要点健康保険法40条は、標準報酬月額を報酬月額に基づき第1級から第50級までの等級区分で定める規定。2項では、最高等級の該当者が1.5%を超える状態が続けば政令で等級を追加できる。
Q · 健康保険料の基礎になる標準報酬月額って、実際の給料そのままの金額ですか?
実際の給料ではなく、50段階の等級に丸めた額で決まります
健康保険法40条により、標準報酬月額は実際の報酬額そのものではなく、報酬月額を第1級58,000円から第50級1,390,000円までの等級区分に当てはめて決定されます。この金額は保険料だけでなく、高額療養費の所得区分、傷病手当金、出産手当金の算定基礎にもなります。さらに同条2項は、毎年3月31日時点で最高等級に該当する被保険者の割合が1.5%を超え、その状態の継続が認められるときは、その年の9月1日から政令で最高等級の上に等級を追加できると定めています。
給与明細に並ぶ健康保険料は、あなたの実際の給料から直接計算されていない。使われるのは50段に区切られた「標準報酬月額」という階段の、あなたが乗っている段の額だ。第1級5万8千円から第50級139万円まで、実額はこの箱のどれかに丸め込まれる。ここで立ち位置が変わる事実が二つある。一つ、この階段は厚生年金(32等級、上限65万円)とは別物で、高収入になるほど健康保険側だけ天井が遠い。二つ、階段の一番上は継ぎ足せる。毎年3月31日時点で最高等級に該当する人が全被保険者の1.5%を超え、その状態が続くと認められれば、その年の9月1日から政令で段を積み増せる(ただし追加後の最高等級該当者が0.5%を下回ってはならない)。同型の規定を持つ厚生年金保険法20条2項は2020年9月に実際に発動し、上限が62万円から65万円へ動いた。あなたの負担の天井は、国会の審議ではなく一つの統計値で上がる。
健康保険法40条の標準報酬月額とは、被保険者の報酬月額を第1級から第50級までの等級区分に当てはめて決定される、保険料と保険給付の算定基礎となる金額をいう。同条2項は、最高等級該当者の割合が1.5%を超える状態が継続すると認められる場合、政令で最高等級の上に等級を追加できると定める。
報酬月額を第1級から第50級までの等級に当てはめて決める、保険料と給付の算定基礎額です。健康保険法40条が根拠で、実際の給与額そのものではありません。
会社から交付される「標準報酬決定通知書」または給与明細の控除額から逆算できます。協会けんぽ加入者は年金事務所、組合健保は健康保険組合に照会できます。
毎年4〜6月の報酬から定時決定され(41条)、9月から翌年8月まで適用されます。固定的賃金が大きく動いた場合は随時改定(43条)で年度途中も変わります。
原則として含まれます。通勤手当、住宅手当、残業代のほか、社宅や食事などの現物給与も報酬に算入されます。所得税の非課税枠とは扱いが異なる点に注意が必要です。
違います。健康保険は50等級・上限139万円、厚生年金は32等級・上限65万円です(厚生年金保険法20条)。高収入層ほど二つの制度の天井の差が効いてきます。
入りません。賞与は標準賞与額として別枠で算定されます(健康保険法45条)。月額と賞与で計算の仕組みも上限も別建てになっています。
3月31日時点で最高等級該当者が被保険者総数の1.5%を超え継続が見込まれると、その年の9月1日から政令で等級を追加できます。ただし追加後の該当者が0.5%を下回ってはなりません。
同じとは限りません。任意継続被保険者の標準報酬月額には平均額による上限がかかります(健康保険法47条)。給与が高かった人ほど退職後は等級が下がる方向に働きます。
本当だ。定時決定(健康保険法41条)で4〜6月に受けた報酬の平均から、9月以降1年間の等級が決まる。業界裏話ヒント:残業代のような非固定的賃金がいくら増えても随時改定(43条)の対象にはならない。だから「残業を4〜6月から外す」調整は効くが、「昇給を7月にずらす」調整は固定的賃金の変動なので3か月後に随時改定で追いつかれる。効く手と効かない手を取り違えている人が多い。
一概には言えない。標準報酬月額は傷病手当金(99条)や出産手当金(102条)の算定基礎でもあり、同じ報酬額が厚生年金の将来の受給額にも直結する。業界裏話ヒント:傷病手当金は支給開始日以前の継続した12か月の標準報酬月額の平均で決まる。直前だけ下げても効かず、長く低い等級だった人は最長1年6か月にわたり低い日額が続く。出産や休職が視野にある時期の等級調整は、後で高くつく。
現在の最高等級は第50級だが、40条2項が上に段を継ぎ足す仕組みを用意している。3月31日時点で最高等級該当者が1.5%を超え、継続が見込まれれば、その年の9月1日から政令で追加できる(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:同型の規定を持つ厚生年金保険法20条2項は2020年9月に実際に発動した。高所得層の負担増は法律改正の報道にならず、政令で静かに進む。
下がるが条件がある。役員報酬の変更は固定的賃金の変動なので随時改定(43条)の対象となり、変動月から3か月の平均が2等級以上動いて初めて4か月目から改定される。業界裏話ヒント:法人税法上の定期同額給与は事業年度開始から3か月以内の改定が原則だ。社会保険料の最適化と損金算入の要件はまったく別のカレンダーで動くので、片方だけ見て決めると必ずもう片方で損をする。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 40条:標準報酬月額そのものの等級区分と上限の枠組み | — |
| 動くきっかけ | 3月31日時点の最高等級該当者比率1.5%超(2項)+政令 | — |
| 誰が動かすか | 厚生労働大臣の立案・政令(社会保障審議会の意見聴取あり) | — |
| 影響が及ぶ範囲 | 保険料、高額療養費区分、傷病手当金・出産手当金の算定基礎すべて | — |
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