要点健康保険法 29 条は、厚生労働大臣が健康保険組合に解散を命じられる場合を定める。是正命令に違反した組合や、健全化計画に違反した指定健康保険組合が対象となる。
Q · 勤務先の健康保険組合は、国の命令で解散させられることがあるんですか?
あります。厚生労働大臣が解散を命じられます
健康保険法 29 条 2 項により、厚生労働大臣は健康保険組合に解散を命じることができます。要件は、1 項で準用する 7 条の 39 の是正命令に違反したとき、指定健康保険組合が健全化計画(28 条 2 項)に違反したとき、同条 3 項の求めに応じないとき、その他政令で定める指定健康保険組合について事業の継続が困難と認めるときです。解散しても加入者が無保険になるわけではなく、権利義務は全国健康保険協会が承継します(26 条)。ただし組合独自の付加給付や人間ドック補助は解散日で止まり、保険料率も協会けんぽの都道府県別料率に変わります。
勤務先の健康保険組合が消える日は、組合自身が決めるとは限らない。健康保険法 29 条は、厚生労働大臣に健康保険組合の解散を命じる権限を与えている。1 項は全国健康保険協会(協会けんぽ)向けの監督規定、つまり 7 条の 38 の報告徴収・質問・立入検査と、7 条の 39 の是正命令を組合に準用する。条文中の「定款」は「規約」と読み替える。2 項が本丸だ。その是正命令に従わないとき、指定健康保険組合が健全化計画に違反したとき、大臣の求めに応じないとき、そして政令で定める組合について事業の継続が困難と認めるとき、大臣は解散を命じることができる。あなたの保険証が協会けんぽに切り替わり、付加給付や人間ドック補助が消え、保険料率が変わる。その引き金は、組合の理事会ではなく厚生労働省が握っている。
健康保険法 29 条は、健康保険組合に対する厚生労働大臣の監督権限と解散命令を定める規定である。1 項は全国健康保険協会に関する報告徴収・質問・立入検査および是正命令の規定を組合に準用し、「定款」を「規約」と読み替える。2 項は、是正命令違反、指定健康保険組合の健全化計画違反、大臣の求めへの不応答、事業継続困難を要件として、大臣に解散を命じる権限を与える。
厚生労働大臣が健康保険組合に解散を命じる行政処分です。健康保険法 29 条 2 項が根拠で、是正命令違反や健全化計画違反、事業継続困難が要件となります。組合の意思とは無関係に効力が生じます。
協会けんぽの都道府県別料率に切り替わります。組合健保より高くなる場合も低くなる場合もあり、事業主負担割合が組合独自に手厚かった組合では、加入者の実負担が増えることが多いです。
財政状況が悪化し、厚生労働大臣から指定を受けた健康保険組合です。健康保険法 28 条に基づき健全化計画を作成する義務を負い、計画違反は 29 条 2 項の解散命令の要件になります。
指定健康保険組合が財政を立て直すための計画で、保険料率の引上げ、付加給付の見直し、事業費の削減などを数値で示します。組合会の議決を経て厚生労働大臣の承認を受けます。
自主解散は組合会の議決による解散(26 条 1 項)で、移行日程を組合側が組めます。解散命令は 29 条 2 項に基づく大臣の処分で、時期も組合の意思では動かせません。
使えません。高額療養費の上乗せや人間ドック補助といった組合独自の付加給付は解散日で終了します。承継先の協会けんぽは法定給付のみで、上乗せ給付はありません。
高齢者医療への拠出金の増加、加入者の高齢化、準備金の枯渇が主因です。料率を上げれば事業主と加入者の負担が増え、上げなければ財政が持たず、29 条の射程に入っていきます。
健康保険法 7 条の 38 を準用した検査で、帳簿書類、決算、事業運営の状況などが対象です。ここで確認された事実が、7 条の 39 の是正命令の前提になります。
戻りません。解散した健康保険組合の権利義務は全国健康保険協会が承継し(健康保険法 26 条)、加入者は協会けんぽの被保険者として引き継がれます。準備金も清算手続で処理され、個人への返金はありません。業界裏話ヒント:組合が独自に出していた付加給付(高額療養費の上乗せ、人間ドック補助)は解散日で止まる。申請すれば間に合う補助は、解散日前に駆け込むのが実務です
検査だけでは出ません。29 条 2 項の解散命令は、1 項で準用する 7 条の 39 の是正命令に違反したこと、または指定健康保険組合が健全化計画に違反し大臣の求めにも応じないことなどが要件です。業界裏話ヒント:読み替え規定により、組合への是正命令は 7 条の 38 の報告徴収・質問・検査を経た場合に限られる。協会けんぽ側にはこの限定がない。検査を経ない命令なら、手続の一点で争える余地があります
できますが、窓口を間違えないことです。健康保険法の審査請求(社会保険審査官・社会保険審査会)は被保険者資格・保険給付・保険料に関する処分が対象で、組合への解散命令は含まれません。業界裏話ヒント:この場合は行政不服審査法の審査請求(3 か月)か、行政事件訴訟法の取消訴訟(知った日から 6 か月)になる。どちらの回路かは処分通知の末尾の教示欄に書いてある。まずそこから読む
命令解散を加入者が直接止める手段はありません。ただし、そこに至る前なら動けます。指定健康保険組合の健全化計画(健康保険法 28 条 2 項)は組合会の議決を経て作られ、組合会議員には事業主側と被保険者側の代表が同数います。業界裏話ヒント:料率引上げか付加給付廃止かは組合会で決まる。被保険者互選の議員は関心が低く候補が足りないことも多いため、手を挙げれば入れる可能性は高い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が解散を決めるか | 29 条 2 項:厚生労働大臣の解散命令(組合の意思とは無関係) | — |
| 発動の前提 | 是正命令違反、健全化計画違反、3 項の求めへの不応答、事業継続困難 | — |
| 加入者への効果 | 権利義務は全国健康保険協会が承継、付加給付は解散日で終了 | — |
| 争う手段 | 不利益処分として聴聞(行政手続法 13 条)、審査請求・取消訴訟 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。