要点健康保険法 108 条は、報酬を受けることができる期間は傷病手当金・出産手当金を支給しないと定める。ただし報酬額が第 99 条第 2 項の算定額より少ないときは、その差額が支給される。
Q · 休職中に会社から少しでもお金が出ていたら、傷病手当金はもらえないんですか?
原則不支給。ただし報酬が少なければ差額は支給されます
健康保険法 108 条 1 項は、報酬の全部又は一部を受けることができる期間は傷病手当金を支給しないと定めます。ただし、その報酬額が第 99 条第 2 項により算定される額(おおむね標準報酬日額の 3 分の 2)より少ないときは、その差額が支給されます。基準は「実際に振り込まれたか」ではなく「受けることができるか」である点に注意が必要です。同条 2 項は出産手当金にも同じ調整を置き、3 項は同一傷病の障害厚生年金、4 項は障害手当金、5 項は資格喪失後の継続給付と老齢退職年金給付との調整を定めています。
病気で休職して傷病手当金を申請したのに、振り込まれた額が想定の半分以下だった。原因はたいてい、会社から出ていた休職中の給与や見舞金である。健康保険法 108 条は、報酬を受けることができる期間は傷病手当金を支給しないと定める。ただし切り捨てではない。その報酬が 99 条 2 項で算定される額(おおむね標準報酬日額の 3 分の 2)より少なければ、差額が支給される。つまり本条は「上積み禁止・下支え保証」の装置だ。同じ調整は出産手当金、障害厚生年金、障害手当金、退職後に受け取る老齢年金にも及ぶ。あなたが押さえるべきは、何が「報酬」に当たるかで手取りが変わるという点である。労働の対償でない恩恵的な見舞金は報酬に当たらず、就業規則に基づく休職給は報酬に当たる。会社が付ける支給名目一つで、療養中の月収が数万円動く。
健康保険法 108 条は、傷病手当金及び出産手当金の併給調整を定める規定である。報酬を受けることができる期間は原則としてこれらを支給せず、その報酬額が第 99 条第 2 項により算定される額を下回る場合に限り差額を支給する。同条 3 項以下は、同一傷病に基づく障害厚生年金、障害手当金、および老齢退職年金給付との間の調整方法を規律する。
報酬や年金など他の所得がある期間に手当金を重ねて支給しない仕組みです。健康保険法 108 条が根拠で、他の給付が法定額より少ないときだけ差額が支給されます。
第 99 条 2 項により、支給開始日前の標準報酬月額をもとに算定した日額のおおむね 3 分の 2 が基準です。108 条はこの額と報酬額を比べ、差額のみを支給する構造です。
労働の対償でない純粋な恩恵的見舞金は報酬に当たりません。一方、就業規則に基づく休職給は報酬として扱われ、108 条 1 項の調整対象になります。名目より法的性質で判断されます。
有給期間は満額の報酬を受けることができる期間なので、通常は支給されません。先に有給を使い切ってから申請する順序は、支給期間の枠を温存する意味があります。
健康保険法 193 条により請求権は 2 年で時効消滅します。起算点は労務不能であった日ごとにその翌日で、1 日単位で古い分から消えるため、まとめ請求は先頭の日数が落ちます。
108 条 2 項により、報酬を受けることができる期間は出産手当金を支給しません。ただし報酬額が出産手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。
あります。障害厚生年金が遡って認定された場合など、後から調整事由が判明すると、既に受け取った手当金について保険者から返還を求められることがあります。
社会保険審査官への審査請求が用意されています。期間制限があるため、支給決定通知を受け取ったら計算根拠を早期に確認し、期限内に手続をとる必要があります。
諦める必要はない。108 条 1 項ただし書により、その報酬が 99 条 2 項で算定される額(おおむね標準報酬日額の 3 分の 2)より少なければ、その差額が支給される。ゼロか満額かの二択ではない。業界裏話ヒント:支給申請書の事業主記入欄に書かれた報酬額と対象期間が、そのまま調整計算の入力値になる。提出前に事業主証明欄のコピーを自分で必ず取っておくと、後で計算の検証ができる
同一の傷病であれば、108 条 3 項により傷病手当金は原則として支給されない。ただし障害厚生年金(障害基礎年金があればその合算額)を厚生労働省令の方法で日額換算した額が 99 条 2 項の額より少ないときは、差額が支給される。別傷病なら調整されない。業界裏話ヒント:障害年金の遡及認定は、過去に受け取った傷病手当金の返還につながる。請求前に日額の高低と返還見込額を試算する人としない人で、手元資金が数十万円変わる
108 条 5 項は、104 条の資格喪失後の継続給付を受ける人が老齢退職年金給付を受けられるとき、傷病手当金を支給しないと定める。年金を日額換算した額が手当金より少なければ差額のみが出る。業界裏話ヒント:繰上げ受給は一度選ぶと取り消せない。療養中に年金を前倒しすると、傷病手当金が差額まで縮むうえ生涯の年金額も減る二重の目減りになる。順序を決める前に日額で並べて比べる(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 108 条:報酬・年金との併給調整(支給を止める栓) | — |
| 調整の相手方 | 報酬、障害厚生年金・障害基礎年金、障害手当金、老齢退職年金給付 | — |
| 全額停止か差額支給か | 原則不支給。ただし他の給付が 99 条 2 項の額より少なければ差額を支給 | — |
| 退職後の適用 | 5 項が 104 条の継続給付受給者と老齢退職年金給付の調整を規律 | — |
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