要点健康保険法 98 条は、資格喪失後に日雇特例被保険者となった者について、喪失時に現に受けていた療養に係る傷病の給付を従前の保険者が継続すると定める。期間は資格喪失日から 6 か月。
Q · 会社を辞めて日雇いに移ったら、通院中の治療はどうなりますか?
辞めた時点で治療中の傷病だけ、前の保険が 6 か月見ます
健康保険法 98 条により、資格を喪失して日雇特例被保険者又はその被扶養者となった人は、資格喪失の際に現に受けていた療養に係る疾病・負傷と、そこから発した疾病について、従前の保険者から療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費を引き続き受けられます。ただし退職後に発症した別の傷病は対象外で、資格喪失日から 6 か月の経過、日雇側での給付開始、他の医療保険への加入のいずれかで打ち切られます(2 項各号)。
会社を辞めた翌日から日雇いの現場に入った。健康保険証は返してしまった。その時点であなたが入院中だったり、通院治療の途中だったりしたらどうなるか。健康保険法 98 条は、その空白を塞ぐために存在する。資格を喪失し、かつ日雇特例被保険者(またはその被扶養者)になった人が、喪失時点で療養の給付や入院時食事療養費に係る療養などを受けていた場合、その病気・ケガとそこから発生した病気については、辞めた会社の保険者から引き続き給付を受けられる。ポイントは三つ。第一に、対象は「喪失時に現に受けていた傷病」に限られる。辞めた後に発症した別の病気は一切対象外だ。第二に、期限は資格喪失日から起算して 6 か月。第三に、日雇特例被保険者側で給付を受けられるようになった時点、あるいは他の医療保険に入った時点で打ち切られる。あなたが知っておくべきは、この制度が「申請すれば使える」ではなく「要件を満たせば法律上受けられる」ものだという点だ。
健康保険法 98 条は、資格喪失後の継続給付のうち、日雇特例被保険者又はその被扶養者となった者に関する規定である。資格喪失の際に現に受けていた療養に係る疾病・負傷及びこれにより発した疾病に限り、従前の保険者が療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費及び移送費を支給する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
健康保険の資格を失った後も、一定の要件のもとで従前の保険者から給付を受けられる制度です。健康保険法 98 条は日雇特例被保険者となった場合の療養の給付等を定めています。
資格喪失日から起算して 6 か月を経過したときに終了します(2 項 3 号)。それ以前でも、日雇側で給付を受けられるようになった時点や、他の医療保険の被保険者等になった時点で打ち切られます。
建設現場などで日々雇い入れられる者や 2 か月以内の期間を定めて使用される者など、健康保険法 3 条 2 項の日雇労働者に該当し、適用事業所に使用される人です。手帳に印紙保険料が貼付されます。
対象外です。本条が守るのは「資格喪失の際に現に受けていた療養」に係る疾病・負傷と、これにより発した疾病だけです。退職後に新たに発症した別傷病は、日雇側または他制度で対応します。
要件を満たせば法律上受けられる給付ですが、実務では従前の保険者に資格喪失後も療養を継続している事実を届け出て確認を受けます。医療機関の窓口処理のため、事前に保険者へ連絡してください。
退職日ではなく「被保険者の資格を喪失した日」から起算します(2 項 3 号)。健康保険の資格喪失日は原則として退職日の翌日なので、1 日ずれます。月をまたぐ治療計画では差が出ます。
対象です。1 項は療養の給付のほか、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費の支給を明示しています。転院搬送費用も要件を満たせば請求できます。
あります。2 項各号の打ち切り事由に該当した日以後の給付は本来受けられないため、日雇側の給付開始や国民健康保険加入に気付かず受給し続けると、保険者から返還請求を受ける可能性があります。
資格喪失の際に現に受けていた療養の対象傷病と、そこから発した疾病だけである(本条 1 項)。療養の給付のほか、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費が対象になる。業界裏話ヒント:『そこから発した疾病』の範囲は、医学的因果関係の書き方次第で広がる。主治医の診療情報提供書に元傷病との関連が明記されているかどうかで、保険者の判断が変わることがある
選べない。次章(日雇特例被保険者関係)の規定で療養の給付や家族療養費等を受けられるようになった時点で、本条の給付は行われなくなる(2 項 1 号)。特別療養費や移送費を受けられる間も同様に行われない(3 項)。業界裏話ヒント:日雇側の給付は印紙保険料の納付日数要件を満たして初めて発生する。手帳への印紙貼付状況を自分で確認する習慣がないと、いつ切り替わったか本人が分からないまま重複請求になる
介護保険法の規定で相当する給付を受けられる場合には、本条による療養の給付等は行われない(4 項)。一方で、資格喪失時に介護保険の指定居宅サービス等のうち療養に相当するものを受けていたことは、本条の入口要件になる(1 項)。業界裏話ヒント:入口では介護サービスの受給が要件を満たす方向に働き、出口では介護保険給付が健康保険給付を排除する。同じ介護保険が入口と出口で逆向きに作用する構造は、ケアマネジャーでも説明できる人は少ない
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|---|---|---|
| 守っているもの | 健保法 98 条:日雇特例被保険者へ移った人の「療養」の継続 | — |
| 適用の入口要件 | 資格喪失 + 日雇特例被保険者(又はその被扶養者)となる + 喪失時に現に療養を受けている | — |
| 対象範囲 | 喪失時に受けていた疾病・負傷及びこれにより発した疾病に限定 | — |
| 終了・打ち切り | 日雇側の給付開始/他制度の被保険者等となる/資格喪失日から 6 か月経過(2 項各号) | — |
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