要点健康保険法 31 条は、強制適用外の事業所でも、被保険者となるべき者の二分の一以上の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ければ適用事業所になれると定める。
Q · 五人未満の個人事業所でも、社会保険に入る方法はありますか?
事業主が申請し半数以上が同意すれば加入できます
健康保険法 31 条により、強制適用事業所でない事業所でも、事業主が厚生労働大臣(実務の窓口は日本年金機構)の認可を受ければ適用事業所になれます。申請の要件は、被保険者となるべき者の二分の一以上の同意です(同条 2 項)。過半数ではなく、ちょうど半数で足ります。認可が下りると同意しなかった従業員も含め全員が被保険者となり、資格取得は認可日から(同法 35 条)で遡及しません。脱退には四分の三以上の同意と再度の認可が必要です(同法 33 条)。
求人票に「社会保険完備」と書ける事業所と、書けない事業所がある。その分かれ目の一つが、この認可だ。個人経営の飲食店、理美容室、農家、常時五人未満の個人事業所は、そもそも強制適用の対象外(健康保険法 3 条 3 項)。従業員がどれだけ望んでも、法律は加入を命じない。だが 31 条は抜け道を用意している。事業主が厚生労働大臣(実務の窓口は日本年金機構)の認可を受ければ、その事業所は適用事業所になる。鍵は 2 項の同意要件だ。必要なのは「被保険者となるべき者の二分の一以上」、過半数ではない。ちょうど半数で足りる。そして認可が下りた瞬間、同意しなかった人も含めて全員が被保険者になる。手取りは減り、傷病手当金と厚生年金が付いてくる。入口は半数、出口(33 条)は四分の三。この非対称を知らずに同意書へ署名するかどうかで、あなたの十年後の年金額が変わる。
健康保険法 31 条は任意適用事業所に関する規定であり、同法 3 条 3 項の強制適用事業所に該当しない事業所について、事業主が厚生労働大臣の認可を受けることで適用事業所となる制度を定める。認可申請には被保険者となるべき者の二分の一以上の同意を要し、認可の効力は認可日から生じ、過去に遡及しない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
強制適用の対象外でありながら、事業主の申請と厚生労働大臣の認可によって健康保険・厚生年金が適用されるようになった事業所です。根拠は健康保険法 31 条です。
条文上は厚生労働大臣ですが、実務の窓口は日本年金機構です。事業所の所在地を管轄する年金事務所へ任意適用申請書を提出します。
被保険者資格の取得は認可のあった日からです(健康保険法 35 条)。遡及効はないため、申請前に発生した傷病や出産は給付の対象になりません。
入れます。強制適用ではありませんが、31 条の任意適用の認可を受ければ適用事業所となります。発議権は事業主にあり、従業員側に申請権はありません。
「当該事業所に使用される者のうち被保険者となるべき者」に限られます。適用除外に当たる人は分母に入らないため、職場の総人数より分母は小さくなるのが通常です。
厚生年金保険法にも並行する任意適用の規定があり、実務上は健康保険と厚生年金を同時に申請するのが一般的です。手続きの窓口も同じ年金事務所です。
任意適用申請書と二分の一以上の同意を証する同意書が中核です。加えて事業主世帯全員の住民票や公租公課の領収証など、事業実態を確認する書類を求められます。
飲食・宿泊・理美容・農林水産・娯楽・宗教などが代表例です。ただし令和 4 年(2022 年)10 月から弁護士・税理士等の士業は常時五人以上で強制適用に変わりました。
個人事業所で常時五人未満、または飲食・宿泊・理美容・農林水産などの非適用業種であれば適法である(健康保険法 3 条 3 項)。31 条の任意適用はあくまで事業主の任意だ。業界裏話ヒント:令和 4 年(2022 年)10 月から、弁護士・税理士・社会保険労務士など士業の個人事務所は常時五人以上で強制適用に変わった。「昔から入っていない」事務所ほど、今は違法状態の可能性がある
申請には被保険者となるべき者の二分の一以上の同意が必要なので(31 条 2 項)、過半数が明確に反対すれば要件を満たさない。逆に、ちょうど半数の同意で足りる点に注意したい。業界裏話ヒント:分母は「被保険者となるべき者」に限られる。後期高齢者医療の対象者など適用除外の人は数に入らないため、実際の分母は職場の総人数より小さくなることが多い。誰が数に入るかで結論が反転する
保険料は労使折半(同法 161 条)で、健康保険と厚生年金を合わせた本人負担は給与のおおむね 15 パーセント前後になる(料率は都道府県および年度で変動、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:減るのは手取りだけだ。国民健康保険にはない傷病手当金(99 条)と出産手当金(102 条)が付き、傷病手当金は標準報酬日額の約三分の二を通算 1 年 6 か月まで支給する。長期療養が一度あれば、数年分の保険料差は簡単に逆転する
脱退にも厚生労働大臣の認可が要り、被保険者の四分の三以上の同意が必要になる(同法 33 条)。入口の二分の一より明らかに重い。業界裏話ヒント:従業員側から見れば脱退は給付の喪失なので、四分の三の同意はまず集まらない。実務上、任意適用の判断基準は「今払えるか」ではなく「売上が三割落ちた年でも払い続けられるか」だと考えたほうがいい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の根拠 | 健保法 31 条:事業主の申請 + 二分の一以上の同意 + 大臣の認可 | — |
| 従業員の意思の扱い | 半数の同意で申請可、反対者も認可後は全員被保険者 | — |
| 効力の発生時点 | 認可のあった日から(健保法 35 条、遡及効なし) | — |
| 実務上のハードル | 同意集めと保険料の事業主負担(給与総額の約 15 パーセント) | — |
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