要点健康保険法 45 条は、賞与額の千円未満を切り捨てて標準賞与額を決定し、年度の累計額が 573 万円に達した場合、その月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とすると定める。
Q · ボーナスから引かれる健康保険料は、どうやって決まっているんですか?
千円未満を切り捨てた額が基礎、年度累計 573 万円が上限です
健康保険法 45 条により、保険者等は賞与を受けた月に、その賞与額の千円未満を切り捨てて標準賞与額を決定します。この標準賞与額に保険料率を乗じたものが保険料額となり、労使で折半されます(同法 156 条)。年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日)における標準賞与額の累計額には 573 万円の上限があり、これを超える場合は累計が 573 万円となるようその月の標準賞与額を決定し、翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零となります。厚生年金保険の 1 回 150 万円という上限とは、単位が年度と 1 回で異なります。
ボーナス 80 万円のはずが、振込は 60 万円台。その差額に含まれる健康保険料は、この条文の計算式そのままで決まっている。保険者は賞与額の千円未満を切り捨てて標準賞与額とし、それに保険料率を掛ける。ここに、多くの人が知らない仕掛けが二つある。第一に、年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日)の標準賞与額の累計が 573 万円に達すると、その月以降に受ける賞与の標準賞与額は零になり、健康保険料はかからない。天井があるのだ。第二に、健康保険の標準賞与額は、傷病手当金や出産手当金の額に一切反映されない。それらは標準報酬月額だけで計算される。厚生年金の標準賞与額が将来の年金額に反映されるのとは対照的である。同じボーナスから引かれる二つの保険料は、返ってくる性質が根本から違う。
健康保険法 45 条は標準賞与額の決定方法を定める規定であり、保険者等は被保険者が賞与を受けた月に、その賞与額から千円未満の端数を切り捨てて標準賞与額を決定する。年度における標準賞与額の累計額には 573 万円の上限が設けられ、上限に達した月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零となる。標準報酬月額の等級区分が改定された場合、上限額は政令で定める額に改められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
賞与額から千円未満の端数を切り捨てた額で、保険料計算の基礎となる数値です。健康保険法 45 条が定め、これに保険料率を乗じた額が賞与にかかる保険料になります。
標準賞与額に加入先の健康保険料率を乗じ、労使折半した額です。40 歳以上 65 歳未満の方は介護保険料率も加算されます。料率は保険者ごとに異なります。
毎年 4 月 1 日にリセットされます。年度は 4 月 1 日から翌年 3 月 31 日までで、累計はその期間内でのみ通算されます。3 月と 4 月の支給日 1 日違いで年度が変わります。
賞与支給日から 5 日以内が原則です(健康保険法施行規則)。上限到達で保険料が発生しない月でも、年度累計を管理するため届出自体は必要とされています。
40 歳以上 65 歳未満の介護保険第 2 号被保険者は、健康保険料と併せて介護保険料も標準賞与額を基礎に徴収されます。40 歳到達月から対象になります。
健康保険の標準賞与額は年金額に反映されません。年金額に反映されるのは厚生年金保険の標準賞与額(1 回 150 万円上限)です。同じ賞与でも二つの制度で性質が異なります。
給与から控除された社会保険料は、賞与分も含めて社会保険料控除の対象になります。会社が源泉徴収票に合算して記載するため、通常は追加手続不要です。
産前産後休業・育児休業期間中は保険料が免除される制度があり、賞与も対象となる場合があります。育児休業については期間要件があるため、保険者へ確認が必要です。
あります。年度(4 月 1 日から翌年 3 月 31 日)の標準賞与額の累計が 573 万円に達すると、その月以降の賞与の標準賞与額は零になり、健康保険料はかかりません(本条 1 項)。厚生年金は 1 回 150 万円が上限で単位が違います(厚生年金保険法 24 条の 4)。業界裏話ヒント:上限が効くのは同じ保険者が把握している賞与だけです。年度中に転職すると累計は自動で引き継がれないため、本人が保険者へ申出をしない限り、超過分も引かれ続けます
資格喪失日が属する月の保険料は徴収されません(健康保険法 156 条 3 項)。3 月 30 日退職なら喪失は 3 月中なので 3 月支給の賞与は対象外、3 月 31 日退職なら喪失は 4 月 1 日で 3 月分は徴収対象です。業界裏話ヒント:退職日を月末にするか前日にするかで、賞与の保険料の有無が変わります。ただし喪失月の賞与でも支払届の提出は必要で、年度累計には算入される扱いです
逆に上がる可能性があります。年 4 回以上支給されるものは賞与ではなく報酬として扱われ、前年 7 月から当年 6 月までの支給総額の 12 分の 1 が報酬月額に算入されます(健康保険法 3 条の報酬・賞与の定義および行政通達)。年度 573 万円の上限も使えません。業界裏話ヒント:判定は名称ではなく実際の支給回数です。「寸志」「特別手当」と呼び替えても、回数が 4 回になれば報酬に転落します
同一保険者内の管理ミスなら還付の余地がありますが、還付を受ける権利は 2 年で時効消滅します(健康保険法 193 条)。転職をまたぐケースは本人の申出が前提のため、放置すると戻りません。業界裏話ヒント:会社は他社での賞与額を知りません。つまり複数社をまたぐ上限超過は、本人が声を上げない限り誰も気付かない構造です。気付くのは、自分で年度累計を計算している人だけです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 上限の単位 | 健保 45 条:年度累計 573 万円 | — |
| 端数処理 | 賞与額の千円未満を切り捨て | — |
| 給付への反映 | 傷病手当金・出産手当金には不反映(健保 99 条は標準報酬月額基準) | — |
| 回数による判定 | 年 3 回以下の支給が対象(健保 3 条の賞与) | — |
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