要点健康保険法 99 条は、被保険者が療養のため働けない場合、待期三日の後から傷病手当金を支給すると定める。日額は標準報酬月額平均の三十分の一の三分の二、期間は通算一年六月。
Q · 病気で働けなくなったら、健康保険から本当にお金が出るんですか?
待期三日の後から、給料の約三分の二が通算一年六月まで出ます
健康保険法 99 条により、被保険者が療養のため労務に服することができないとき、連続して休んだ三日間(待期)を経過した日から傷病手当金が支給されます。日額は支給開始日以前の直近十二か月の標準報酬月額の平均を三十で割った額の三分の二で、月給三十万円なら日額およそ六千六百円です。支給期間は同一傷病につき通算一年六月で、二〇二二年一月からは復職して働いた期間はカウントされません。任意継続被保険者は本条の対象から除かれます。
隣の席の同僚が三か月休職して、そのまま辞めていった。給料が出ないから生活できない、と言い残して。あの退職は防げた可能性が高い。健康保険の被保険者が病気やケガで働けなくなったとき、連続して休んだ三日間(待期)を過ぎた四日目から、傷病手当金が出る。金額は支給開始日以前の直近十二か月の標準報酬月額を平均し、三十で割った日額の三分の二。月給三十万円なら日額約六千六百円、ひと月で約二十万円である。さらに二〇二二年一月から、支給期間の一年六月が「通算」に変わった。途中で復職して働いた期間はカウントに入らない。がんや精神疾患のように治療と就労を行き来する人にとって、この一語の改正が数百万円の差を生む。あなたの給与明細から毎月引かれている健康保険料は、まさにこの日のために積み上がっている。
健康保険法 99 条は傷病手当金を定める規定であり、被保険者が業務外の傷病の療養のため労務に服することができない場合に、待期三日を経過した日から、直近十二か月の標準報酬月額の平均に基づく日額の三分の二を、同一傷病につき通算一年六月を限度として支給する所得保障給付を規律する。任意継続被保険者は支給対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
健康保険の被保険者が業務外の病気やケガで働けないとき、収入減を補うために健康保険から支給される現金給付です。根拠は健康保険法 99 条で、待期三日の後から支給が始まります。
労務に服することができなくなった日から連続する三日間で成立します。土日祝などの公休日や有給休暇の日でも待期に算入されるため、金曜から休み始めれば月曜が支給開始の四日目になります。
支給開始日の属する月以前の直近十二か月の標準報酬月額を平均し、三十で割った日額の三分の二です。標準報酬月額が三十万円なら日額はおよそ六千六百円、ひと月で約二十万円になります。
同一の傷病について、支給を始めた日から通算して一年六月です。二〇二二年一月に暦計算から通算に変わったため、途中で復職して働いた期間はカウントに算入されません。
請求権は二年で時効消滅します(健康保険法 193 条)。起算点は労務不能であった日ごとにその翌日なので、遡って請求する場合は古い日から一日ずつ権利が消えていきます。
待期三日に有給を充てるのは有効ですが、四日目以降に有給で満額の給与を受けるとその日は報酬があるとして支給停止になります(健康保険法 108 条)。欠勤扱いのほうが総額で有利な場合があります。
傷病手当金は非課税で所得税・住民税の対象外です。ただし健康保険料・厚生年金保険料は免除されないため、そこから負担すると実質の手取りは給与の五割台まで下がります。
医師の証明欄と事業主の証明欄が揃ってから保険者が審査するため、初回入金までおおむね一か月から二か月かかります。その間の生活費は自分で繋ぐ前提で資金計画を立ててください。
支給対象になる。精神疾患は業務外の傷病として本条の典型的な適用場面であり、実際に協会けんぽの支給件数でも大きな割合を占める。業界裏話ヒント:診断書や医師の意見欄に「うつ病、療養を要する」とだけ書かれると保険者から照会が入り、支給が一か月以上遅れることが多い。「対人業務および長時間のデスクワークの遂行が困難」のように、担当業務に紐づけた記載を医師に依頼できるかどうかで、初回入金の速さが変わる
免除されない。育児休業のような保険料免除の仕組み(健康保険法 159 条)は傷病による休職にはなく、健康保険料も厚生年金保険料も発生し続ける。傷病手当金自体は非課税だが、そこから保険料を払うため実質の手取りは給与の五割台まで落ちる。業界裏話ヒント:会社が立て替えて復職後に一括請求する運用が多い。休職に入る前に、毎月振込にしてもらうか賞与から精算するかを人事と決めておかないと、復職初月に数十万円の請求が来る
そうとは限らない。資格喪失の日の前日までに継続して一年以上の被保険者期間があり、退職時に受給しているか受けられる状態であれば、退職後も継続して受けられる(健康保険法 104 条)。業界裏話ヒント:この条件が退職日一日で崩れる。退職日に挨拶や引継ぎで出社して業務をすると労務不能が途切れ、継続給付を受けられなくなる。実務では最終出社日を先に置き、退職日は必ず休むのが鉄則とされている
両取りはできない。業務上または通勤による傷病は労災保険の休業補償給付(労働者災害補償保険法 14 条)の領域で、健康保険は業務外の傷病を対象にするという線引きになっている。業界裏話ヒント:会社が労災を認めたがらず申請が長期化する場面では、まず健保に傷病手当金を請求して生活費を確保しつつ、並行して労働基準監督署に労災請求する二段構えが実務で使われる。後に労災認定されれば傷病手当金は返還することになるが、無収入期間を作らずに済む
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|---|---|---|
| 何を定める条文か | 健康保険法 99 条:傷病手当金の支給要件・金額・期間 | — |
| 適用の前提 | 被保険者が業務外の傷病の療養のため労務不能であること | — |
| 金額への影響 | 直近十二か月の標準報酬月額平均の三十分の一の三分の二が日額 | — |
| つまずきやすい点 | 待期三日の数え方と、通算一年六月という期間計算 | — |
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