要点行政不服審査法 35 条は、審理員が審査請求人や参加人の申立て、または職権で必要な場所を検証できると定める。申立てによる検証では日時の事前通知と立会いの機会が保障される。
Q · 役所の処分に不服があるとき、現場を審理員に直接見てもらえるの?
申し立てれば現場検証を求められ、立会権も保障される
行政不服審査法 35 条により、審査請求人や参加人は審理員に対し、必要な場所の検証(現場を実地に確認する手続)を申し立てられます。図面や写真では伝わらない建物の構造・土地の高低・騒音・設備の劣化などを、現実の証拠として持ち込めます。さらに申立てによる検証では、審理員はあらかじめ日時と場所を申立人に通知し、立ち会う機会を与えなければなりません(35 条 2 項)。ただし実施するかどうかは審理員の裁量であり、なぜ書面では足りず現場でなければ立証できないかを具体的に示す必要があります。
役所の処分に納得がいかず審査請求をしたとする。あなたは反論の書面を必死に書き、証拠書類を揃える。だが、紙の上でいくら言葉を尽くしても、現場の実態は伝わらない。行政不服審査法35条は、その壁を破る手を用意している。審理員(あなたの審査請求を審理する役所内の担当者)に対し、必要な場所の検証、つまり現場に足を運んで自分の目で確かめる手続を、あなたから申し立てられる。しかも、あなたが申し立てて検証する場合、審理員は日時と場所を事前にあなたへ通知し、立ち会う機会を与えなければならない。現場で「ここを見てほしい」と直接指し示せるということだ。建物の構造、土地の高低、騒音、設備の劣化、これらは図面や写真では伝わりきらない。書面審理だけで決まると思っていた勝負に、現実そのものを証拠として持ち込む通路が、ここにある。
行政不服審査法 35 条は、審査請求の審理における検証を定める規定である。審理員は、審査請求人もしくは参加人の申立てにより、または職権で、必要な場所について検証を行うことができる。申立てによる検証では、日時・場所の事前通知と申立人の立会いの機会の付与が義務づけられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
検証申立て固有の期限はありませんが、審理手続が終結(行審法 41 条)すると機会を失います。前提の審査請求は処分を知った日の翌日から 3 か月以内(18 条)です。争点が固まる前の早い段階で申し立てるのが有利です。
対象となる場所、希望する日時、何を立証したいか、そしてなぜ書面では足りず現場でしか確認できないかを具体的に書きます。審理員の裁量を動かす鍵は、現場確認で争点が決着するというピンポイントな理由づけです。
検証(35 条)は審理員が現場に出向いて実地に確認する手続、物件の提出要求(33 条)は書類や物を提出させる手続です。現場の構造・高低・騒音など動かせない実態は検証でしか伝わりません。
2014 年改正で新設された、審査請求を独立した立場で審理する役所内の担当者です(行審法 9 条)。従来は審査庁が担っていた審理を、独立性の高い審理員が行う構造に改められました。
処分をした役所側(処分庁)も審理関係人として手続に関与し、検証の場で処分の根拠を説明することがあります。請求人は処分庁の説明に対抗できるよう、見てほしい点を整理した資料を持参すべきです。
検証の結果は記録として作成・交付されます。自分の主張と食い違う内容があれば、後日の意見書で補足・反論できます。記録は最終的な裁決の判断材料になるため、内容確認が重要です。
審査請求の手続自体は無料で、訴訟より早く現場確認を求められます。これが行政訴訟を起こす前の不服申立て段階で検証を活用する大きな利点です。
検証を実施するかは審理員の裁量で、申立てが認められないこともあります。その場合は意見書で再度必要性を訴える、または最終的な裁決後に行政訴訟で争うことを検討します。
必ずではない。35条1項は「検証をすることができる」と定め、実施するかどうかは審理員の裁量だ。申し立てる権利はあるが、漠然と「見てほしい」では動かない。業界裏話ヒント:審理員にとって現場検証は手間のかかる手続。「書面では立証不能で、この一点を現場で確認すれば争点が決着する」とピンポイントに理由づけると、実施される確率がはっきり上がる
35条2項の立会いの保障は「申立てにより」検証する場合に限られ、審理員が職権で行う検証には条文上の立会保障が及ばない。ただし実務では職権検証でも立会いを認める運用が一般的だ。業界裏話ヒント:自分が見せたい現場は、職権任せにせず必ず自分から申し立てる。そうすれば日時の通知と立会いが法的に保障され、不利な時間帯や状態だけを見られて終わる事態を防げる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の内容 | 35 条 検証:審理員が必要な場所に出向き実地に確認 | — |
| 立証に向く対象 | 建物構造・土地の高低・騒音・設備劣化など動かせない現場の実態 | — |
| 申立人の立会い | 申立てによる検証は日時通知+立会いの機会が保障(35 条 2 項) | — |
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