要点健康保険法63条は、診察・投薬・処置・在宅療養・入院の五つを療養の給付として定め、食事療養や評価療養、選定療養など五類型を給付の対象外とする規定である。
Q · 健康保険が効く医療と効かない医療は、どこで線が引かれているの?
保険の中と外の境界を定める条文。個室代や先進医療は原則対象外
健康保険法63条1項は、診察、薬剤・治療材料の支給、処置や手術、居宅療養の管理と看護、入院と看護の五つを療養の給付として定めます。2項は食事療養、生活療養、評価療養、患者申出療養、選定療養(差額ベッドなど)を、この給付に含まれないと明記します。ただし評価療養・患者申出療養・選定療養であれば、保険外併用療養費(86条)により診察や検査、入院料といった基礎部分には保険が効き、上乗せ分だけが自費になります。
病院の窓口で払う三割。残りの七割がどこまで面倒を見てくれるのか、その輪郭を描いているのが健康保険法63条である。1項は給付の中身を五つ並べる。診察、薬と治療材料、処置と手術、在宅での療養管理と看護、入院と看護。ここに入るものは現物給付、つまりあなたは現金ではなく医療そのものを受け取る。勝負は2項にある。食事、療養病床の生活療養、先進医療などの評価療養、患者申出療養、差額ベッドを含む選定療養。この五つは「1項の給付に含まれない」と明確に切り離されている。含まれない領域と保険の領域を混ぜて受けると、原則として全部が自費になる(混合診療禁止、最判平成23.10.25)。2項に並ぶ五つは、その原則に法律自身が開けた非常口だ。非常口の存在を知らない患者は、先進医療を勧められた瞬間に「では全額自費ですね」と諦め、知っている患者は保険外併用療養費(86条)の適用可否を確認する。
健康保険法63条は療養の給付の範囲を定める規定であり、1項で診察、薬剤・治療材料の支給、処置・手術、居宅療養管理及び看護、入院及び看護の五種を現物給付として法定する。2項は食事療養、生活療養、評価療養、患者申出療養、選定療養を給付の対象外とし、保険外併用療養費制度の前提を構成する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
健康保険法63条1項が定める現物給付です。診察、薬剤・治療材料、処置・手術、居宅療養の管理と看護、入院と看護の五つが対象で、患者は現金ではなく医療そのものを受け取ります。
63条1項の給付と2項の対象外療養を混ぜて受けると、原則として全体が自費になるためです。最高裁も平成23年10月25日判決でこの取扱いを適法としています。
63条2項の評価療養、患者申出療養、選定療養に該当する場合です。86条により診察・検査・入院料などの基礎部分に保険が効き、上乗せ部分だけが自己負担になります。
63条2項1号の食事療養として療養の給付からは外れます。ただし85条の入院時食事療養費として、標準負担額を除く部分が保険から支給される仕組みになっています。
63条3項は電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法による資格確認を求めています。運用上の代替手段があるため、最新の取扱いを保険者と医療機関にご確認ください。
業務災害・通勤災害は健康保険の療養の給付の対象外で、労働者災害補償保険法13条の療養補償給付に回ります。受付で就業中かを確認されるのはこのためです。
保険給付を受ける権利の消滅時効は2年です(健康保険法193条)。療養費は費用を支払った日の翌日から起算するため、領収書の保管が実務上の生命線になります。
63条3項が対象を限定しています。厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関・保険薬局、保険者が指定した医療機関、健康保険組合が開設する医療機関から自ら選定します。
指定を受けた先進医療なら違う。63条2項3号の評価療養に該当すれば、技術料だけが自費で、診察・検査・投薬・入院料には保険が効く(86条の保険外併用療養費)。指定外の治療を混ぜると全体が自費になる(混合診療禁止、最判平成23.10.25)。業界裏話ヒント:民間医療保険の先進医療特約は、厚生労働大臣が定める先進医療に該当し、かつ実施可能な医療機関で受けた場合しか支払われない。同じ名前の治療でも病院が違えば給付されない
原則として払う必要がない。差額ベッドは63条2項5号の選定療養だが、厚生労働省の通知で、治療上の必要がある場合、病棟管理の都合による場合、同意書に室料の金額が明記され署名がない場合は徴収できないとされている。業界裏話ヒント:すでに支払った後でも返金は求められる。カルテに「大部屋満床のため」と記録が残っていることが多く、その一行が最強の証拠になる
患者申出療養(63条2項4号)である。臨床研究中核病院の開設者の意見書を添えて厚生労働大臣に申し出る(同条4項)。認められれば保険診療と併用でき、認めない場合は理由を付した通知が届く(同条7項)。業界裏話ヒント:審査の目安は前例のない療養で原則6週間、前例があれば原則2週間。まず身近な医療機関から臨床研究中核病院へ相談を上げてもらう経路を早く作った方が、実際の開始日が数週間早まる
全額ではない。療養費(87条)として請求できるが、戻るのは診療報酬点数で計算した保険負担分に限られ、医療機関が自費価格で算定していれば差額は自己負担になる。請求権の時効は2年(193条)。業界裏話ヒント:会計の場で「後日保険証を持参するので保険点数で計算してほしい」と伝えるだけで、多くの医療機関は保険点数ベースの預り金扱いにしてくれる。払った後に頼むより、払う前の一言が効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 給付の形 | 63条:療養の給付(現物給付、窓口で医療そのものを受け取る) | — |
| 使う場面 | 保険医療機関で通常の保険診療を受けるとき | — |
| 自己負担 | 74条の一部負担金(原則3割) | — |
| 落とし穴 | 対象外療養を混ぜると混合診療禁止で全体が自費になる | — |
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