要点健康保険法46条は、社宅や食事など通貨以外で支払われた報酬の価額を、その地方の時価により厚生労働大臣が定めると規定する。健康保険組合は規約で別段の定めができる。
Q · 会社の社宅や毎日のまかない、給料じゃないのに保険料が上がるって本当ですか?
本当です。現物給与として時価換算され報酬に算入されます
健康保険法46条により、報酬又は賞与が通貨以外のもので支払われる場合、その価額はその地方の時価によって厚生労働大臣が定められます。社宅、食事、通勤定期券などは都道府県別の価額表で金額に換算され、現金給与と合算して標準報酬月額(同法40条)が決まります。したがって現金の総支給額が同じでも、現物給与の有無で保険料が変わります。健康保険組合に加入している場合は、同条2項により組合の規約で別段の価額を定めることができるため、同じ社宅でも保険者によって換算額が異なりうる点にも注意が必要です。
給与明細の総支給額には一円も出てこないのに、保険料の計算にだけ姿を現す金額がある。会社から借りている社宅、毎日のまかない、現物支給の通勤定期券。健康保険法46条は、通貨以外で支払われた報酬や賞与を「その地方の時価」で金額に換算し、その換算レートを厚生労働大臣が告示で定めると宣言している。つまりあなたの標準報酬月額は、受け取った現金の額ではなく、現金と現物換算額の合計で決まる。社宅を無償で借りていれば、都道府県別の価額表で計算した居住室の畳数分がまるごと報酬に上乗せされる。逆に、あなたが会社へ使用料を払っていれば、価額との差額だけが報酬になる。健康保険組合に加入しているなら2項も効いてくる。組合は規約で独自の価額を定められるので、同じ間取りの社宅でも、協会けんぽの事業所と組合健保の事業所で保険料が変わりうる。
健康保険法46条は、現物給与の価額評価に関する規定である。報酬又は賞与の全部又は一部が通貨以外のもので支払われる場合、その価額はその地方の時価によって厚生労働大臣が定めるものとし(1項)、健康保険組合は規約で別段の定めをすることができる(2項)。換算された価額は報酬に算入され、標準報酬月額および標準賞与額の決定に反映される。
労働の対償として通貨以外の形で支給されるものをいいます。社宅、寮、食事、通勤定期券などが典型で、健康保険法46条によりその地方の時価で金額に換算され、報酬に算入されます。
健康保険法46条1項の委任を受けた厚生労働大臣の告示(都道府県別の現物給与価額表)で確認します。住宅は居住用の室の広さ、食事は1食・1日単位で単価が定められています。最新の適用分をご確認ください。
会社が現物で交付する通勤定期券も、労働の対償であれば通貨以外の報酬として46条の換算対象になります。現金で支給される通勤手当と同様、報酬に算入される点は変わりません。
厚生労働大臣の告示は改定されることがあり、実務では年度単位で適用額を確認します。改定があれば新しい価額で再計算が必要になるため、毎年の適用開始時期の確認が欠かせません。
保険料を徴収する権利の消滅時効は2年です(健康保険法193条)。調査で未計上が判明すると、最大24か月分の健康保険料・厚生年金保険料が労使双方に遡って請求されうる構造です。
影響します。厚生年金保険法25条に健康保険法46条と同一文言の並行規定があり、実務では同じ都道府県別価額表が共通で用いられます。健康保険だけの話ではありません。
標準報酬月額が上がれば保険料負担は増えますが、傷病手当金・出産手当金・将来の厚生年金の額も同時に上がります。負担面だけで判断すると、長期療養や産休時に差が出ます。
いずれも住宅の現物給与として、原則は都道府県別価額表による評価です。会社が大家に支払う実際の家賃額そのものが報酬になるわけではない点が、税務上の考え方と混同されやすい部分です。
本当です。46条により通貨以外の報酬も地方の時価で換算され、標準報酬月額(40条)に算入されます。都道府県ごとの価額表で、居住用の室の面積に単価を掛けて計算し、本人が会社へ使用料を払っていればその差額だけが報酬になります。業界裏話ヒント:使用料を価額表の額以上に設定すれば現物給与はゼロにできる。人事に「価額表でいくらになるか」を先に確認して自己負担額を逆算する人は、ほとんどいない
税と社会保険は判定基準が別物です。所得税では本人が半額以上負担し会社負担が月3,500円以下なら課税されませんが、社会保険の実務では本人負担が現物給与価額の3分の2以上あるかどうかで判断します。業界裏話ヒント:税で非課税だから社保も大丈夫と考えて、調査で2年分遡及されるのが最も多い型。判定表は税務用と社保用を分けて持つのが実務の常道(最新の取扱いをご確認ください)
46条2項があるからです。健康保険組合は規約で厚生労働大臣の定める価額とは別段の定めができるため、同じ間取りの社宅でも組合ごとに換算額が変わりえます。協会けんぽの事業所には2項の余地はありません。業界裏話ヒント:組合健保に入っている人ほど、自分の組合規約を読んだことがない。規約は組合員に開示されるものなので、社宅や寮のある会社なら現物給与の条項を一度確認する価値がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 健康保険法46条:通貨以外の報酬・賞与を金額に換算する評価ルール | — |
| 判断の対象 | いくらに換算するか(価額) | — |
| 基準を決める主体 | 厚生労働大臣の告示、健康保険組合は規約で別段の定め可(2項) | — |
| 実務で効いてくる場面 | 社宅・食事・現物通勤定期の評価、年金事務所の総合調査 | — |
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