要点健康保険法 76 条は、保険医療機関が保険者に請求できる額を、療養の給付に要する費用から一部負担金相当額を控除した額と定め、その支払は保険者の審査を経て行われる。
Q · 窓口で払う三割の残り、七割は誰がどうやって病院に払っているの?
保険者が審査したうえで、残額を医療機関に支払います
健康保険法 76 条 1 項により、保険医療機関・保険薬局が保険者に請求できるのは、療養の給付に要する費用の額から患者が支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した残額です。その費用の額は 2 項により厚生労働大臣が定める算定方法(診療報酬点数表、1 点 10 円)で決まります。4 項で保険者は療養担当規則および診療方針に照らして審査したうえで支払い、5 項でその審査支払事務を社会保険診療報酬支払基金または国保連合会に委託できます。つまり患者の診療記録は病院だけでなく、保険者側にも必ず残っています。
病院の窓口で払う三割。残りの七割がどこを経由して誰の手に渡るのか、その配管図が本条である。医療機関が保険者に請求できるのは、かかった費用の総額から患者が払うべき一部負担金に相当する額を差し引いた残りだけ(一項)。その総額は厚生労働大臣が定める診療報酬点数表で一点十円と決まっている(二項)。しかも請求は素通りしない。保険者は療養担当規則と診療方針に照らして審査した上で支払う(四項)。その審査支払の実務は、ほぼすべて社会保険診療報酬支払基金か国保連合会に委託されている(五項)。ここから何が導かれるか。あなたが受けた診療の記録、すなわちレセプトは、病院だけでなく、あなたの健康保険組合や協会けんぽ、市町村国保の側にも必ず保管されているということだ。病院にカルテ開示を渋られても、情報のルートはもう一本ある。
健康保険法 76 条は、療養の給付に係る費用の支払関係を定める規定である。保険医療機関等が保険者に請求できる額は、療養の給付に要する費用の額から被保険者が支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とされ、その費用の額は厚生労働大臣が定める算定方法により決定される。保険者は審査の上で支払い、当該事務を支払基金または国保連合会に委託することができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保険医療機関が提供した医療サービスの対価として、保険者から支払われる費用です。健康保険法 76 条 2 項により厚生労働大臣が定める算定方法で額が決まり、患者の一部負担金を控除した残額が医療機関に支払われます。
医療機関が保険者に費用を請求するために月単位で作成する診療報酬明細書です。76 条 4 項の審査と 5 項の支払委託を経て処理され、審査支払機関と保険者の双方に記録が残ります。
76 条 5 項に基づき、保険者から委託を受けてレセプトの審査と診療報酬の支払事務を担う機関です。社会保険診療報酬支払基金法による特別民間法人であり、行政機関ではありません。
保険者ごとに異なりますが、年 1 回から数回、確定申告時期に合わせて送付されるのが一般的です。76 条 5 項で処理されたレセプトデータを基に作成されます。最新の送付時期は加入先の保険者にご確認ください。
加入している保険者(健保組合・協会けんぽ・市町村国保)に対し、個人情報保護法に基づく本人開示請求を行えます。76 条 4 項の審査のために保険者が保有している記録であるため、病院を経由せずに入手できます。
健康保険法に固有の時効規定はなく、実務では民法 166 条 1 項 1 号の債権一般(権利を行使できることを知った時から 5 年)によります。請求の具体的な手続は 76 条 6 項の厚生労働省令が定めます。
あります。76 条 4 項は、70 条 1 項・72 条 1 項の厚生労働省令および算定基準に照らして審査した上で支払うと定めており、形式不備なら返戻、内容が認められなければ査定(減点)となります。
同じです。76 条 1 項は「保険医療機関又は保険薬局」と並記しており、薬局も同一の控除構造・算定基準・審査支払ルートに服します。窓口で払う一部負担金を除いた残額を保険者が支払います。
本条二項で厚生労働大臣が定める診療報酬点数表の点数です。一点十円で換算され、その総額の三割などを窓口で払い、残りを保険者が本条一項で医療機関に支払います。業界裏話ヒント:点数の内訳がわかる明細書は、療養担当規則五条の二により原則として無償で交付する義務があります。窓口で「明細書もください」と言えば、実施された検査や投薬が項目単位で出てくる。領収書だけ受け取って帰る人がほとんどですが、後でレセプトと突き合わせられるのは明細書を持っている人だけです
保険者です。本条四項で審査し五項で支払っているのは保険者側であり、不正が確認されれば返還請求と指導監査、悪質なら保険医療機関の指定取消(健康保険法八十条)まで進みます。業界裏話ヒント:漠然と「おかしい」と言っても動きません。日付、医療機関名、項目名を特定して、明細書のコピーを添えて書面で出す。この形にすると保険者は照会をかけざるを得ず、患者個人が受付で抗議するのとは相手の反応がまるで違います
保険外併用療養費(健康保険法八十六条)として厚生労働大臣が認めた枠、たとえば先進医療や選定療養に入っていなければ、いわゆる混合診療として、その診療全体が保険給付の対象外になりうるとされています。最高裁も平成二十三年十月二十五日判決でこの原則を是認しました。業界裏話ヒント:分かれ目は「その自費部分が保険外併用療養費の対象か」の一点。医師にその言葉のまま聞けるかどうかで、その日の支払額が数万円変わることがあります
いいえ、本条五項で審査支払を委託された支払基金または国保連合会の審査委員会に再審査請求ができます。実務の目安は増減点連絡を受けた月の翌月から六か月以内です(最新の取扱いをご確認ください)。業界裏話ヒント:覆るかどうかは症状詳記の有無でほぼ決まります。査定されてからカルテを補うのは通用しない。査定されやすい項目は事前に分かっているので、最初から詳記を添える医院と、査定されてから騒ぐ医院とで、年間の収支が数百万円単位で変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律している対象 | 76 条:保険者から医療機関への費用の支払・審査(お金の出口) | — |
| 当事者 | 保険者 ⇄ 保険医療機関・保険薬局(+委託先の支払基金・国保連合会) | — |
| 金額の決まり方 | 厚生労働大臣が定める算定方法(点数表、1 点 10 円)から一部負担金相当額を控除 | — |
| 違反・逸脱のサンクション | 審査による返戻・査定(4 項)、不正なら 80 条の指定取消へ | — |
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