租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。
要点健康保険法62条は、租税その他の公課を保険給付として支給を受けた金品を標準として課することを禁止する。傷病手当金や出産育児一時金は非課税だが、老齢年金は対象外となる。
Q · 休職中にもらう傷病手当金で、来年の税金や保険料は上がりますか?
上がりません。給付そのものは非課税です。
健康保険法62条により、租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することができません。傷病手当金・出産手当金・出産育児一時金・高額療養費・埋葬料は所得税の対象外で、翌年の住民税所得割や国民健康保険料の算定基礎にも算入されません。ただし前年に働いていた期間の給与所得に対する住民税は別枠で課税されます。また同じ社会保険でも老齢年金は、厚生年金保険法41条2項・国民年金法25条により非課税の枠から外されています。
休職して三か月、口座に振り込まれた傷病手当金の額を見て「これ、来年の税金はどうなるんだ」と検索した人は多い。答えは健康保険法62条にある。租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を「標準として」課すことができない。傷病手当金も出産手当金も出産育児一時金も埋葬料も高額療養費も、所得税の対象にならず、住民税の所得割の計算にも入らず、国民健康保険料の算定基礎にもならない。ここで本当に効いてくるのは、これらが税法上の「合計所得金額」に入らないという事実だ。あなたが休職中に傷病手当金だけで暮らしていれば、税法上の所得はゼロ扱いになり、配偶者の配偶者控除や扶養控除の対象にもなれる。一方、同じ社会保険の給付でも老齢年金には税金がかかる。厚生年金保険法41条2項が老齢厚生年金を、国民年金法25条が老齢基礎年金を、それぞれ非課税の枠から外しているからだ。非課税は「社会保障だから」という性質で決まるのではなく、条文が一本ずつ決めている。
健康保険法62条は公課の禁止を定める規定であり、租税その他の公課を、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することを禁止する。傷病手当金や出産育児一時金などの保険給付は、所得税・住民税の課税標準に算入されず、保険料その他の公課の算定基礎からも除外される。給付額が本来もつ生活保障機能を実質的に維持するための、課税上の特則である。
租税その他の公課を、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することを禁止する規定です。傷病手当金や出産育児一時金などの給付は、所得税・住民税の課税標準にも保険料の算定基礎にも入りません。
給付分では上がりません。62条により住民税所得割の課税標準に算入されないためです。ただし休職前に働いていた期間の給与所得には翌年6月から住民税が課され、これは別枠の話になります。
影響しません。非課税所得なので税法上の合計所得金額に含まれず、配偶者控除・配偶者特別控除や扶養親族の判定でも収入として数えません。年末調整の収入欄には記載しないのが正解です。
かかりません。62条の保険給付にあたるため非課税です。ただし医療費控除を使う場合は、保険金などで補填される金額として、対応する医療費から差し引く必要があります(所得税法73条)。
健康保険法62条により公課を課すことができないため、所得税の課税対象にはなりません。相続税の取扱いは支給の性質や受取人によって異なるため、高額な精算を伴う場合は税理士に確認してください。
厚生年金保険法41条2項と国民年金法25条が、老齢を支給事由とする給付を公課禁止の対象から明文で除外しているためです。代わりに公的年金等控除という別の緩和装置が用意されています。
入りません。62条の公課には保険料も含まれるため算定基礎から除外されます。国保料は前年の課税所得を基礎に計算されるので、給付だけで暮らした年は翌年度の保険料が下がります。
国税・地方税に加え、国民健康保険料や介護保険料など、公の負担として強制的に徴収される金銭を広く含みます。射程が所得税だけでない点が、この条文の実務的な効き目です。
傷病手当金自体は非課税なので申告義務は生じません(健康保険法62条)。ただし休職で年の途中から給与が止まると年末調整を受けられず、源泉徴収されたままの税金が戻らないことがあります。業界裏話ヒント:この還付申告は5年さかのぼれます(国税通則法23条)。会社は「うちは年末調整済み」としか言わないので、休職者本人が源泉徴収票を見て動かない限り、数万円から十数万円が国庫に置き去りになる
非課税(62条)と、医療費控除における補填金の控除(所得税法73条)は別のルールだからです。医療費控除は自己が実質負担した額への控除なので、補填された分は差し引きます。業界裏話ヒント:差し引くのはその出産にかかった費用からだけで、一時金が出産費用を上回っても余りを他の医療費から引く必要はない。ここを全体から引いてしまい、控除額を自分で削っている申告が非常に多い
給付を受ける権利そのものは譲渡・担保・差押えが禁止され(健康保険法61条)、給付を課税標準とする課税も禁止されます(62条)。ただし振り込まれた後の預金債権は原則として差押え可能です。業界裏話ヒント:振込日を狙い撃ちした差押えを違法とした裁判例がある(広島高裁松江支部 平成25.11.27、児童手当の事案)。差押えを受けたら振込日との時間差と口座の原資構成を記録し、換価の猶予(国税徴収法151条の2)の申請とセットで交渉する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 健康保険法62条:給付を課税・公課の標準とすること自体を禁止 | — |
| 効いてくる場面 | 年末調整・確定申告・住民税所得割・国保料や介護保険料の算定 | — |
| 限界・例外 | 前年の給与所得への課税は防げない。着金後の預金の扱いは別問題 | — |
| 税法上の連動効果 | 合計所得金額に不算入。配偶者控除・扶養判定・非課税世帯判定に波及 | — |
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