要点健康保険法 189 条は、資格・標準報酬・保険給付の処分に不服がある者は社会保険審査官へ審査請求でき、決定に不服なら社会保険審査会へ再審査請求できると定める。
Q · 傷病手当金が不支給になったんですが、いきなり裁判を起こせますか?
できません。まず社会保険審査官へ審査請求します
健康保険法 189 条 1 項により、資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服がある者は、まず社会保険審査官に審査請求をします。その決定に不服があれば社会保険審査会へ再審査請求できます。取消訴訟は審査官の決定を経た後でなければ提起できません(192 条)。審査請求の期間は処分があったことを知った日の翌日から三か月以内です。二月以内に決定がないときは棄却されたものとみなして次の段階へ進めます(189 条 2 項)。
保険証の資格を切られた、標準報酬が実態とずれた等級で決められた、傷病手当金が不支給になった。この種の処分に納得がいかないとき、いきなり裁判所へ行っても訴えは却下される。健康保険法は、まず社会保険審査官への審査請求、次に社会保険審査会への再審査請求という二段の道筋を用意し、そのうち審査請求を経ることを訴訟の条件にしている(192条)。ただしこの条文の本当の急所は4項にある。資格や標準報酬に関する処分がいったん確定してしまうと、後から傷病手当金の額がおかしいと争う場面で、標準報酬が間違っていたという理由をもう持ち出せない。会社から渡された一枚の決定通知を放置した時点で、数年後の給付額まで固定されている。
健康保険法 189 条は、健康保険に関する処分の不服申立手続を定める規定である。被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分について社会保険審査官への審査請求と社会保険審査会への再審査請求の二段階を置き、審査請求から二月以内に決定がない場合の棄却擬制、審査請求等の時効完成猶予及び更新の効力、確定処分に係る不服理由の遮断を併せて規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
地方厚生局に置かれ、健康保険や厚生年金の処分に対する審査請求を審理する行政機関です。健康保険法 189 条 1 項の第一段階の窓口で、資格・標準報酬・保険給付の処分を扱います。
処分があったことを知った日の翌日から起算して三か月以内です(社会保険審査官及び社会保険審査会法 4 条)。この期間を過ぎると、処分の内容がどれほど不当でも入口が閉じます。
できます。傷病手当金の支給決定は保険給付に関する処分にあたり、健康保険法 189 条 1 項により社会保険審査官へ審査請求できます。不支給通知の日付から期間が進行します。
原則できません。健康保険法 192 条により、審査請求に対する社会保険審査官の決定を経なければ処分の取消訴訟を提起できません。訴状より先に審査請求書を出す必要があります。
標準報酬に関する処分として、社会保険審査官へ審査請求します。放置して確定すると、後に給付額を争う際にその誤りを不服理由にできなくなります(189 条 4 項)。
社会保険審査会(厚生労働省に置かれる合議制機関)に対して行います。審査官の決定書謄本が送付された日の翌日から二か月以内が期限です。
いいえ。保険料等の賦課・徴収に関する処分は健康保険法 190 条により、社会保険審査会に対して直接審査請求します。窓口も段数も 189 条とは別系統です。
消えません。審査請求と再審査請求は時効の完成猶予及び更新について裁判上の請求とみなされます(189 条 3 項)。争っている間は 193 条の二年時効が進行しません。
審査請求も再審査請求も手数料は無料で、本人だけで提出できる(本条1項)。代理を頼むなら弁護士のほか、社会保険労務士も事務代理として審査請求を扱える。業界裏話ヒント:審査請求書の「不服の理由」は後から補充書で追加できる。期間が迫っているなら、理由を一行でも先に出して入口を確保するほうが、完璧な書面を作り込んで三か月を過ぎるより圧倒的に強い。
待つ必要はない。審査請求の日から二か月たっても決定がなければ、棄却されたものとみなして再審査請求や取消訴訟へ進める(本条2項)。平成26年(2014年)の行政不服審査法全面改正に伴う整備で再審査請求前置は廃止され、審査官の決定を経れば訴訟を提起できる(192条)。業界裏話ヒント:再審査請求と取消訴訟は並行してよい。審査会の判断を待ちながら出訴期間も守る二正面の構えが取れる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる処分 | 189 条:資格・標準報酬・保険給付に関する処分 | — |
| 最初の申立先 | 社会保険審査官(地方厚生局) | — |
| 段数 | 審査請求 → 再審査請求の二段 | — |
| 遮断効・特則 | 確定した資格・標準報酬の誤りは給付処分の不服理由にできない(4 項)/時効の完成猶予及び更新(3 項) | — |
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