要点健康保険法 47 条は、任意継続被保険者の標準報酬月額を、資格喪失時の額と保険者の平均標準報酬月額のうち少ない方と定める。健康保険組合は規約で前者を用いることができる。
Q · 退職後に任意継続を選んだら、健康保険料はいくらで計算されるんですか?
退職時の標準報酬月額と保険者の平均額の、低い方が基礎になります
健康保険法 47 条 1 項により、任意継続被保険者の標準報酬月額は、①資格を喪失したときの標準報酬月額と、②保険者の全被保険者の平均標準報酬月額(前年 9 月 30 日時点)のうち、少ない方が採用されます。事業主負担が消えるため実質的な負担率は在職時の約 2 倍になりますが、報酬が高かった人ほど②の天井が効き、保険料の基礎そのものが下がります。ただし保険者が健康保険組合の場合、2 項により規約で天井を外し、①の額をそのまま使うことができます(2022 年 1 月施行)。協会けんぽにこの特例はありません。
退職した翌月、健康保険証を会社に返したあなたに残る道は二つ。会社の健康保険を最大2年間引き継ぐ任意継続か、市区町村の国民健康保険か。その分かれ道の計算式を握っているのが47条だ。任意継続の保険料は、①資格を失ったときのあなたの標準報酬月額、②保険者の全被保険者の平均額、この二つのうち少ない方を基礎に決まる。つまり報酬が高かった人ほど②の天井が効き、在職時よりも保険料の基礎が下がる。事業主負担が消えるので料率は約2倍になるが、それでも天井の効果が上回る場面がある。ただし2022年1月から、健康保険組合は規約でこの天井を外し、退職時の標準報酬月額をそのまま使えるようになった(2項)。同じ年収、同じ退職日でも、加入していた保険者が協会けんぽか健保組合かで、2年分の保険料が数十万円単位で変わる。
健康保険法 47 条は、任意継続被保険者の標準報酬月額の決定方法を定める規定である。定時決定および随時改定に関する第 41 条から第 44 条までの適用を排除し、資格喪失時の標準報酬月額と、保険者が管掌する全被保険者の平均標準報酬月額のいずれか少ない額をもって標準報酬月額とする。保険者が健康保険組合である場合は、規約により資格喪失時の額を用いる特例を採ることができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
任意継続中の保険料計算の基礎となる金額です。健康保険法 47 条 1 項により、資格喪失時の標準報酬月額と保険者の平均標準報酬月額のうち、少ない方が採用されます。
退職して資格を喪失したときの標準報酬月額が基準です。退職後に収入が変わっても、47 条は在職者のような随時改定を行わないため、本人の実収入とは連動しません。
協会けんぽは毎年度公表し、健康保険組合は規約で定めた額を開示しています。47 条 1 項 2 号は前年 9 月 30 日時点の全被保険者の平均額を基準としています。
47 条 1 項 2 号の平均額が事実上の上限として働きます。ただし健康保険組合が 2 項の規約特例を採用している場合、この上限は外れ、退職時の額がそのまま使われます。
ありません。47 条は第 41 条から第 44 条までの適用を明文で排除しています。したがって毎年 4〜6 月の報酬による見直しも、昇給等による随時改定も行われません。
上がりません。47 条は本人の標準報酬月額のみで保険料の基礎を決めるため、被扶養者が何人いても金額は変わりません。世帯人数で増える国民健康保険との大きな差です。
資格喪失日(退職日の翌日)から 20 日以内です(健康保険法 37 条 1 項)。保険者が正当な理由と認めた場合を除き延長されず、期限を過ぎると任意継続の道は原則閉じます。
任意継続被保険者の資格は原則として 2 年で終了します(健康保険法 38 条)。その後は国民健康保険、家族の被扶養者、再就職先の健康保険のいずれかへ移ることになります。
標準報酬月額が保険者の平均額を超えていた人は任意継続が有利になりやすい。47条1項が少ない方の額を採用するからである。前年所得が低い人や退職後に所得が激減する人は国保の軽減が効く。業界裏話ヒント:2022年1月の改正で任意継続は申出による脱退が可能になった(健康保険法38条)。1年目は任意継続、前年所得が下がる2年目に国保へ乗り換える二段構えが取れる。以前は保険料をわざと滞納して抜けるしかなかった
組合による。47条2項で、健康保険組合は規約に定めれば退職時の標準報酬月額をそのまま使える。天井が外れるので報酬が高かった人ほど保険料は跳ね上がる。協会けんぽにこの特例はない。業界裏話ヒント:規約は組合のサイトか事務局で開示されている。退職を切り出す前に確認すれば、20日の期限に追われずに国保との比較ができる。人事が自発的にこの話をすることはまずない
本人の収入がどう変わっても標準報酬月額は原則として動かない。47条は資格喪失時の額と平均額の比較で決めるため、在職者のような随時改定(健康保険法43条)は働かない。ただし2号の平均額は毎年度更新されるので年度替わりで動く。業界裏話ヒント:任意継続中に無収入になっても保険料は下がらない。この非連動性こそが、失業が長引く人ほど2年目に国保へ乗り換えるべき理由になる
納付期日までに納付しないと、原則としてその翌日に任意継続被保険者の資格を失う(健康保険法38条)。督促や分割の余地は乏しく、47条で決まった有利な保険料も一度失えば戻らない。業界裏話ヒント:前納制度を使えば半年分・1年分をまとめて割引価格で納付でき、払い忘れによる強制喪失のリスクも同時に消える。この前納割引を退職者に案内する保険者は多くない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定が決めること | 47 条:任意継続被保険者の標準報酬月額の決め方 | — |
| 適用対象 | 退職後に任意継続を選んだ元被保険者 | — |
| 基準となる数字・期限 | 資格喪失時の額と保険者の平均標準報酬月額のうち少ない額 | — |
| 例外・落とし穴 | 健康保険組合が 2 項の規約特例を採ると平均額の天井が外れる | — |
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