要点健康保険法 14 条は、厚生労働大臣が政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に健康保険組合の設立を命じられると定め、命じられた事業主は規約を作り認可を受ける義務を負う。
Q · 会社の従業員が増えたら、国から健康保険組合を作れと命令されることはあるの?
あります。命令を受ければ規約作成と認可申請が義務になります
健康保険法 14 条 1 項により、厚生労働大臣は常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に対し、健康保険組合の設立を命ずることができます。命令を受けた事業主は、規約を作成して厚生労働大臣の認可を受けなければなりません(同条 2 項)。組合が成立すると保険者が全国健康保険協会から健康保険組合に変わり、保険料率や付加給付の設計主体も移ります。
健康保険の世界には、あなたが選べない選択がある。健康保険組合を作るかどうかは、企業の自由裁量だと思われている。ところが本条は、厚生労働大臣が事業主に対して「組合を設立せよ」と命令できると定める。従業員が政令で定める数(現行の健康保険法施行令では、強制設立は原則として常時 700 人以上の被保険者を使用する事業主が基準となる。最新の政令をご確認いただきたい)を超えると、あなたの会社は協会けんぽに加入し続けるか自前の組合を持つかを自分で決められなくなる。しかも命令を受けた事業主は、規約を作り、厚生労働大臣の認可を受ける義務を負う。従業員の立場から見れば、ある日突然、保険証の発行元が変わり、保険料率も付加給付も健診補助も別物になる。あなたの手取りに直結する数字が、あなたの関与しないところで動く仕組みが、ここに書かれている。
健康保険法 14 条は健康保険組合の強制設立を定める規定である。1 項は、厚生労働大臣が政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に対し組合の設立を命ずる権限を、2 項は、命令を受けた事業主が規約を作成し厚生労働大臣の認可を受ける義務を定める。任意設立を定める同法 11 条の例外的規律である。
厚生労働大臣が一定規模以上の事業主に対し健康保険組合を作るよう命じる制度です。健康保険法 14 条 1 項が根拠で、命令を受けた事業主は規約作成と認可申請の義務を負います。
任意設立の認可基準も強制設立命令の基準も健康保険法施行令に委任されています。実務上は常時 700 人以上が強制設立の目安とされますが、最新の政令をご確認ください。
健康保険法 14 条 2 項により、規約を作成して厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。規約には組合会の構成、保険料率、給付、予算体制などを盛り込むことになります。
本条は不履行の効果を直接定めていません。実務上は行政指導が先行し、命令自体に不服があれば行政不服審査法に基づく審査請求などの手段を検討することになります。
資格取得の届出は事業主が行うため、従業員が自ら申請する場面は原則ありません。ただし保険証の切替、被扶養者の認定基準、付加給付の申請先が変わる点は確認が必要です。
組合が自主的に決定します(健康保険法 160 条)。協会けんぽの都道府県単位保険料率とは別に、組合の財政状況と加入者構成に応じて規約で定めます。
できます。法定の事由と厚生労働大臣の認可により解散し、解散後の加入者は全国健康保険協会(協会けんぽ)に移ります。高齢者医療への拠出金負担が解散理由になる例があります。
適用事業所の被保険者数が政令基準を超えれば射程に入ります。ただし第 31 条 1 項の任意包括適用事業所は 14 条 1 項の算定から除かれる点に注意が必要です。
あります。本条 1 項により、厚生労働大臣は常時政令で定める数以上の被保険者を使用する事業主に対し、組合の設立を命ずることができる。命令を受ければ規約を作り認可を受ける義務が生じる(本条 2 項)。業界裏話ヒント:実務上、この強制設立命令が実際に発動される例は多くない。ただし規模が基準に達した企業に対しては行政側から任意設立の打診が入ることがあり、そこで自主的に動くか待つかで規約設計の自由度が変わる。
一概には言えない。組合の保険料率は組合が自主的に決める(健康保険法 160 条)ため、加入者の年齢構成が若く医療費が低い企業なら協会けんぽより安くなりうるが、高齢者医療への拠出金負担が重い組合では逆に高くなることもある。業界裏話ヒント:組合健保の真価は保険料率より付加給付にある。傷病手当金の上乗せや人間ドック補助など、協会けんぽにはない給付を規約で設計できる点が、採用市場での差になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 設立の起点 | 健保法 14 条:厚生労働大臣の設立命令(事業主の意思と無関係) | — |
| 事業主の義務 | 規約作成+認可申請が法律上の義務(14 条 2 項) | — |
| 規約設計の自由度 | 命令後の短い期間で作るため設計自由度が下がりやすい | — |
| 組合の成立時期 | 命令だけでは成立せず、認可を受けて初めて成立(健保法 13 条) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。