要点健康保険法 100 条は、被保険者の死亡時に生計を維持されていた埋葬実施者へ埋葬料 5 万円を支給し、該当者がない場合は現に埋葬した者へ実費を同額の範囲で支給すると定める。
Q · 会社員だった家族が亡くなったら、健康保険から葬式代は出ますか?
生計を維持されていた遺族が埋葬すれば一律 5 万円が支給されます
健康保険法 100 条 1 項により、被保険者が死亡したとき、その者により生計を維持していた者であって埋葬を行う者に、政令で定める額(現行 5 万円、健康保険法施行令 35 条)が埋葬料として支給されます。該当者がいない場合は、同条 2 項により、現に埋葬を行った者が埋葬に要した費用の実費を 5 万円の範囲で受け取れます。いずれも申請しなければ支給されず、権利は 2 年で時効消滅します(同法 193 条)。業務上・通勤災害による死亡の場合は労災保険の葬祭料が優先します。
父が亡くなった週、あなたは葬儀社と役所と銀行を回って疲れ果てている。そのどの窓口にも「健康保険から5万円が出ますよ」と言ってくれる人はいない。健康保険法100条1項は、被保険者が死亡したとき、その者により生計を維持していた者であって埋葬を行う者に対し、政令で定める金額(現行5万円、健康保険法施行令35条)を支給すると定める。ここで多くの遺族が自分を対象外だと思い込む。「生計を維持していた」は、健康保険の被扶養者として登録されていることも、同居していることも要件ではない。仕送りを受けていた、家賃を出してもらっていた、その実態があれば足りる。さらに2項が効いてくる。生計維持関係にある人が一人もいなくても、実際に埋葬した者(きょうだい、友人、家主、勤務先の会社)が、埋葬にかかった費用を5万円の範囲で受け取れる。申請しなければ1円も動かず、2年で権利そのものが消える(同法193条)。
健康保険法 100 条は埋葬料および埋葬費を定める規定であり、被保険者の死亡を保険事故として、生計維持関係にあった埋葬実施者に対し政令で定める定額(現行 5 万円)を支給し、該当者がない場合には現に埋葬を行った者に対し埋葬に要した費用を同額の範囲で支給する二層構造をとる。健康保険の被扶養者としての登録や同居は要件とされない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
権利は 2 年で時効消滅します(健康保険法 193 条)。起算点は 1 項の埋葬料が死亡した日の翌日、2 項の埋葬費が埋葬を行った日の翌日です。知らなかったことによる救済制度はありません。
埋葬料(費)支給申請書のほか、死亡を証明する書類(埋葬許可証や火葬許可証の写し、死亡診断書の写し等)が必要です。埋葬費で請求する場合は埋葬に要した費用の領収書と明細が加わります。
1 項の埋葬料は生計を維持されていた埋葬実施者への定額給付で領収書は不要です。2 項の埋葬費は生計維持関係を問わず、現に埋葬した者への実費補填で、5 万円が上限になります。
請求できる余地があります。100 条 1 項は戸籍上の身分ではなく生計維持の実態を基準とするため、婚姻届のないパートナーでも同一生計であったことを示せば認定されうる点が相続との大きな違いです。
生計維持関係にある遺族がいなければ、現に埋葬を行った者として法人でも 2 項の埋葬費を請求できます。会社名義の領収書と支払記録を保管し、火葬料等の費目を明確に区分しておく必要があります。
業務上または通勤による死亡は労災保険の葬祭料(労働者災害補償保険法 17 条)が対応し、健康保険の埋葬料は支給されません。窓口を取り違えると書類を抱えて数か月往復することになります。
加入していた保険者、すなわち協会けんぽの都道府県支部または勤務先の健康保険組合です。事業主証明欄がある様式では会社の記入が必要で、組合によっては会社経由でしか申請書が回りません。
資格喪失日後 3 か月以内の死亡であれば埋葬料が支給されます(健康保険法 105 条)。傷病手当金等の継続給付を受けていた人は、その給付終了後 3 か月以内の死亡も対象になります。
被保険者に生計を維持されていた遺族が埋葬を行う場合は、実際の出費と無関係に一律5万円である(健康保険法100条1項、同法施行令35条)。該当者がいないときは、埋葬した人が実費を5万円の範囲で受け取る(同条2項)。業界裏話ヒント:1項は定額なので領収書が不要で、葬儀費用が3万円で済んでも5万円全額が出る。2項は実費上限である。どちらの枠で申請するかで手取りが変わる。
可能性は十分ある。100条1項の「生計を維持していた者」は、健康保険の被扶養者として登録されていることを要件としない。生活費の一部を仕送りしてもらっていた、家賃を負担してもらっていた、そうした実態で足りる。業界裏話ヒント:認定するのは協会けんぽや健康保険組合の担当者で、通帳の振込履歴が最も強い証拠になる。口座を解約する前に、生前の入金記録を印刷しておく。
資格喪失日後3か月以内の死亡であれば、埋葬料は支給される(健康保険法105条)。傷病手当金などの継続給付を受けていた人は、その給付終了後3か月以内の死亡も対象になる。業界裏話ヒント:退職して国民健康保険に入り直した直後の死亡では、この3か月ルールを知らずに国保の葬祭費だけ申請する遺族が多い。どちらの給付対象になるかは実務上、市町村と旧保険者の双方に確認しないと分からない。
別制度である。国民健康保険は葬祭費(国民健康保険法58条)で、法律上は任意給付にあたり、額は市町村の条例で決まる。東京23区は7万円、1万円台の自治体もある(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:住んでいる市町村が違うだけで数万円の差が出る。額の差は誰も教えてくれず、申請しなければゼロのままである点は健康保険と同じである。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 受給できる人 | 100 条 1 項(埋葬料):被保険者に生計を維持されていた者で、埋葬を行う者 | — |
| 金額の性質 | 定額 5 万円(健康保険法施行令 35 条)。実費が少なくても満額 | — |
| 領収書の要否 | 不要(実際の出費と無関係) | — |
| 2 年時効の起算点 | 死亡した日の翌日(健康保険法 193 条) | — |
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