少なくないので、依頼者自身で照合するのが最も確実である
Q230日過ぎちゃったら、別の仲裁をもう一回起こせばいいんじゃないの?
理屈の上ではありうるが、確実ではない。判断されなかった請求について新たな仲裁を起こせるのか、それとも前の仲裁で処理済みと扱われるのかは、実務上解釈が分かれている。新たな仲裁人の選任や費用もゼロからかかる。実務のポイント:仲裁機関の規則には、本条とは別の期限や手続を定めているものがある。当事者間の別段の合意として優先されうるので、期限の計算はまず使った機関の規則で確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 判断漏れがあれば、その部分だけ改めて裁判所に訴えればよいと考えがちである。しかし、問いの立て方が誤っている。仲裁合意は判断されなかった請求にも及んでいるので、裁判所に訴えると相手方は仲裁合意の存在を理由に却下を求められる(14条)。まず検討すべきは、どの裁判所に行くかではなく、本条の期限内に仲裁廷に戻れるかどうかである
- 判断漏れは仲裁判断を取り消す理由になる、と期待する人もいる。取消事由(44条)は限定列挙されており、判断漏れそのものを取消事由として争えるかについては、実務上解釈が分かれている。取消しという大がかりな手段に賭けるより、本条による追加判断の方がはるかに確実で安い
- 計算違いや誤記なら訂正(41条)、判断の意味が曖昧なら解釈(42条)、判断がそもそも欠けているなら追加判断(43条)。三つは似ているようで、使う場面が違う。一つの申立書に混ぜて書くと、仲裁廷がどれとして扱うかで結論が変わりうる。依頼者から見ればどれも判断書のミスだが、法律から見ると救済の入口が別々になっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる不備 | 仲裁法43条:判断が示されなかった申立て(判断漏れ) | 仲裁法41条:計算違い・誤記その他これらに類する誤り 仲裁法42条:仲裁判断の特定の部分の意味 |
| 救済の内容 | 欠けている申立てについて追加の仲裁判断をする | 既存の判断の誤りを訂正する 既存の判断の意味を明らかにする |
| 申立期限・決定期限 | 通知受領から30日以内に申立て、仲裁廷は60日以内に決定(延長可) | 通知受領から30日以内に申立て(41条3項) 41条の期限・通知の規定を準用 |
| 仲裁判断の取消し(44条)との関係 | 仲裁廷に戻って判断を補う手段で、取消しより確実かつ低コスト | 誤りの是正は訂正で足り、取消しは不要 曖昧さは解釈で解消し、取消しは不要 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾仲裁法は仲裁判断の誤記・誤算などの更正を定めるが、判断漏れを補う追加判断を正面から定めた規定は見当たらず、日本より救済の入口が狭い
韓国仲裁法もモデル法にならい、訂正・解釈とあわせて追加判定を同じ条文で定めている
中国仲裁法は、文字・計算の誤りとあわせて、仲裁廷が判断したのに裁決書で遺漏した事項の補正を定めている
ドイツはモデル法を採り入れ、訂正・解釈・補充(Ergänzung)の三つを一つの条文にまとめている
フランスは、仲裁廷が請求の一部について判断をし忘れた場合に判断を補うことを認めている
米国の連邦仲裁法(FAA)には明文がなく、functus officio 原則とその例外で処理される。RUAA を採用した州では、仲裁人による判断の補充が認められうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の取引先との仲裁で、売買代金2,000万円の支払いは認められた。ところが、あなたが請求していた年6%の遅延損害金について、判断書は一言も触れていない。弁護士は「勝ったからいいでしょう」と言う。通知を受けてから既に3週間が経っている。残りは9日。今週中に追加仲裁判断を申し立てなければ、数百万円の利息は宙に浮く
- 相手方の立場で考えてみる。あなたの会社は仲裁で負けたが、相手が出していた二つの申立てのうち一つは判断されていない。相手がこれに気づかないまま30日が過ぎれば、その部分を蒸し返される心配はかなり小さくなる。ただし、相手が期限内に申し立てた場合、あなたに届くのは通知書一通だけである。反論の準備期間は、仲裁廷が決定を出すまでの最長60日しかない
- 仲裁費用を誰が負担するかについて判断がなかったら、どうなるか。仲裁人の報酬や機関の管理費用は数百万円に上ることがある。費用負担の申立ても、判断が漏れていれば本条の追加判断の対象になりうる。期限内に気づくかどうか、それだけの問題である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仲裁判断の通知を受けた日を確定し、その日から30日の期限をカレンダーに入れる。2. 申立ての趣旨と追加・変更した請求をすべて一覧にし、判断書の主文・理由と照合する。3. 判断漏れがあれば、相手方全員に申立ての内容を通知したうえで(41条2項準用)、仲裁廷に追加仲裁判断を申し立てる。4. 仲裁機関の規則や当事者間の合意に別の期限・手続があれば、そちらを優先して確認する。
訴えられた側:1. 相手方から追加判断申立ての通知が届いたら、それが本当に判断漏れなのか、すでに理由中で実質的に判断された事項なのかを検討する。2. 期限(通知受領から30日)を過ぎていないか、通知の要件を満たしているかを確認する。3. 判断漏れであっても、追加判断の中身について反論を早めに提出する。仲裁廷の決定期限は原則60日なので、準備期間は短い。4. 状況に応じて和解で処理する方が安いか試算する。
時効(請求できる期限):追加仲裁判断の申立ては、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁判断の通知を受けた日から30日以内にしなければならない(本条1項・41条3項準用)。仲裁廷は申立ての日から60日以内に決定するが、必要があればこの期間を延長できる(本条2項・41条5項準用)。仲裁判断の取消申立ての期間(44条)とは別に進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
モデル法準拠解釈:本条は UNCITRAL モデル法の追加判断の規定を受け継いだものであり、その解釈にあたっては、モデル法を採り入れた各国の運用や国際仲裁実務との整合性が重視される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:仲裁法(平成15年法律第138号)の制定により新設。UNCITRAL モデル法を基礎に、判断漏れに対する追加仲裁判断の手続を明文化した
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